ほぼ20年ぶりに、燕さんたちが我が家に帰ってきました。
もちろん、当時の彼らではないでしょうが、当時と全く同じ場所に
巣作りをしはじめました。

これを見て一番喜んだのは、家人です。
彼にとっては初体験・・・。それはもう、誰よりもそわそわと
何度も見に降りては、戻りを繰り返し、わたくしが
「巣が落ちちゃったら可哀想だから下に受け皿作ってやらんとね。」と
言うと、あろうことか巣作りの真っ最中に脚立を取り出して、なにやら
ごそごそと動き回ります。

「何やってんのよ。それは巣ができてからよ。」と、わたくしが
声をかけでも、「いや、ネットで調べたら、天井から15センチのところに
巣作りするっていうから、このあたりに受け皿してやってたら、丁度いい」と
聞く耳を持ちません。



・・・・そりゃあ、燕夫婦も、危機感持ちますよ。
こう何度も見に来られて、しかも巣づくりの土台を作りかけたら、いつの間にか
下に受け台なんかができて・・・不審・・と、思われても仕方ありません。

15センチなんて、ネットすずめの噂話で、どんなに気を回してあげても
燕は燕の論理と生活体系で動きます。
人間の「お心遣い」など、なんの必要もありません。
それどころか、まさしくこれこそ「余計なお世話」です。


案の定、燕夫婦はその場の「巣作り」を中止しました。



家人の落胆は、それはもう見るに気の毒・・なわけありませんっ!
人がやめろと言っているのに、ネット雀に踊らされて、いらんお世話の
大安売りの結果がこれです。

ふつーに考えて、巣作りの真っ最中に脚立立てられて、柱に受け台なんて
作られたら、燕からしたら警戒情報!まっ赤、赤でしょ。

「こーへんようになった。」軽い関西弁までも、腹だたしく響きます。

「あなたのせいよ。どうしてくれるの。」
相手が落ち込んでいるからといって、同情するような私達の関係ではありません。
(そうだよね。むしろ余計責め立てるよね。と懲りない家人の独り言です)


「どーしてくれるって・・・どうしたら燕さん帰ってくれる?」

・・・・・・・ばしっ!!!

なに可愛い子ぶってるのよ。自分のした始末は、自分でつけなさいよ。
散々罵詈雑言を浴びせかけ、怒れる自らを落ち着かせようと、わたくしは
リビングに戻って、友人娘から送られて来たハーブティーを楽しむ
ことにしました。


そして一時間後・・・・

「おおっ・・・・」
凝りもせずに、庭先を見つめていた家人が、感嘆の言葉をしっかり口の
中に納めて、リビングにやってきました。

「見て。見てよ。見て、見て」
まるで、ちびの「ボク見て見て」口撃のようです。

「なによ。」


不承不承、階下に下りて・・・

「おおぉぉ・・・」
思わずわたくしも声が漏れました。

なんと、件の燕夫婦(状況からしてたぶん同じだと思います。顔の分別が
つきませんが・・・)が、隣の柱に巣作りを初めているではありませんか。

もうだいぶ、土泥を塗りたくり土台を作っていました。



「もう、余計な手出ししないでよ。自然は自然に任せよ。所詮、
ネットでは、自然の営みのホントは判んないだから。」

ひたすら、相槌をうち続ける家人。

リビングに戻るわたくしを尻目に、今度は1階の部屋からそっと
外を窺っておりました。



それでも、家に人がいたら作りにくかろうと、その日、わたくしたちは
たいした用事もないのに、一日自宅を空けて、夕方帰宅しました。

土台づくりは順調のようです。



一夜明けて、もうだいぶ慣れたのか、燕夫婦は、わたくしたちが外にいても
せっせと藁や泥を運んできます。

こうして巣づくりをして、卵を産んで孵して育てて、また季節になったら
帰っていくのですね。

ふと、古代ローマの哲学者、セネカの言葉を思い出しました。

「人生は短くなどない。与えられた時間の大半を我々が無駄遣いしているに
すぎない。」

せめて、ひと時は、この言葉を噛み締めて生きたいと思います。
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by sala729 | 2015-04-27 15:02 | Comments(0)

昨日、出勤前にテレビをみましたら、たまたま流れていたのが
テレビ朝日。
朝は時計代わりですから、どこでもいいんです。
NHKのこともあれば、読売テレビでも、テレビ東京でもいいんですけどね。

すると、その番組のキャスター君が、爽やかな笑顔で「テレビ朝日のアプリが
できました。とても便利になりましたので、みなさんどうぞこちらからどんどん
投稿してくださいね。」と、語りかけるのです。

アプリには、あなたもカメラマン・・みたいなタイトルがついていました。


「ね?,これってどういうことよ?街を歩いていて、事件や事故に遭遇したら
これで撮ってどんどん送れってこと?」
「そーいうことだろうね。」家人はわたくしの怒りアンテナに何が触れたかと
恐々として応えます。

「ばかじゃないの。こんなことしたら、事件や事故のときに、人命救助より
先に写真撮って送りなさい。採用されたら薄謝(か、どうかは知りませんが)
と、あなたのお名前が写真の横にちよこっと載りますよと、おばかどもを
煽っているようなもんじゃない。」

「でも、現実に今の時代、人助けしょうとしても、下手に手を出したら
かえって難癖つけられたり、逆恨みされる時代だよ。人命救助も考える
でしょうよ。」と、家人


「なに言ってるのよ。確かにそんな時代だけど、こんな時代にしたのは誰よっ?
張本人の私達が、それを反省もせず、こんな時代だからって諦めているから
いつまでたっても、よくならないんでしょ?
犯人が捕まったって警察署の前で、子供が゛たむろして、車から降りてくる
犯人をスマホでバシャバシャ撮ったり、犯人の背後でピースサインだしたり
している子たちが、嬉しがるようなもん作って、それをテレビで流して
どうするのよ。」

「じゃ、君は散歩している池で、誰かが溺れていたらどうするのよ?
ちょっとぐらい泳げるようになったからって、助けに入るの?
一緒に溺れるよ。」

「ばっかねぇ。そのぐらい判ってるわよ。もしそうなったら、人を呼ぶとか
廻りの浮きそうなもの探すとか、持ってるスマホで119番するとか、自分の
できることするわよ。
なにも、蛮勇を揮えと言ってるわけじゃないのよ。
携帯を持ったことで、勇気や親切や思いやりより、好奇心や興味や快楽が
勝ったなら、もうそれ以上は助長しない大人になりましょうって言ってる
のよ。」

「誰に??」

「・・・むっ・・・せ、世間によ。テレビ朝日によ。でも、届かないなら
仕方なくあなたに言ってるんじゃない。」
・・・・・くっそぉ(下品な言葉遣いですみません)・・・イタイとこつくなぁ。



と、相変わらずの我が家の朝の会話だったのですが、わたくしは本当に
テレビ局の見識を疑っています。
確かに、出来事を映像で残しておくことも大事でしょう。
でも、それよりも先に大事なことを、まだ若い彼らに教えなくていいのですか?

写真撮って送るよりも先に、今そこにある命・・でしょ。


昨今流行のYouTubeに投稿される、おバカたちが増殖している昨今
こんなアプリを巷に流してどうするのです。

ずーーーっと昔、テレビ創成期の頃、大宅壮一氏が「一億総白痴時代が来た」と
言葉を残していらっしゃいますが、今は携帯電話がそれに代わっているようです。
時代は繰り返す・・・と、いうことでしょうか。
時代に学ばないということでしょうか。
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by sala729 | 2015-04-14 12:21 | Comments(0)

続けると長くなるので、二つに分けました。

そしてここでは、アンジェリーナ・ジョリーに話は変わります。
彼女は先ごろ、卵管と卵巣を摘出したとニュースになりました。
確か、彼女は数年前にも、乳がんの予防に乳房を切除したと
ニュースになったこともありました。

自分の係累が癌遺伝子を持っているかもしれないという中での
選択だそうです。
家人などは、どうなるか判らないのに、外国人は極端やなと
呟きましたが、私は彼女の選択を天晴れと思います。

残される子のために、私は死ねないと、今自分ができる最善のことを
為す・・・
この究極の形がこれではないかと思うのです。


確かに母になれば、たいていが覚えがあると思います。
子供が幼いころ、今は何があっても私は死ねない・・と。

わたくしもそう思いました。
だからその頃は、毎年検診にもいきましたし、もちろん婦人科検診も
怠りませんでした。

調子が悪くなれば、受診もしましたし、もしも、私が死んだら・・と
想像すると、果てしない絶望と暗澹たる想像しか思い浮かびませんでした。


ですから、彼女の選択の潔さと責任感に心が揺さぶられるのです。
悪くもない体にメスを入れ、しかも彼女は女優さんです。
その決断の大きさには、敬意を表します。

男にはきっと判らない・・・家人には冷たくそう言い放ちました。



母性の形はいろいろあります。
自分ができること、できないこともあります。
でも、子供の生死を握っているのは自分だということは忘れないでほしい。
それが危うくなりそうなときは、女も捨て、見栄も捨て、意地も捨てて、
子供の命だけを第一に考えて欲しいと、ババになった今はしみじみ思います。

こうして、年を経て、ババになったら、その時は自分の命は自分で
思うように使いましょう。
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by sala729 | 2015-04-06 12:06 | Comments(0)

いささか旧聞にすぎるかとも思いましたが、このことについて
ブログで書きたいと思いつつ、時間の流れやアクシデントでなかなか
機会がなく、やっと今日のことになったので、あえて書き留めて
おこうと思います。

母性ということについては、わたくしもここで何回も自論を展開
しており、今更・・とか、またか・・と、お思いの方はスルーして
ください。
わたくしは、書きたいという自らの欲求でここに認めるのです。
もちろんご意見や反論は、大歓迎です。
心からお待ちしております。


さて、前段はこれぐらいにして、先に川崎で中学一年生が、年上の遊び
仲間にリンチされ死亡する事件がありました。
彼の一年生は、隠岐の島から川崎に転校して一年余り。
あまりにかわいそうな事件でした。
・・・犯人は逮捕されたものの、まだ全面解決とまでは言えてはいない
ようですが・・。


この事件は、世間にいろいろなものを投げかけました。
まず被害者少年の生い立ち。
両親と隠岐の島で暮らすということになって、やってきた処は、風土も
気質も自分に会っていたのでしょうね。
楽しい少年時代をすごしていたものの、両親の離婚で再び、母親の実家で
ある川崎に帰ることになった少年。
彼は必ずここに帰ってくると島の友達に言い残し、語り草になるほど
盛大な見送りを受けて、島を後にしました。


その結果がこれでは、あまりに不憫です。


この事件について、林真理子さんが週刊文春のエッセーで「親は何をして
いたのか?」と、書いていましたが、私も全く同感です。
彼女は夫君に、「そんなことを言うものではない。今一番辛いのは
お母さんなんだから」と、諌められたと続けていましたが、それは
その通りです。
母親ですから、それが判らないはずはないのです。

でも、言わずにはいられない。


彼女(少年の母)が、離婚して実家に帰って、協力してもらえる
はずの両親だったのに、父が病に倒れ、母がその看病にあけくれ、とても
そんな状況ではなくなった。

5人の子供を抱えて、自分は昼も夜も働いて、家計を支えていたのでしょう。
長男の彼に下の子たちの面倒を見させていたのでしょう。
そんな中での精一杯の子育てだったことは推測できます。

そして、そんな彼女を林真理子氏は責めるなという論調がネットの中の
シングルマザーとその擁護者の間にあるのも知っています。



でも、極論を先に述べるなら、一生懸命育てようと、予定が狂おうと
その子が大人になるまでは、最低限死なせないという重い責務から
逃れることはできないのです。

Wワークでどんなに疲れていても、何度も顔を腫らして帰るわが子を
学校を無断欠席しているわが子を、夜も帰ってこないわが子を、そのままに
しておいた責任からは逃れられないのです。

きっとこれからも、彼女はその責任の重さに押しつぶされそうになって
幾夜も辛い日々を過ごすことでしょう。
それは判ります。
わたくしは、彼女を責めているのではないのです。
彼女はこれから、もうどうしても二度と、埋めることのできない
深い大きな穴の中で、癒えることのない傷を抱きしめて生きて
いかなくてはならないのですから、そんな人を責める気持ちはありません。

でも、せめての教訓として、「親は何をしていたの?」という問いかけは
親たるもの全てが持っておくべきではないかと思うのです。

それを、さもしたり顔で「シングルママの苦労を判ってない」とか
「貧困社会がこうした」とか「彼女だって一生懸命だったのよ」とかの
安易な同情論で片付けてはいけないと思っているのです。
シングルになったのは、子供の責任ではありません。

夫のせいかもしれませんが、そんな男を選んだのはあなたです。

でも、子供は自分の責任で産み育てるものです。もし仮に不幸にして
望まないとしても、産んだ以上は全責任がついてくると覚悟しなければ
ならないのです。


じゃ、仕事休んでクビになってみんなが路頭に迷ってもいいの?
そう言った人もいました。
クビになるかもしれないけれど、ここはどうしても優先しなければ
ならないことはあるでしょう。

それは、失礼ながら子供の保育園の送り迎えをどうするかとか
予防注射の日に父と母どっちが仕事を休むかというような問題とは
大きさが全く違います。
でも、それでもそうしなくてはいけなかったはずです。
日々のわが子の様子を見ていれば・・・

そしてそのために、周囲や行政や学校に助けを求めるべきだったのです。
一人で生きる母親は確かに偉いけれど、子供のためにそれが
できなくなったら、迷わず自分の信念も矜持も捨てて、子供の生きる道を
優先しなければならないのです。



こうして書いていくと、必ず「あなたはそういう目にあってないから
言えるのよ」と、反論がきます。
もういちいちそれに応えるのも、煩わしいのですが、離婚したか
しなかったかは、人の価値判断ではありませんし、シングルの苦労も
誰かの妻としての苦労も、各々の価値観の前では、甲乙つけることは
できないでしょう。
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by sala729 | 2015-04-06 11:50 | Comments(0)