先日、ここでお話しました長岡一夫さんからお電話がありました。

妻の留美子さんが自分の勤めていた会社の倒産社長と不倫をしていたとう
あの件です。

一夫さんは証拠写真を片手に、留美子さんを彼女の実母宅に呼び出し
ことの次第を話しました。
最初は、うろたえ驚き怒りもした留美子さんですが、もともと賢い人です。
状況はすぐに理解したようで、倒産社長とは別れますと、言ったものの
一夫さんのもとには帰らないと言います。

ひとりで生きてみたいという思いは変わらないと言うのです。
一夫さんは、優しい夫ではあるけれど、若い頃お酒を飲んで絡んでいた時期が
あります。
もちろん今では、そんなことはないのですが、その時に投げられた言葉が
胸に刺さってそれを忘れることができないと・・。
子育て中は、忙しさに紛れて思い出すこともなかったのに、子供から手が離れ
自分の時間ができたら、それがフラッシュバックして眠れない夜もあると
言うのです。


そういうことは本当にあったのですか?とお聞きすると、「はい。確かに
ありました。それは今回義母さんからも再度言われました。」と、一夫さんは
うな垂れます。

「でも、それは若いときだけで、いまはそんなことは絶対してませんっ。」


それはそうなんでしょう。見れば判ります。


・・・うーん・・・これをどう解釈するかですね・・・


私は正直言って、留美子さんの「言い逃れ」だと思っています。
浮気の言い訳に、過去を持ち出したと思っています。

でも、よしんば、それが事実であったにせよ、過去のことを持ち出して
「あの時のことが忘れられない。だから・・」と言われても、それは
どうなんでしょう。

確かに、取り返せないことや、忘れられないことはあります。
それも認めた上で、言うのですが、
でも、それって、その時に解決しょうとしなかった双方にもそれ相応の
責任があるのではないでしょうか?

今になって、相手だけを責めるのは、正しいのでしょうか?

それを是とするならば「更生」や「改心」という言葉は不必要になって
しまいませんか?

傷つけられて、一度や二度はそのことを責めてもいいでしょう。いや、むしろ
それは責めるべきです。
でも、長い年月がたって、しかも今度は自分のほうが不利になった時に、
その事を持ち出すのは、それは卑怯ではありませんか?




じつは、これらのことを私は一夫さんにも告げました。
すると彼は静かな声で
「いや、事実は事実なんですよ。留美子の言い分も、尤もと思います。
だから、私は留美子のことは待とうと思います。自分の若いときの罰です
から。」と言うのです。

・・・・・なんて素敵な、まるで恋愛小説のような科白ではありませんか。

(蛇足ながら、私はこんな恋愛しょうとは思いませんけどね。)
(ひぇ~っ。恋愛って、男役?女役?)←家人弁
(うるさいっ!!ばしっ!!!)
(やっぱり、情緒はないよね。似合わないしね。)←家人弁
・・・・・・口の減らない、学習能力の低い男です。そんなに自分を窮地に
追い込みたいか・・・・・×□凹凸○◎×××・・・・(ご想像ください)




 ともあれ、人様のご夫婦のことに、とやかく口を突っ込む気持ちは
ありませんで、一夫さんには何も言いませんでした。

「相手とはお話されたのですか?」
「ええ。その日にしました。ホテルに行って、写真見せました。」
「相手はなんと?」
「私が妻には二度と会わないでくれと言いますと、それは約束できないと。」
「はぁ??」
「合わないように努力はするけど、約束はできないと言うんです。」
なんと、厚かましい倒産社長め・・・・・


「それで、長岡さんはなんと?」
「しろ。できないで揉めたのですが、どうしてもうんと言わないものですから
 できるだけということで納めました。」
「・・・・・」終わったことを、何言っても無駄ですから・・

「それで、慰謝料を請求すると言いました。そしたら、今週の金曜日に返事
すると言いまして、私はそれで帰りました。」

・・・・返事って?電話で?
慰謝料って、倒産して逃げ回っている社長がどうやって払うのよ??


「連絡がこなくても、もういいんです。やるべきことしたら、すっきり
ですわ。私は留美子が帰ってくるまで待ってます。それでいいですよ。」

科白だけ聞くと、一夫さん素敵すぎです。(笑)


でも、4日後・・

携帯が鳴りました。みれば、一夫さんです。

「A、Aさん、男から電話がありません。かけたら繋がらなくなっています。
ど、どうしましょう?」

四日前のあの、カッコよさはどこへ?と思うほどの狼狽ぶり。
「連絡なくてもいいんじゃないですか?」
意地悪な私。

「い、いや、あの、それは・・その・・」
その場のポーズというやつ?


人間はかくも弱く、脆く、面白いものだと、またまた認識した日でした。
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by sala729 | 2013-04-25 11:45 | Comments(2)

いやはや、人間は軽々に物を言うものではないという戒めを、ふかーく
感じ入って、半分やけになって試験勉強に励んでいる自分を、損な性分とは
思いつつ、「ま、それが私だしぃ。」と、半分やけになっている相談員です。

と、申しますのも、前回ここで宣言いたしました、漢検。
はい。当然もう申し込みもしましたし、問題集も買いました。試験予想問題集も
買いました。
受験料を支払い、その領収書を事務局に送付して、それからおもむろに
開いた問題集。


この年ですから、いくらPCの災禍とはいえ、漢字の読み書きは、そんなに問題は
ありません。
忘れた漢字もあまたありますが、それでもなんとか、うんうんと消化していけます。
でも、でも、突然私の目の前に聳え立ったのが「部首」

「次の漢字の部首をしめせ」・・・って20個ほどの漢字が並びます。
もちろん読めますが、「慶」の部首が「心」って・・
凸が「うけばこ」で「繭」は「糸へん」くさかんむりではなくて・・・


あぁぁ・・・もうここで後悔しました。
自慢ではないですが、人並みに本は読んでいると思っています。
漢字については、大抵は読めます。

しかし・・・漢検というのはそれだけではなかった・・・そのことに
問題集開いて初めて知った、浅はかな自分を呪いました。
せめて、せめて、問題集開いてから、ここで宣言するかどうか決めれば
よかった・・・と(^^;)



しかし、事はすでに遅し。
サイは振られています。宣言したからには、及ぶと及ばざるに係わらず
全力を尽くすまでです。
何十年ぶりかで、レポート用紙を持ち出しての勉強時間をなんとか捻出
しなければなりません。

日頃、あんなに時間が一杯あるのに、勉強しょうとしたら、こんなにも
時間がないと感じるのはなぜでしょう??(笑)

一時間早起きして・・と、この一時間を気が付いたら無意味に費やしている
のはなぜでしょう。(笑)

確実にひとつ言えることは、学ぶということを自発的にするのは、
実際にとても難しい。それも、年を取ればとるほどに・・・と、
言うことです。

よくテレビなどで、70代、80代で、高校に入りなおしたとか、
大学の社会人教室を出たとかいうニュースを「へぇ~」とかの
一言で見ておりましたが、今ここに至ってその先人の方々の偉業が
より身近に迫って参りました。

いまのせめてもの救いは「受験級」を公開しなかったことです(笑)
言った以上は、もちろん受験します。
そして、最終的には1級を目指します。

・・・・・ただ、それまでの道のりが、自分で描いたより、ずっとずっと
遥か遠くなったのは事実です。
死ぬまでに間に合うかどうか・・(自爆)



ここで、「やりました!」と、報告できる時まで、読者の皆さんは待っていて
くださるでしょうか?(笑)(笑)(笑)←そーだよねぇ。
笑うしかないよねぇと囁く家人の、嘲り顔が叩き潰したいほど癪にさわります。


深呼吸して、この悔しさを昇華させようと思います。
ここまで笑われたのです。合格の暁には、目の玉が飛び出るか、腰が抜けるほどの
「合格祝い」を、してもらおうじゃありませんかっ!

そ、それまでは、死ねない・・・(--:)
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by sala729 | 2013-04-22 16:59 | Comments(0)

今日は「春」というよりも「初夏」のほうが、ぴったりくる陽気です。



こうしてあっという間に夏はやってくるのでしょうね。
待ち行く人たちの色彩もカラフルになって、特に今年は柄パンツがどの
店先にも並んで、一層の華やぎを撒き散らしているようです。




昨日は、ちびを連れて「キッザニア甲子園」に行ってまいりました。
いやぁ楽しかったですよ。本当に・・
ご存知の方も多いかとは思いますが、キッザニアは子供がなりたい職業に
扮してそれを楽しめるという施設です。

入場こそ親と一緒ですが、各施設では子供だけでブースに入り、その係員さん
に、注意事項や心得をレクチャーされるらしいです(大人は入れませんから
外から見て、想像するだけです)
これは、ちよっと感激ものでした。

ちびは一人っ子ですので、典型的内弁慶なのですが、それでも一人で
係員さんと向き合って、説明を聞いています。
その真摯な態度には、ちょっと感動さえ覚えました。

消防士、電気工事士、警備員、印刷工、パイロット、PC作業者、警察官
そして、職業ではありませんが、運転免許の試験と発行。試乗と、男の子が
欣喜惹起するようなものばかり。


どれも、コスチュームを着けて、消防士は車に乗って「緊急自動車が・・」の
アナウンスから、ホースを消火栓に取り付けて、実際の水を放水するところも
あります。
電気工事士は、電力会社でのレクチャーのあと、高所作業車で変圧器の修理を
して、街灯が点くまでです。

警備員は、特殊警棒の使い方から、現金入りジュラルミンケースをデパートに届ける
までをします。


ひとつ、ひとつ挙げるとキリがないのですが、それはそれは楽しめます。
子供はもちろん真剣ですし、大人もそんなわが子の成長に、見とれます。

ひとつひとつの仕事に、お給料がでます。そして、それでお買い物もできますし、
なんとキャッシュカードも作れます。しかも年利10%(笑)

本当に大人社会の雛形そのものなのです。

パイロットは、たまたまこの日が週一の英語説明の日だったらしく、すべて
英語です。
それでも、どの子もみんな、なんとなく判るのか、その通りしています。
着陸も離陸もみんな真剣です。
ここは他に、客室乗務員のコースもありますが、女の子はみんなそちら・・と
思えばそうでもないんですね。
女の子のパイロット希望者も多かったです。
世の流れはそうなっているのですね。


子供にいろいろな世界を知らしめてあげようと、いろんな経験をさせたいと
思ってはいますが、その子供のおかげで、私の方がいろんな経験させてもらって
いるようです。


そして私もまたひとつ・・・次のチャレンジ目標を見つけました。

ダイエットのときと同じように、ここで宣言して、もう撤回できぬように
自分を追い込んだように、今回も宣言します。

今年は「漢字検定」に挑みます。
何級か?・・・それは勘弁してください。
でも、最終目標は1級。ということで・・・

前にも何度か挑もうと思ったことはあったのですが試験日が、仕事と重なって
いたり、例の「漢検親子不正事件」があったりで、なかなか実現せず
やっと、今年になって決心しました。

じつは、息子も職場で、仕事に必要な資格試験を今年取ることになったと
先日の電話で聞きました。
ちびにも、大人が勉強しているところを見せねば・・・とも思います。


私はちびと約束するとき「男と女の約束なんだから、破るなんてことは
許されない」と契りを交わします。
するとある時、ちびが姫(我が家のメスのちび犬)に向かって
「男と女の約束なんやからねっ!。」と、言い聞かせていたと、娘が
のけぞって笑いながら報告してくれました。

いやいや、それはそれでよいことだと私は思います。
相手が誰であれ、約束すると自分も守るようになります。
自分が守らないことには相手を責められませんからね。
そうやって、大人社会のきまりと、意地をひとつづつ教えていくのは
・・・快感~・・・です(^^)
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by sala729 | 2013-04-18 13:50 | Comments(0)

私は国粋主義者でも、右翼と呼ばれる思想人間でもないと自分では思って
おりますが、かの隣国がどうも苦手で、家人にどんなに「焼肉」だけ
食べに行こうよ~と、甘く囁かれても触手が動かされることはありません。

こんな私が育てたせいか、わが息子も同様のようで、高校時代は
かの国への修学旅行をすっぽかして、その期間一人で東京を彷徨っていたという
輩です。

私はそういう人間ですから、ひところの「韓流ブーム」に乗るはずもなく、
かの国の、ハンサムなぺ様や、その他諸々(すみません。他は名前も知らない
もので・・)の、方たちの演じる、ロマンチックな恋愛ドラマには全く
興味がなく、むしろ彼らに愛狂う日本のおば様たちを、同世代として冷ややかに
見ておりました。

そしてその反動で、あまたの韓国映画を「韓国」というだけで拒絶しておりました。


ところがです。
・・・・・・・・ところが、ところが・・・


過日、wowowで「黒き瞳の告発」という映画を、ひょんなことから見て以来
見直しましたね。韓国映画っ。
そのあと、トガニ、黒い家、カエル少年・・(ごめんなさい。あと忘れました)
次々と見ているうちに、その視点の斬新さに、嵌っちゃいました。
斬新と言っても、あくまで私の中で・・なのですけれどね。

ただ、私の見る韓国映画には恋愛要素はこれっぽっちも入っていません。
黒い家などは、日本のリメイク版ですが、賞賛された大竹しのぶさんよりも、
何倍も鬼気迫る演技で、「これぞオカルト。これぞホラー」と、私を
満足させてくれました。

それ以来、時々、韓国映画を楽しんでいますが、いまだに「愛とか恋」とかに
テーマを置いたものは、見たいとは思いません。
飴玉にさらに糖衣を被せたようなお話の設定に酔いしれるには、男と女の
裏表見すぎたこの仕事のせいかもしれません・・・(苦笑)

「冬のソナタ」を見て、静かに涙を流していた友人の夫さんのあの純真な心根は
もう私の中には微塵も残っていません。(ウンウン・・そーだろうねと相槌
うつ家人の顔面にアッパー!!)


各国の映画を見ていて思うのですが、「処変われば品変わる」とはよく
言ったもので、それぞれの国のそれぞれの倫理観や、歴史観の違いがなんとなく
肌で判るような気がします。

そう思って見ていたら、やっぱりこの国とは相容れないと判ったような気がします。
映画の嗜好と、国民性の理解や寛容とはまた別の問題です。
お互いがお互いの国の映画を何本か見れば、きっと判りますよ。
双方、絶対に相容れないって。(笑)

ですから、やっぱり私は焼肉を食べには行かないと思います。
焼肉は、地元の名店で締めに「打ち込みうどん」が、とても美味しいお店で
いただくことに決めてます(^^)
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by sala729 | 2013-04-08 15:04 | Comments(0)

穏やかな青空には似つかわしくない風の強さに、桜の花びらは文字通り
「花嵐」のように、二人に降り注いで、まるで韓流ドラマの1シーンのような・・


調査員の手はカメラから離れることなく、二人を追い続けます。
冒頭の嘘っぽい表現は、お気楽相談員のたわごとと思いつつも、この二人に
不潔感も、嫌悪感も覚えないのは、やっぱり桜の精のなせる業かと思わない
ではないのです。






夫の長岡一夫さん(51才・仮名)が相談に来たのは、先月の末のこと。
結婚して30年近くになる妻の留美子さん(51才・仮名)が、突然家を出た
のだそうです。

勤続15年の印刷工場が倒産して、逃げた社長の代わりに倒産処理をしていた
留美子さんが、自身の未払い給与を受けて、2日後のことです。
長い手紙が残されており、綺麗な字で、これからはお父さんも楽しい人生を
送って下さい。私も自分の道をみつけます・・・と、文学的表現で綴られて
おりました。

夫名義の貯金通帳も、保険証書も、未払い給与の半額も机の上に置いて、
彼女は出て行きました。

でも全くの音信不通ではないのです。
一週間後には、夫の母が北関東から一人でやってくるので、その母のいる間
だけは、老いた母に心配かけたくないから、一旦家に帰って「仮面夫婦」で
いると言うのです。

なにやら、優しいのか、自分勝手なのかよく判らない事情ではありますが、
一夫さんは、それを留美子さんの優しさと言います。

でも、一夫さんには、どう考えても別居の理由が納得いかないのです。
留美子さんは「離婚」とは一言も書いてはいませんが、この家を出て
私は一人で生きたいと、何十年か前の自分探しメロドラマの
ヒロインみたいなことを書いています。

この家を出て、妻がどこにいるのかそれが知りたいと一夫さんは言います。
それだけでいいのだ・・・と。



そして、その調査の結果がこのシーンです。
一夫さんの母が帰って、留美子さんは実母のホームに行ったりしていましたが、
やがて県境のビジネスホテルに宿を取りました。
そこにやってきたのが、留美子さんが勤めていた印刷工場の元社長です。
同年齢かとは思われますが、薄い頭頂部には、倒産してからの苦労が偲ばれ
ます。
若作りをしていますが、この季節にTシャツ一枚は50をすぎた身には
なんとも、貧乏くさ(--)

乗ってきた古いセダンのバンパーは、どこもボコボコ。
後部座席に積み重なった、衣類や新聞が、この男の現在を静かに語って
いるようです。


二人は連れ立ってホテルを出ると、川沿いの桜並木を右手に、腕を組んだり
握り合ったり、目を見つめあったり・・・それはまるで自らを
韓流ドラマの主役であるに違いないというしぐさです。

正直、留美子さんは確かに綺麗です。プチ美魔女と言ってもいいかなと
思うほどです。
依頼者である一夫さんもなかなかハンサムなのです。
これは留美子さんも認めており、手紙の中に「あなたは、顔もいいからきっと
誰かいい人ができる」と、断言しています。・・・これもかなり身勝手な
言い分だと、私などは思うのですが、一夫さんにはそうではないらしいです。
こんなことがなければ、中年美男美女夫婦コンテストで準優勝ぐらいは
出来そうなご夫婦なのです。
そんなコンテストがあれば・・・なのですけれどもね。
(しかも、準優勝ってなによ?・・・というカゲの声は無視して・・)



それに対して、この倒産社長。決してハンサムとは言えない顔立ちです。
取り立てて背が高いわけでも、知的なわけでもなく、筋肉モリモリでも
セクシーでもありません。

どこにでもいる程度のごくふつーの、ちよっとイタイ若づくりオヂさんなの
です。

その二人が桜並木の下で、花吹雪に覆われて花見を楽しんでいるのです。


最初、その写真を見たときに、「場違いな主役」と思ったことは隠せませんが
じっと見ていると、なんだか不愉快な気持ちが薄れていくのです。

私は仕事柄、不倫する側を優しい気持ちで見ることも、同情することもまず
ありません。
私はそういう立場の人間ですから。


でも、そういう私ですら、たまーに、こういう気持ちになることがあるのです。


倒産社長の頭に降りかかる桜の花びらを、優しく指で摘んでいる留美子さんの
穏やかで、優しげな眼差しが、ここに至っても妻を責めない一夫さんの
顔に被ります。
とりたてて非のない夫を捨ててまで、選んだこの倒産社長に注がれる
留美子さんの慈愛は、どちらをどうというのではなく、捨てられなかった
どちらともへの愛に、苦しい方を選んだのかもしれないと思うのです。

夫が嫌いなわけではない。でも、いま人生のこの窮地の人を見捨てる
ことはできないという優しさが、この現状を選択させたのではないかと
思うのです。


もしそうだとしたら、この倒産社長もそれに応えるべきでしょうね。
本当に留美子さんを愛しているなら、彼女のこの優しさに応えるのなら
あながが身を引きなさいと・・・
人生の一番のどん底期に、愛している女性を道連れにするのはやめなさいと
彼に伝えられるものなら、伝えたいと思いましたね。

男も女も、「自分を生きる」というのは難しいものです。
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by sala729 | 2013-04-05 14:01 | Comments(2)

うどん県として名高いこの地の空港に、地元で有名なラーメン屋さんが
出店しました。

この店のラーメンは本当に美味しいです。
出汁を利かせた薄味の透明感のある汁は懐かしく、心優しく、私はいまだ
ここ以上のラーメンに出会ったことはありません。
もともと県の西部に、とてもマニアックに出店してあり、電話番号なし。
地図なし。お店は県道外れた田圃の中の組み立てハウス(現在は趣のある
お店に建て直してありますが・・)という外観。

日本料理の調理人だったというオーナーさんが「うどん県」のなかで開いた
ラーメン屋です。それを聞いただけで、何かありそう・・でしょ?(笑)

もちろん知る人ぞ知るですから、お昼は列を作っています。あぜ道は車で
一杯です。
それでも、高速道路に乗って食べに行く価値のあるお店と、もちろん私も
思っているからこそ行っていたのです。


そのお店が、満を持して空港内に出店したというのです。
我が家は、空港から車で20分という位置ですから、私のために出店して
くれたのかと思いました(そんなはずないのですけどね。)

お店は狭く、席数の少ないのですが、田舎のお店にはない、大盛肉うどんや
巨大天麩羅うどんもメニューにあって、期待度は満々。
もちろん行きましたよ。
私はつけ麺(私・・ホントはつけ麺好きではないのですがここのだけは、好んで
オーダーしています)家人はもちラーメン。(冒険ができないタイプの男です)

オープン間もなくなので、オーナーさんもお店にいらして、もちろん申し分ない
お味でした。お土産に購入した「七味唐辛子」も味、香り、申し分なし。



と、ここまではよかったのです。・・・・・・
しばらくして、空港周辺で仕事を終えて、夕食にとその店に行くことにしました。
夕方の空港は離着陸も多いのか、そこそこ混んでいました。
二階の奥のその店の前には、長くはありませんが列が出来ています。

もともと、この店は並んで当たり前と私も思っていますから、並びました。
四番目。
お店の向かい側には、地元の有名うどん店。
並んですぐお手洗いに行き、戻ってもこちらの列はぴくりとも動いていません。

こちらより遥かに長かった向かいの店は半分ほどの長さになっています。

もともと、うどんは回転率のいい食べ物です。ましてや空港ですから長居する
人は殆どおりません。

なのに、なのに・・・
家人の後ろに若いカップルが搭乗チケットを持って口論しています。
男性がここで食べたいと言い、女性が列が動いてないからいやだと言っています。
よせばいいのに、家人は話に割り込んで

「ここはラーメン、美味しいですよ。並んでも価値あります。」とPR。

「ほらみろよ。うどんじゃなくて、最後がラーメンっていうのがいいんだよ。」と
得意げの男性。
「じゃ、そうしたら。私は最後もうどんで締めたいわ。」
女性はあっさりと言い放ち、向かいの列に並びました。
男性は、先ほどの得意げな振る舞いが信じられない従順さて、あわてて女性の
後ろに・・。

すると、必然的にその後ろの初老のご夫婦が、私達のすぐ後です。
彼らのチケット持っています。
何気に見ると、あと30分で手続きです。

「ここはお時間かかると思いますよ。おうどんだけなら早いのでけど、ここは
ラーメン目当ての方が多いですから。」
「ええそうらしいですね。この方(家人にむかって)が、そう言ったので
ならここにしょうかと。」ご主人が穏やかに仰います。

しかし、どうみても列は動かず、店内はお酒や、ワインを持った女性店員さんが
右往左往。

「失礼ながらこの分では、時間内は難しいと思います。もし、うどんで締めるも
ありなら、そちらのお店のほうが間違いないと思います。」
私は、地元民ですから、列が早く動けば当然このご夫婦に順番をお譲りします。

「そうだね。ちっとも動かないし。無理ですかね。」
「無理ですね。お酒も出ているみたいですし、おうどんは茹で上がっていると
早いですけど、茹でから入ると、案外時間かかりますか。」

と、そのご夫婦もあきらめ、それでも列は動きません。
とうとう、私達の前の関西親子も、
「間に合わんやん。」と、喧嘩しながら列を離れ、その前の最前列の女性二人組
までもが、諦め顔で去っていきました。
必然的に私たちは一番になりました。

初老夫婦がまだ間に合うようなら、お譲りしょうかと思いましたが、いやまて。
ここでまだ時間かかるかもしれないから、番を呼ばれたらお声をかけようと
待ちました。

・・・・・・一分・・・五分・・・十分・・・・声かけなくてよかった。。。


そして、やっと、やっと、私達の番になりました。
一応後ろの若いカップルに、飛行機の時間迫っているなら、お先でいいですよと
声をかけると、男性のほうが「いえ。飛行機関係ありませんから」と言うので
店内に入り一番奥に座りました。

そして、私はつけ麺(すみませんね。毎度、毎度で・・)
家人は細麺のラーメン。
そして私達にはオーバー容量なのですが、国産肉に拘ったという「肉丼」を
オーダーしました。

後ろの席には、うどん県の仕掛け人、某大学教授がお一人で食事してらっしゃい
ました。
確か、彼はここのオーナーさんとも親しく、いろいろなイベントをお二人で
企画していると聞いたことがあります。

待ちました。ここで待つのは、当たり前ですからそれはなんともありません。
家人のラーメン。私のつけ麺。そして肉丼。
ラーメンのスープはどんより濁っています。なにより湯気がたたない。
私のつけ麺は、いつもの歯ごたえがない。
・・・・そして、そして、衝撃だったのは肉丼に味がしない。
ご飯は真っ白。お肉はお肉色・・・なんだこれ???

「味がしないよ。これ。」
「それかけるんじゃない?」と家人。
肉丼のお盆には蕎麦ちょこに入った液体
「これスープみたいだけど。」
「でも、ここならそんな食べ方もありかもよ。」
一瞬、そうかもとは思いましたが、食べ物センスで家人の言い分が正しかったことは
・・・・ない。
その事実を思い出した私は女性店員さんを呼びました。
「すみません。これってここにかけるの?」
店員さんは、何を言うかという顔をして
「いえいえ。それはスープです。かけません。」

「そう。でもね。この丼味がしないんだけど。ご飯も真っ白だし。」と
告げると、困った顔して
「店長、店長」と奥に引っ込みました。

・・・・・・・・それで判りました。ここの今日のこの捌きの悪さと、味の
劣化・・・

ここのオーナーさんは普段「大将」と呼ばれています。
ということは、今日のここの仕切りは、オーナーさんではなかったという
ことですね。

「うすーくお味はつけてあるんですけど、足りないならこれを。」と
女性店員さんの手には、スープと同じ器が握られています。
後ろにはオーナーさんとは大柄な男性が顛末を見ています。

・・・・・あのさ、ここは味に拘った店じゃないの?
1200円の味のない肉丼に、この出汁を自分であとから入れろというの?

・・・・私は憤然とする前に、後ろに並んだ初老のご夫婦にあえてここを
お薦めしなくてよかったと心から思いました。

こんなことは地元民の恥です。
地元民として、観光客の方にもっともっと、食を楽しんでいただこうと
協力しょうとしても、これでは恥の上塗りでしかありません。

この私達の顛末を「うどん仕掛け人」さんはずっと見ていらっしゃいました。
彼がどう感じたか、思ったかは判りませんが、オーナーさん次第で
こうも変わるお店というのはどうでしょうか?

いつでも、どこでも、あるレベル以上のものをお出しできなければ
一期一会の観光客の皆さんに失望されるのではないですか?

この夜、私は地元民としてとても恥ずかしく、悔しく、眠れない夜を
過ごして、翌朝は、家人に起こされるまでふかーい眠りについて
おりました(^^:)
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by sala729 | 2013-04-04 12:39 | Comments(2)

起きぬけは肌寒くて「花冷え」かとも思われたのですが、昼前から日差しが
柔らかく射しはじめ、すこしづづ温度は上がっているようです。

先月は何かと忙しい上に、息子の帰省も重なって、あれよあれよと言う間に
月が替わったような気がします。
でも、忙しいのはいいことです。忙しくて、忙しくて目の回るような時間の
中で身悶えする自分を想像する時が、私は一番楽しいです。(笑)

先日、チビが初めて自分の意志で、ひとりお泊りにやってきました。
もっとも、目的は、ママに邪魔されずにWill三昧・・ですから、
別に可愛くもなんともありません。

その夜は無事に終え、お話をせびられながら、一緒のベッドで眠りにつき
翌朝は信じられない寝起きのよさで、Willの前に陣取り、朝食まで
すごしていました。

朝食を終え「ママがくるまで」と、私と約束したチビは、一刻も惜しんでの
ゲーム三昧。
しかし・・その時はやってきました。
「はい。おしまい。」無情に最後通牒突きつける私。
「ええっ!!。も、もぅちょっと。もうちよっとだけぇぇ。」あたふたするチビ。
「ダーメ。ママが来るまでって約束でしょ。」

ひえっ!と叫んだかと思うと、ちびは身を捩って「もうちよっと。もうちよっと~」
そこへ娘到着。
「何言ってるんよ。約束でしょ。」

最近はこのパターンが多いのです。
何時までと約束しても、その時間が守れない。
そして、ひっくり返って、ジタバタと泣く・・・最悪です。

チビはますます、殻に篭って、泣き叫び、しまいには「ママのバカぁ!!」
とまで叫びます。
しかも、娘に両手をがっちりし握り締められているので、身を捩りながら
それでも反撃に出ようとさえするのです。
娘もだんだん興奮してきたのか、同じように叫び倒しています。(これは
ちよっと大人気ない・・けど、昔の自分を思い起こせば心当たりは・・あり
ますな。)

そこで、ついに堪忍袋を切らした私は、立ち上がり
「いいかげんにしなさいっ。さっき約束したでしょ。ママが来るまでって。
それになによ。その態度。ママに何してるの?」
もちろん、優しい声で・・・言うはずはありません。

「いやだぁ。いやだぁ。あーちゃんも嫌いだぁ」
「嫌いで結構よ。あーちゃんもShなんて嫌いよ。あーちゃんはキミとの
約束破ったことないと思うけど、キミはあーちゃんとの約束を何度も破るのやね。
そんな子に好かれなくて結構よ。」
子供相手にそんな冷たい言い方・・・と、目で訴える家人を無視して私は
ちびとのにらみ合いを続けます。

そんな時、ちびのバタバタした足が娘の膝に入ります。

「何をするのっ!」
娘より先に、私の手がちびの足をはたくと、ちびは拗ねて飛びはね、
階段まで逃げると
「あーちゃんなんて嫌いや。出て行け。」と悪態。
「ふん。何言ってるのよ。ここはあーちゃん家よ。出て行くのはあんたよ。
ママを蹴飛ばすような子はいらない。約束守れない子はもっといらん。」
冷たく言い放つと、ちびは呆然としています。

外でパパが車で待っているというので、そのまま帰しましたが1時間も
しないうちに私に娘から電話が・・・
「Shが、あーちゃんにごめんなさい言いたいっていうのよ。」
「あら、そ。」
そこで電話はちびに代わります。

「あーちゃん、さっきはごめんなさい。」だいぶ冷静な声です。
「あのね、Shちゃん。本当にごめんなさいと思うなら、電話で済ませる
ことではないのよ。本当にそう思うなら、あーちゃんのところに来て、
ちゃんとあーちゃんの前で謝りなさい。でなと、謝ったことにはならない。」

「・・・わかった・・」蚊の泣くような声でした。

娘に電話を代わらせて、ちびに言った事を繰り返します。

「うん。わかった。」

その日はこちらも忙しく、謝罪は翌日になりました。


「な、あーちゃんは難しいやろ?怒らせたらダメなんやで。」
なんとも言いがたい説得でちびに話しかける家人にひとつひとつ頷いて
ちびは、私の前で直立不動です。

「あーちゃん、昨日はごめんなさい。」
「うん。あーちゃんは、ママのこと蹴ったりする子は嫌い。約束破る子も
嫌い。判ったよね。」
「うん。それともうひとつだよね?」
「もうひとつ?なに?」
「あーちゃんに出て行けって言ったことも・・」


負けましたね。思わず抱きしめてやろうかと思う自分の心を理性で
押さえました(笑)

こうして、私とちびの戦は、今回私の勝利のうちに終わりましたが
なかなか敵も成長しています。
でも、私は奴にとって決して「甘いだけの、優しいだけのおババ」で
あろうとは少しも思っていません。

かつて、息子や娘を相手に戦ったあの日が甦ります(笑)
これから、またあの熱い日が再開されるのかと思うと、期待と喜びに
胸が震えます。

まだまだ、おとなしく優しい大人になる日は遠そうです。
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by sala729 | 2013-04-03 14:59 | Comments(0)