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なんと、気が付けば一ヶ月もブログをそのままに時間に流されていたようです。
先月は下旬に息子が帰ってきて、なんだかやと言っているうちに9月が終わり、
そのまま10月に入って・・・なんて毎日でしたね。


そんなのんびり日々の中、一昨日はノーベル医学賞の山中先生の快挙に、私の
日本人魂も久しぶりに喜びに震えましたね。
そもそも「ips細胞」については、大分前に小説の中で、お目にかかって
いましたので、理科オンチの私でさえ、なんとかその研究の偉大さのほんの
小さな部分は知っておりました。

すばらしいことです。しかもこの先生の素敵なところは、少しも偉ぶらない。
こんなフレンドリーな病理の先生がいらっしゃるなんて、山崎豊子さんも
「白い巨塔」のキャラ設定をもう一度見直したいと、思っていらっしゃるのでは
などと、余計なことまで考えてしまいました。


病気の少年と微笑みながら並んでいる姿は、本当に美しい。
しかも、山中先生はご自身でも言い、実践しているように研究を独り占めに
しない。
門戸を開いて、いかに実際に役立てるかを実践しているという「現代の赤ひげ
先生」そのもの。
マスコミにちらっと出る、奥様も奥ゆかしくはあるけれど、決して下がりっぱなし
という風でもなく、「家族の支えが・・」と、照れもなく仰る先生が、ますます
素敵に見えました。



・・・・・・・なのに・・・なのにです。

・・・・・・・・・・・・・・・・それなのに、こんなすばらしい快挙なのに、
この私の「へそ曲りの虫」は、やはりまたぞろ、蠢くのです。

でも、この自説はあまりに不謹慎で、嫌味で、見ようによっては悪意さえも
感じられるもの・・・かもしれませんので、あくまで「おババの臍曲がり説」と
笑って捕えてくださる方だけが続けてお読みください。(苦笑)


重ねてお断りしておきますが、私は山中先生には最大限の敬意を表しておりますし、
受賞に関してなんの異存も他意もありません。
また、難病に苦しむ方やご家族に対しても、そのご苦労や困難を揶揄するつもりも
批評家然と見ているつもりもありません。

ただ、純粋な疑問として私の中に芽生えたのです。
(え?・・私の中に芽生えただけでもう、純粋とは言えないって?・・うーん
それはそうかも。。。。)


と、前置きはこれくらいで・・


近い将来、ips細胞が実現化して、自分の細胞で悪い箇所を再生できるように
なったら、人間は死なないのでは・・・・ないでしょうか?
一瞬の衝撃による「即死」というものもあるので、皆無とは言いませんが、
それでも死ぬことは、とても運の悪いこと・・みたいになるのではないでしょうか?

家人は「そんなことないよ。年がいくと手術ができなくなって再生も
できないくなるよ。」と言うのですが、
その前から、悪いところを何度か再生していたら、もとの肉体の一部は90才でも
心臓が弱くて胃癌の手術ができないとしたら、まず心臓から再生して、次に
胃癌・・なんてことができるんじゃないでしょうか?

そうだとしたら、人間は死ななくなりますよね?

それってとても怖ろしい。

今だって出生率が落ちているというのに、今生きている人間が死ななければ
自然の法則に則って、出生率はますます下がります。
でないと地球から人があふれます。
しかも、医学の発達分布から見ると、北半球が年寄りばかりの大陸で
南半球は子供と若者だらけ。・・・なんて現象も出そうな気が・・


人は自分で「死に時」を決めないといけなくなるかもしれません。
今のような、延命治療の果ての死ではなく、元気でいるうちに自分の死を
何歳にするか決めておかなければ、永遠に再生し続けるとしたら・・

こわい。下手なオカルト映画よりも怖いゾンビもどきが街々を徘徊するように
なるかも・・・・

私も今は、格好つけて「いつ死んでもいいように準備している」なんて言って
ますが、これも皆いつかは死ぬという前提があればこそです。
死なないとなったら、自分で「何歳で死ぬ!」と、宣言する勇気はないかも。。


医学の進歩というのは怖ろしい。
人を助けることもできるけれど、人を人でなくすることもできるということを
知らされたような気がしました。


それでも、目の前の患者さんのために、知力と体力と想像力を振り絞って
前に進み続ける研究者のみなさんには頭が下がりますが、こんな想像してしまう
おババのことをお許しください。

そして、願わくば、「老化しないままで死ねる方法」などを、薬や治療法で
見つけ出してくだされば、もう世迷言は口にしないことにします。


でも、10年たって、あのテレビで山中先生に肩を抱かれた少年が全治して
笑顔で「ボクも医者になります」なんてコメントしたら、こんな冷血な
おババの胸もきっとジーンと熱くなるだろうなと・・・(ならないよと
いつものように家人の横槍が入りました。バシッ!!)

by sala729 | 2012-10-10 16:13

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