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前述の「見直し宣言」以来、切れ切れにしか続いていないこのブログを、見捨てることもなく、覗いてくださる皆様、ありがとうございます。
見直し宣言の間に、いろいろと書き溜めてもきました。
ここに、披露できない話も、とーぜんあります。(そーいう仕事ですから)
でも、本当はそれらがもっともっと面白い話であり、本当の私たちの姿なのです(^^;)
こうしてオープンになる以上、なんらかの制約があることは当然で、今更そのジレンマに・・というのは、ある種、私の言い訳にすぎません。
と、つらつら、更に「言い訳」を書き続けているのも、男らしくなく(・・って私は男ではないのですが・・苦笑)女の風上にも置けなくなったら、居場所がなくなりますので、さりげなく本日のお話に入ろうかとおもいます。。。


実は、先日、8年生活を共にしていましたライオンウサギの「ラン」が永眠いたしました。
異常に全く気付かず、出勤前に床に点々と血の跡がついてるのを見て、爪からの出血かと思い
家人が、かかりつけの動物病院に連れて行きましたところ、もうすでに息はなく、そのまま荼毘に付すこととなりました。

その日のうちに(動物は12時間をすぎると臭気が顕著になるとの獣医さんのお話で)ランは
朱色の小さな骨壷に収まって帰ってまいりました。
8年という月日は決して短いものではないと、聞かされましたが、リビングの一隅に置いてあった
ゲージがなくなり、夜中にバタバタと走り回る物音が聞こえなくなると、なんだか淋しいものです。
翌日のことです。東京・日比谷花壇から高さが1.2メートルはあろうかという白いダンボール箱が送られてきました。差出人は、東京の息子です。
悪戦苦闘して箱を解体すると、それは見事なカサブランカが5本。5つ6つは開花しているものの、大部分を占める蕾は50個近くあります。茶色と白のラッピングにカードが一枚
「誇り高いウサギに・・」・・・(なんてキザ・・)

クリスタルの大ぶりの花瓶に挿して、開花するたびにおしべを切り落とし(花粉対策です)、したたるめしべからの蜜を拭きながら、楽しむこと二週間。それはそれは艶やかな日々でした。
我が家のリビングは二階ですから、階段を登るたびに、むせ返るような花の香がたちこめて
きっとアレルギー体質の方なら、一瞬で悶絶死しそうな濃厚な空気の毎日でした。(^^;)・・
正直、ちょっと閉口しました。ハイ。

ところで、今まで隠しておりましたが息子の他に娘もおります。(・・・別に隠していたわけではないのですが、たんに出番が少なかっただけで、いつも派手な兄の影に隠れた彼女の気の毒な存在感なのですね・・・。)
去年の夏に嫁いだその娘も、もちろんランを可愛がっておりましたが、この兄の派手な「やり方」に、触発されたか、カサブランカが終焉を迎えつつあるころ、「これ、ランちゃんに・・」と、私からせしめたヴィトンのバックをまさぐって出してきたのが、白木の写真立。その中にはランの写真と、自分とランのツーショットの写真が上下にレイアウトされていました。
ちょうど花が散りかけた頃に、半永久的といえる写真立で対抗するなんて、なんたる「対抗心」
・・・・(妹よ、負けてないぜ~
このメラメラと燃える兄妹の対抗心に、私と家人は呆れもしましたが、なかなか面白いぞと野次馬的興味深々・・・と、いうところなのです(笑)


ところが、この二人の競争心に火をつけるというか、我が家にとって、よくない事象は続くもので、ブログにも何回か登場しました、御歳百歳になろうかという愛犬(うちでは愛情こめてババ犬と呼んでおりますが)の体調が、はかばかしくありません。
よくないことは続くという諺もありますが、ランに続いてですから、家人はブルーです。
老犬ですから、以前のように度々シャンプーするということはもうありません。なにしろ全身毛だらけ(当たり前ですが)なので、シャンプーには非常な体力を要するのです。もうシャンプーも簡単にはできません。命がけなのです。(・・・これホントです)

それで気付くのが遅れたのですが、抱っこしてはたと気付くと、胸の真ん中に赤い鶏卵大の腫れ物がありました。
そう・・それはまるで、ウルトラマンのカラータイマーのような色と形をしていました。
もちろんすぐに、かかりつけの、あの「検査大好き」の、前原医師のところに連れて行きました。
そして下された病名が「肥満細胞種」
これは、愛犬家の方は御存知なのですが、いわゆる犬の「癌」です。かなりポピュラーな癌で
いろんな方がブログで体験記をのせていらっしゃいます。
私も今回、それらを参考にさせていただきました。

もちろん、検査魔・前原は手術しかないと言い張ります。
そりゃあ、癌ですから根治するには手術しかないでしょう。
でも・・でもですよ。うちのマリンは百歳なのです。
普通、人間の百歳に癌手術をほいほいと勧めますか?全身麻酔の癌の手術です。私は、ハイハイと承諾する気にはなれませんでした。
もちろん放置しておけば、早暁マリンは死ぬでしょう。でも、手術の痛みや危険を冒してまで得る時間は、今のマリンの年齢からしてもそう多くはないはずです。
それなら、美味しいものを食べさせて、痛い思いもせず、のんびりと時間をすごさせてやるほうが彼女のためではないかと思いました。

家族の意見は真っ二つに分かれました。
しかし、基本的にはマリンの世話をする者の意見を重視しょうということになり、手術に踏み切りました。なんといっても、私以外は皆、あの、検査魔・前原に全幅の信頼を寄せているのですから・・・。
私の最期の抵抗は、セカンドオピニオンを二つ以上で受けること、でした。しかしそれも、なんなくクリア。

そして3日前・・・マリンの手術は無事に終りました。翌日は胸に大きなバンソウ膏を貼り胴体にネットを被せられ、そこだけ見たらダックスフントと見まがうばかりの姿で面会してきました。
案外元気なので一安心です。
でも、前原は言います。
「今、病理検査に出していますから、その結果がでたら抗がん剤治療をします。」
「それは、副作用はもちろんあるんですね?」と私。
「もちろんあります。きついこともありますし、ゆるいこともあります。それは経過を見ながらでないと判りません。どうしますか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんなことは判っているわさっ!・・・・・・・・・・ふん、なによ。その壁のポスターは・・・「愛犬はしゃべれません。内視鏡検査を受けましょう」ですって???
そうよ。しゃべれないから、検査受けたんじゃない。あなたに任せたのよ。それをなに?
「どうしますかって???」なによ。今更。
治療方針に自分で責任持ちなさいよ。さんざん脅しておいて、最期の選択は飼い主になんて、
無責任じゃない?


・・・・ここで家人が一言
「でも、先生の言うとおりしてもしもマリンが死んだら、君は怒るだろう?」
って、あったりまえでしょう。。。
19年一緒だった犬なんだから、大往生とはいえ、そうなったとき、やるせない悲しみを受け止めるのも、獣医の仕事でしょ。
・・・・・・・・医は仁術・・あ、ちがった。。
医は犬術なり

by sala729 | 2007-05-17 15:42

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