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最近は少し滅入っています・・・と、深刻につぶやくほどのことはないのですが(笑)・・。でも正直言って、前向きに頑張ってるわねと、拍手を贈りたいような結末がなかなか迎えられなくて、
知らず知らずにモチベーションが下がっているのかも・・・なんて思ったりする月半ば・・です(笑)

荻原さん(48才・仮名)は、大手進学予備校の講師で学科主任という肩書きがついています。
11年前に夫を亡くして、長男は現在24才。長女は18才になりました。
一年前に大学を終えた長男は、東京で無職のまま日々暮しているそうです。
そして、今年デザイン専門学校に入った長女の聡美さんは、高校1年から交際している
中本君という男友達がおります。

中本君は2年で高校を辞めており、職を転々として今は、派遣のパチンコ店員をしています。
それでも、ふたりの交際を表立ってやめさせることもなく、荻原さんとしては、暖かく見守って
いたつもりだと言います。

その聡美さんが妊娠して、専門学校も独断で退学して、実家に帰ってきました。
さすがに、荻原さんも激情にかられ、中本君を呼びつけ、どう責任を取るかと、問いただしました。
その時の中本君は「自分の子供だから、産んで欲しい。子供は育てます」と、いまどきの若いのに、似合わない責任感を見せたそうです。(すみません・・大多数の若者のみなさん・・話のいきかがり上の表現です。。)

でも、そのときの荻原さんは娘可愛さのあまり
「いいえ。この子は始末しなさい。あなた達はだ若すぎる。無理です」と、宣言していました。
頑なに産んでくれと言い張る中本君に
「あなたのお母さんみたいに産みっぱなしにするくらいなら、産まないほうがまし」・・とまで
言いきったそうです。
・・・・・・中本君の両親はかなり前に離婚しており、それぞれに再婚しています。
父には現妻との間に7才と5才の子供。母は2度の再婚を経て、現在は三番目の男性と未入籍のまま暮しています。・・・・・・とはいえ、荻原さんのこの言葉は、ちょっと酷いです。
荻原さん自身、酷いこと言いましたと、反省はしていましたが・・・。(酷)

産む。産まないを繰り返しているうちに17週に入りました。
そして、そのころ、中本君は新しい派遣先に2週間出張することになりました。

そしてそこから帰って・・彼の態度が急変したのです。
もっとも、その兆候は出張中からありました。聡美さんが何度電話しても彼は一度も出なかったのです。もちろん、こんなことは初めてです。

中本君は帰るとすぐに、聡美さんに「子供を堕してくれ」と告げました。
180度の展開に聡美さんは混乱し、理由を問いただしました。
すると彼は
「愛情がなくなった」と、かってどこやらの横綱が、婚約中の女優に吐き捨てたのと同じせりふを
投げつけたのです。

そして混乱したのは聡美さんだけではありませんでした。
荻原さんも、うろたえ混乱しました。
そして、彼に「なぜ?なぜ?」と問いただしましたが、彼は一切答えません。ただ、愛情がなくなった・・・としか・・・。
そして、荻原さんに向かって開き直ったように
「オレが産んでくれと言ったときは、あんなに堕せと言ったくせに、今更なにを言うつもりなんだ。
堕せと言ったのはあんたなんだぞっ!」と叫びました。

その通りです。中本君の言ってることに間違いはありません。
ただ、そのあとに・・・そのとき堕さないと言い張ったのはあなただけれどもね・・・というせりふを付け加えれば・・・。

中本君の実父と兄という人も、やってきました。
「そちらが堕せと言ったんですよ。弟はそれに従うと言ってるんです。それでいいじゃないですか?」
「でもあの時と、今は子供の大きさが違います。」
「違いませんよ。17週でも22週でも、子供の命はおんなじですよ。」
看護師という兄は、薄ら笑いを浮かべながら言ったそうです。

何度も話し合いましたが、中本君の意志は変りません。
荻原さんは、二人に任せると言って、二人だけで話をさせました。


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聡美さんは彼の言葉を受け入れました。
彼はこう言ったそうです。。。。

オレはもうお前には愛情はない。愛情のある女の妊娠した子なら産んで欲しいけど、愛情のない女の子はいらない。だから、全部フラットにして、友達に戻ろう。そして、それからまた、愛情が
感じられるようになったら恋人になろう・・・・と。
・・・・・・・・聞くだけで、文字に変えるだけで、むかつくような、身勝手な言いぐさでしょう?

でも、これを聡美さんは受け入れたのです。
「私は、中本君がすき。だから待ってる。中本君の言うとおりにして、恋人に戻れる日を待ってる」と言うのだそうです。
そして、荻原さんも、この娘の気持ちを汲んで待っているというのです・・・・。

 あほっ・・

娘のアホさは、若気の至りと言い換えられても、荻原さんの選択は、あまりに愚かです。
恋に恋する娘の目を覚まさせてやらなければならない母親が、熱に浮かれた娘の言葉を
そのまま受け入れてどうするんですっ。


中本君の心変わりがどうしても納得できないと、彼の行動を見たいとは言うものの、荻原さんは
迷いに迷っています。
あろうことか居留守を使う中本君を捜そうと、電話で彼の勤務先のパチンコ店の店長にすべての事情を話して、彼の行動を知ろうとしていました。
これって・・一番マズイ対処です。
案の定、彼から激しいクレームが来ました。プライベートなことなのに、なんで店長に話す必要がある?名誉毀損ですよと開き直っています。
これは・・彼にも一理あるかも。。。


そして3日後・・・・
聡美さんは、入院しました。「処置」のためです。
もう20週を越えていますから、出産と同じ過程を踏みます。
陣痛促進剤を注射して、子宮口を人工的にひろげて、出産させるのです。
これは、本当に聡美さんの心も体も傷つけるでしょう。
母がついていながら、こんなことをさせてはいけません。
そしてもっといけないのは、そんな不実な男の世迷言を信じている娘に、それは嘘だと教えられない母の弱さです。脆さです。

娘を信じることと、守ることは違います。
何度話をしても、何十分話をしても、そのときは「うんうん」というばかりで、なにも進展しない、なにも動こうとはしない荻原さんには、なんの打つ手もありません。
48才の世間知らずの荻原さんは18才の世知に長けた中本君の「敵」ではないのでしょう。
それにしても・・・・・・と、溜息が流れるばかりです。。。。

by sala729 | 2006-06-15 23:31

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