節分をすぎると、暦の上ではもう春ということですが、外は一段と冷たくかじかんだ手指に暖かい息を吹きかけたくなる毎日ですね。
でも、春は確実にきているのですよ。
春の訪れをなにに感じるかは、人それぞれ。それが感性というものでしょうが、この仕事をしていると、それは相談電話の内容に如実に現れています。

そう・・めっきり増えるのです。
「我が家を誰かが見張っています。いつも見張られてます。私が台所にいることも電話していることもみーんな知られています。」
「お隣の人が、我が家に向かって感知ライトを照らしてくるのです。私がトイレに行こうとするとパッと光るのです。縁側からずっとこちらを見ています。」
「私に向けてだけ電波を飛ばしてくるんです。もーやめてくださいって何度もお願いしても、やめてくれません。」
「私が寝ていると、毎晩隣の家の主人が忍び込んでくるのです。で、わたしをじっと見て、何時間かしたら、うちの漬物をもって帰るんです。私?私は78歳ですよ。隣の主人?そうねぇ50半ばくらいかしらね。」
・・・と、とどまるところを知りません。そして、そういう電話が急に増え始めるのがこの頃です。

もちろん、お聞きしますよ。本人達はいたって大真面目ですし、本人が安心すればそれはそれでいいじゃないですか。それに、うちにはそれらの人たちと同感覚で、気持ちが理解できる
不思議な相談員がおりますから、そういう人たちにとっては心強い(?)かもしれません(笑)
その人の言動みていると、あーもうそろそろ、電話が多くなるなかってわかります。
(不思議相談員が誰かって?・・・そんなこといまさら言えませんわ。とても私の口からは・・
あの、とんでもキャラの相談員だなんて・・あ、言っちゃった・・)

でも実際お逢いして、近所の男が忍び込んでくると、自宅を城壁のようなコンクリートの塀で囲って、廊下は鴬張りにして、誰かが歩くと。ぴよぴよ・・。しかも、両側の壁はしのび返しのような五寸釘を打ち付けてあった・・というとんでもないおうちもありました・・・汗。汗
そこには、双子と見間違いそうな80すぎの姉妹だけが住んでいて、ならんで頭を下げられたときは、ミステリーゾーンに入り込んでしまったかと・・(・うぅ・怖かった・・です)

怖いというなら、今朝の怖いお話をもうひとつ・・
前にここでもお話した、カラオケ泣き泣き相談者のことは覚えておいででしょうか?
子供の前でも号泣。カラオケにもひるまず号泣。
あの号泣ママこと美砂さん(仮名)は、それから毎日、毎晩、ときにはパニックに陥ったように
何度も電話をかけてきました。
そして、とうとう、夫の不貞の証拠がとれ、相手女性が判りました。相手は、美砂さんの思っていた同僚女性ではなく、なんと彼の上司の女性だったのです。
彼は31さい。女性は、どうみても50歳前後(女性審美眼を誇るE調査員が自信をもって証言してました)
しかも、女と会う前に彼は美砂さんに、夫婦関係を求めて、女ともラブホテルに行き、帰ってくると再び美砂さんに迫ってきたらしいのです。
事実を伝えると、どんなに取り乱すか・・と思うと、なかなか電話ができません。しかし、告げないわけにはいかず、昨日おそるおそる報告しました。
さすがにしばしの沈黙はあったものの、「はい、わかりました。もうわたし許しません。Aさん、力貸してください。主人のこととことん落としてやります。女も・・」と、意外にも力強い答えに
ちょっとびっくりはしましたが、結果がでれば強気になるのは、よくあること。
そして次の朝・・・
いつものように早朝から美砂さんの電話でたたき起こされました。
彼女はいつになく明るい声で「Aさん、わたし主人の顔みたら、腹が立ってくやしくし、このぼけ!いまに見とれ!!って思ったんです」
・・・・か、過激な・・でもま、それもいいでしょう・・・・なんと返そうかと私が返事を探していると
美砂さんは続けます。
「で、今朝、三ヶ月前の冷凍ご飯に腐った卵つけて、出してやりました。」
えぇぇっっっ。。く、腐ったたたまご・・(想像しただけでたんぱく質のあの強烈な腐敗臭が
漂ってきそうです・・)
「そ、それで?」と私。
「食べていきましたよ。主人、鼻悪いんですよ。匂いわかんないんです」電話の向こうの美砂さんの声はずむようにすら聞こえます・・


・・・・おっそろしい・・
ね。ふだんおとなしい人を怒らせたら、ほんとにこわいですよ。
もともとパニック体質の美砂さんですから、なに考えるか判りません。でもまあ、それにしても・・腐った卵とは・・・
今頃彼は、お腹をおさえてトイレからでれない状態なのでしょうか。
それとも、もっとさしせまっているのでしょうか・・
まっ、いいか・・
どうせ勤め先は老人病院だし、まわりの人たちも、粗相の始末にも慣れているでしょうし・・
自業自得・・ということで・・・(苦笑。。。)
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# by sala729 | 2005-02-04 10:59

昨夜の面談が遅い時間だったので、そのまま帰ることができず、お泊りになってしまいました。宿泊することに、なんの不都合もないのですが、迷惑なことに、こんな私にでも、すがろうかというさ迷えるこの世でない魂が、時々わたしの眠りを邪魔したりするのです。(苦笑)

幸いにも昨夜はそんなこともなく、短い眠りを新幹線の中で補いながら、帰社した、私にN主任が一枚の写真を示します。「?」
「例のドクターですよ。」意味深な笑いを浮かべて私の前に差し出されたプリントアウトの男は、ドクターとはほど遠い、ナイロン制のジャンパーに作業ズボン、後ろの軽トラには○○畳店と記されています。
「あ、あぁ。これってあの、芦屋の総合病院の息子で国立大学の医者だって言った・・あの?」
「そそ。そーですよ。」
そーですよって、、これ医者って・・ちがうじゃん。どーみても「畳屋のおっさん・・」
しかも、相談者からは、ジャイアンツの高橋由伸と、スマップのだれやらとを足して2で割ったようなさわやかフェイスって・・・(汗。汗。汗)
こ、これはどーみても「若乃花」か「朝青龍」じゃないの・・・。

相談者の、浩美さん(仮名)は、とても3人の子供がいるとは思えない、スタイルのよい、さらさら髪を背中に流した主婦でした。夫は外車の中古車販売の会社を持っています。
開口一番「付き合っていた彼と連絡が取れなくなってしまったんです。」と、身を乗り出すと
彼が32歳で独身。国立大学をでて現在は国立病院の外科医。実家は芦屋で300床の
総合病院を経営しており、父と兄と兄嫁も医者。
プライベートではポルシェに乗って、趣味はクルーザー。
恋愛経験はあるけど、みんなお金目当ての女性ばかりで、そんなこと関係ないって言ってくれたのは君だけだよって・・(・・・・はぁぁぁ・・)
いますぐにでも結婚したい。子供たちの教育は僕に任せて。父もお前みたいなのには、「浩美さんみたいなしっかりした女性がちょうどいいんだよ」って言うんだ。。。(は、はぁ・・・・)

・・・・・んな美味しいお伽話みたいなこと信じられますか??
確かに、浩美さんはきれいですし、見た目は若い。プロポーションもそこそこ。
でもね。でも、36歳なんです。子供も3人産んで、育てて一番上は小学校三年生です。
独身で外科医でポルシェ乗ってて、ハンサムでお金持ちの彼が、なんで私?とは、思わないのて゜しょうか??
「彼が私のことお母様に認めさせると言いきるんです。なのに、連絡がとれなくなって、困っているんです」・・・
聞けば、お金の貸し借りは無いと言います。体の関係は数回。彼が仕事が忙しいので出張の時間があいてほんの一時間、二時間のデートだと。
もちろん、出張中ですから、ポルシェには乗ってきません。
・・・・・ほんとに信じきっているのですね。。

浩美さんは、暇つぶしに遊んだ「出会い系サイト」で彼と運命の出会いをしたそうです。
そして、じつは、彼とのことは夫に知られ、メールのすべてを消され、叩かれて今、彼女は
実家にいるそうです。
そして、驚くことに、実母までが彼の写メールを見て「あら、(浩美さんの夫より)こっちのほうがいい男じゃない?もう、こっちにしなさいよ。」・・・・・・???????????
なんて会話。。言葉もありません。。。
「彼に連絡つけたいのです。夫と別れる相談もしたいし・・」

・・・・で、調査の結果が「畳屋のおっさん」なのでした。。
彼女はそれでも、夫と別れるつもりでしようか。
彼のもとに飛び込んでいくでしょうか。
・・・・なにより、この事実を受け入れられるでしょうか・・・

しかし、こんな陳腐なシチェーションを簡単に信じてしまう大人がいることに私は驚きます。
そして、こんなマンガチックな出会いを、花に包まれた夢のように信じて、自分をなんの疑いもなく「悲劇のヒロイン」に仕立て上げてしまう、当世の出会い系サイトと、箱入り主婦の大冒険がいとも簡単に結びついてしまう、この時世をあきれもしながら、畏れと危惧を抱いて、
明日の予定を考えてしまう私でした。。。
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# by sala729 | 2005-02-03 23:01

部屋の中は暖かくても、窓から外をみれば乾いた風が、あたりを薙ぎ倒しているのが
判ります。風があまりに強すぎて、積もらなかっただけで、明け方の雪が、氷になって車の
窓ガラスに膜を張っています。
こんな朝は、相談電話というより、今現在進行形の物件の依頼者からの電話が多いものです。
ほら・・またわたしの携帯メールがピロピロ・・と。

前述の双子姉からの転送メールです。いえ、正確にいうなら、姉の浮気夫に相手女性から届いた
メールがすべて私の携帯に転送できるようになっているのです。そう・・もちろん知らぬは夫ばかりなり・・・。工作したのはもちろん奥様です。
彼がお風呂に入っている間に、自動転送という超ウルトラ必殺技を仕掛けられたことに彼はもちろ気づいてはいません。これを設定すると、相手からのメールがすべて設定のアドレスに自動転送になるという優れもの。
相手がお風呂に入ったり、寝ている間にこれならこそこそ覗かなくても、見つかる心配なしに確実に情報が得られますね。
・・・女性をばかにしてはいけませんよ。この程度の工作くらいなららくらくやってのける奥様は
最近多くなりました・・苦笑。

しかしそのメール。届くたびにピロピロと私を呼び出すんですが、夜から翌日にかけてなんと50回はピロピロ・・
しかも、その内容たるや「いま帰ったよん」にはじまって「○○(双子姉の夫)ちゃん、わたちのこと愛ちてましゅか?」「いやーん。いじわるぅぅ△△(自分の名前)。泣いちゃいますぅぅ」と、あふれるばかりの顔マーク。。
あげくには「△△の裸の写真、携帯の待ちうけ画面にするなんて、やーんはずかちぃでちゅう」
・・・・これ、ちなみに40歳の男と推定年齢36歳の既婚子持ち女の交わすメールですよ・・・

夕飯をとりながら、ピロピロにせかされて、メールみたら、これですから
<うるさいっ!!。いーかげんにしろっ!!>って叫びたくなる気持ち、判っていただけるでしょうか??
でも、もっと怒りに狂って、はらわた煮えくり返っている思いをしているのは奥様でしょう・・・ね。

本人たちは、ドラマのヒロインきどりかもしれませんが、これぞまさしく「馬鹿ップル」。
さぁて、どんなクライマックスを用意してあげましょうか・・

外は、時々狂ったように粉雪が舞っています。
私はこの平成の馬鹿ップルのおとしまえをどうつけようかと、N主任に視線を向けると、すべてを
承知したとばかりに、大きくうなずいて、職人N主任の、こだわりの追跡調査により磨きと、拍車が
かかります。
報告書のできあがりが、ほんとにた・の・し・み・です。
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# by sala729 | 2005-02-02 15:08

物事には、始まりと終わりがあります。
しかし、始まりはあっても終わりのないのが、夫婦間のトラブルですね。
私たちの仕事の多くは、その夫婦間の問題につながっていますから、おつきあいしていたら
際限なく争いの渦中に巻き込まれてしまいます。
そうならないように、少し離れて、その渦の方向を見て、巻き込まれた二人をどう対処するか
それが適宜できるかどうかということが、この職業に携わるものとしての、倫理ではないかと考えるのです。

しかし・・なかには、そういう倫理や常識というものを、ぶっとばすような行動をしてくれる相談者もいます。
たとえば、恵子さん(仮名)。彼女の夫は、薬剤関係の優秀な営業マンです。田舎では高額な
給与をもらっていることは、彼も恵子さんも良く知っています。
見た目も、きちんとブランドの洋服に身を固め、髪はなでつけ、外車を乗り回しPC片手に、商談のお相手はお医者さま。接待費は使い放題で、プレゼント魔。・・とくれば、しょーじき女にはもてますよ。
でもね。この男。実生活では、奥さんの実家のマンションに入って、サラ金借りまくり。もちろん車もローン。浮気もしまくり。その上、夜のおねーちゃんと親しくなって白紙の領収書を集めているというとんでもない奴。なのです。
そもそも、今の会社にはヘッドハンティングと本人は言ってるらしいのですが、、実際は前の会社でその、架空接待費がばれて、クビになったも同然というのが、調査で判りました。
生活保護をうけている実母の年金も使い込み、常時4個の携帯で女と連絡とりあうふとどき者です。

恵子さんはこの夫との間にふたりの子供がいます。
そして、なによりやっかいなのは、恵子さんが、この夫を愛し続けていることです。
彼女は言います「私ってばかですよね。なんでこんな男って・・思うんです。でも、突き詰めていくと、彼のこと好きなんだ」と思ってしまうんです。
調査に入っているにもかかわらず、恵子さんは、あらゆることをしました。
彼のあとをつけまわしました。夜のお店に入ったときは、寒空の下、じっと出てくるのを持って
いました。そして、彼が出てくると、周りに誰がいようと、彼に「なにしてたんよ。誰と飲んでたのよっ。」と詰め寄ります。そして、翌朝は彼の洋服のポケットはもちろん、財布、車のなかと
徹底的に探し回ります。
はっきり言って、そりゃあうんざりしますよねぇ。確かに悪いのは彼です。
でもね、人間が人間と生きていく上で、ここまではという程度というものが、それは夫婦間にだってあるでしょう?
何度も、何度も、そんなことするのはやめなさい。と、諭すと、そのときは「はい。みじめですよね」と納得するのですが、何日かするとまたやってしまうのです。
もう・・これも一種の病気ですよね。。

その恵子さん・・やってくれました。。(苦笑)
うちの調査で、彼が出入りのお店、馴染みのホステスはもちろん判りましたし、前述の借金も判明。実母の年金搾取も発覚。前の会社との軋轢も判った・・恵子さんは別居の道を選びました。しかし、別居して三日もたたぬのに、彼はなんとバラを40本もって恵子さんを訪ね
「ごめん」と一言いって立ち去ったようです。。恵子さんはこれに感激したらしいのですが、
ちょっと、あざとすぎません??と、思うのは私が、愛に飢えてるからでしょうか?
さらに二日たって、寂しくてならない恵子さんは彼をよびだし、相手のホステスさんのマンションに乗り込みました。
そして、入るなり、手当たりしだい手近のものを投げつけ、そこいらに割れ物が散らばります。そしてそういう自分にさらに触発されエスカレートとしていった恵子さんに、女は落ち着いて問いかけます「ごめんなさい。奥さん。私が悪かったわ。どうすれば、許してくれる?」
眼を血走らせ、肩であえぎながら、夫を振り返り「あんたがこの女の頬っぺた思いっきり叩いたら、許してあげるわ!」
「で、できないよ・・」しり込みする彼に、恵子さんはさらに苛立ち、そんな恵子さん見て、女が彼に言います
「いいわよ。やって。おもいっきり。」
・・・なんという潔さ。大人・・恵子さん夫婦は、完全に負けてます・・・
ばしっ!! ・・・音が響いて、そこには呆然と立ちすくす夫と、くず折れる女がいました。

で、どーしたの?、先をうながす私に、恵子さん、にっこり笑って、「帰ってやりましたよ。約束ですから・・でも・・」
「でも?」
「私・・なんかむなしい。Aさん、、主人とはもう別れたほうがいいんですよね?」
・・・・・・・・・なにをいまさら、こんな状態を聞いて、がまんしろといえますか?
言えるはずがないですよね。どちらにも・・
今の私に言えることは、女に「ごくろうさまでした」しか、ありません。。。。
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# by sala729 | 2005-02-01 12:01

それは、穏やかな日本海に白い波が立つ日でした。
妹がやくざに騙されて、家出したと切迫した姉の声に、TキャラとOリーダーは、その町に向かいました。そして、お互いに嫁いでいるものの、妹が気掛りで仕方ないと泣き崩れる姉に出会いました。年老いた両親も心配で眠れない日々をすごしていると聞かされれば、なんとかしてあげたいと、思うのも道理ですよね。
その日から、わが社のフル体制で、捜索が始まりました。

わずか数日で、妹の居場所は判明。やはり、情報のやくざのマンションにいました。彼女を確認して、姉に連絡すると、両親は迎えに行けない。自分も夫と子供ある身。なんとかしてくれないかと泣きつかれて、指揮をとるH氏はやむ得ず、SP調査員Sさんのお力を借りることとなりました。
Sさんの迫力でそのマンションに乗込み、直談判です。
男は不在で、妹だけでは話になりません。妹から男の所属を聞き出して、Sさんはさらに男の兄貴分と呼ばれる人のもとに足を運びます。
その話の場には調査員たちは立ち入れず、兄貴分とSさんが張り詰めた空気の中で対峙しています。なにを話しているのか、十分には聞き取れませんが、かなり長い時間がたっています。やがて、大きくうなずいたSさんは、調査員たちを促して、その事務所を後にして、車に帰ると、おもむろに口を開きました。

「あのな、あの子(妹)。妊娠しとんやて。で、実家に帰って産むなら産ませてやるって言われて、帰ったら、あのねーちゃん(依頼者)が、腹を殴ったり蹴ったりして、むちゃくちゃしゃんねん。それで妹は、こんなところにいたら子供が殺されてしまうと、逃げ帰ったと、あの兄貴分は、男から聞いとるらしい。そやのに、男の留守にそんな女帰したら、自分の面目がたたんと、言うのんや。」
・・・・妊娠した妹のおなかを殴る、蹴る・・・ほ、ほんとぉぉ・・・
たしかに、その話が真実なら、たいへんなことです。やくざとはいえ、その子の父。その子の命守りたいというのは当然のこと。
いずれにせよ、事実を確認しなければと、まず姉に連絡をとります。

すると・・この話、
ほんとのことだったのです。。。
姉は悪びれもせず、殴る蹴るを認めます。すべては妹のためと・・いいながら。
それにしても・・と。荒事に慣れてはいるはずのSさんも、姉のこの態度と言葉にはあんぐり。。妹は・・というと、出産させてくれるなら実家に帰ってもいいと言っているのですが、
不安はなにもないのでしょうか?
一度は自分だけでなく、おなかの子供まで危機に瀕して、命からがら逃げてきたのではないですか。それを、簡単にそう了承してもいいものなのでしょうか?
そして、もっと判らないのはその姉妹の親たち。
年老いたとはいえ、そういう姉妹の確執を知ってか知らずか・・なにもしなかった??
・・・不可思議・・・
もしかしたら、これら登場人物のなかで、自分の子を守ろうと、妹を自宅にかくまったやくざの男と、兄弟分の嫁を守ろうとした兄貴分。このふたりがいちばん、まともでいちばん人間的なのかもしれないと、私は密かに思ったりしましたが、どうでしょうか?
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# by sala729 | 2005-01-30 18:06

そもそもの火付け役はOリーダーでした。
愛娘と一緒に、「ハウルの城」を見に行ったリーダーは、そこで運命の出会いをしたのでした。それは圧倒的臨場感と迫力で彼に迫りました。隣でアイスクリームを舐めていた(・・たぶんですけどね)最愛の娘のことも一瞬忘れて、彼は「男」になりました。

その名は「終戦のローレライ」。それでなくても予告編というのは、面白く作っているものです。それでも、映画ずきであるが故に、映画に厳しいのは人の常で彼もその類に漏れるものではありません。その彼が、絶賛するのですから、聞いてるほうも、期待感がいやがおうでも高まります。
そして、ひとしきり映画の話をして、Oリーダーは、とびっきりの笑顔を私に向けて(こういうときが、ホントは一番怖いんです)。なにかあると・・ひそかに気持ちを引き締めて、なんですか?と、私のうわべはにこやかに答えます。
「あのさ、終戦のローレライ、持ってたよね。」・・・なーんだそんなことか・・と、私の全身の緊張が溶けていきます。「ええ。ありますよ。読まれますか?」
かつて、何冊かはお勧めしたことはあるのです。ただその読後感はあまりお好きじゃなかったらしく、私の人格まで疑われてしまいそうな雰囲気があったのです。

ちなみに、そのときお貸しした本は。アンダーユア・ザ・ベッド。あの呪怨の大石圭の初期の作品で、オタクの男が、密かに愛する女性の部屋のベッドの下に隠れて、彼女を見守っているという話です。また、もうひとつは、殺人者の系譜。明治から遡って猟奇殺人、大量殺人の犯人の心理分析と現状をリポートしたものです。(・・・だれでも私の人格疑う・・でしょうか??)

ま、ともかく、そういういきさつの中での、ローレライの申し出ですから、私が断るはずがありません。で、上下巻、二段組の本をリーダーの机にどんと置くと一瞬たじろいたあと、Oリーダー、すくさま本の世界に落ち込んでいったようです。
それからは本を片時も話さず。しかもあの、休日は「子供命」の甘パパが、なんと本を持って帰って読むというのです。
もっとも、それは私の推測どおり、無理ではあったらしいのですが・・
もうそれからのOリーダーはローレライとともにある・・といった雰囲気です。私語はもちろん
業務報告すら憚られるような、そんな空気が取り巻いています。

やがて、読み終わると、つき物でもおちたようにすっきりとした顔で、「ひさしぶりおもしろい本を読んだ気がする」と、にっこり。
そして、良いものは他人に惜しみなく与えるという、まるで聖パウロのような彼は、その本をRさんに、まわして、「いーよ。読んでごらん」そして、自分はというと、本屋さんに向かい、次の「亡国のイージス」を買ってきたのでした。
そして、その真新しい「亡国のイージス」を私に、「明日から出張だから、いいよ。先に読んで」と・・

もちろん、ありがたくご好意お受けしました。そして、読みました。昼も夜も・・・
う・・うぅぅ・・・ん。この一連の作者、福井晴敏氏は、ハリウッド映画世代の感覚の作者なんだろうなと漠然と思い、壮大な愛国スペクタルを書ける人がいるのはうれしいな・・と、自己満足の私は、Oリーダーに「わたしは、こっちのほうが好きですね。こっちはですね」と言った途端「だめよ。まだ読んでないんだから、それ以上言わないで」と、とめられてしまいました。
ふむふむ・・判ります。判りますともその気持ち・・

でもね。自分の好きな本の話を誰かにしたいというのも、「本読みの性」。
ふっふふ・・いまは、出張後の仕事に追われているOリーダーがひとごこちついて「亡国のイージス」専念するころ、そのときまでに、どうやってこの感動を伝えようかと、虎視眈々狙っている私です。
そして、そんな私とOリーダーに挟まれて、机に積まれた二冊の厚い本をため息つきながら、わが社のマイブームの、犠牲者になりかけているRさんでした。・・(合掌)、
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# by sala729 | 2005-01-29 11:32

昨日から今朝にかけては、社内に静かな緊張が漂っていました。
家出の女性が見つかったとの知らせで確認に行っていたK班長、E調査員から、間違いないと確認が届きました。
家出調査の最後の詰めはここからです。まず現況確認があって、次はどうするか。
ご家族を呼んで引き渡すのか、様子を見て対処を講じるのか・・それは現場の判断と調査責任者、相談員の合議で決まることもあれば、依頼者の意志で決定。と、なることもあります。
私たちの個々の仕事は、すべてが「ケースバイケース」と言って過言ではありません。
状況と結果によって、対処が決まってきますから、時間と現場に応じた柔軟な思考と行動が
不可欠です。

そのここちよい緊張感が、昨日からずっと続いているのです。
現場で動いている調査員たちのことを思うと、ちょっと申し訳ないのですが、この緊張感、私は好きですね。ざわざわとして、張り詰めた空気の中に、電話が鳴り響いて、デスクで指揮
をとるN主任の声が響きます。相手はH氏でしょうか・・。
彼らの応答はときに、険しく聞こえることもありますが、これが仕事の緊張感というものでしょう。
こういう、真摯なやりとりがあって初めて、依頼者の要求にお応えすることができるのであって、私たち最前線で依頼者に対応する者の自信と誇りになるのです。
最後の山場を乗り越えれば、一件落着です。
今日は、たいへんでしょうけれど、がんばってください。・・と、無言のエールを送ってみましたが、届いたでしょうか?

さて、その緊張感とは別に、相談電話はいつものように鳴り響きます。
昨日も、あの涙に濡れたカラオケ喫茶の相談者、泣き泣きママからは、ひっきりなしに
電話がかかってきました。
しかも、すぐそばに子供がいるにもかかわらず、相変わらず声をあげて泣きながらの電話です。・・・・ぶちっ・・
「いーかげんにしなさい。そばに子供さんがいるんでしょ。あなたがそんなに泣いてどうするの。あなたお母さんなんでしょ。2歳や3歳の子供を不安にさせてどうするのよっ。」
ひっくひっくと、しゃくりをあげながら彼女は「でもAさん・・」と続けようとします。
「子供の前では毅然としてなさい。空元気でもいいから、虚勢張りなさい。で、子供さんが
寝たら、電話してきなさいよ。そのときは、いくら泣いてもいいから。」
・・・・しばらくの沈黙のあと「わかりました」と小さな声がして、電話は切れました。
子供は敏感です。親の心の不安を全身で受けとめています。その子供の前で取り乱してはいけません。親には親の矜持があり、子供を守る役目があります。

真夜中をすぎて、日時はすでに今日になっていました。
では、私も寝ようかなと、PCの電源を落とした途端、携帯が鳴りました。
・・泣き泣きママからです・・・
鳴り響く電話の通話ボタンを押すと、わあっとまた泣き叫ぶ声。
「子供、寝ました。し、主人はまだ帰ってません」と、まず自分の現況報告です。・・・・む、むむむ・・そ、そうね。仕方ないわ。そうよ。子供が寝たら泣いて電話してもいいって言ったわよ。そーよ。たしかにそー言いました・・・

はいはい。。もうしばらくベットはあきらめて、付き合うしかないか・・と、腹をくくって携帯を握り直した私でした。。。
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# by sala729 | 2005-01-27 09:42

大寒がすぎて、節分までのこの時期は、日本中どこにいても一番寒い時期ですね。
わが社でも北の方の支社は、さぞかし大変な毎日と、思いを巡らせるとこのくらいの寒さはなんてことない・・と啖呵のひとつも切りたいところですが、それでも寒いものは寒い。
北風がびゅわんと吹きすさぶと、心の中まで空っぽになりそうです。

それでも、暖かなオフィスで電話を待っている昼下がり、「ふぅ・・札幌も寒かったけど・・ここも同じやな」と、ハスキーな声とともにドアをあけたのは、SP調査員Sさん。
このSP調査員は正式には、特別調査員と呼ばれます(・・ホント??)
この通称SPは、社長直属でどの支社にも属しておりません。と、いうより支社を超えていると言った方が早いかもしれません。
通常の調査の中でもとくに困難なことがあった場合、地脈、人脈などスペシャルな情報が必要である場合など、なにより頼りになる存在です。その情報網は誰もが感嘆するものがあります。そのSさんは、その存在価値ゆえに日本中からその存在を期待され待たれています。
もちろん、その仕事柄、強面でもあり、迫力はありますが、やさしいこともこの上ないのです。
時々、私のためにチョコムースをおみやげに持ってきてくださるのですが、男性がちょっとひくような強面のSさんが、チョコムースを買ってる姿を想像してみてください。ちょっと、笑みが
浮かんでくるでしょう?(微笑)

聞けば、きのうまで札幌にいらした・・とか。ほんとに、ご苦労様です。
夜になって、打ち合わせと称して、まずは食事会。私も、ご一緒させていただきました。
いつもの土佐料理のお店です。
間口も狭いけど、店内も狭くて、カウンターはぎゅうぎゅうで5人。たったひとつのテーブルも5人が限界。でも、ここがまた「おいしいぃぃんですね」。粋なおかみさんと、無口なご亭主。
なんだか、それだけでいいでしょ?(笑)
でも、ここのいいのは、なんてったってお料理。「鰹のたたき」なんて、本場の高知で食べるよりずーーーっとおいしいですよ。手漉きの荒めの和紙に、墨痕もあざやかに、おしながきを
書いてるのもいいですね。
この日は、鰹のたたき。うつぼのたたき(これがまた絶品)。あんこうの肝。鰹の角煮。そして
欠かせないのは、はりはり鍋。これはいい!!(笑)
くじら肉の赤身、脂身に、水菜とちくわ。これをだし汁に入れるのですが、それにも順番あり・・なのです。でも、これはほんとに一度食べたら「くせ」になりますよ。絶対。
あとの「お雑炊」のまた、おいしいこと・・。ふぐも蟹も確かにおいしいけど、このお雑炊には、
それらのおいしさに加えて、もっとパンチがきいているのです。決して、上品な味ではないの
ですが・・野趣があるというか・・。野草を懐石料理にしたような、そんな趣のある「鍋」ですね。

私は、そこで満足して帰りますが、Oリーダーはじめ男性陣はそこから・・(うーん。。むにゃむにゃ・・想像の域でしかないのですが・・たぶん夜の花園に花を手折りに行くのでしょう・・)
私だけ別れて、帰途につきながら、さて?今日はなんの仕事したんだったっけ?と、自問自答しながら、満足感に包まれて、一日を終えた私でした。
(・・・・きょうのは、相談員日記じゃなくて、食道楽日記?なんて言われそうですね・・)
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# by sala729 | 2005-01-26 12:12