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私くらいの年齢になると、あまたの経験と知恵(そんなものあったかな?)で、煩わしい家族関係は
上手に捌いていけるのですが(・・あんたはめんどくさいから絶ってるだけでしょ?・・・と、うるさいカゲの声が響いています。)

いや、そう思っていたこともあったのですよ。事実ね。
でも、この仕事に就いてからというもの、人間に対する見方が変わりましたから、おのずと家族や親戚、血縁や地縁に対しても考え方は変わりましたね。

いくつになっても、家族間を上下でしか計れない人もいれば、耐えることだけが生きる道とまるでかたつむりのように、殻に閉じこもっているだけの人。案外多いです。この世の中。。。
私のような戦闘的な人間にとってこの前者のようなタイプは戦いがいあると、ある種楽しみなのですが後者になると、ちょっとお取り扱い注意と、接するのに足踏みしてしまうかもしれません。

いえいえ、ずっとそうだった訳ではありませんよ。
この私にも、か弱くて(今になって白状すると、そういうフリしてただけなんですけどね)傷つきやすい新妻時代はありました。
舅・姑との距離が計れなくて、泣いたことも何度もあります。(これも、嘘です。ちょっと文面を
ドラマチックにしたくって・・・へへ~~)


でも、この仕事について、娘婿をもつ今になって、当時の舅・姑の気持ちがちよっとだけわかるようになったのは、成長でしょうか?(笑)
こうして人は大人になっていくのです。って、もう十分大人ですけどね。「大人気ない」とはよく言われますが・・



さて、今日のお話は、山間の深い谷底みたいな地域にある「村」の舅さんからの相談電話が始まりでした。
息子の嫁が、夜な夜な濃い化粧をして出かける・・と、いうのです。
舅さんは88才。息子嫁は55才です。
狭い地域ですから、舅さんも、息子さんも、嫁さんもそれなりの地域の有名人で、村中で顔を知らない人など誰一人おりません。
そんな中、電動車いすだという舅さんに、遠出は無理ですから自宅でお話を・・・と、言うと「おばあ(妻でしょうね)がいて無理だ」と、仰る。
では・・・と、考えていると
「判った。家の近くに、わしの娘がおるワカモノ住宅がある。そこにしょう。娘は仕事やけん。昼は誰もおらん。わしが建てた家じゃけんかまわん。」と、一人で納得して決めたので、その、ワカモノ住宅にむかいました。

会社を出て、まっすぐ南に下りて、裾野の狭い分だけ案外急峻な山脈をひとつふたつ越えたところが
目的地です。
(すんごい田舎をイメージしてらっしゃるでしょ? 確かに田舎です。未舗装道路もありましたし、ここ海抜何メートル?なんてとこで、ガードーレールのない道もありました。なんたって小学校が茶畑に混じって台形の高台にあるのです)

ここに到着するのに二時間はかかりました。
ところが、この台形の小学校が見つからない。と、いうより地図はどんな地形も平面にでます。ナビは当然そうですよね。
ところが目的の小学校は、とても立体的で、どこが上がり口かまったく判らない。
ぐるぐる回っていると、めがねをかけた中学生がとぼとぼと自転車押して向かってくるではありませんか?

「ねぇ、ごめんなさい。このあたりにワカモノ住宅ってある?」
突然の見知らぬおばさんの問いかけに、一瞬びくっとしたものの、中学生くんは、おどおどと顔をあげました。
「ワカモノ住宅??。。さ、さあ・し、知りません。」

なんで私がもの聞くと、みんなこうしてオドオドするのかしらね。やさしく聞いてるし・・・
顔だって、決して美人だとは思ってないけど、ぱっと見て恐れおののくほどではないかと・・(
おののきますが・・と、家人。むかっ。)

「そお・この近くらしいんだけどね。ね、そしたらこの小学校の正門どこ?どこからあがるの?」

ああ、それは・・・それさえ教えたら、開放されると喜んだのでしょうね。
じつに気持ちよさげに教えてくれました。

そして小学校を回りこんで、舅さんの電話の案内を頼りに探していると、どこからともなく現れた電動車いすが私の前に回りこんで
「Aさんかの?」
「はい。笹田さんですね?」
「そうじゃ。遅かったのぉ。」
って、あなたの説明が上手だからよ・・と、言う言葉は飲み込みました。

さすがに車代わりに電動車いす使っていらっしゃる舅さんは家の前ですっくと立ち上がったかと思うとスタスタと歩み寄り、慣れた手つきで開錠すると、私を招いてくれました。


・・・・・・・と、いうところで小休止。
仕事に出ます。。。。

by sala729 | 2010-03-26 10:04

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