人気ブログランキング | 話題のタグを見る
先日来、調査に入っていました晴子さんの長男、直人さんの居場所が判明いたしました。
住所は、判ったものの、ご本人を確認するのに時間がかかって、やっと本人と断定。晴子さんにお知らせしました。

晴子さんは、義母の為の看護人を早急に手配し、お父さんと一緒に現地に向かいました。
現地の調査員が、張り込みを続けている現場には、すでにこちらからもN係長と、K主任が向かっています。
朝一番の飛行機のチケットが取れたと、連絡を受け、現場に通達。
「家出」の場合は、お引渡しするのが一番緊張もし、困難な場面でもあるのです。
居場所が判ったからといって、ドアをトントン・・・で、開けてくれるはずはありません。
ましてや、直人さんのように、相手がいる場合は特に用心しています。
突然の訪問者・・・しかも肉親となれば、まずドアは開けず、籠もってしまうことが殆どです。
そうなったら、もう泥沼のようなながーーい時間との戦いがあったり、通報されて警察、三つ巴だったりで、現場は混乱を極めます。

ですから、こういう場合は、まず彼らの行動を見ておいて、状況をみてご家族をおよびします。
そして、しばらくは一緒に張り込んでいただいて、チャンスを待ってもらいます。

晴子さんも、実家の母が一緒に行きたい・・とのご希望でしたが、暑いさなかでもありますし、
おばあちゃんということを考えたら、健康上の問題もありますので、おひきとめしました。


そして、思ったとおり・・・・
7時間近い時間を待機して、やっと直人さんと対面したものの、彼は「帰らない」と、一言
いったままで、俯いたまま、以後は一言もしゃべりません。
対象者は、突然暴れたり、逃げ出したりすることもありますから、調査員たちは、周囲にも気を配ります。
そして、N係長は、晴子さんと一緒に、直人さんに向き合います。。。

長い、ながーーい、ながーーーーーーい、時間が流れました。。。
連絡を待つ私たちにも、長い時間ですが、炎天下、緊張のままに対峙している調査班は、仕事とはいえ、本当に大変です。

早朝から、張り込み続けて、ご両親を待って、さらに張り込んで、見つけて、話し合いに入って
、ようやく直人さんが「・・・かえる」と言ったのは、日付がとっくに変わって、午前三時もすぎようとしていました。

さてそれから、調査班は、晴子さんとお父さん、直人さんを乗せて、車で自宅までお送りします。晴子さんとお父さんの二人で、直人さんを飛行機は・・無理とN係長が判断しました。


もう、太陽は真上に上がる頃、やっと現場は解放されたようでした。


そして、夕方になって、私の携帯が鳴りました。
晴子さんからです。
「Aさん、ありがとうございました。ほんとにありがとう。Aさんところでお願いしてよかった。ほんとによかったです。」と、開口一番、興奮した口調です。
「いえいえ。そう言っていただけたら嬉しいです。ご子息さんは、今どうですか?」
「ええ。帰ったら、それはそれで納得したみたいで、おじーちゃんにも、ただいまって・・・。おじーちゃんもおばーちゃんも、それはそれは喜びましてね。ほんとにありがとうございます。
調査の人たちも、よくしていただきました。ご飯も食べんと、寝んとね。わたしらには、どうぞどうぞと、言うてくれまして・・・。ほんとに、そちらには足向けて寝れません。」


・・・・・ 嬉しいですっ 
お褒めいただくことは、もちろん嬉しいに決まっていますけれど、現実にこうして言葉で、調査の
現場を労っていただけると、心から嬉しく思います。

直人さんのケースは、まだまだやらなければならないことが残っています。
あの、野崎礼二のことです。このまま放置していたのでは、同じこと繰り返すだ゛けですから
それも、抑止しておかなければなりません。

それでも、晴子さんには、自分のもとに直人さんが戻ってきた・・・・これ以上のことはないのです。
おじーちゃんの前に座って、恥ずかしそうに下を向いた直人さんの姿は、子供のころのままで
それもまた、晴子さんにはなによりなのでした。


調査のみなさま、本当にご苦労様でした。
束の間の「眠り」でしょうが、どうぞ深く、深く、眠りの懐で抱かれていれますように・・・と、祈らずにはおれません。



そして、私は、三日坊主とのそしりを背中に、今日からはじめた「ルームランナー」に、再び向かっていったのでした・・(^^;)

by sala729 | 2006-08-28 11:58

<< 或る女社長の場合    おじーちゃんの受難 >>