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学生時代からの友人が数人おります。
この歳で「親友」などと称するのは、お互い「こっぱずかしい」(笑)ので、あえて「友」と表現しますが、この年代までの私たちの
付き合いの仕方を、わが家人たちは「羨ましい」と口にします。
付かずでもなく、離れるでもなく、長い空白もあれば、執拗に接近することもあり・・それでも
邂逅すると、いつも同じペースでの話が始まる。しかも、それぞれの伴侶もそれを心得ていて、
隣で会話を楽しんでいたり、自分の世界に入っていたりで、「無理をしない距離」をそれぞれが
知っている・・・と、言います。

もちろん、それぞれに同じ年月生きてきたのですから(同級生ですから当たり前なんですけど
^^)各々にいろんなことはありました。
相談したこともあれば、自分の胸だけに収めたこともあります。
四面楚歌の中で、力を借りたこともありました。
それでも、今まだこうしてつながっていられることの幸せは、月日を重ねるごとに実感してくるものです。(などと、私がこんな殊勝なことを書くと、もうすぐ死ぬんじゃないかとひやかしの電話が入ってきそーな気もするのですが・・・苦笑)


その友人たちと共通する一人に、杉浦真美子(もちろん仮名です。)がいます。
夫の転勤に伴って、全国を転々としていましたが、今は夫が本社勤務に戻ったため首都圏内に娘と息子をまじえて四人で暮らしています。
私とは当然家族ぐるみの付き合いですから、私も彼女の子供たちのことはよく知っていますし
東京でひとり暮らすわが息子がお世話になったこともあります。

その真美子の夫が浮気をしていると私が知ったのは半年前です。
実は、ほかの友人たちはずっと前から知っていたらしいのですが、私に知れると性格からも商売柄も「絶対に離婚しろって言うから、Aには知らせないで」と懇願していたらしいのです。

・・・・・たしかに、その推測は間違っていません(^^;)
この過激な性格ですから、浮気の事実を知りながら、夫と生活をするという現実が、自分に置き換えたとき我慢できるはずがありません。
でも・・でもです。
仕事となればそれは別です。
仕事は仕事ですから、自分がどうのこうのより、依頼者の利益、依頼者のやりたいこと、依頼者の気持ちが最優先ですから、それが自分の意に添わなくても、やらねばならないことは当然です。そして、そのために全力を尽くすことも当たり前です。


ですから、「商売柄」という言葉だけは、除いてもらいたいものだという抗議は、ひとまず心に呑みこんで、友人から真美子の実情、友人たちの意見、真美子との対応を聞き出しました。

正直、みんな「お手上げ状態」・・・・のようです。

なにしろ、真美子の夫、杉浦氏は浮気を隠していません。
真美子に公言していますし、真美子自身、相手の女と話もしているし、メールを送ったこともあると言うのです。
そして杉浦氏は「お前のことも愛している。でも、彼女も好きだ。別れるなんてことは考えてない。」と言い放ちます。
事実、杉浦氏は体の弱い真美子に代わって、炊事や洗濯、高校生の息子の弁当まで作ってくれるそうです。
真美子は経済的にも、精神的にも、体力的にも、夫と別れたら自分は生きていけないと訴えます。自分が健康で元気にバリバリ働けるなら、離婚も考えるけど体はこんなだし、娘は未婚で
仕事してないし、来年受験の息子のこと考えると、離婚はできないと泣きます。

そして夫に愛してると言われていることにすがっているのです。
でも、夫は「お前のことも・・」と、言っているのです。「お前を」ではないのです。
妻と同列に別に愛する女がいると妻に告げる夫がおりますか?

私はこの仕事に就いて以来「すべての男は浮気をする」と、認識しています。
自発的でないにせよ、そういう状況が揃ったら、浮気しない男はいないと思います
それをセーブするのは、今までの妻との生活の重みと、家族愛と、社会人としての今までの評価、世間の目・・・・などではないかと思うのです。

だから・・・だからせめて
もしも、浮気をしたなら、「絶対に妻にばれないように浮気して、ばれないうちに終わらせる」これが夫としての愛ではないかと思うのです。


それを、ぬけぬけと「お前も、女も好きだ」なんて告白するなんて、男として、夫として最低のランクですね。
しかも、愚かなことに、真美子は相手女に、別れてくださいとメールを打って、女から
「私が決めることではありません。杉浦様と話し合って決めたことです。ご夫婦の話し合いがないようですが、わたしがその時間を作るお手伝いをしましょうか?」などという、呆れ果てた
傲慢な返信を受けているのです。
もちろん、私は「余計なお世話です」と返しなさいと、言うに決まっているじゃないですか。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・真美子のことを
仕事として考えることは簡単です。
でも、この仕事に携わる者として、できれば公私混同はしたくない・・・というのがホンネです。
この仕事に就くものの多くは、大抵が同じ気持ちです。

結果が出たときに、愛憎と、感情と、真情がもろに出てしまうことが判っているだけに、自分をその外に置きたいのです。
でも、友人や身内の場合は、そうはいきません。自分が手がけてしまった以上、外から見ている
訳にはいかないのです。

自社の仕事能力を知っているだけに、証拠写真を真美子に見せたときの彼女の反応が容易に想像できて、私は怯みます。

今更ながら思うことは、真美子は私たちの中で、一番冷静で沈着な性格だったのです。
今はそのよすがはありません。
結婚以来、夫と子供だけの世界の中で、自分の立場や権利を見失ってしまったのでしょうか。
それとも、夫が彼女に目隠しをしてしまったのでしょうか。

by sala729 | 2007-07-24 10:48

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