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前回、家人と二人で行った時は、駐車場が一番奥まったところだった為
車を降りてそのまま、水族館に入りましたが、今回は正面に一番近い場所に
停めましたので、正々堂々(?)表玄関から入りました。

正面はキラキラと東シナ海の、青が何層にも輝く海、海、海です。
はるかな水平線の、ほんの一瞬のところに、島か岩かと思うばかりの
突起があって、ここが大小いくつもの島からなる「国」であることを
実感します。

それにしても、この海の美しさは、なんと現せばいいのでしょうか。。
私は島国の生まれですから、すぐ傍に海を見て育っていますが、この海の
青と白の美しさには、ただただ見とれるばかりです。



「すごいね。」

私の隣で、ちびも目を輝かせながらつぶやいています。
こんな、いたずら盛りの4歳児でも、「美しいもの」「大きなもの」には
自然と敬意を払うことができるのですね。

それが、嬉しくもあり、この感性を大切に育ててやりたいものだと、しみじみ
思いました。

入り口の階段を下りると、大きな噴水があってそこを右に曲がって、しばらく
歩くと、水族館の入り口が見えてきます。

園内には電気自動車が走って、その昔、沖縄海洋博跡地の公園でしかなかった
この地に、まだ幼かった息子と娘を連れてきたことを思い出しました。
当時はあちこちに「ハブに注意!」の立て看板が立てられ、「なんて怖ろしい
ところ」と、思ったことがありますが、今はそんな看板は一枚もありません。

その時、一緒だった夫はいなくても、家人と、そして今回の主役のちびが
増えています。
それを思い返すだけで、私の人生は「特盛り!」と、言ったところです(笑)


入り口にたどり着くと、ちょうど「オキちゃん劇場」の始まりのアナウンスが
聞こえました。
野外のプールに設えた、イルカたちのショーですが、これがなかなかのアクター
揃い。
そして、調教師さんたちも名伯楽なので、とても楽しいショーです。

巨体を空に翻しての、ダイビング。連なってのスイミング。
かなりの技に、周囲の歓声も高まるばかりです。


その時、隣に座っていた息子が、ぽつりと
「ここは、いったいどこの国なんや?」と、苦笑い。

それで、初めて気づきました。
この歓声、なんだかヘンだなと、思っては
いたのですが、よーく聞くと、何を言っているのか、さっぱり判らない。

殆どが中国語で、中に韓国語が混じっているそうで、日本語は殆ど聞き取れない
とのことです。(息子いわく・・)

そう言われて周囲を見回してみると、確かに、中国や韓国などの人がやたら
多い。
日本人で目立つのは、修学旅行生ばかりです。

もっとも、今日は木曜日ですから、それもアリでしょうか。


イルカスタジアムの後ろの売店の「やしの実ジュース」は、前回試飲済みで
正直、もう二度と飲みたくないと思っていましたのでパス。


そのまま、水族館入り口に向かいました。


そもそも、こんかいの沖縄の旅は、この水族館の大水槽の前で、ちびとお茶を
飲みながら、マンタやジンベエザメを見たいと言う私の希望から始まったことです。
ここを楽しめなかったら、もうこのまま帰ってもいいです。・・・くらいに
私は思っていました。



入り口入るとすぐに、手で触れられる生き物のコーナーがあって、そこには
人の掌を二周りは大きくしたようなヒトデ。青く長い手足のヒトデ。
黒々とした一見針のような触角をもったクモヒトデが、静かに人間のちびっこ
ギャングの襲撃に備えています。
彼らも気の毒です。「水の上にはださないでください」と、注意書きがあるにも
係わらず、子供に少しでも触れさせようと、ヒトデをがばっと水から持ち上げて
手元に寄せてくるおばあちゃん。

あーやだやだ。。決してあんなおばあちゃんにだけはなるまいと、秘かに自戒
しながら、ちびに、触ってごらんと促すのですが、いたずら坊主なのに小心者の
ちびはなかなか手を出そうとしません。

そこで私が先に、指でクモヒトデの黒い先をツンツンとすると、おそるおそる・・・
それから、他のヒトデたちにも・・(あぁぁぁなんて臆病者・・・)

しかし、それから慣れたのか、暗い水族館内を先にたって探検しまくりのちび。



初めて、地元の水族館に連れ行ったときに、水槽から寄ってくる魚が「怖い」と
泣き叫んで、同じときに水族館見学に来ていた老人施設の車椅子のおばあさんに
「あらら。。この子。泣いとるわ。」と、嘲笑されたことが昨日のように
甦ります。

暗いゾーンには、パニック映画の主演を張れそうな大きさの、伊勢えび。
きっとお刺身にしたら100人分はあるでしょう。。。食べたい・・
あまりに可愛げのない大きさのうつぼ。
どこが頭か尻尾かみえない、大うなぎ。

なんだこのゾーンは・・・・



そして、いよいよメインの「大水槽」にやってきました。
コースに沿って歩いていると、三階からこのゾーンに入ることになります。
水槽の正面にはゆるやかな螺旋階段になっているスロープがあって降りきると
水槽のまん前に着くようになっています。


平日であることと、午後の遅い時間であることなどが幸いしてか、混み合って
というかんじではありませんが、修学旅行生が目立ち、彼らは数を頼んでいます
から、ざわざわとしています。


ちびは大興奮しています。

「あーちゃん。見てみて!ジンベイだよっ!」

見えますよっ。あんな大きなジンベイザメが見えなかったらどーする。

「あ、マンタ。ママ~大好きなマンタがいるよぉ」と、声を限りに
娘を呼びます。

へーそうだったのか。わが娘はマンタ好きだったのか・・

「やめてよ。そんな大きな声は。。」苦笑いしながらも娘の目も
キラキラしています。

大水槽には、巨大なジンベエザメやマンタを首魁に、もう何百種類もの魚たちが
ゆらゆらと、たゆたゆと漂い、泳いでいます。

「すっごいね。。。」言葉もなく立ち尽くす娘や息子をそのままに
私と家人は隣接の喫茶コーナーに向かいます。


この水族館で私の一押しはここです。
水槽にぴったり接して、テーブルと椅子の席が何席かあり、そこに座れば
お茶を飲んだり、軽食食べたりしながら、魚たちを間近で見られるのです。

いろいろな水族館に行きましたが、こんな風にゆったりと見られる処を
他には知りません。

ところが、そんなに上手くそのコーナーに空席があるはずがなく、
二番目の席で家人が待機しているのを横目に、私は飲み物を購入に・・

そして、調達して帰るとなんと、家人が水槽前のコーナーに座ってVサイン。


やったねぇ!!・・・・数少ない見せ場よねぇ(笑)

携帯で居場所を知らせて、呼ぶと、ちびはもちろん、息子も娘も大興奮。

なにしろ、足元にサメが休憩していたり、マンタがひし形の体を翻して
漫画チックな目を寄せてきたりするのです。
ジンベエザメのお腹にはコバンザメが何匹もくつついたままです。
目の前を横切る、クエがぎょろりとその濁った目をこちらに向けます。
名前もしらない白地に黒の魚の群れがこちらにむかってはUターンを
繰り返しています。

そして、とうとう足元では、休憩中の白サメの尻尾を、同じ白サメがぱくりと
咥えて、少しづつ咀嚼し始めました。


「うわぁ・・・食われてる。食われてるよぉぉ。」ちびは、見たことのない
展開に大騒ぎです。
自分の足元、ガラス一枚向こう側でのドラマです。
大人もそれに釘付け・・・・

結果が知りたいのですが、そんなにほいほいと食べるわけではなく、しばらく
じっとしては咀嚼を繰り返し、少しづつ噛み進んでいく・・そんなかんじです。
それをガラスを隔てて、私達はジュースを飲みながら見ている・・・人間って
残酷・・(そりゃ、オニババ率いる軍団だもの。。。)


「すごいね。ここ。海遊館より大きいとは判ってたけど、比べ物にならんわ。
それに、このコーナー。いいねぇ。こんなかんじで見れるところは、確かに
ないわね。」と、娘。

息子は寡黙にジュース片手に水槽を見ていますが、満足しているのはその
様子でわかります。
ここの、この場所はあまりに楽しくて、唯一、動きたくなるのが欠点なのです。
いつまでいても、楽しい場所・・・素敵ですよね。


「竜宮城みたいやね。」と、ちびにふると「うんうん。」と、何度も頷きます。


心を残しながら、そこを後にして、出口に向かいます。
「また、来たいねぇ。」と娘はちびをそそのかし、ちびは「うん。
また来たいっ!」と、母の心を知ってか知らずか踊らされております。


どこの施設でもそうですが、出口はおみやげ売り場と相場は決まっています(笑)
ちびはそこで、幼稚園のお友達とお絵かき教室のお友達のおみやげを買い、
自分のために、青いジンベエザメとオットセイの縫いぐるみを購入。
私も張り合って、マンタの縫いぐるみをゲット。

もう時間は夕刻に迫っています。
帰りがけに、正面前で息子が、前に来たとき、ここから海に向けて海中展望塔が
立ってたよね。このあたりと思うんだけど・・と、言い出します。

もう、30年近い前のことを、なんで私が覚えているはずがあるか・・・
とは思いつつ、そこを確かめにいく息子と一緒に海に向かっていくと、途中で
海がめのゾーンに入ります。

5,6頭はいるでしょうか・・・
これなら、浦島太郎も絶対乗れるというほどの大きさです。
甲羅はきれいな亀甲模様で、鼈甲にしたらさぞやと、つい密猟者の気持ちに
なってしまったことを反省。

息子の感傷(こやつは、センチメンタルな人間なのです。本質は・・)に、
適当に合図して、私は亀に夢中。

そして、車に戻ると、あとはホテルに行くだけです。

今夜は、地元の「ちぬまん」という居酒屋さんに予約を入れています。
しかし、予約時間に間に合わないかもねという時間になっていますが、
そこのところは、家人がなんとかするでしょう。と、楽観的な私。

帰りのハンドルは娘が握ります。

by sala729 | 2012-05-24 12:24

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