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バラバラと大きな音をたてて落ちてくる雨粒は、時と共に大きくなり、高速道路を走り抜ける大型車の跳ね上げたたまり水が、ばしゃっとフロントガラスに広がり、一瞬の視界を遮ってしまうのも困ったものです。

立ち寄ったPAで、まず携帯を確認して、着信記録をスクロールしてみます。
そこに並んでいる名前は・・・水木好江、水木好江、水木好江、水木好江、水木好江・・・
昨夜から数えると、17回です。・・・・・ふぅぅ、これってある種のストーカー?(笑)


水木好江さんは39才。バツイチで16才の長女と、実母と三人で実家で暮らしています。
最初の結婚相手の夫は、お酒に溺れ借金を重ねて離婚。
次に付き合った男性は、好江さんからお金を巻き上げるだけ巻き上げて、行方をくらましました。最近になって、自分の故郷でもあるこの土地に、男は別の女とふらりと舞い戻っているよう
です。街中で何度かすれ違っているようです。
この男には総額で1000万ぐらいは巻き上げられていると言いますが、借用書があるでなく
街ですれ違って、請求するでなく、「困った、困った」を連発する好江さんも相当の「困ったちゃん」ではあるのです・・・。

今、好江さんは恋をしています。
相手は関連会社の人ですが、彼には妻子があります。
もちろん、好江さんはそのことを知っています。
彼はバツイチで、「テレクラ」で知り合った女が妊娠してしまったので、結婚したと今の奥さんのことを好江さんに話ていました。
彼ー大森さんはギャンブル大好き人間で、競輪・競馬・競艇・パチンコ・スロット・なんでもOKです。そして大森さんの妻も、ギャンブル好きというのです。
妻が仕事に出て、子守を押し付けられた日、彼は子供を好江さんのところに連れてきます。
そして、自分はギャンブルに浸るのです。
そのほかにも、大森さんは妻の誕生日ケーキを好江さんに買いに行かせたり、家族で行くディズニーランドのチケットを好江さんに予約させたりしています。

・・・・・そう、ようは「都合のいい女」なのです。大森さんにとって好江さんは・・・・。
煩わしいことや、手間隙かかるようなことは、なんでも押し付けておいたら、なんやかや言いながらも、好江さんはやってくれます。
喧嘩して罵り合っても
先に謝ってくるのは好江さんです。
彼にしたら、自分がいるときだけ、そのときだけの「女」なのですから、これほど使い勝手のいい女はいないでしょう。


そして、好江さんはそれでもいいと言います。
それでも、彼が好きだと・・・・目を潤ませて言うのです。


その好江さんが求めているのは「大森夫妻の離婚」です。
離婚さえすれば、何か自分に開ける道はあると好江さんは思い詰めています。
「私が願っていることは悪いことですよね。」と、潤んだ目で私に答えを求めてきます。

悪いことかどうかと聞かれたら・・・・道義的にはもちろん悪いことでしょう。
でも、心の中で密に求めることを、誰が責められますか?
「離婚させよう」というのではないのです。
「離婚できる理由を捜そうというのです」
これを、詭弁というなら、言ってください。好江さんの気持ちをどう整理をつけるか・・・・
それを考えたら、一歩踏み込むしかないのではないかと思います。


でも、好江さんは、これでもかというほど「ネガティブ思考型」です。
ひとつの事象が起こるたびに、彼女は「もうだめです」
「彼はもう私のことなんてどうでもいいんです。」と、泣きながらに電話してきます。

「大丈夫。彼にとってあなたは利用価値の高い女なんだから、そんなにオドオドしないで、自分の言い分を主張しなさいよ。」と私が言うと・・
「私って利用価値のあるだけの女なんですか?」とくる。
「そうですよ。それで充分でしょ。今は。利用価値が高いというひとは、彼にとって必要ということなんだから、そういう女でいるってことも、男と女の関係には必要要素のひとつですよ。」


私の言葉のひとつひとつが、氷のようにグサグサと心に刺さるのか、電話口の向こうの好江さんは絶句しています。

妻子ある男性が欲しい・・どうしても欲しい・・・
そう願う烈しい情熱が、この好江さんのどこから沸き起こっているのかが、私にはいまだ判らず
今はまずそれを探し出すことが、楽しみになっているのですが、こんな夜が続くと
18回めのラブコールには、そっと留守番コールを押していたい私です(^^;)

by sala729 | 2007-07-04 16:41

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