すっかり日が落ちた窓の外は、吹き抜ける風がもう秋の終わりを告げるような乾いた音をたてて
いました。
向き合った長沢さん(49才・仮名)は、はじめこそ口ごもっていましたが、時間を経過するにつれて、溜まりに溜まった思いをぶちまけね場を得たかのように、饒舌になっていました。

長沢さんの息子の英輔さん(26才・仮名)が、51才の派遣事務員と恋愛関係にあるというのです。一人息子の携帯からそれらしい匂いを感じて、問い詰めに問い詰めた結果、相手が51才ということ、既婚で夫は銀行員。子供は29才と25才の男と女があり、娘はもう結婚もしており
2才の子供もあるれっきとした「おばーちゃん」でもあると、長沢さんはまくしたてます。

「そりゃあ私だって息子の携帯盗み見するなんていいことじゃないことは判ってます。でも、でもね。つい・・つい見てしまったんですよ。」唇を噛み締める長沢さんのお気持ちは、確かに判ります。
「そしたら、そしたらですね。画面一面がハートマークでその真ん中に、好きよって、一言入っているんですよ。・・・50すぎた女がですよ。・・・・・・・唖然としましたね。まるで、ミーハーの10代じゃないですか。それって。。。」

うーん。この感情もわからなくはないですよ。
自分より年上の息子の彼女が、ハートマーク一杯のラブメールを送ってくるのを目の当たりにした、長沢さんの心境は・・・お気の毒です・・としか言いようがありません。

「しかし、彼女の夫がこのこと知れば、大変な騒動になりますね。」
「そーなんですよ。慰謝料とかも請求されますよね?」
「されても仕方のない立場にいますよ。息子さんはね。」

「してきますよ。絶対。だって彼女の旦那さんは銀行員ですもの。そんなことはよーく知ってますよ。」
何を根拠にか、長沢さんは決め付けているようです。

「彼女は離婚して、息子さんと結婚するとか言ってるんですか?」
「いいえ。それはまだ聞いていません。息子に聞いても、うーん、旦那さんとは上手くいってるみたいだよ。それなりに・・・なんて言うんです。じゃ、交際やめないよって言うと、うーん、それはできないよ。って他人事みたいに・・・」

長沢さんは悔しくてならないのでしょう。身を捩るようにして訴えます。

「お恥ずかしい話なんですけど、いえ、もうこれ以上恥ずかしいこともないんですけどね(自嘲)
うちの子、前に、あのデート商法っていうのに引っかかりまして、指輪やネックレスのセットを何百万も出して買ったんです。ずーっとローン払い続けて、やっと半年くらい前に終わったんですけどね。このまえ、その指輪、彼女にプレゼントしたらしいんです。

そりゃあいいですよ。自分で買ったものですからね。でもね。でもそのあとの彼女からの返事
どんなだったとおもいます?」

そんなこと聞かれても・・・判りませんとしか、言いようがありませんけど。。(^^;)

「ありがとう。で、保証書は?・・・・・・なんですよ。」


・・・あらら・・それはまた現金な・・・。さすが51才。年の功。浮かれてばかりもいないということか・・・なんて感心したりして・・(笑)

ま、確かに母親が聞いたら「カチン!」とくることは必至でしょうね(笑)

「それで息子さんは、保証書も持っていったと?」

「ええ。あほですから、はいはいと持って行きましたよ。ホテル代もあんたが出してるの?って聞いたら、ご飯は彼女が出してるっていいましたけど、ご飯ってファミレスや、コンビニですよ。比べるようなもんじゃないでしょって言っても、糠に釘ですけどね。でもね、来月二人で旅行する
らしいんですよ。それで彼女から、ひとり、一泊26000円よってメールが来てたんですけど、あれもうちの息子が払うのかと思ったら、なんだか割り切れなくて・・・」

長沢さんのお気持ちが判らないことはありませんが、ここまでくれば、息子さんも「余計な
お世話!」と、言いたくなるような気もします。
でも、いかんせん、「不倫」はいけません。
彼女も自分自身も傷つきます。

幼いころから、年上の人にはよく可愛がられたと、長沢さんは言いますが、それとこれはレベルが違います。
しかも、さらに聞けば、彼女の前任の34才の派遣事務員さんとも、彼は関係していたそうですから、彼にもなにかしらの問題はあるのでしょう。

大きな火種にならないうちにと、心が焦がれるお気持ちは判りますが、彼女の夫婦関係が悪くないことは彼も知っていて、不倫であることも判っていて、それでもやめない大人の二人に
何をいうことがあるでしょう??



「もしさ、自分の子供が、自分より年上の彼女連れてくるのと、同性の恋人つれてくるのとだったら、どっちがいい?」ってOリーダーに聞かれましたが、
私は、どちらでもいいと即答しますね。
もう大人の子供に、恋愛に関しては何を言ってもムダです。

極論すると
不倫して慰謝料取られようが、男の子がいつのまにか女の子になろうが、エイズと宣告されようが、それはもう親の手の届かないところでの出来事です。

こんな親が増えたら・・・・仕事がなくなりますね(笑)
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by sala729 | 2006-10-31 11:34

もちろんひとりひとりは、住むところも年齢も、環境も、違うのですが、同じ時期に、同じような内容のご相談が続き、同じような結果が出てしまう・・・こういうなにか「法則」でもあるかと思ってしまうようなことは、まま、あります。

白峰幸子(30才・仮名)さんが、相談にこられたのは今月のことですから、そう前の話ではありません。
幸子さんは、高校時代から付き合っていた、坂崎省吾さん三年の結婚生活を半年前に終了したばかりでした。
子供がいないせいか、切りそろえた黒い髪の下にある大きな黒目がちの瞳は、少女マンガの
ようにキラキラと光って、白いブラウスにサーモンピンクのカーディガンが、とても愛らしく、
10代と言っても、疑わないような外見に、かわいらしさと脆さを感じました。

「主人が・・・いえ、離婚届は出しているんですが、でも、やり直そうって・・・」
第一声から涙声で、大きな瞳はすでにウルウルと滴が落ちんばかりになっています。

「復縁することは珍しいことではないですよ。元に戻ることはいいことじゃないですか?」
めったに作らない、優しい笑顔で話を促すと、コクンと頷いた幸子さんは、すでにレースフリフリのハンカチを握り締めています。


「ええ。離婚するとき、彼には借金があったんです。サラ金で140万。でも、それは彼の両親が
払ってくれて、私はそれでやり直そうって言ったんです。」
「借金の原因はなに?」
「スロットです。すごく好きで、彼の両親もパチンコが好きで、みんなで行ってたんですよ。
でも、私の知らないところで彼は、毎晩行ってたみたいで、負けるときは10万くらい負けたって・・・言ってました。」
「あらら・・・。それはなかなか治らないかもね。」

幸子さんはハッとして顔をあげます。それは明らかに、(そんなことはありませんっ!)と、顔に書いていました。

「それで?」
そ知らぬ顔して、先を促すと、幸子さんは諦めたような顔して続けます。

「もう、スロットはやめるけど、親に借りたお金も返さないといけんし、男のけじめとして、サチにも慰謝料払いたい。でも、今は払えんから、半年待ってくれ。そしたら、100万払う。それで
けじめがついたら、また一緒になろう・・・って言ってくれたんです。だから、一旦、離婚届け書いてくれって・・」

・・・・・・・・・ そんなアホな・・・
この子は・・・いえ、この人はこんな、おばかな作り話を、本気で信じているのだろうかと、
思わず、まじまじと幸子さんの顔を見てしまいました。

「それで?」
もう、先は聞かなくても判っています。でも、幸子さんにとっては、初めてのことですから、聞いてあげるしかないのです。


「おととい、彼の実家に電話したんです。もう、半年だからって・・。そしたら、お義母さんが出て
省吾はもうここにはいません。どこに行ったか判りませんって言われたんです。彼の携帯もかからなくなっていて、私、どーしたらいいのか・・・」
もう、幸子さんの両頬には涙が次々と流れ落ちています。

「では、あなたは、彼の居場所を捜したいの?」

「は、はいっ。そーなんです。」
・・・・・・・・・この子、メイドカフェなんか似合うかもね・・・なんて、関係のないことを考えながら、
幸子さんに、彼の居場所は捜せるけど、元に戻れるかどうかはあなた次第よと、言い放つと
幸子さんは大きく頷きました。


そして、二週間後・・・・・

彼の居場所は、判明しました。
幸子さんの隣の町で、女性と一緒に住んでいました。
結婚しているかどうかは、まだ判らないので、幸子さんに居場所が判ったことだけ伝えたのですが、どうしても今、その場所が知りたいと泣くのです。
しかし、この場合、場所を教えると、幸子さんはきっとすぐに行くでしょう。

もしも、彼が幸子さんに隠していることがあった場合、その後の調査ができません。
せめて、どんな女性と住んでいるのかは、確認してからにしてはどう?と、何度言っても聞き入れません。
もう、仕方がありません。これ以降の調査はできないと、念押しをして、彼の今の住まいを告げました。



さらに一週間後・・・・

幸子さんから電話がありました。
体調崩して、寝込んでいたというのです。
・・・やっぱり・・・とは思いました。こういうタイプの女性にはよくあることです。

「あれから、彼の実家にまた電話したんです。女のこと知ってますって・・。そしたら、お義母さんが、そーなの。だったら省吾に電話させますって言って、次の日、彼から電話がありました。
私と離婚したのは、他に好きな女の人ができて、その人が妊娠したんです。それで、離婚するために、借金して離婚して・・でも、私がそれでも離婚するって言わなかったから、半年たったら
慰謝料払うってことにしたと言われました。それに半年たったら赤ちゃんも生まれているから
もうどうしょうもないだろって。。。」

 ぴきっ!
こめかみの、血管が切れる音が聞こえるような気がしました。(怒)

男も男なら、幸子さんもなんともまぁ「生ぬるい」!!

男の身勝手でアホな策略にてもなく乗っちゃって、しかも男の実家ぐるみの「悪だくみ」じゃ
ありませんか?
なんで、もっと怒らないのよっ!!


「100万もないって言われました。・・・で、私、とうとう母に相談したんです。そしたら、母が
このまま黙っていられない。あんた住所調べておいてよかったわね。って言うんです。
母は弁護士さんに相談するって言ってます」

・・・とーぜんよ。やっぱりお母様ね。・・・・・・・・・

「ありがとうございます。ほんとに調べておいてよかったです。」

「うんうん。そーよね。そういう男には、きっちり始末つけさせないね。お母様に相談してよかったわね。」


私自身の、どんよりした暗い心も、やっと明るさを少し、とり戻したようでした。
明日こそ・・・・
いいえ、明日もなにか、いいことがありますように・・・(祈念)
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by sala729 | 2006-10-27 11:38

ずいぶん前のことになりますが、ここでご紹介した「はつみさん」のことを、覚えておいででしょうか?
結婚15年になりますが夫婦には子供がおらず彼女は大姑の世話をし、姑に仕え、家業の貸衣装店をきりもりしてきましたが、そんな中、夫が浮気をしていたことが判りました。
はつみさん曰く「真面目で誠実で頑固な夫」が、心を動かす以上、それは浮気ではなく本気だと・・。でも、私は離婚をする気はまったくありませんと、言い切るはつみさんの主張は、終始一貫していました。

そんな中で、夫はごく近所に住む人妻、中野あけみと不倫をしていることが調査で判明。
しかも、こともあろうにこの二人、互いに既婚、40才になろうかという年齢にもかかわらず、ホテル代をけちってか、車中や公衆トイレの個室を利用していたというなんとも・・・・な、カップルだったのです(--)

長い調査期間が終わって、夫の不倫の証拠も目の当たりにしても、はつみさんの心は変わりませんでした。

しかし、夫は業を煮やしてか、はつみさんに「自分には君より大切な人がいる。今はその人のことしか考えられない。離婚してくれ」と、迫りました。
「知っています。でも私は離婚する気はありません。」はつみさんの答えはそれだけです。

夫の両親、はつみさんの両親が集まって親族会議も持たれました。
そこでも、離婚を主張し続ける息子を夫の両親は責めるでもなく「これだけ心が離れているんだから、もう元には戻らんだろう」と、言う始末。
はつみさんの両親も、暗に離婚を勧めますが、はつみさんは頑として拒否。

「一度結ばれたからには、一生添い遂げたい」・・・はつみさんの気持ちはそれだけなのだそうです。彼女のなかに、離婚して夫からの慰謝料なんて選択はまったくありません。



夫は、とうとう家を出て、近くにマンションを借りました。
そして、中野あけみはそこに出入りするようになりました。
おおっぴらに、合鍵をもって、彼が居ようと居まいと出入りしています。
そのマンションは、とうにこちらで確認していますから、はつみさんは両親と一緒に訪れたこともあります。
たまたま、そこに帰り合わせた夫とあけみは「友人なんだから呼んだだけだよ。君たちと話すことなんてない」と、二人で部屋に消えました。


そして、はつみさんはあけみの夫に連絡をとって見ました。
あけみの夫、中野一郎氏(39才)は、待ち合わせの場所に女性を連れて現れました。
そして、開口一番「もうあけみとは離婚が成立しています。8月でした。もっと早く、あなたから聞いていれば、協力してあげられたのに・・・」と、悔しそうに言います。
さらに聞くと・・・
「実は、今、あけみとは養育費でもめています。突然離婚を言い出されて、ボクもびっくりしましたが、ご存知のようにあの女は、金喰い虫です。いくら働いても、働いても追いつきません。
あけみの親もおんなじですよ。ボクはなんにも知らないで、離婚を言われたんで、養育費3万っていったんです。二人分で6万ですね。あけみはそれが気に入らないから10万って言い張ってるんですよ。それでいま調停に・・・。くっそぉ。」

「あのう・・」
それまで黙って聞いていた中野さんの連れの女性が初めて口を開きました
「私たち、彼が離婚してから交際しはじめたんですけど、一週間前、たまたまあけみさんと逢ったんです。そしたら、その場で・・・道の真ん中ですよ。そこで、あんたら浮気してたんやな。
まだ離婚して日がたってないんやから、もう一度慰謝料請求の裁判してやるからな!って
叫ばれました。」

「・・・」これには、はつみさんも口をアングリとしたまま、言葉が見つからなかったと言います。

「ボクは今なんとか子供たちに養育費払おうと、仕事三つかけもちしています。この人も二つかけもちで協力してくれてます。でも、あのあけみの性格からして、養育費いくら払ったって、それは全部自分のものに使うだけやと思うんです。自分らは寝る間も惜しんで、仕事してあんな女遊ばせているのかと思ったら、くやしいですよ。」


あまりに身勝手な・・・・そんな言葉さえ消えてしまいそうな、そんな気がしましたとはつみさんは言います。

「お宅のご主人に言ってあげたいですよ。あの女は金がかかります。ブランドじゃ。洋服じゃ。遊びに行くじゃばっかりですよ。それでも自分は働きません。親兄弟もみんな一緒です。あんな女に捕まったら、身ぐるみ剥がされますよ。」


堅実な夫に合わせて、今まで「けちけちなデート」を重ねていたのも、夫に取り入るための手段だったのでしょう。夫は、始末な人ですが、実家はそれなりの家宅や土地も持っています。
それが目当てなのかもしれません。
夫にはそれが判らないんでしょう・・・と、はつみさんは淋しく笑います。
「でも、それならばなおさら、私は夫とは離婚しません。私が離婚しないことが夫を守ることですもの。」

・・・・・・・・・・・はつみさんの眼はキラキラと輝いています。
・・・私は複雑です。・・・・・これがはつみさんの、望みだとしても、ここまであけみという女に
心を奪われた夫を待ち続けることが、はつみさんの幸せなのでしょうか?

「あのう、Aさん。私の今まで持っている資料を、中野さんにあげて、あの女から中野さんが慰謝料取れるようにはできないものでしょうか?」


・・・・・・思いかけない申し出ではありません。はつみさんならこう言うかもしれないとは思っていました。
早速、顧問弁護士K先生に伺ってみました。

「できないことはないけど、それをやると、あけみさんからはつみさんの夫に、事の次第が伝わるから、そうなったら夫はますますはつみさんに対する態度を硬化させると思うよ。そうなったら
はつみさんにとってはどうかな?
それより、順当にはつみさんがあけみさんに、不貞の相手として慰謝料請求したほうがいいよ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


はつみさんの心は、綺麗なのだと思います。
一生添い遂げたいという気持ちは、美しいとも思います。ましてやこんな時代に「貴重」ですら
あります。
でも、それがはつみさんの幸せにつながらないことが、私には歯がゆくてなりません。

調査結果が出たことで、はつみさんは夫から一方的に離婚されることはないでしょう。
でも、それがはつみさんの幸せかと考えると「人の幸せは、他人が計れない」と、しみじみ
思い巡らせる秋の一日でした。
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by sala729 | 2006-10-26 12:22

ここ連日「いじめ」や「虐待」のニュースが流れ続け、なんともやりきれない思いの日々が続いております。
そんな中で読んだ「心にナイフをしのばせて」。
これは、まさに、少年法とはなんぞやと、ナイフを胸元に突きつけられて、迫られている思いがします。ご存知の方も多いでしょうが、これは30年ほど前、東京のサレジオ高校というミッション系の男子校で起こった、一年生の同級生による「首切り落とし殺人」の被害者のその後と、
加害者のその後をルポしたものです。

4人家族の被害者の母は、息子の死が受け止められず、その事実を記憶から消し去ることを
選びました。睡眠薬で、昼となく夜となく眠り続けることで、現実からの逃避をこころみ、妹は
望まれた兄ではなく、自分が死んだほうがよかったのではないかと、模索し逃避し、リストカットに走り、そんな家族を精神的にも経済的にも支え続けた父は、すい臓がんに倒れ、不帰の人と
なる・・・という凄惨な被害者家族に比べ、中等少年院を出たあとの加害者少年は、父親の愛人と養子縁組を行い、苗字を変え、二つの大学を終え、ある地方都市の「弁護士」になっていました。

これは、ある意味では「更正の成功」と言えるかもしれません。
でも、30年たって、被害者が、慰謝料の未払いの話をすると

「金の話?。50万くらいなら貸してやるよ。だから印鑑証明と実印用意しておけ」

この言葉がすべてです。
民事訴訟で1000万という慰謝料を、加害者の父親は払えないと泣きつき、750万に減額したにも関わらず、払い込まれた期間は2年足らずと言います。

仮にこの事実がなかったとしても、加害者のこの言葉は、更正している人間の口から
心から出る言葉なのでしょうか?


ルポですから、すべては淡々と綴られてあります。
でも、だからこそ、真実は深々と重みを増していくようであり、赤剥けた素肌を曝けだしていくようでもありで・・・心が痛いです。

そしてまた、これと平行して読んでいるのが(・・私複数冊をいつも平行して読んでいるんです)
「空白の叫び」。
これは14才の犯罪少年側からの小説です。

こんな本に囲まれ、ニュースに浸され、ますます暗い淵を覗いているような気になってしまいますが、こんな世の中にした責任の一端は、今現在の大人である「わたし」にもあります。

非力で微力な、ただの一市井人が何ができるのか・・・・それを考えなければ、何も始まらないし
何も変わらないと、私は思うのですが・・・・・



などと、久々の感想文などを認めていますが、こんな日もある・・・のです(^^)/
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by sala729 | 2006-10-24 14:58

楚々として端然と座る、永井衿子さん(31才・仮名)は、細い眉をすこし顰めながら
「ほんとにこんなことしていいのかって、私の中のもうひとりの私が問いかけるんです。」と、
つぶやくように言い放ちます。

正直言うと、こういう言われ方を私は好みません。もっとはっきり言うなら「キライ」です。
こんなこと??・・・自分で相談電話かけておいて「こんなこと・・」って言うのはないでしょう?
もちろん、かけるまでの葛藤や懊悩はあったでしょう。
でも、いやな言い方をあえてしますが(苦笑)、フリーダイヤルで延々と喋って、双方の同意で
面談することになって互いに、この為に時間を空けたというのに「こんなこと」って言うのはないでしょう?
お見かけした限りでは、それなりの知性とお身内の躾は整っていらっしゃる・・・かと思いましたが、少し「軌道修正」することにしましょう。。


「あなたがおっしゃる、こんなことってどんなことでしょう?」
微笑む私の笑顔の下は、この方には判りますまい・・・。そういう余裕もないのか、それとも、もともと推し量ることができないのか・・・。


「ですから、離れていった彼の居場所を捜すなんてことです。そんな、はしたないことしていいのか・・・と。」
グレーのアンサンブルのジャケットのボタンをすべてかけて姿勢を正して話すそのしぐさには
気品すら感じます。何も言わなければ・・・ですが(--)


「では、やめましょう。」
「は?」
彼女は、初めて私を見上げて、理解不能・・という眼でみます。

「そんなはしたないことができないのなら、やめましょう。こんなこと・・なんて、負い目に感じたり
初めから罪悪感背負っているのなら、やめましょう。
うちは、調査会社ですから、お捜しするのが仕事です。別に、違法行為を行っているわけじゃありませんし、反社会的なことを、実行しているわけでもありません。
それなのに、相談電話でお話して、こうしてお逢いして、開口一番、こんなことして・・とか、はしたないとか仰られたのでは、調査はできません。」

「いえ。そ、そんなつもりでは・・」衿子さんは口籠もっています。
(あーあー・・またやっちゃった・・・最近、ホントこらえ性がないのよねぇぇ・・・汗)


「いえ。あのすみません。そーじゃなくて、どういえばいいのか・・・。あの、私・・・」
しどろもどろになった衿子さんは、汗を拭いながら、そのキラキラ光る瞳をさらにうるませています。

「じゃ、どういうことなのか、お話してくださいますか?」
「は、はい」


衿子さんには、16年付き合った男性がいました。
高校の時のバイト時代からですから、もう長いです。
彼は6才年上で、衿子さんいわく「大人」なのだそうです。

その大人の彼は、自分の力を認めてもらえるところに、巡りあえないと、もう6度も転職を繰り返しています。
今も、失業中でコンビニのアルバイトをしています。
彼から別れ話を切り出されたのは今年の夏のことです。

春先に、失業している彼のことを見かねてか、衿子さんのお父さんが就職の紹介をしてあげるという、話がでました。
衿子さんとしては、好都合です。
彼の仕事も決まり、父親の承諾ももらったと同じことですし、結婚に一歩近づいたかとおもいました。

ところが、彼はその話を断りました。
面接はもちろん、詳しい話も聞かずに・・・・。
「彼はブライトが高い人ですから、私の父からというのが、耐えられなかったのだと思います」

・・・・とは言うけれど、37才にもなる娘の彼が仕事も定まらず、転職を繰り返しているのを見かねて、仕事紹介してあげようというのは、なかなかの親心ではありませんか?
プライド云々というよりも先に、そうしてもらわねばならなかった、己の境遇を自覚、反省するべきですね。

「そしてそのあと、わかれようと言われました。」
「あらら・・・(よかったじゃない・・という後の言葉は飲み込みましたよ。もちろん)理由は?」

「君より大切な人になるかもしれない人と出合った。この出会いを大切にしたいって・・・」


・・・・・・・ 唖然・呆然・ な、なんなんだぁそりゃあ・・・。。。

「花火大会の夜、出合ったそうです。私は、看護士なのでその夜はいけなくて、彼ひとりで見てたらしいんです。そしたら、橋のところで出会った人と、話すようになって・・・・」
衿子さんの大きな目から涙が次々とあふれてきます。

「これが、運命の出会いかもしれないと彼が言って・・・」

・・・・アホか・・何が運命の出会いよ・・・・中年ナルシストめ!・・・・・・

「彼は理想が高くて、自分にとても厳しいんです(へぇ・・私にはその場しのぎの、頭でっかちのキザ男にしか見えないけどね)。だから、そういう出会いもわかるんですね。私のときもそうでした。でも、私には仕事があって彼を引き止めておけなかった・・・」

衿子さんはさらに続けます

「次の日、彼とのことを取り戻そうと、私、仕事やめました(あらら・・これまた短絡的な・・)。それで、そのこと伝えようと携帯に電話したら、つながらないんです。もう、私からの電話にはでないんです・・・・うっうううう・」


・・・・・・・これって、やっぱり「馬鹿っプル」????・・・・・・・・・・

「それで、彼の居場所さがしたいのね?」

「え、ええ。でも、それって人間として許されないですよね?」
「なぜ?」(それが許されないなら、私たちは鬼?悪魔?)

「あぁぁ・・・こんなことしている自分が醜いです。彼が知ったら・・・」

・・・って、彼とは連絡つかないんでしょ?
ナルシスト男と、ヒロイン症候群女???

「私、やっぱりやめます。できません。こんなことできません。」

はいはい・・・どーぞ。「お帰りはあ・ち・ら」
「す、すみません。いろいろ聞いていただいてありがとうございます。又、相談させていただいて
いいでしょうか?」

・・・・・・・な、なに???この無神経な台詞は????

「いーえ。もう結構ですよ。あなたの中で人として認可されるようになったら、お知らせくださいね。」
思い切り優しく微笑んだはずの私の笑顔が、衿子さんにどう映ったのか・・・・・彼女もとびっきり
の笑顔を見せて

「ありがとうございました。お話聞いてくださって」と、深々と頭を下げてエレベーターに消えていきました。
私はふかーーーいため息を残したまま、エレベーターを見送ったのでした。
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by sala729 | 2006-10-21 17:50

60代と70代と思われる二人の男性が連れ立って、その場所に現れたとき、「むむっ。」というのが、私の正直な感想でしたね。(苦笑)

相談電話を友人と称する人がかけてくる・・というのはよくあります。
女性の場合は、勇気がないとか、怖いとかいう理由です。男性もプライドや世間体などから、はじめは誰かに・・というのは珍しいことではありません。
でも、そんな場合も、必ず「ご本人」からもう一度お電話いただきたい旨をお伝えしてご本人とお話をして面談のお約束をします。

もちろん、中森さん(64才・仮名)の時もそうでした。
中森さん自身とお話して面談を決めましたから、はじめにお電話くださった青井さん(70代とおもわれます・仮名)が、ご一緒とは思ってもみませんでした。
女同士のお友達の場合は、ままあります。(お友達同伴)しかし、親族でもない男性同士がふたり・・と、いうのはなかなかありませんねぇ(^^;)

これは男女差別でもなんでもありません。女性だからいいとか、男性のくせに・・なんて言うつもりもありません。ただ、事実を述べているだけのことです。。。


「いゃあ、中森さんが心配でねぇ。わしゃあ、黙っとられんかったですよ」と、青井さんが言うと
「青井さんには本当に心配してもろーて。」と、中森さん。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・失礼ながら、お二人の関係を疑ったり、想像したりしてしまいました。(これも、職業病なのかも・・苦笑)


中森さんのお話が始まりました。

もう15年も前に妻を亡くして、男手で育てた、子供たちもそれぞれに仕事や家庭を築き、長年勤め上げた半官の会社も定年になり、しばらく遊んだあと、中森さんはかつての会社の下請け
会社に乞われて再就職しました。

元来がまじめな中森さんはそこでも頭角を現し、すぐさま現場の責任者に抜擢されました。
その会社は前の会社の天下りのための会社と言ってもよく、全員がそういう年代、そういう前歴の人たちばかりでした。
その中で、実務経験も短い中森さんが抜擢されたことで、軋轢があったことは、想像できます。
特に、古参の前田という女性は、それから中森さんを目の仇にし始めました。
あることないことの噂を言いふらす。お茶は入れない。机も拭かない。言うことも聞かない。
そんな、前田は女性社員のボス的存在でしたから、子分もいます。
そういう、何人かが、精神的に中森さんを追い詰めていきました。

当時、中森さんには交際していた女性がおりました。
彼女も10年ほど前に夫を亡くし、旅行会で知り合った二人は意気投合し、交際を育んでいました。
そんな二人のことを知った前田は、こともあろうに、自分たちと同じ職場の妻子ある男性を彼女に紹介し、二人の仲を取り持ったのでした。
二人は急速に親しくなり、彼女と中森さんは疎遠になりました。


それだけなら、それでよかったんだ・・と、青井さんが続けます(^^;;)
その男性から、中森さんのことをいろいろと告げられて、彼女はすっかり嫌気がさしたようです。
中森さんからの連絡を一切絶つようになりました。
そして、前田の「いじめ」は、それで止むどころか、ますますエスカレートして、中森さんの帰りを待ち受けたり、中森さんへの個人攻撃をやめようとはしません。

「わしの中に、彼女への気持ちがまだあるのは、否定しません。でも、妻子のある男と交際したら傷つくのは彼女ですよ。それを言っても、わしがおかしいこと言うと聞き入れてくれんようになったんです。これも、ぜんぶ前田の差し金ですよ。もう、わしは頭がおかしゅうなりそうですよ。」
自虐的に笑う中森さんを青井さんは、痛ましそうに見つめています。。。
(・・・・・・・・うーん・・・コメント不可・・)

そして、交際などしていないと言い張る彼女の言葉の嘘を裏付けるためにも、ほんとのことが
知りたいと中森さんは言うのです。
ほんとに逢っているのかいないのか。・・・・それが知りたいんじゃ・・と、うなだれる中森さん。
見つめる青井さん・・・・・(うーん。またまたコメント不可)
「調査するんなら、費用はわしも持ってやるけん」と、青井さん。
「いやいや。そんなことは頼めんよ。」と中森さん。。。。。。。(^^;)(^^;)(^^;)(^^;)(^^;)



こういう仕事ですから、いわゆる「同性愛」がらみのことについては、いろいろと知っていますし
そういうご本人に遭遇することも多いです。
それがらみの調査も、今現在も何件かは扱っています。
ですから、とやかく言うつもりはありませんが、このお二人が、そうかどうかは別にして、そうでないなら、この光景はかなり「異様」です。

こういうお二人の関係が、日常的なことで、彼女の前でもそうだとしたら、彼女の心変わりの原因は、そのあたりにあるのかもしれません。
でも、今それを言ってもムダでしょう・・・。

それにしても、小柄ながら日焼けしたりりしい顔立ちの中森さんと、薄くなってゆらゆらと立ち上がる白い髪を時々手のひらで押さえながら、金壷眼で、愛しげに隣を見つめる青井さんが
なんか、可愛く見えてくるのは気のせいでしょうか??(苦笑)
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by sala729 | 2006-10-17 11:28

「私、訴えられているんです。」深刻な第一声に、思わず身構えて受話器を握りなおしました。
相談者は、中田珠江さん(32才・仮名)です。

・・・・・・よーく話をお聞きすると・・・

珠江さんは二つ年上の夫と結婚して、この地に来ました。二人とも、九州ノ最南端の出身で、遊び暮していた娘婿を案じて、珠江さんの父が自分のツテで某大手工場に就職させたための転勤でした。

しかし、建売とはいえ、広い敷地の一戸建です。周囲はなかなかの大きさのベッドタウンで、中田家の向い側も程なく、同じ年頃の夫婦が引っ越してきました。
葛原というその家の夫は、高校教師。妻も高校教師なのですが、ただひとつ違っていたのは(古いわね・・私も・・苦笑)奥様は「ロシア人ハーフ」だったのです・・・(^^;)

物珍しさと、生来の世話好きの性格から、珠江さんはすぐに葛原アリューシャと親しくなりました。いろいろ教えてあげました。
ゴミの出し方。美味しいランチのお店。クリーニングの特売日。などなど・・・。
ロシアとのハーフとはいえ、アリューシャは高校教師です。日本語はもちろんペラペラ。すぐに
打ち解けて、中田家と葛原家は家族ぐるみのお付き合いをするようになりました。

ところが・・・
半年前のことです。
ふと見た夫の携帯に、アリューシャからのメールが入っているではありませんか。
珠美さんは好奇心に勝てず、つい開いてしまいました。
{いつあえる?}
とてもシンプルな一言だけです。

しかし、珠美さんの妻の勘が危険信号を鳴らし始めました・・・
・・・こ、これはなに???・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・夫とアリューシャは不倫????・・・・・・・・・・・・
目の前の家にいながら、なぜこんなメールを??????

珠美さんは散歩から帰った夫に詰め寄りました。

そして、夫は・・・・・ 激怒しました 
「お前は馬鹿かぁあ。なんばしちょうとよ。そげなこと、オレがするかよぉ。」
気短な夫は、言うが早いか、珠美さんの頬を張り飛ばし、突き倒しました。

しかし、珠美さんも、情熱の国の女です。負けてはいません。
飛び掛り、修羅場になったそうです。。。。。(はぁ・・)

興奮した珠美さんは、そのまま葛原家に走りこみました。
そして、アリューシャに向って「あんた、うちの主人と、浮気しとるやろ!。もうメールなんてしないでよっ。」と、決め付けました。
(なんとまぁ・・・短気な・・。考えもなしに・・・と、正直思いました。)


「何言うのですか。浮気なんてしてませんよ。言いかがりつけないでください。」
アリューシャは、白い肌を桜色に染めて怒りました。
「いいや。私は知っとるよ。そいでも、もういままでのことはええよ。だけど、これからはメールなんてしないでよっ。」
「ええも悪いも、何もないのにあなた何言ってるの?頭おかしいの?」

この言葉に逆上した珠美さんはアリューシャに飛び掛りました。

・・・・・・・・・・・やれやれ・・・・・(--)


叫び声で、パトカーは来るわ。救急車は来るわ。近所の人は寄って来るか、もうシッチャカメッチャカ・・・・・・(はぁぁぁ・・・・)

その夜はなんとか収まったものの、翌日の夕方
中田家の敷地の中に、明らかに、使用済みのパンティが放りこまれていました。それを見た珠美さんは、またまた逆上して、それを葛原家に投げ込みました。

さらに翌日・・・
珠美さんは、近くの交番のお巡りさんの訪問を受けました。
「葛原さんの奥さんから、名誉毀損と、傷害罪、めいわく行為だという訴えが出ていますよ。」と、知らされたのです。
珠美さんは、びっくり仰天・・です。
訴えようと思っていたのは、こちらなのに・・・・と、珠美さんは息巻くのです。



「で、今葛原さんは?」
「奥さんの実家に帰ってます。私が迷惑かけるからって。主人にも離婚を迫られてます。お金も全部取り上げられました。葛原は、二人とも先生で、なんでも良く知ってるので、私のこと、陥れようとしてるんです。」
珠美さんは涙ぐみますが・・・・・・・

これはとても危険です。
 絶対やめてください! 
証拠もないのに、短絡的に相手を責めたら、自分の首を絞めるようなものです。
しかも、この場合、浮気なのかどうか、冷静に見て、まったく判りません。

どうか判らないから調べたいというご相談は多いのですが、その場合は、相手がでないと
相談者は、ほっと胸を撫で下ろし安心します。
そう・・あるかないかを調べてるんですから、ないと判れば安心しますよね。

でも、この珠江さんの場合
もし、接触がなかったら、絶対に納得はしないでしょう。

そういう意味では、とても「危険な相談者」なのです。(苦笑)

私の心は揺れていました。
珠美さんは、調査はしたいというでしょう。
でも、受けて良いのか、受けないほうがいいのか・・・
迷って、私の指は携帯電話に伸びていました。
090―××××―○○○○

「お断りしたほうがいいでしょう。」
冷静なOリーダーの声に、安心して、珠美さんに向き直りました。
そして、ついぞ誰も見たこともない、優しい笑顔を向けて
「もうしばらくの間、何もしないで様子みていてください。何もしないでですよ。」

珠美さんはポカンとしたまま私を見ています。

こういうときは、時間を置くことです。少し冷静になって落着いたら、いろいろな
「手」が考えられるでしょう。
それまでは、静かにしておいていただきたい・・・と、言うのがホンネですね(苦笑)
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by sala729 | 2006-10-15 18:59

敵対勢力というのは、どの世界にもあるもので、その熾烈さの優劣こそあれ、当事者は心安まることもなく、毎日憂鬱な日々を過ごしているのでしょうね。。
(性格的に、そういう受け止め方ができない人間ですから、そういう憂鬱を想像するにも、何か現実味に欠けるようなのです・・^^;)

岸田さん(45才・仮名)は、もう半年も前に、友人という男性と一緒に相談に来られたのですが、
結局そのときは、何も行動しなかったのですが・・・。

私のいないときに連絡があって、昨日一番でいらっしゃいました。


彼は地方公務員の労働組合の副委員長をしており、その手腕を買われて二期目に入っているということでした。
その彼の自宅と事務所が、盗聴されているような気がする・・・というのが相談です。

正直言って、盗聴の相談は、「気のせい」というのが多いです。
ですから、お電話の段階で、私たちもいろいろとお聞きします。そこで7割の方は、納得されるようでが、残りの3割の方は、ご病気か、何かそういうことをされることに心当たりのある方です。
当然、岸田さんは後者と思いました。

地方公務員の場合、労使といっても、首長自体が言わば「雇われ者」ですから、対立するのは
むしろ別の組合ではないかと考えられます。
公務員の場合は、労働組合が複数、絡み合っていて、活動を制限したり、わかりにくくしたりしているのが現状である・・・それくらいの基礎知識は私にもあります。


「いゃあ、あの時していればよかったですよ。今では尾行られているような気もします。」
苦笑いする岸田さんですが、心なしか前に来られたときより、明るい風情が感じられます。

「尾行てくる車の車種とかはわかりますか?」
「いえ。複数とは思いますが、そこまでは判りません。でも、まぁ、これは歴代みんなやられていることですからねぇ。とはいえ、うちにも年頃の子供もおりますし、そのままっていうのも、父親として、なんだかなぁ・・・とも、思うんですよ。」

組合副委員長としては、しぶしぶながら状況を受け入れても、それを家族にまで強要することはできない・・と、言うことらしいのです。それは判断としては、当然のことだと思います。


そこで、早急にご自宅を調査することになりました。
事務所は、半分公のものですし、岸田さんのお気持ちからすれば、当然ご家庭が先・・・と、いうことにはなりますよね。


ここでご参考までに・・・

盗聴器の発見というのは、みなさん案外ポピュラーにご相談のお電話をかけてこられます。
例えば・・
お引越し先にそーいうものがあるかどうか先に調べたい。
夫が妻の、妻が夫の行動を疑って仕掛けているかもしれない。
親戚トラブルからあるかもしれない。

その他病的なものには・・
隣の人が・・・
近所の仲の悪い人が見張っている。
職場の同僚が行動を調べている。
まったくの他人が自分に興味をもっている


などなどありますが、市販の探知機で調べてから、やはりまだ心配でとかけてくる方が多いのです。
これは、一応自己流では調べたものの、やはり「不安」ということなのでしょうね。
このお気持ちはよく判ります。
ある種、「そのとーり」なのです。

盗聴器と、探知機は「鶏と卵関係」なのです。
盗聴器の機能が、探知機を上回れば、いくら調べてもそれは判りません。
でも、たいていの場合、市販のものは安価です。また、そーじゃないと売れないし、買わないでしょう?(笑)

病的なものなら、これで充分かもしれませが、現実的に考えると、これではなんの意味もありませんよね。
ですから、私たちも含めてプロと言われる者たちが使うものは、かなり高性能です。
市販で、どうのこうのというような物ではないのです。
そうでないと役立ちませんからね。
それを、専門の調査員が調べるのですから、「お手軽ポン」という訳にはいかないのです。
でもだからこそ、調べて「報告書」を渡されると、心から安心していただけるのです。



それにしても、組合活動に対する嫌がらせならば、本当に「沈まぬ太陽」のような出来事は
日本のあちこちで起こっているのでしょうね。

敵対・・・いやな言葉ですね。でも、人と人がいる以上、避けられない言葉であることも真実です。
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by sala729 | 2006-10-07 13:00

私はOリーダーと動くことが多く、必然的に二人だけの会話も多くなります(そんなことないよ。
いつも寝てるじゃん・・・などというOリーダーの陰口は無視して・・笑)。
そんなときのお話を、ひとつふたつ・・・(^^)

ある日のことです。。
「ねぇAちゃん、女性って眉描くよねぇ?」と、話を向けてきます。
「たいていの人は描きますね。ナチュラルメイクといっても、そのままにしといたら、両眉がくっついて西郷さんになっちゃいますよ。」
「そーよね。でさぁ、描くとき、ふつーは目頭の方を太くして、目じりは細くするんだよね。」
「そりゃあそーでしょう。反対にしたら、ゲジ眉おじさんになっちゃいますよ。」と、苦笑すると

「でもね。うちの奥さん、反対描いてんのよ。ずーーっと。」
 へ??へへへ????
うーーん。こんな時のリアクションはどーしたらいいんだぁぁ~~(上司の奥さんだし、なかなか愛すべきキャラ夫人だしなぁぁ・・・と、生来真面目な私は、一瞬迷いました・・)
しかし、内心の懊悩とは別に、その眉を想像しただけで私の本能が、笑い中枢をしっかりと刺激していたのです・・(^^;)

ぐっふふふ~~~~ひゃあっひゃあっあひゃっあ~~~(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)

「ちょっとそれ笑いすぎじゃない??」
さすがに夫婦です・・(><;)・・・す、すみません。・・・で、でもぉおお、ほ、本能がぁぁ・・・・(爆、
爆、爆)と・・・・。


「でさぁ、オレ、描いてやったのよ。こっちに向かせてね。」
 おぉぉぉっつつ!! 優しいじゃないですかぁぁ  (日頃はひどいこと言ってますがやはり夫婦ですよ。やるときはやりますな(納得←なにが?)

Oリーダーは、双葉の頃から「絵の才能」に恵まれ、幼少の頃は、絵に関する賞は総なめ状態だったそうです。
今でも「絵描きになりたい」と、夢見心地につぶやくことがあるのを知っているのは私だけ・・かも(微笑)


「オレが描いたから、もちろん綺麗にかけたのよ。またこれが。」
多少、自画自賛気味とはいえ、Oリーダーの腕前と、夫人のお顔立ち(・・これはジョークでなく
細身の美人なんですよ。眉の太さを逆さに描いていても・・)から、想像すると、うんうんと、
文句なく頷けます。

私が無意識に頷いたのを見たのか、Oリーダーは続けます。

「始めはさぁ、《うーん、これぇぇ??。。なんだかヘンじゃない?》って言ってたんだよ。それが
次の日になったら、《ねぇねぇ、描いて。描いて》って迫って来るんだよ。それから、毎日描かされてるのよ。どー思う??」

どう思うったって・・・ご夫婦のお遊びですもの。どーにでもしてくださいな・・・なんてことは言えませんですよ。いくら私でも(^^;)

「それって、結局描いた日に、他の人たちからの評判がよかったとか、奥さんが鏡みて、気に入ったとか、そういうとがあったんですよねぇ。いーじゃないですか、それで、仲睦まじく共通の
話題があるなら、万々歳という事で・・・・(ね・)」


それにしても、中々いい図でしょ。
日曜日の昼下がり、向かい合った夫婦の夫が、妻の眉を描く。
傍で、娘と息子が興味しんしんで見ているなんて・・・これ以上の幸せの構図がありますか?(笑)
なんだか、小津映画のワンシーンみたいなんて思う私は古い??(でも、一言弁解しておきますが、流石の私も、小津映画をリアルタイムで見たことはありませんっ。)


あなたは奥さんの眉、描いてあげられますか?(^^)/
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by sala729 | 2006-10-05 12:28

「あぁぁぁ~パ、パソコンがぁぁ。。」と、悲鳴のような電話が、高速道路を行く私の携帯に入りました。この声は、夫の素行で調査をお預かりしている、由紀さん(41才・仮名)です。
落着かせて、ゆっくり話をお聞きすると、夫のいない間にと、夫のPCをいじくりまわしていると
何がどうなったのか突然プリンターが作動して、今度は止まらなくなったというのです。
「な、なんとかしてくださいぃぃ。」泣くような声で訴えるのをそのままにしておく訳にはいきません。

会社に連絡すると幸運にもH氏が在席しているというので、事情を話すと今からすぐに由紀さん宅に向うとのこと。一安心・・です。
由紀さんにその旨をお話すると、「え・・男性の方ですか?」と、少し怯えたような声です。
「はい。調査の責任者でHと言います。今向っていますから15分もすれば到着すると思います。」
きっちり15分後・・・「今到着しました。今から入ります。」との連絡があって、あとはH氏に託しました。


そして、私とOリーダーが着いたのは、一ヶ月半ほど前、息子の直人さんが家出をしたとご相談にこられた山田晴子さんのお宅でした。
日本で誰も知らない者のない大学を出て、CP従事者として一流企業に就職しながら、大学院時代に知り合った、野崎礼二という34才のおカマに魅せられ、職場も親も振り捨てて、名古屋に流れ着いた直人さんを探し出したのは一ヶ月前でした。

スペシャルS氏やN主任、K班長らこちら班と、名古屋班の合同調査で、居場所を突き止め
晴子さんとお父さんに連絡し、迎えに来てもらって長い長い説得の末、やっと故郷に帰ることに
同意した直人さんでしたが、その後も何度も何度も野崎と連絡を取りつづけ、こちらとの約束を守ろうと、自分からは決して連絡を取らなかった野崎礼二の決心を曲げてしまったのも、直人さん自身でした。

そして、とうとう、その直人さんは再度の家出を決行したのでした。


昨日の朝も覚めやらぬ頃、ふと気がついた晴子さんは直人さんがいないことに気づきました。
夫にそれを告げ、二手に分かれて、駅と空港に向いました。
そして、夫が列車の直人さんを見つけ、そのまま列車に同乗。。。。まではよかったのですが
乗換駅で、直人さんといざこざになり、喧嘩と誤解し通行人の急報で警察官が駆け付けたりしてる間に、直人さんは姿をくらましました。


そんな経緯を晴子さんから昨日私はすべてお聞きしていました。
そして、今日、まあともかくもお会いしましょうと、向っていたのです。

私の顔を見るなり、晴子さんはわっと泣き伏しました。顔色は一層土気色になり、彼女自身の体調も決してよくないことは一目で判りました。

「あれからいろいろあったんですよ。おじいちゃんが、急に怒り出したり、暴れ出したりして、おかしい、おかしいって言い寄ったら、アルツハイマーだと診断されました。直人が働かんのはお前が悪いんじゃあと、叩かれて蹴飛ばされて、出て行けって言われたので、今度こそは本当に出て行こうと、主人に言いましたら、なら俺も出るといいまして、二人で出ようとすると、おばあちゃんが泣いて、ほんなら私も連れて行ってくれと言います。体の不自由なおばあちゃん、置いて行くわけにも行かず、直人もそのままにはできず、結局車椅子のおばあちゃんと主人と直人の3人連れて、出て行くことになりました。

そんなん、長く続くはずないですよね。もう帰ろうかと、おばあちゃんが言うて、家に帰ったら
おじいちゃんが家中、もう、わやにしてます。おばあちゃんが、まあまあって言うと、怒り出して
おばあちゃんの車椅子をグルグル、グルグル、勢いつけて回し始めて、おばあちゃんは、助けて~殺されるぅぅって叫ぶし、もう大騒ぎです。そんなこんなのときに、またあの子が・・・。

Aさん、昨日、主人はあの子と一緒に電車にのったものの、持ち遭わせが少なくて、私が電話で、お父さんにお金貸してあげてって言うと、あの子は、オヤジに貸すかねなんて一銭もない、言うたんですよ。ほんまに情けない、あんな薄情なこと言うなんて・・」


晴子さんの涙はとどまるところを知りません。
約束を守った、野崎礼二のもとに走ったのは、直人さんです。
でも、今度は、私が命がけで説得しますから、野崎の居場所を調べてくださいと、晴子さんは言います。
もちろん調べますが、今、野崎との愛に燃えている直人さんにどれだけ響くか・・です。
でも、ひとつ言えることは、手をこまねいていても何も解決はしないと言うことですね。
今度、野崎礼二の居場所が判明したら、スペシャルS氏も晴子さんに同道することになりました。

前のときにも感じたことですが、晴子さんはなぜここまでして、婚家にとどまるのでしょう。
田舎の情景といえばそれまでですが、アルツハイマーのおじいさんが車椅子のおばあさんを振りまわしている図なんて、想像すると気の毒というより、申し訳ないのですが、喜劇に見えてくるのです。

すべての悪意と不幸が一緒に押し寄せた感のある晴子さんの心が休まるのはいつの日でしょう・・・
帰り際に玄関先で号泣した晴子さんのこの声が、直人さんに届くことはないのでしょうか?
アルツハイマーのおじいちゃんの胸に響くことはないのでしょうか・・・。
神様は不公平だな・・と、一瞬心が痛みました。



そして、帰社すると、またまた由紀さんからの電話です。。
「あ、あのう、今朝はありがとうございました。Hさん、4時間もいろいろやってくださって、プリントもしてくださったんです。」
「そうですか。それはよかったですね。連絡はHからも受けています。」
「あ、あのう・・」
「はい?」
「いえ、あのう・・・あの、ですね。。。・・・・・・」
「なんでしょう?」
・・・・・・・・・私の予感は膨らみます・・・・・・・(^^)

「あのう、Hさんって、・・・独身・・ですか?」

来た来た来た来た来た・・・やっぱり来ましたか・・・(なんたって、わが社一のイケメンだものね。
社長のお墨付きだしぃぃ。。。来ると思ったけどね・・)

「いえいえ。子供もおりますよ。子煩悩ですよ。」
「・・・・・・ぁ・・・ぁ、あ、そーですか」
本当にがっかりした声です。・・・・ちょっと可哀相かな・・・。

「今回の調査の責任者はHです。なんでもお聞きになればいいですよ。」
「えっ。ほんとですか。(なんて明るい声・・)は、はい。よろしく仰ってください。」

夫の浮気で、泣き暮らしていた由紀さんです。
これくらいの、ささやかな幸せぐらいは、楽しませてあげましょう。(微笑)

・・・・・それにしても、世の中ってつくづく、不公平ですよねぇ。。。。。
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by sala729 | 2006-10-04 22:14