陽炎がたつほどの近さに太陽が沈む用意をしている頃の瀬戸内海の美しさと言ったら、それはもう、こんな拙い文章ではとても表現できないものがあります。

島々は輪郭までもがくっきりと彩られ、緑鮮やかな樹枝の上を、海鳥が大きく旋回しているのが
まるで物語の中の1シーンのようで、これがほんとの「絵空事」と、いうものかと半ば感心しながら、その景色を見呆けている自分がとしても幸せに思えた一瞬でした。

その、空の青と海の藍を切り裂いて、銀色に輝く橋が悠然と脚を広げて、どこまでも続く道を示していました。この景色を、ほんとに多くの人に見てもらいたい・・・僥倖に恵まれた私は、らしくもなく、とても穏やかでおおらかな気持ちになったのです(^^)

帰社すると、先日、お逢いした宗高さん(64才・仮名)からお電話がありました。


時間は少し遡るのですが・・・

宗高さんは、見るからに生真面目な面差しで、化粧ひとつない顔を、まっすぐに向けて話はじめました。
「私は6人兄弟ですが、一番上の姉は、本当は従兄弟なんです。昔のことですから、跡継ぎが
どうのこうのということで、私の父母の籍に入ったのです。その姉にはひとり息子がおりまして、
もう54になりますが、山師をしておりました。(注・山師というのは、無資格で山を売買している
人たちのことらしいです)

それが5.6年ほどまえに、大損して、たいへんな借金こしらえたらしいんです。ええ・・もう親戚も近所も、友達にも借りまくってもう、そこいらへんには居られんですよ。その上、毎晩のようにおかしな男が実家に来ては、金返せ。忠信(甥の名前です)だせぇと、そりゃあもうひどい話です。うちにもきました。他の兄弟のところにも来たらしいです。とくに、私の二番目の弟は、名の知れた会社の役員しとります。そこには、もう、ひっこうかかったらしいです。

弟の会社や、嫁の携帯にまでかかるし、火、つけてやるじゃの、隣にも火がつかんように
注意しておけだの、それはひどいことで・・・はい。警察にももちろん通報しました。しばらくは
巡回もしてくれました。

それも一年くらいでなんとか治まっていたんです。姉は忠信の出入りを差し止めてましたが、
ちょくちょく、私の家に来ては、ごはん食べさてくれやの、お金貸してくれやの言いました。私はもう二千円、三千円だけ渡して、帰らせました。
あの山が売れる。この山を動かしたら、儲けられる・・そーんな話ばっかりで・・・」

一息いれて、つく溜息の大きさに、宗高さんの今までの、心労がこめられているようでした。


「そしたら、二週間ほど前、忠信が実家に、怪我したんでお金送ってくれ」と、電話したらしいんです。そのときは、ちょううど父親が危篤で、姉が、それどころやないわね。お父さんが危篤なんじゃわいと、言ったらとたんにぷっつと切れたそうなんです。

そして、父親が死んで三日もたったら、また、あの催促電話が鳴り始めたんです。親父が死んだら、保険金があろーがと、いうて・・・。
実は、葬儀の日に、弟と姉はひと悶着ありまして・・・。

なにせ、姉のところは田舎ですから、みんな金貸してても、だーれも請求なんてしません。
まだ、連れ合いなくして気の毒じゃのぉと、大根やにんじんもってきてくれよります。だから
姉は、もう忠信のことは知らん。私も捜さんし、誰も捜してくれるなと、言うんです。
でも、弟にしたら、ここは田舎じゃけんそれでよかろう。でも、うちは、もしも不審火だしたり、隣の人に
なにか迷惑かけたら、あの家にはおられん。あいつのせいだで。なんとかせねばならんかろう!と、詰め寄りました。」

うーん。弟さんの言い分にも一理あります。

「そいでも姉は、んにゃ忠信のこと捜すことはもういらんと言い続けます。
それで、弟たちが帰って三日目に、弟の娘から私に電話がありました。へんな電話が三回かかってきたということと、家の近くにいつも停まってるというのです。
そりゃあ、前のことがありますから、姪も心配で心配でおれんのでしょうね。」

またまた、ふかーーい溜息をつきました・・・。



要するに宗高さんは、忠信さんが今どこでどんな生活をしているのか、それを把握しておきたい
と思っているのです。
警察に通報しても、被害者からの訴えがなければ、あらかじめ忠信さんを捕らえることはできません。でも、地元の小口の債権者たちは、決して忠信さんを訴えようとはしません。
弟さんは、忠信さんにお金を貸しているわけではありません。ただ、不法な取立てに脅されているのです。
ですから、せめて自衛手段として、忠信さんがどこでどうして生活しているのか把握しておきたいのだそうです。

お気持ちは判りますが、このケースは、忠信さんが債権者と結託していることも充分考えられます。やはり、お母さんであるお姉様が、動かなければならないのではないかと思います。
そう言って、別れたのですが・・・・・・


そして、今日の電話です。。。

「やはり、姉を説得します。母親ですから、姉に黙って・・というわけにはいきません。」
そう言って、あの溜息の長い語尾が続いていました。


・・・・・・・・・・親戚とはいえ、こういう男がいたら、本当に大迷惑な話です。
姪御さんには4才の子供さんもいらっしゃるとかで、相当怯えているようです。一応地元警察には、相談しておくとは言うものの、何も出来ないことが前回で判っているだけに、不安はより
積もるのでしょう。。。

・・・・・・・・・・・お気の毒としかいいようのないご相談に、ちょっと心が重い午後でした。。。
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by sala729 | 2006-07-28 11:25 | Comments(2)

不発弾騒ぎの昨日が開けて、空はますます夏色に冴え渡っているようです。
蝉の声をBGMに、あさがお湯(あさがおエキスの入浴剤)に、ゆったりと浸かっていると、夏の朝の恩恵を体の隅々で受け止めているようです。・・・・しあわせ・・です(^^)

さて、先々月でしたか「南海の不倫」ということで、調査に入った谷原さんから事後報告がありました。
もちろん、調査は終了しています。夫婦ぐるみの5組の友人と、バツイチの女友達が入り混じった「不倫相関図」のような人間関係の中で、妻の頼子さんの浮気の証拠は取れています。
相手は、二軒お隣の谷原さんの先輩という、なんとも、お手近な結末でした。

さて、この不倫図・・
最初から、A子、B子、C子、D子、そしてバツイチのE子が、協力しあっていることは判っていましたが、彼女らが協力していたのはそれだけではなかったのです。

じつは、相談者の谷原さんも浮気をしていました。もちろん、調査に入る前には、清算して、それ以降は相手女性とも逢ってはいませんでした。
でも、頼子さんの浮気が判明して、谷原さんがそれを基に、彼女に詰め寄ると・・・・

「あんただって浮気してたじゃないのっ!。」と、ヒステリックに喚き返されました。
・・・・・うーん。ここまでは、ままあることです。(^^;)
開き直った反撃に、思わず言葉に窮した谷原さんに、頼子さんはさらに続けます。

「証拠はこっちだって取っとんよ。A子やB子、C子とD子も一緒に、女とも逢ったんよ。そーよ。家に押しかけたんよ。そいで、E子が白状させてテープに取ってるんやからねっ。」

正直それ聞いたときは、背中が ぞわっ と、しましたと谷原さんは苦笑します。
「頼子や5人の女たちが、狭いあの部屋で固まって、ひとりの女に詰め寄っている様子を
想像したら・・・怖いですよ。ホラー映画よりも(笑)」

聞けば、谷原さんの浮気相手は、ニ間だけの狭い町営団地に子供と二人で住んでいるのだそうです。その日は、たまたま子供が野球の練習で留守にしていたらしく、相手女性はさぞや・・・と
想像できます。。。


「でも、それは谷原さん自身にも責任があることですよ。」
「はい。それは判ってます。でも、よかったですよ。調査の前に別れておいて・・。続けていたら
どーなっていたか。。」
「彼女らの旦那様たちは、ご存知なかったのですか?」
「知らんかったみたいですよ。この話したら、みんな顔色変えよりましたもん。」他人事のように
彼は笑います。

「そいでも、あれの浮気の写真には実はうちの次男がちょこっと写ってたんですよ。そいで、
男と逢うのに、子供まで連れとるんはどーいうことか?と。そんな女は母親やないけん、お前には親権はやれんと、言うてやりました。」
「それで?」
「初めは、子供は渡さんと泣き喚いちょりましたが、写真見せてやったら、しぶしぶ納得しよりました。ありがとうござます。あれがなかったら、どーなっちょったか・・・」

「そうですよね。奥さんの方は、もうすでにとんでもない方法で証拠取っていたんですものね。
あなたの証拠がなかったら、もう一方的敗北でしたね。」
「そーなんですよ。子供が取れるか取れないかで、ぼくの人生大違いです。これもAさんのおかげですよ。ほんまにありがとうございました。」

・・・・・・・・・うーん・・双手をあげて・・・とまではいかないけど、これはこれで相談者の満足は得られた・・ということでしょうか?
それにしても、谷原さんの彼女さんは、お気の毒でした・・・としか言いようがないです。。。
いくら、浮気相手とはいえ・・・これではねぇ・・・そこで一言囁いてあげました。

「頼子さんのしたことは、脅しですよ。確たる証拠もなしに、大勢で押し寄せて詰め寄るなんて
脅迫ですよ。警察に相談するって、今度はちょっと彼女らを脅してあげてたら?(笑)」

「そーですよね。そーですよね。うんうん。ええ。そーしますよ。」

・・・あらら。。ちょっと薬が効きすぎたかな・・(苦笑)
でも、時にはこうして、浮気相手さんに、同情したくなることも・・・あるのです。。。(盛夏)
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by sala729 | 2006-07-27 13:10 | Comments(0)

どうも梅雨は開けたようですが、待ち構えていたような、湿度の高い不快な高温が、ぐんぐんと更に水銀灯を伸ばしているというのに・・・・早朝から仕事に励んでいた(?)私に対する仕打ちというにはあまりに・・・ヒドイ(><)

お昼前に面談が終わって、子供が騒ぎ立てる新幹線ホームも、ひたら我慢して、ようやく乗換駅に着いた・・と、思ったらなんと・・・

「○○線にお乗換えのお客様にお知らせいたします。本日保線工事中に、不発弾らしきものが
発見され、現在この線は、すべて運休いたしております。お乗換えのお客様は、駅案内窓口でお確かめください。」 な、なにぃぃ~ 

不発弾・・戦後60年たった今でも、その片鱗を見せようとする戦争の足跡・・・それが「不発弾」。
でも、それじゃあ、私たちは何十年もそれをも知らず、その上を電車で踏みにじっていたというのぉぉ?? おぉぉ・・こわっ。ブルブル 

改札を抜けると、駅窓口は黒山の人だかりです。
「只今、臨時バスをご用意する準備を整えています。いましばらくお待ちください。」

・・・・いましばらくったって、発見したのは11時半よ。そして今は13時半・・・なにしてたのよ?
いままで・・・・。それでも誘導されて西窓口とやらに行くと、そこはもう黒山の人だかり。
しかも、この時期ですから、子連れのそれはそれは多いこと。。。

泣き叫び、叱りつけ、まさしく阿鼻叫喚・・というやつです。

「こ、こんなところで代替バスなんて待てない。第一、みんな乗れないわよ。これじゃあね。」
「いえ。バスはすぐに次々ときます。から。」
白い手袋の駅員さんが言いますが
そんなことは信じられない。だって事故から二時間たって電車も10本以上の遅れがでているのに、この対応の遅さ・・・・・・

真夏の湿った太陽はじりじりと焦がします。。。
 あぁぁ~暑い。。あ・つ・い   あぢぃぃ~ 
陽射しが、頭蓋骨を突き破って、脳みそを溶かしそうな勢いで、降り注いでいます。

代替のバスに乗るには、ちと無理っぽいし・・・(並んでいませんからバスが来れば、ここいらは
無法地帯に変わるでしょう。。)
バスが次々に来る・・というのもマユツバものだし・・・。
天を仰ぎ地に問いかけて・・・Oリーダーに連絡・・・・

「もう、そこからタクシーで帰りなさい。時間が惜しいよ。」という判断(^^/)
同じ出口のタクシー乗り場は長蛇の列ですが、そこはよく使う駅ですもの、「勝手知ったるなんとか・・」ですわよ(笑)
もう一度改札を入り直して、正面出口に向かうと・・・やっぱり・・・思ったとおり・・
ここは、裏口の喧騒も知らず、タクシーがずーっと客待ち状態です。

こんなに汗がでることは、最近なかったわよねぇ・・・なんて感心しながらペットボトルを手にタクシーに乗り込んで・・生き返りましたわ。わたし・・・ホントに・・・(^^)

人心地ついたら、あの阿鼻叫喚のバス待ちファミリーの苦闘が思い出されて、一瞬胸がチクリと
痛みましたが、これも、なにやらの功・・・と、いうことで・・・(苦笑)

それにしても、大変な一日でした・・・・。。。。。(溜息・・)
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by sala729 | 2006-07-26 17:25 | Comments(4)

日曜日に、、海辺の「オーベルジュ」に泊まって、潮騒を聞きながら、なーんにもない時間を、楽しんできました。
瀬戸内海に突き出た、ガラス張りの目の前は、雨にくもった水平線が広がり、定期航路のフェリーや、場違いに大きなタンカーが、のっそりと行き交う景色は、なかなかのものです。
夕食は、たっぷり時間をかけて、フランス料理を堪能して、夜はお友達夫婦も招いて、話し込んでいるうちに、時間はとっぷり暮れて、「なーんにもしない時間」も、楽しいままに過ごしていると
こんなに早いんだということに、改めて気づきました。


翌日の朝は、テラスで、ゆったりとカフェオレとパン。自家製のジャムや蜂蜜を弄びながら、ヨーグルトと、山盛りの果物で、なんだか、海外にいるような、そんな気分です。
オーナーのお話によると「別荘感覚」で使って欲しいとのことで、ひろーいお部屋も、家具の全てが外国製品で、これは「お薦めプライベートタイム」です。
・・・・ちなみに、食事のサービスにもフランス人の綺麗な女の子が付きますし、会計レシートも
全て英文でした・・・(^^;)

まとめてお休みを取る・・ということが殆どないものですから、近場でこーいう楽しみ方をするのが、私の「バカンス」なのですが、こちらのオーナーに言わせれば、それこそが「一番贅沢な
楽しみ方」なのだそーです(近場で泊まる人なんて・・いないと、言うことらしいです・・苦笑)


そんなこんなで、優雅な朝食を終えて、そのまま出社したのですが、席を温める間もなく
相談電話が入りそのまま、相談者さんのお宅に・・・。

新幹線を降りたら、H氏が車で待っていてくれることになっていますので、改札を抜けると、
車を捜します。。。すると・・ えっ! な、なんと・・助手席に女性が・・・。

しかも、その女性は、私に向かってにこやかに微笑み、手を振っているてはありませんか・・。
うっぅぅ・・・こ、これは、H氏の奥様にこの状況を知られたら・・と、思わず周囲を見回しました。

恐る恐る近づくと、 ぬぁ~んとっ ・・・・・「Eちゃん~~」

そーなんです。かって同僚として机を並べていた、Eちゃんがにこやかに手を振っています。
もちろん、H氏にとってもかっての、同僚であるわけなんですけど・・(笑)
たまたま、ふたりが出逢って、今から私が来ると聞いて、待っていてくれたらしいのです。
「やれやれ・・」と、気付かれぬようにほっと胸を撫で下ろす私・・(^^;;)

久しぶりの再会に、近況を語り合い、次の約束をして別れたのですが、結婚退職した彼女は
只今、不妊治療の真っ最中とか・・・。
決して、早い結婚ではありませんでしたから、当初から子供は欲しいと熱望していました。
でも、話に聞けば不妊治療というものは、それは苛酷なもので、経済的負担も並大抵のもの
ではないとか・・・。


心なしか少し痩せたように見える面差しから判断するのも早計でしょうが、「子供は神様からの授かりもの。育てたらお返しする」なんて、子育てが終わったからといって嘯いていた私の周りにも、こうして不妊に悩み傷つき、日々苦しんでいる人がいることを実感すると、自分の態度の
不遜さに、恥じ入るばかりです。
「Eちゃんに、幸いあれ」と、心から祈ります。。


ま、そんなこんなあって・・・
辿り着いたのが、小ぶりですが、モダンな黒いドアが印象的な、川原さん(79才・仮名)のお宅です。
対峙するリビングは、整理整頓がされてちょっと部屋全体が暗いのを除くと、なかなかこぎれいに生活されているのが窺えます。

「妻が・・昨日から家出したんですわ。」
・・・この年代で、妻と呼ぶのも、なかなかシャレてます。

見せてもらった「書置き」は新聞広告の裏とはいえ、流れるような達筆で、半紙に書けば、水茎も鮮やかな・・と、表現できそうな字でした。ただその内容は・・・

゛口を開けば、金返せばかり・・貴男のような男とはもう暮らせません。
 私のことは捜さないでください。
 私の親族になにかしたら、私もただでは済ませませんよ。
 老人会や、寿会。テニス、カラオケ・・あなたの交際範囲はみな知ってます。
 ばらしてもいいんですよ。‘‘


これって・・・(^^;)(^^;)
この奥さん、リリ子さん(66才・仮名)と、言います。華やかな印象のなかなかの美人です。
川原さんとは結婚三年目。彼の預貯金の全てを解約して家を出ています。
そもそも、ふたりの出会いというのも・・・・

10年前に前妻と別れた川原さんは、淋しさのあまり、結婚相談所の門を叩こうと、やってきたましたがその入り口で、遭遇したのがリリ子さんでした。
意気投合した二人は、そのまま外で話し込み、気がついたら20万を無心したリリ子さんを自宅の近くまで送ってあげていたそうです。
その20万の返済の連絡もなく、やっと自宅を捜し歩いてたどりついたものの、ブザー押しただけでなにも言えずに帰った川原さんのもとに、リリ子さんから家財道具が送りつけられました。
そして、リリ子さん自身も、婚姻届を持ってやってきました。

川原さんは有頂天で、この申し出を受け入れ、二人が結婚生活を始めたのが三年前です。
ところが、結婚してからの彼女の態度は一変しました。
川原さんが近寄ると、臭い。きたない。近寄るなと避け、食事は別々。もちろん夫婦生活もありません。そして、二言目には、「夫婦なんだからお金は私に管理させて」と迫ります。

運悪く(?)川原さんは彼女に「ベタ惚れ」状態でした。
美貌で、教養も感じられ、過去には華麗な経歴があるようなことも仄めかしているりり子さんに
心底、惚れ抜いていたと言います。
そして・・・とうとう、定期預金証書。権利書などを入れた金庫の鍵を、彼女に預けました。
そのやさき・・・・の、家出です。

そして残されたのは残高0の、通帳が数冊と、前述の書置き・・・だったのです。


「わしゃ、バカですよ。判っとんです。そいでも・・・惚れとったんですなぁ・・」
他人事のように言いながら、川原さんはのんびりと言います。
そして、話をしている間にも、何回か電話が鳴り、明日のテニスの予定や、老人会の相談をしています。
なにか、時間に余裕のある様子は、感じられます。

「ほら、見てください」
開け放した次の間にはがらんとした部屋に、絨毯だけが冷たく敷かれています。
「ここに置いとった箪笥や、テーブルなんかはみーんな持って行きよりました。ほら、あの電話もそうです。ないと困るんで、今は納屋から前の電話持ってきたんです。植木鉢の花も、洗濯ハサミも持っていきよりましたわ。」
淋しげに川原さんは笑いますが・・・・これはどうみても「作為的」です。
計画された「悪意」があるのは誰の目にも明らかです。

でも、リリ子さんに惚れ抜いている川原さんには、「捜す」ことしか方法がないのです。
この方法を取るにしても、根こそぎ財産を持ち出された川原さんに、なんのなす術があるでしょう。。
どこかで、密やかに・・もしくは高らかにかもしれませんが、笑い続けている、リリ子さん。
あなたは「毒の花」です。
もう充分に養分の補給はしたではありませんか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・秘やか咲き続けることを黙認しますが、もう世に出るのはおやめなさい。

ひっそりと、つつましく、枯れるを待つがいいです。
そんな花こそが、本当に愛でられるというものですよ。



 
 
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by sala729 | 2006-07-25 14:23 | Comments(6)

わが社では24時間で相談電話を受けています。
真夜中から明け方にかけては、それはいろいろな電話が入りますが、いろんな意味での「はけ口状態」になっていることは、ほぼ間違いないみたいです(苦笑)

今も、終ったばかりの相談電話に起こしていただいて(^^;)もう一度、眠りに就くには中半端な
時間になりました・・(笑)。まぁ、よくある話なんですけどね。。。

その女性は42才と仰っていました。
2度目の結婚で夫となった人は、最初の日から暴力が絶えず、結婚して3年目だそうです。
その夫のことはそれでも好きだと彼女は言います。
そして、夫と結婚する前から、電話友達でいる男性がいて、「もうこっちにこないか。」と、誘われたのを機に、彼の元に走ったのだそうです。

しかし、その彼も嘘で固めた話ばかりしていたみたいで、現実に生活すると、借金と、怠惰と
ほら話しかない彼であることはすぐに判ったらしいです。

その夜のうちに、彼女は実家に逃げ帰り、身を寄せているのだそうですが、自分の行く道が見えない・・と、言います。

・・・・・・そうなんです・・・見えないのは道でなくて、自分の心なんですね。
「私がどうしたらいいのか、自分では決められないので、アドバイスを貰いたい」と、彼女は言いますが、彼女はしっかり心療内科にも通っているのだそうです。

彼女の言い分はこうです。

・・・私は、夫のことが好きなんです。でも、暴力がいやで男のところに走ったんですけど、その人も大嘘つきで、いまは実家ですが、母にも迷惑かけています。
最初の人との間に10才の子供もいますが、私が夫と別れないと、逢わせてやらないと前の夫は言うんです。私だけでなく、母にも逢わせないって言うんです。
私はいいんです。でも・・母にも逢わせないって、そんな権利があるのでしょうか?。
母が可哀相で・・・。。

**************************************

笑いたいぐらい「ヒロイン症候群」でしょ?(苦笑)
DV夫とも別れられず、嘘吐き男に騙されて、フラフラしている前の妻に、多感な息子を逢わせないという前夫の判断が一番、常識的で適切だと私は思います。
「母が可哀相で・・」「母に迷惑をかけて・・」と、一見親孝行風のせりふを吐いていますが、この
お母様も本当にご苦労なさっていることでしょう。

「お話はお聞きできるけど、決めるのはあなたですよ。」
「それは判っています。て゜も自分で決められないから相談しているのです。」と、怒ったように開き直る彼女。ま、こんなリアクションには慣れていますけどぉ(^^)


これって「大人の話」ではないですよね。
電話を置いた後、唐突に「秋田の連続児童殺人事件」の、あの日本中で今一番有名なシングルマザーのことを思い出しました。

母として、親として、人として・・・こんな言葉は、もう「死語」になりつつあるのでしょうか・・。

夏の朝はすっかり明けています。今朝は雨もなく薄曇の空の間からは薄い青空も覗いているようです。
早起きさせていただいたお礼に、十分に彼女のお話を聞いてあげて、彼女も
「ありがとうございました」と、電話を切ったものの、私の言葉はその100分の一も、彼女の心には残らなかったでしょう。

でも、それでも言わずにはおれない私も、そーとー「変っている人」であることは確かです(自爆)そんな私が、相談電話受けています。
どうぞ、一度お掛けになってなってみてください。(^^/)
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by sala729 | 2006-07-22 06:08 | Comments(10)

「自分、難聴なんです。」
そう言って、日焼けした精悍な顔で、微笑んだ谷崎さん(31才・仮名)は、にっこり微笑みました。
短く刈り込んだ髪の下の耳には、透明プラスチックの補聴器が見え隠れしています。

・・・・谷崎さんの場合・・・

谷崎さんは6年前に、同僚の真理子さん(31才・仮名)と、結婚しました。
ともに、自衛官の職場結婚でした。なかなか子供に恵まれないため、真理子さんは退官して、
不妊治療に励み、やっと待望の男の子を授かって二年目・・

突然の「離婚申し出」でした。
最初は、「夫の暴力」や「性格の不一致」という言葉で濁していた真理子さんですが、問い詰めると、「他に好きな人がいる」と告白しました。
・・・・・・まさに青天の霹靂・・・・

谷崎さんは、相手の名前を言えと詰め寄りましたが、それは・・・と、言葉を濁すばかりで、
真理子さんはなかなか口を割りません。
つい思い余って・・谷崎さんは手を出してしまいました。
しかし、さすがはかっては婦人自衛官です(苦笑)
その手を、ハッシッと掴んで、後ろ手にねじり上げられたそうです・・・(^^;)

それでも、相手の名前を聞き出したというのは・・・いったいどんな「手」を使ったんでしょうね・・・自白剤とか??(笑)


しかし、相手はこともあろうに、谷崎さんの上官であり、仲人でもあった人物だったのですから、
彼の驚きと、怒りは、収める矛先を失いました・・・・。
上官の名前は、舟橋。
数年前に離婚していますが、もちろん仲人をしていたときには、妻もいました。

谷崎さんとは、今でこそ部署は違いますが、なにかと目をかけてもらっていたようです。

それが・・・・・・谷崎さんには、後の言葉が見つかりません・・・・。

そんな谷崎さんの混乱を、尻目に真理子さんはさっさと離婚を決めて、子供を連れて出て行くことを宣言しました。

「渉(子供の名前)の、養育費は要らない。だから、二度と逢わないで。」と、言い捨てて、去ってった真理子さん。。。

当初は、谷崎さんも、あまりのショックの大きさに、なんの手立ても考えられませんでしたが、
月日が過ぎていくうちに、猛烈に、わが子の消息が知りたくなりました。
・・・・・・・手から離れていった大事な宝の重みに、やっと我に返ったようでした。



「渉の居場所と、どんな生活をしているかだけ知りたいんです。逢おうと思っているわけやありません。知っていたいだけなんです。」

谷崎さんは写真もいらないと言います。二年もたっていますから、渉君は大きくなっているでしょうね。。

「渉が大きくなって、自分に逢いたいと言ったら、そのときは逢いますよ。でも、自分から、ほれほれとは逢うつもりはないんです。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

谷崎さんのお気持ちはよく判ります。でも、現実的な話として、
こういう形で離婚した妻が、別れた夫のことを子供にいいように言うはずがありません。
そうやって成長した子供が、自分から父に会いたいということは・・・まず無いですね。

逢いたいか、逢わないか・・・それを今はまだ幼い子供の将来に任せるというのは、ある意味
無責任と私は思っています。
いくら親子て゛も、夫婦でも、話さないと判らないことは数多くあります。
ましてや、離れた間柄で、心のつながりを求めるには、渉君は幼すぎます。

今の、渉君がどう暮らしているのか、これを知ることで、谷崎さんの中に「猛烈な父性」が宿ったら、そのときは、いくらでも、お力になります。
いつでも、言ってきてくださいませ。。。。。。
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by sala729 | 2006-07-20 11:46 | Comments(4)

なんだか、空全体が雨を抱えて、何処に落としてやろうかな。。なんて悪意すら感じられる集中豪雨が、あちこちで起こっています。
みなさんの処は、大丈夫でしょうか?

海の日に続く三連休の中日に、その相談電話は入りました。
若い男性の押し殺したような声で「妻が家出をしました。。」と・・・。

島津さん(26才・仮名)は、県北のはずれ、苗木も瑞々しい田圃の真ん中の、古い家に両親と待っていました。
「これ、見てください」
早々に見せられたのは、ノートを切り裂いた「置手紙」ですが、薄い鉛筆書きで、薄暗い仏間の
奥で読むのは、努力がいりました。。。(苦笑)

・・・・・要するに、結婚してからあなたは優しくなくなった。もっと私のこと見つめていて欲しかった・・・と、いうようなことをノート二枚に恋々と書き綴っていました。
しかし・・・この字の幼稚さ・・・(--)
上手い下手の問題ではないのです。一字一字が、てんでバラバラで、比喩が難しいのですが、
あえて言うなら、幼稚園児が、読めない漢字を、お手本どおりに見て書いている・・そんな感じの漢字です(笑)

「千夏とは8年前に、文通で知り合いました・・・」

・・・・当時の島津さんは、バリバリの暴走族で、千夏さんはそれに憧れる中学生でした。
そんなふたりが、特攻服の交換という目的で知り合い、手紙を交わすようになって3年目の夏に
、千夏さんは突然ここにやってきました。
雪国育ちらしく色白で、おとなしげな千夏さんですが、突然に思い切ったことをするのは昔から・・のようです。

そのころ、千夏さんはいじめに遭った学校を中退して、出会い系サイトに嵌りきってた自分を
なんとかしょうと、決心したらしいのです。
転がり込んだ、彼の家で、一緒に暮らすようになりました。
彼の両親も、千夏さんがいることで、暴走族の集まりにも行かなくなった、息子に胸を撫で下ろし、暗黙の了承として、この幼い同棲を許していたようです。

そして、二人ともに仕事を得て、生活の基盤を作ったときに、結婚を決意して入籍しました。
来月には新婚旅行に行く予定もありました。
それも、これも捨てて、彼女は家を出たのです。

幼い書置きと、新婚旅行用に貯めた20万近いお金を置いて、去っていったのです。

島津さんは、千夏さんの携帯に電話をかけ続け、いつしか「この電話は・・」と、いうアナウンスが
流れてきました。
千夏さんの職場にも、電話を入れましたが、二日前から長期休暇の届けが出されていたようです。もちろん、実家にも電話しました。
彼女の両親は電話に出ず、姉が「ふーん・・」と、力なく聞くだけです。
妹に電話をしてみると「そういえば、出会い系サイトで東京に行くとか言ってた。」とか「職場に
意地悪な人がいるとか言ってた」とかの、情報は得ましたが、それ以上はなすすべもありません。

思い余っての電話です。。。。


「ほんとにいい子なんです。何でも人の言うこと信じて、だから誰かに騙されたかと思ったら心配で・・」島津さんの母も眉を曇らせます。
「けど、探し出しても離婚するって言ったらどーするんじゃ?」父はやはり、冷静です。

「それは自信ある。僕が説得する。」
島津さんは、メガネの奥の目をキラリと光らせて、うなづきます。


調査はすることになりましたが、それから5分置きに、島津さんから電話が入ります。
あれも思い出した。これもあったという情報です。・・・・・・・
ひとつひとつを書きとめながら、不器用でも、この人はこの人なりに、奥さんを愛していたんだと
思うと、大事に書き留めます。

そして、その夜中・・・

「あ、すみません。あの、あの、千夏から電話があったと、実家の姉から連絡が入りました」
「あら。それはよかったじゃない?。どこにいたの?」
「友達の所というだけで、詳しいのは判らんのですけど・・」

詰めてお聞きしても、なにも具体的なことはわかりません。ただ姉から連絡があったとだけ・・。


でも、もう島津さんは有頂天です。
彼の気持ちはよーく判ります
でも・・・と、私には一抹の不安が残っています。。。

千夏さんの家出に、あんなに不協力の家族が、なんて急いで今だけ正しい情報をくれるでしょうか?
この裏はなにかある・・・と、私は思っています。
でも、彼には「妻がいた!」それしか見えていません。

願わくば、千夏さんの後ろに見えない鎖がついていないようにと、祈るばかりです。。。。
この、純粋培養の元特攻暴走族の旦那様のために・・・。
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by sala729 | 2006-07-18 15:31 | Comments(4)

真っ暗の細い道がゆるゆる上にむかって伸びていますが、段々畑に、へばり付いたようなこの
道は、ちょっとハンドルがぶれると、段差を越えて転落しそうな道です。
しかも、まわりに外灯はもちろん人家もなく、頼りは自車のライトだけ・・・ふと見上げるとライトの反射で、キラキラ光る蜘蛛の糸がぼんやりと空間に浮かび、その真ん中にはチャコルグレーの
胴体に、黄色の縞模様の、子供の手のひらほどもありそうな蜘蛛が、静かに静かに、佇んでいるのは 恐怖 です。(なにが怖いって・・・コレコレ・・・><)

たったひとつの灯りが目指す、山越さん宅です。
比較的新しいおうちに、四方をガラスで覆われた洒落たテラスが庭に突き出して、この場所でなかったら、ほんとに「素敵」なおうちです(・・・苦笑)

「娘と二ヶ月前から連絡がとれません。」
テラスで向かい合った、お父さんとお母さんは、自宅の隣を工場にして、製材加工をしていらっしゃるそうです。
「お嬢さんはどこにいらしたのですか?」


・・・・・お嬢さんは、佳代子さん(28才・仮名)です。
隣の県の短大を出て、ここに帰ったものの、ここいらで若い女の子の就く仕事もなく、無為にすごすのも・・と、見つけてきたのが県境の、国民宿舎です。冬場はスキー場で、夏は高原の避暑地らしのですが、佳代子さんはそこでウェイトレスをしていました。

そこで知り合ったのが板前見習いの、和也(21才・仮名)です。
他の従業員たちは、みんなおじさん、おばさんばかりですが、二人が親しくなるのは、時間の問題でした。
和也は、神戸から流れてきたらしく、柔らかな関西弁と物腰で、佳代子さんを見る間に虜にした
ようです。

その和也が、再び流れて、関東に行くことになったとき、佳代子さんも、自分の荷物をまとめて
付いていってしまったのです。
それから、二年間はなんとか連絡も取れていたのですが、この二ヶ月はぷっつり途絶えています。それが心配で・・・と、母は胸を痛めているのです。

職業差別をするつもりはありませんが、板前見習いというのは、なかなか微妙です。
本気でその仕事をするために、やっている者もあれば、その場しのぎで就いているという輩も
少なくありません。
和也も、後者である可能性は高いです。
そして、そんな和也に、佳代子さんは付いていってしまったのです。

親として、どれほど心配なことでしょう・・・・。
しかも、数日前には、明らかにサラ金の取立てと思われる男から電話が入っています。

和也は、両親が既に離婚しており、母親と弟が市営住宅に住んでいるというだけで、他には何の情報もありません。

それでも、ふたりが、駆け落ちした場所は判っていますから、調査はそこからはじまります。



パシッ。パシッ。ザザザ・・・
雨のような音に、外を見ると、周りは漆黒の闇です。そして、ぼんやりと私たちのいるところが
暗闇の中に浮き出ている・・と、推測されます。(・・それもある意味こわいっ。)

そして、その音は雨でもなんでもなく、ガラス戸に幾多の虫たちが激突している音なのです。。
(><)(**)(--)
その数は、畏れるばかり・・です。

佳代子さんの写真を、PCからプリントアウトしょうと、お父さんが席を外したときに、お母さんが
そっと溜息まじりに囁きました。

「じつは、佳代子は私の子ではないんです。24年前に私はここに後添えで来たんです。お兄ちゃんと、佳代子がいました。・・・お兄ちゃんは、サラ金で大きな穴開けて、4年前に私らが、
処理したばっかりなんです。そしたら、今度は佳代子でしょ。私が悪かったんでしょうかね。。。」

・・・・・・・失礼ながら、こんな田舎に嫁いで、24年。家業と家庭の切り盛りに終始して、その
結果がこれでは・・・あまりにお気の毒です。
佳代子さんが、どんな娘さんなのかは知りませんが、このお母さんが育ててくれたことは間違いないはずです。

お母さんのこの、つぶやきを、佳代子さんに伝えたい・・・私は真っ暗の空を見上げながら、
まだ見ぬ佳代子さんに、メッセージを届けたいと・・・願いをかけていました。。。
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by sala729 | 2006-07-15 18:02 | Comments(4)

いやはや、今月もいろいな出来事がゴロゴロと・・(苦笑)

昨日の朝のことです。私は前日から出先で泊まっておりました。泊まりのときは、よく「金縛り」にあったりするので、一歩部屋に入ったときから、部屋中の電気はつけたまま。テレビもかけたまま・・状態にするものですから、夜もなかなか寝付けません。必然的に、外が白々とするころには目覚めますのでこの時期ですと4時すぎから、もう「お目覚めモード」です(^^)

そんな私の手元の携帯がブルブルと震えます。
(何事??)と、発信人を見ると、美葉さんです。そう、それでも好きですと、破滅的な恋愛街道まっしぐらの、公社勤めの彼女です。

「おいっ。オレは原口(美葉さんの姓です)の、代理人やけどなぁ。これなんじゃい?」
あらら・・バレちゃったのね・・。この品性のないしゃべり方・・・自己紹介なしでも、誰だか判りますわよ(笑)

「なんのことでしょう?。」
「ぬあにぃ。お前、ボケとんかぁ。オレ誰やとおもーとんじゃ。」

・・・・・・なんとお下品な言葉の数々・・・・・・・

「わたくしは、依頼者さんとしかお話ができません。大変申し訳ありませんが、依頼者さんでない
場合は、お話できませんので切らせていただきますが・」
「お前、誰に向かって口きいとんじゃあ。」
・・・誰って?電話よ。決まってるじゃん・・・・・

「そーか。判った。ちょっと待てえや。」と言うと・・
「もしもし・・・」消え入りそうなか細い声がやけに間延びしているのは、常用している安定剤のせいでしょう・・・確かに美葉さんの声でした。
「ごめんなさーい。バレちゃったのぉ。どーしたらいーですかぁ~」

かぁ~ったって・・(^^;)

「判ったやろーがぁ。お前なぁ、オバハン、オレのこと舐めとんちゃうかぁ。オレ誰やとおもーとんじゃ。オレはヤクザやだどぉ。ん??聞いとんのかぁ?オイコラ、聞とんやったら、返事せんかいっ」
「なんてお答えすればいいんでしょう?」
・・・・・これが、どーも相手の怒りに火をつけたようです・・・(苦笑)

「おいっ。舐めんなよぉ。オバハン、お前の顔も住所も判っとんじゃ。おちおち歩けると思うなよ。」
おちおちは歩かんでしょ。足腰は痛いけど・・なんて盾つくほどの勇気は、じつはありません(笑)

「私は社員ですから、会社の決めに従って仕事しています。それ以上のことをお問い合わせしていただいても、私にはお答えできません。」
「あーそうか。そうか。そうやのぉ。そらそーや。ほならどこに言えばいいんやぁ??」
「営業時間内に、会社にお電話ください。責任あるものが対応します。」
「ほーかぁ。わかったわい。」
 ぶちっ と、耳障りな音をたてて電話は切られました。

そして、8時を待ちかねて、Oリーダーに事の顛末をお知らせします。
「・・・・と、言うことで、そちらに行くと思います。よろしくお願いします。」

「そぉ。はい。判った。」・・・Oリーダーの返事はこれだけです。(^^)

***************************************

時間が過ぎて・・・
OリーダーとRさんから顛末を聞くと・・・

その男は肩で風を切って、美葉さんを従えてやってきたそうです。
薬の副作用で美葉さんの体は、ゆ~らり、ゆ~らり・・・・。瞳孔も開いているようでした。。

そして、自分のこと調べてるけど、オレの話は夕べぜーんぶこいつにしゃべった、もう調査の
必要はないから、返金しろ・・・と、いうことのようです。
大声でまくしたてる男の横で、美葉さんはぼんやりと視線を漂わせています。

大声をあげるわけでなく、三人は向き合って話し合いを終えたらしいのです。


「でもね。あいつ(美葉さんの男)。しみじみ言ってたのよ。俺は結婚してもいいけど、あいつは未婚の母でがんばって子供育ててきたから、今からオレみたいな父親がつい取ったらいかんやろ?」と、Oリーダーは言います。

でも、それにしても「品性」悪すぎ・・・・
もう、そろそろ目覚めなさい。美葉さん。全てをなくするその前に。。。。
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by sala729 | 2006-07-14 15:17 | Comments(5)

わが社には、関連会社があります。
時には、共同で、時には単独で外注することもありますので、関連業者さんのなかには、わが社の社員同様、(それ以上かも。笑)の、方もたくさんおられます。

イケメンで、長身、わが社ナンバー1の、H氏に勝るとも劣らないとカゲで囁かれているのが
J君です。ただ彼には、ひとつだけ 秘密 があったのです・・・。(^^;;)


ある日のこと・・・
「Aさん、背中が痒くて眠れんのですわぁ」と、つぶやきながら、出社してきました。

聞けば2日前から、現場に入っており、やぶ蚊や、草々の露に悩まされる日々が続いているそうです。
そーなんです。現場はなにより「夏」が辛いらしいです。
草むらに身を潜めて張り込んでいても、じっとりと汗ばむ腕や顔には、シロクロのまだら腹のやぶ蚊が遠慮なく集ってきます。
体温も上がっていますし、滅多に人などいない草むらですから、蚊たちにしては「渡りに船」
「飛んで火にいる夏の虫・人番」ってところですね。


J君がダンガリーのシャッの背中をバッとめくると、背中の中央に赤いぶつぶつが群がって、その周りに赤い引っかき疵が縦横に走っています・・・これは痛そう・・(><)
「あらら・・・これはひどいわね。蚊かな?汗疹かな?帯状疱疹ならもっと痛いのかしらね。どちらにしても、病院行った方がいいわよ。」と、私は会社の近くの皮膚科を紹介しました。
ここは、この地域でも名医と評判で、医師会の副会長をしている医院長は、ユーモアもあり
なかなかに、人気の高い医院なのです。


・・・・・・・・三時間後・・・

J君が帰ってきました。とても深刻な顔をして、眉間の皺が三本に増えています。
「どーだった?」と、聞いても答えません。
黙って座ったまま、空を見据えています。・・・・そして、やおら手元のバッグをまさぐると、何枚かのパンフレットを取り出し、私に差し出してきました。
・・・・・そ、それは・・・・・・・



J君は、その大きな体を丸めるように、診察室に入りました。
そして先生と向かい合った丸椅子に座ると、一呼吸おいて、口を開きかけたときです・・・
「んーそうね。でもね。すぐに効果があるわけじゃないからね。」と、先生の先制攻撃・・(なんて
・・^^)
そして、口を開こうとするJ君をさらに制して、先生は続けます。
「だいぶ、いっちゃってるねぇ。でも、すぐに効くなんて勘違いしちゃだめだよ。」

(こ、この先生は、神様か・・・見ずに診断がつくのか・・)と、その時は思ったそうです。

「これね。一日一回ね。でも、続けなきゃだめだよ。」と、看護士さんに目で合図すると、看護士さんも頷いて、別室にいくと、なにやら壜に入ったものが・・・。

「ずーっと続けているとね、一本一本が太くなって抜け毛が少なくなるから、物理的に髪が増えるというわけさ。はっはは」

・・・・ ぬぁにぃぃ  ・・か、髪だとぉぉおお。。か、かみだとぉぉぉ。。かみ・・・・・
一気に脳に駆け上がったアドレナリンが、ぐるぐると廻ったのですが、先生の手の中の茶色
の壜を見ていると、その怒りの嵐がすーーっと鎮まっていくのが判りました。
そして、その手元に神経が集中していました。。。


そう・・・そうなのです。
弱冠31才。長身のイケメン。ほどほどの優しさと、ハードさを併せ持つJ君の、たったひとつの
「弱み」は、その・・・その・・・ 髪 に、あったのです。。。(^^;)

入社当時は、もちろん豊かな長めの髪をなびかせて、わが社にくるたび、溜息まじりに彼を
遠目でみる女子社員は、多かったのです。。
でも、それがJ君の不幸でした・・(合掌)

そんなJ君が、あの伝説のTキャラの目に留まらぬはずがありません。
くねくねと身を捩らせ、手作りの「ばーちゃん弁当」(筍、かぼちゃなどの煮物と、崩れかけた
おにぎり・・しかも製作日不明、というおそろしいシロモノで、Oリーダーや、N係長も、その洗礼
を何度も受けて、そのたび、トイレとお友達になったという・・・悪魔の弁当・・・なのです)
を、何度も差し入れされ、好青年のJ君はそのたび、無理やり完食してあげる優しさを
もっていました。

そして、それが彼の命取り・・・いいえ、髪取りになったのです・・・・
そのJ君の好意に、Tキャラは甘え、ただをこね、拗ねて、仕事上というのに、やりたい放題、
し放題・・・・・・・あぁぁぁ・・・・・


そのあげくが、一年とたたず、彼の登頂部から髪をはらはらと落としていきました。遠慮会釈なく・・・・(涙)

彼はかなりの長身ですから、なかなか彼のことを上から見る人はいないので、普通にしていたら目立たないのです。むしろそのイケメンが目だって、それで終わるのですが、座ると・・・・・
・・・・う、これ以上は気の毒で・・・・


結局「違うんですっ」と、絶叫して背中を見せて治療は終えました。


でも、しっかりとその薬のバンフレットは握り締めて帰ってきたのです。(うぅぅ・・・不憫じゃ・・)


「ああ、その薬、最近よくテレビで見るよねぇ。どれどれ」
J君の手からそのバンフレットを取り上げて、何気ない風を装って、でも本当は真剣に読んでいるのはOリーダー。。。
・・そういえば、かってインデアンシャンプーなるものを、大量購入して、部下たちの配っていた
こともありましたよねぇ(苦笑)

・・・・今日のこのブログ・・・社内で波紋を呼びそうです・・・(苦笑)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ホントのこと書くって・・辛いですわ(自爆)

・・・・・ ごめんなさ~い   でした。。。。(深々礼)
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by sala729 | 2006-07-12 19:01 | Comments(7)