決して仕事を選り好みしている訳ではないのですが、自分で独立してからは
確かに仕事内容は厳選するようにはなりました。
前のようにパワフルではありせんが、その分中身の濃い仕事ができていると
多少の自画自賛はありました(笑)




そんな中での久々の・・・・な面談が昨日のことです。

まず、ご相談の電話は男性でした。
母が亡くなり、実弟の居場所を探したいと・・・。これは案外多いご依頼ですので
日時をお約束してお逢いしました。
その時も誰かと相談はしていらしたのですが、「とりあえず、私だけで・・」と
小声で仰ったので、もしかしたらとは思っていましたが、やはりお見えになったのは
奥様とご一緒でした。


男性は中川さん(仮名・65才)奥様は珠代さん(仮名・年齢不詳)です。
口火こそ中川さんが切りましたが、三分も待たず珠代さんが
「ねぇ。おかしいでしょ?。実の親が死んだのに息子がどこにいるやら
判らんなんて。兄弟でありながら、お互いの行き来がないなんて。
私は六人兄妹やけど、みんな仲いいですよ。この人ら、異常。
異常ですよ。」と、ご自身その異常さにちっとも気づいていない大きな声でまくし
たてるのです。

見栄えで判断するのもなんですが、中川さんは長身で甘いマスク。お年よりははるかに
お若く見えます。物腰も柔らかで、お聞きしていませんが珠代さんが
「主人は京大出です」と、誇らしげに仰いました。
もっとも、そのあと
「そやけど、なーんも仕事せんのです。ずーーーーっとアルバイト。予備校の
先生なんて聞こえはいいけど、一生アルバイトで、のんべんだらりと過ごして
きました。
今はその仕事もしてなくて、私の紐。ヒ・モですわ。」とこれまた
あたり憚ることなくまくし立てます。


ご自分で、私は水商売やからと仰ることを証明するように、茶色というより赤に
近い色に染めたチリチリの細い髪を痛々しいポーにーテールに結い上げ(何が
痛々しいかといえば、その少ない髪を吊り上げる過酷さがです)
両手の親指以外のすべての指にはめられた、それはそれは大ぶりの指輪。
赤銅色に日焼けした薄い胸に、拷問のようにぶら下げられた、ぶっとい金の
ネックレス。
そして、薄茶のシャネルのロゴも仰々しいサングラス。

そのいでたちで、身を乗り出すや
「あんな、あんたいい人そうやから言うけど、私、この人と離婚したいんや。」


は?・・・・あ、あの、今は義弟さんの所在の・・と、言いかけた言葉を呑みこみ
ました。経験上こんな時は、下手に逆らうと時間がかかるばかりです。

「ほんまにな、こんな甲斐性なしとはおもわなんだわ。私は自分で仕事して、家事を
完璧にして、私こうみえてもきれい好きで、料理上手なんよ。そやから、家事は完璧。
そやのに、この人は朝は遅うまで寝て、ぼーっとおきて、なーんにもせん。
仕事もせん。家事も何一つせん。
この人、頭もええし、顔もええけど、他なーんも取り得がない。一緒になるとき
お父ちゃんが、なんも辛抱せんでええぞ。いつでも帰ってこい言うとったんは、
当たりやったんやわ。」
ハンカチ片手に珠代さんの声は、さらに大きくなります。
そこから延々と続く夫への、罵詈雑言。
とても、ここでは書かれないことも、言い募っていらっしゃいましたね。
さすがに、鬼ババとカゲで噂される私も、ご主人がお気の毒になりました。



中川さんは時々天井を仰ぐように身をそらせますが、何を言われてもなんの
反論もしません。困ったように、苦しいように顔をしかめるか、天を仰ぐか
だけです。

珠代さんから時々同意を求められても、私には頷くしかありませんし、
下手に反論して、火の粉をかぶりたくもないです(苦笑)

ようは、珠代さんは離婚をしたい。もう我慢できないというのです。
しかし、中川さんは同意するのか反論するのか、何ひとつリアクションを
返さないのです。

えんえん一時間がすぎました。
しかし、珠代さんの愚痴は留まるところを知りません。
・・・・・なんとか上手にお引取り願わねば・・・・


それにしても、久々の「大阪のおばちゃんパワー全開」の女性とお逢いしました。
もう最初の義弟の所在なんて木っ端微塵。
ひたすら珠代さんの独演会です。

しかし、
その面白いこと・・・(笑)


反省しました。いつでもどこでも誰とでもがキャッチフレーズだった私が
いつの間にか、自分にやり易い仕事のみを選んでいたことに気が付きました。
仕事としてお受けするしないは、お話を聞いてからにすればよいのです。
まず、このキャッチフレーズを自分に取り戻す。

そしたら、こんな面白いお話が聞けるのです。
これって、そこいらのお笑いより、吉本新喜劇より面白いですよ。
こんな、お得な仕事しているのに、自分からその視野を知らず知らず
狭めていた私はバカでした。

明日から、面白いネタを集めにより精進しましょう。と、心根を新規に
取り戻してくださった珠代さんに心から謝意を捧げます・・・・
にしても・・・大阪おばちゃんパワーおそるべし!・・・です(笑)
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by sala729 | 2014-07-14 11:23