うおぉぉ~~!!!
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by sala729 | 2007-09-27 19:33 | Comments(6)

気がつけば、いつの間にか秋の気配が漂って、9月も終わろうとしている・・・ではありませんか?
今月が特に多忙というわけでもなく、諸事情が絡んで・・というわけでもないのに、今月のブログは、事実上これが最初ということになるのですね。

じつは何度かは向かったのですが、この「エキブロ」なぜか、叩いている途中で忽然と、消えちゃうんです。こんな経験、エキブロ利用者なら、うんうんと同調してもらえるかと・・・(それとも、私の使い方に、決定的な問題があるのでしょうか??)
と、まぁ、そーいうこともあって、今日に至っているのですけれどもね。。。(って、あんまり意味わかんないけど・・)(**)

ともかく、今月は公私ともにメタメタ、ボロボロの、ていたらく・・・もともと諦めの悪い女が、さらに諦めきれずに、ずるずるとばたばたと、足掻き続ける今日この頃です。(謎・・・ではありますが、本人はこれで告白しているつもりで、少しは、籠もっていた陰の風を吹き流したつもりなのですが・・・。


さて・・・少し季節外れなのは、ご愛嬌として、こんなに滞った久々のブログ、いつもよりは面白みと、期待感を裏切らないものをと、考えてみましたところ、こんな話が・・・・・・・



私たちの仕事は、ある意味情念の世界の出来事ではあるのです。
男と女がいて、親と子がいる。情とお金が絡み合って、一筋縄ではいかないこともしばしばです。
そして、ここに辿り着くまでには、ふかーーい地の果てを彷徨うような、そんな思いをしてこられた方も少なくはありません。

下田七恵さんもそんなおひとりです。
地味な色合いの、綻びかけたサマーセーターに、目の立ったジャージーのズボン。
お歳は56才とお聞きしていましたが、60前とは到底見えない外見で、おどおどと歩く姿も、まるで「老婆」です。
面談室で、出されたお茶を両手で捧げて飲む左手首には10センチ以上の幅はあろうかと思われるリストバンド。
季節外れのような、下膨れの指の関節は充分に曲がらないようでした。

「主人の浮気にはずっとずっと泣かされてきました。だから、今、主人がもう浮気なんかしてないって言っても、信じられないんです。」
思い詰めたように俯いてぼそぼそと話す姿は幽鬼漂うものがあります。

「私のうちは、あの浮気でぼろぼろになりました。主人と私は口を開けば罵りあい、つかみあい
、それを見ていた長男は、家を出て行きました。今はどこにいるか判りません。
長女は、悪い仲間に入ったらしく、滅多に帰りませんし、帰ったと思ったら、私からお金を取上げてまたどこかにでかけます。
バラバラの家の中がいやだとますます主人は帰らなくなり、家族は離れ離れになって、私は家の中で孤独でした。」

七恵さんの声は暗く低く、囁くようなつぶやくような、湿った塊のようです。

「相手の女にも家庭があって、主人はそれ以上深入りはしないと言っていましたが、毎日女と逢って帰る主人を私は許すことはできませんでした。
でも、責めると、それ以上の言葉の暴力や、本当の暴力が飛んできます。
私は、ますます、内にこもるようになって・・・・・

初めて、アレをしたのは8年前でした。
台風の夜で、外は雨風が吹き荒れているのに、主人は相変わらず女のところに入り浸り、娘も息子もどこに行ったか判らず、家には私一人でした。
裏の山が、ガタガタと鳴って、あ~今ここで裏山が崩れても、誰も私がここにいることなんて知らないんだって思うと、急にもうここにこうしている、ことが辛くなってきました。

気がついたら、左の手首からだらだらと真っ赤な血が絨毯の上に流れて、台所の果物ナイフが
傍に転がっていました。
・・・・痛くはないんです。ちょっとひりひりするくらいで・・・。でも、この赤い血が私の体から流れていると思うと、不思議に落ち着くんです。
あぁ、これだけは私のものなんだなあって・・・。
血は、だらだらと流れ続けて、このまま死ぬかもしれないかなぁって思ったりもしたんですけど
それなら、それでもいいかって・・・。
でも、結局は死にませんでした。そのときは、そのまま眠ってしまい、気がついたら朝で、台風も過ぎて、血も止まっていました。
バリバリに乾いた血を、洗面所で洗い流していると、なんだか悲しくて、おいおい泣いてしまいましたけどね。」

七恵さんは、一息つくと、お茶を飲み干し、続けました。
相変わらずの、つぶやくような声音で・・・・

「でも、それで私は、アレをすることで心が軽くなることを覚えました。それからは、何度も、何度も、しました。
一日に二回したこともあります。でも、そのせいか、私は起きられなくなりました。
朝になっても頭が重く、無理やり起きると、頭がグラグラするのです。それで、主人の朝ごはんは作れなくなりました。主人も作れとは言いませんでした。
私は、日中うとうととするので、今度は夜が眠れなくなりました。そして、毎晩、毎晩、アレをしたいと、願っていました。

そして、何回目か、何十回目めかのとき、とうとう主人の見つかってしまいました。
病院に連れて行かれ、そのときは何日間か意識がありませんでした。でも、意識が戻ったら
私は違う病院に移されました。
ええ、かぎのかかる病室で窓には金の柵が入っていました。
誰も来てくれず、長い間ひとりだけでした。ひとりには慣れていますけれど、ここではアレができません。周りにはベッド以外何もないのですから・・・。
主人も子供もいません。ひとりだけです。・・・さみしかったです。」

七恵さんの話は、淡々としており、感情を何一つも挟まないものでした。ですから違和感はあるものの、壮絶な話でも、こちらも淡々とお聞きできるのです。
それから、不謹慎ながら、仕事でリストカッターのことはよくお聞きしますが、当人さんからこんなお話をお聞きすることは滅多にありません。
これからの参考になるかな・・・と、思ったことは事実です。


「これっ・・・」
七恵さんがおもむろに左手首のリストバンドはぎとって手首を返して突き出しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もう、色あせたものから、真新しいものまで、何本も何本も手首に赤い筋が入っています。
バームクーヘンの年輪のような間隔で、それは手首に入れたタトゥーのようにも見えます。

あまりの迫力と、現実感に、言葉がでません。


「主人は、その後女と別れて私のところに帰ってきました。」


・・・それはよかったと答える前に七恵さんの言葉がかぶります。
うちだけが
「でも、家族は、バラバラになった家族は帰らないし、私は、私は、もうアレがないと、落ち着いては生活できないのです。
主人は今でも、心のそこでは女のことを愛していると思います。私にもそれは判ります。
でも、もうそう思い始めたら、いてもたってもいられなくて・・・。」

「ご主人のこと愛してるから?」

「いいえ。主人のことは愛していません。もう、どうでもいいんです。でも、気になって、気になって、どうしょうもないんです。いま、その女がどうしてるのか。
うちだけが、家族バラバラで、こんなになっているのに、なぜ女だけが、何もなかったかのように
のうのうと暮らしていけるのか・・・。それが悔しくて・・・
そう思ったら、またアレがしたくなるので、これじゃいけないと・・・・・」


七恵さんは病んでいます。
このまま、彼女の言い分を鵜呑みにすることはできないでしょう。
でも、裏切られ続けた女の人は、こうなるという、現実を目の当たりにした意味は大きかったです。
七恵さんの夫や子供たちも、この手首の傷を見たことがあるはずです。
そのとき、夫の心は痛んだでしょうか?
子供たちの心に、母の淋しさは伝わったでしょうか?

七恵さんの孤独は、深く重いようです。
七恵さんに答えを出せないまま、数日が過ぎたとき、彼女から写真が送られて来ました。それは、赤い血を滴らせる、彼女自身の白い手首が何枚も、何枚も写されたもので、さすがに息を
のむものがありました。
彼女を救えるのは・・・・・誰でしょう・・・・・・・・
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by sala729 | 2007-09-26 16:06 | Comments(3)