あなたならどーする?
2005年 12月 05日
若くして子供を持った母親というのは、その娘に自分の「若き日」を投影するのでしょうか。それとも、子育てに費やして、失くしてしまった自分の、かがやかしき日々を後悔するのでしょうか。
そんなことを、ふと考えてしまったのが、鈴木さん(41才・仮名)との面談でした。
神経質そうな細面の顔に、プツプツと吹き出物の後が、乾燥した肌に張り付いて、定まらない視線が、初めから落ち着かない印象に感じられました。
私の差し出した名刺にも、チラッと視線を走らせただけで、充分見ようともせず、上目遣いの目線が彼女をさらに暗い印象に仕立て上げているように見えました。
「21才の娘が、付き合っている男がいるんです。」
ぼそりと話し始めた抑揚のない話し振りが、もっと暗く沈んでいきます。
娘の明花さんは、歯科衛生士の補助をしています。その明花さんが、友達の紹介(いわゆる合コンらしいです)で、知り合ったのが、加瀬という男で23才。勤め先は、地元ラジオ局の企画・営業部に勤務していると自己紹介したそうです。
営業部長に特に眼をかけられていて、よく東京出張のお供をしたり、電通や博通にも出入りしていると、さりげなく、でも自慢そうに(笑)言っているらしいです。
明花さんから話を聞いて、鈴木さんは、じゃ彼の名刺もらってきて・・・というと
「いゃあ、最近は悪用されることが多いので、毎日名刺の数を総務に報告しなくちゃならないんだよ。」と、断られ
身分証明書見たことある?と聞けば
「誰かに、詐称されたら困るので、あれは社外持ち出し禁止なんだ」と、しらーっとして言ううです。
そして、数日前、ふたりはデート中に
「ここがボクの実家なんだ」と、連れて行かれたところは、入母屋の立派な日本家屋で、敷坪はゆうに1000坪は超えています。
しかも、彼は「じつは僕の父親は、山○組の直系の加瀬興業の頭なんだ。表向きは、建設業してるけど、ほんとはそういう組の人間なんだよ。」と、明花さんに話したそうなのです。
明花さんはびっくり仰天して、さっそく母親である鈴木さんに話しました。
「わたしも、その男に会ったことはあるんです。ごくふつーの男です。でも、その実家という家はよくよく場所を聞くと、私の知り合いのまた知り合いの親戚の家で、その加瀬とかとはまったく違う家なんですよね。」
・・・・・・・・うんうん。さすがき母親、リサーチは終わってるということですね。・・・・・・・・
「お嬢さんにはそのこと、お話になりましたか?」
「ええ。言いました。娘も男に言いました。そしたら、その男は、いやそうじゃなくて、あの隣に見えた屋根の家が僕の家なんだといいなおしたみたいです。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・明らかに、どーかんがえても、おかしな話ですよね。
しかも、こうなったら、、地元ラジオ局の社員という話すら疑わしくなってきますよね。
「お嬢さんには、疑わしいとお話になりましたか?」
「いーえ。」
「は??。・・・・お話になってない・・・・な、なぜですか?」
「娘だって、馬鹿じゃありませんもの、嘘だとわかったら、付き合いやめますよ。でも、ほんとかうそかは、判らないうちにはなにも動けないでしょ?」
そりゃそーですが、最初の「組云々」の話は、それがほんとでも、嘘でも、親なら絶対反対!・・・ではないのでしょうか??
「ほんとなら、組の人間でもいいと?」
「ええ。そりゃあ仕方ありませんよ。好きになったら、親がなに言っても聞きませんよ。嘘かほんとかだけ知りたいんです。」
「では、ほんとだったらどうなさるんです?」
私は聞かずにはおれませんでした。
「ほんとなら・・・結婚させるしかないでしょ。親が言っても聞きやしませんよ。」
「でも、組関係の人間ですよ。」
「それも、あの子が選んだことです。自分で決めることなんですから・・。私も若くして結婚して、子供生みましたけど、自分で決めたことですもの。」
・・・・・・後悔はしてないって?・・・・・うーむ。そーだろうか。
鈴木さんの場合と明花さんの場合は、「若くして」と、くくるような事ではないと私は思うのですが・・・。
たとえ物分りの悪いわからずやの母と呼ばれようと、止めなければいけないものは止めなければいけないのではないでしょうか?
子供の自主性というのは、こういうときに尊重するものではない・・・と、考える私の思考が、歪んでいるのでしょうか?
「やっぱりやめます。お金払ってまで、するもんじゃないです。」と、脱いだダウンジャケットを掴むと、鈴木さんは店を出て行きました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・私には、到底理解ができません・・・・・・・・
お金払ってまで・・という言葉の真意はどこにあるのでしょう?
娘の将来に・・ということなのでしょうか?
調査自体に・・ということなのでしょうか?
どちらであれば私は、満足なのか。納得できるのかと、尋ねられたら
「どちらでも満足できない」としか、答えようが・・・ありません。。
そんなことを、ふと考えてしまったのが、鈴木さん(41才・仮名)との面談でした。
神経質そうな細面の顔に、プツプツと吹き出物の後が、乾燥した肌に張り付いて、定まらない視線が、初めから落ち着かない印象に感じられました。
私の差し出した名刺にも、チラッと視線を走らせただけで、充分見ようともせず、上目遣いの目線が彼女をさらに暗い印象に仕立て上げているように見えました。
「21才の娘が、付き合っている男がいるんです。」
ぼそりと話し始めた抑揚のない話し振りが、もっと暗く沈んでいきます。
娘の明花さんは、歯科衛生士の補助をしています。その明花さんが、友達の紹介(いわゆる合コンらしいです)で、知り合ったのが、加瀬という男で23才。勤め先は、地元ラジオ局の企画・営業部に勤務していると自己紹介したそうです。
営業部長に特に眼をかけられていて、よく東京出張のお供をしたり、電通や博通にも出入りしていると、さりげなく、でも自慢そうに(笑)言っているらしいです。
明花さんから話を聞いて、鈴木さんは、じゃ彼の名刺もらってきて・・・というと
「いゃあ、最近は悪用されることが多いので、毎日名刺の数を総務に報告しなくちゃならないんだよ。」と、断られ
身分証明書見たことある?と聞けば
「誰かに、詐称されたら困るので、あれは社外持ち出し禁止なんだ」と、しらーっとして言ううです。
そして、数日前、ふたりはデート中に
「ここがボクの実家なんだ」と、連れて行かれたところは、入母屋の立派な日本家屋で、敷坪はゆうに1000坪は超えています。
しかも、彼は「じつは僕の父親は、山○組の直系の加瀬興業の頭なんだ。表向きは、建設業してるけど、ほんとはそういう組の人間なんだよ。」と、明花さんに話したそうなのです。
明花さんはびっくり仰天して、さっそく母親である鈴木さんに話しました。
「わたしも、その男に会ったことはあるんです。ごくふつーの男です。でも、その実家という家はよくよく場所を聞くと、私の知り合いのまた知り合いの親戚の家で、その加瀬とかとはまったく違う家なんですよね。」
・・・・・・・・うんうん。さすがき母親、リサーチは終わってるということですね。・・・・・・・・
「お嬢さんにはそのこと、お話になりましたか?」
「ええ。言いました。娘も男に言いました。そしたら、その男は、いやそうじゃなくて、あの隣に見えた屋根の家が僕の家なんだといいなおしたみたいです。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・明らかに、どーかんがえても、おかしな話ですよね。
しかも、こうなったら、、地元ラジオ局の社員という話すら疑わしくなってきますよね。
「お嬢さんには、疑わしいとお話になりましたか?」
「いーえ。」
「は??。・・・・お話になってない・・・・な、なぜですか?」
「娘だって、馬鹿じゃありませんもの、嘘だとわかったら、付き合いやめますよ。でも、ほんとかうそかは、判らないうちにはなにも動けないでしょ?」
そりゃそーですが、最初の「組云々」の話は、それがほんとでも、嘘でも、親なら絶対反対!・・・ではないのでしょうか??
「ほんとなら、組の人間でもいいと?」
「ええ。そりゃあ仕方ありませんよ。好きになったら、親がなに言っても聞きませんよ。嘘かほんとかだけ知りたいんです。」
「では、ほんとだったらどうなさるんです?」
私は聞かずにはおれませんでした。
「ほんとなら・・・結婚させるしかないでしょ。親が言っても聞きやしませんよ。」
「でも、組関係の人間ですよ。」
「それも、あの子が選んだことです。自分で決めることなんですから・・。私も若くして結婚して、子供生みましたけど、自分で決めたことですもの。」
・・・・・・後悔はしてないって?・・・・・うーむ。そーだろうか。
鈴木さんの場合と明花さんの場合は、「若くして」と、くくるような事ではないと私は思うのですが・・・。
たとえ物分りの悪いわからずやの母と呼ばれようと、止めなければいけないものは止めなければいけないのではないでしょうか?
子供の自主性というのは、こういうときに尊重するものではない・・・と、考える私の思考が、歪んでいるのでしょうか?
「やっぱりやめます。お金払ってまで、するもんじゃないです。」と、脱いだダウンジャケットを掴むと、鈴木さんは店を出て行きました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・私には、到底理解ができません・・・・・・・・
お金払ってまで・・という言葉の真意はどこにあるのでしょう?
娘の将来に・・ということなのでしょうか?
調査自体に・・ということなのでしょうか?
どちらであれば私は、満足なのか。納得できるのかと、尋ねられたら
「どちらでも満足できない」としか、答えようが・・・ありません。。
by sala729 | 2005-12-05 12:41