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ひところ「携帯電話依存症」の若い世代が、問題になったことがありますが、この世代とは違う意味で、最近の夫婦生活に新型の携帯電話依存症の発症が見られるのに気づきました。

若い世代の依存は、他の誰かとのコミニュケーションを図るために、学校、電車、病院、塾と所構わず、携帯を持ち歩き、掛け捲り、かかりまくり・・という無軌道ぶりが非難されたものですが、新型は、若い夫婦に多いのが特徴です。しかも、関心は自分のものでなく、相手の携帯電話に注がれます。

そうです。。。相手の携帯電話の中身が知りたい。見たい。聞きたい症候群なのです。
これは、相手が浮気をしているのではないかという、疑心から発生します。そして、相手の携帯が気になって気になって仕方がないのです。
なんとか、隙を狙って、見てやろうとじっと「その時」を窺っていますが、相手もさるもの。そんな、そわそわした様子など、とうの昔のお見通しです。ですから、それこそ、脱衣所にまで携帯を持ち込んで、一時たりとも眼を離しません。
そうこうしているうちに、忍耐力に勝ったほうが、こっそりそれを開いて見ることになるのですが、そのメールに「・・あのときはよかったわね。愛してる?」とか「もう一度、あなたに抱かれたい。」なんてかかれてあると、かーっと一度に頭に血が上り、浮気の証拠を掴んだ!!と、叫んでしまうのです。・・・・しかし
ちょっと待ってください。実はこのメール・・・これだけでは浮気の証拠にはなりません。
メールというのはあくまで、バーチャルの世界。実像があって初めて、それが生きる・・というものなのですね。

ところが、頭に血が上っている人たちには、それが判りません。それを、さも鬼の首でも採ったように、相手を責めまくるか、情報収集とばかりに、毎夜、毎夜メールを盗み見する習慣を身に付けちゃうんですね。これが・・(溜息)
そして、毎夜、盗み見する習慣がついちゃうと、これを見ないと眠れない。相手の携帯が見つからないと落ち着かない。不安がぎりぎりと高じてくる。心臓がどきどきしてくる。
あーーどうしょう・・・と、こんな夜、重症の新型携帯依存症の浜田さんは、Rさんに真夜中にもかかわらず、電話をしてくるのです。

「もしもし。。もしもし。。。あ、あのてすね。今から妻の携帯鳴らしてくれませんか?どこにるのか見つけられないんですよ。あれを見ないと、不安て不安で・・・ぼく、眠れません。ぼくが鳴らすわけにはいかないから、Rさん鳴らしてください。今なら部屋、暗くしているから光って目立つとおもうんです。」
・・・・・・あのねぇ・・・今何時と思っているの??・・・・・真夜中よ。こんな時間に不自然とは思わないのね。。。

その浜田さん。とうとう奥さんに浮気を突き詰めたのですが、奥さんはしらーーっと「私、知らないわよ。」と、一言。
・・・ぬぬ・・ぬぬ。奥さんの方が、一枚上ですわ・・(笑)

「も、もう、全部わかってんだぞ。け、携帯見たんだからなっ。。」(汗。汗。汗)
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そして、その夜、背中合わせに寝たという浜田夫妻。もちろん奥さんは携帯電話をその胸にしっかりと抱きしめて、彼は妻の背中越しに携帯電話を盗み見しながら、うつろな眠りに入っていったのでした。
次の朝、いつものようにRさんに電話してきた浜田さん・・・
「携帯見てないと、あいつがどう動くか心配で、心配で・・。ほんとに、携帯があったから、あいつ、浮気したんですよ。携帯のせいですよ。」
・・・・・・・・・・それは、ちがうでしょう・・・と、言えばまたぐちぐちと浜田さんにお付き合いしなければなりません。

携帯電話依存症は、まるでインフルエンザのように、少しづつその形態を変化進化させながら
新型になり、改良型になり、普及型になって、やがて携帯電話依存A型。B型になっていくのでしょうか。
そして、そのころには、この地球の文明国と揶揄される多くの国々の人たちは、その汚染に
まみれていくのでしょうか。

砂浜にぽつんと落ちた、携帯電話を拾い上げた猿が、海に向かって、思いっきり投げつけたそんなラストシーンの映画があったことを、思い出しました。






               

by sala729 | 2005-03-25 11:01

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