このホテルのロビーはよく待ち合わせに使います。
隣接するスパリゾートと、ロビーの背中に黒御影石で造形した段違いの水場があって、これからの季節はほんとに涼しげで、ほっとする空間が私も好きです。

そこで、ご相談者をお待ちしながらふと通路に目を向けると・・・
年のころは70代と思われる真っ白い総髪、上質の羽織に袴姿も堂々とした男性がゆったりと
歩いているのが見えました。
そして、その隣には、かの人よりも少し年下かと思われるは白っぽいダブルのスーツの男性が並んで歩いているのも見えました。そして、なにげに視線を下にずらしてみると・・・・

その、二人の右手と左手はしっかりと握り合っているではありませんか・・・(@@)
思わず視線を外すと、入り口ドア横に立っているドアガール(最近は女性が多いですよねぇぇ)も
ちょっと困ったような顔をしてこちらを向いていました。

男性二人はゆったりと、堂々とした足取りでロビーを横切り宴会場の方に消えていきましたが、
なかなかインパクトのある情景でしたね。。
そして、そんなふたりを見ていたら、もう何年か前に、私のところに相談にこられた、石岡さんの
ことを思い出しました・・・。


「すみません、夕方からお葬式の手伝いに出んといかんのです。」
メガネの奥の小さな目が誠実そうに、田舎の主婦のご近所づきあいの事情を語ります。
石岡さんの住んでいるのは、県北の、ついこの間までは、炭焼きや林業しかなく「マタギ」の舞台になった山と共に暮らしているような処です。

「うちの主人・・もしかしたら ホモ かもしれないんです・・」
消え入りそうな声ですが、妙にそこだけはっきりと聞こえたのは、石岡さんとその言葉のが
相容れそうにないのに、浮き上がっていたからかもしれません。

・・・・石岡さんの夫は、建築資材の会社の経理係長なのだそうです。
結婚して13年。夫は婿養子で、子供は11才と9才の男の子がふたりです。
なんのドラマチックな盛り上がりもなく、半分お見合いのような形で出会って結婚して、妊娠して
子供を産んで・・石岡さんの毎日は平凡という名の時間を繰り返していくことで過ごされるはずでした。

そんな夫の職場に、26才の小田が来るようになってから、石岡さんの日々は少しづつ崩れて
いきました。
小田は、いわゆる「ひきこもり」だったのですが、夫の会社の社長が、民生委員をしている関係で、雇用してみたという、いわば「田舎ひきこもり再生計画」のテストパターンだったのです。

小田は現場中心の仕事に出ることになっていますが、青白い痩せた体にみるからに現場仕事はきつそうです。夫は経理の仕事上PCを操作していますが、ある日トラブルが発生したときに
「オタク能力」を発揮したのが小田でした。
そして、それからふたりは急速に接近していき、日曜日となると、ふたりで出かける日が続いていました。

「あのふたり怪しいよ・・」そんな周囲の会話も、最初は半信半疑だったのでしょう。
しかし、毎週毎週ふたりの外出は続き、子供の参観にも、運動会にも、自分の祖母の葬儀にすら参加せず、小田と出歩く夫に、さすがに石岡さんは不審を抱きました。

そして、長い調査のすえ、夫と小田の関係を突き止めたのです。
同性の場合は、断定が難しいのです。二人でいるところだけ撮っても、なんとでもいえますよね。
そして、そういう関係のふたりは、いろんなカムフラージュをするのです。
・・・スーパー銭湯・・ネットカフェ・・・・・・・・車・・・・

決定打は、やはり「ホテル」でした。車を乗り換え、乗り換え、二人でラブホテルに消えたときは
「やった!」と、思いましたよ・・・・(--)

でも、石岡さんの苦しみが終わることはありませんでした。

夫と小田のことは、うすうす感ずいていたので、「やっぱり・・」という短いコメントだけてしたが、
同居の両親に離婚の覚悟を打ち明けると、理由を問い質されます。
思い余って、すべてを告白しました。そして、公立病院の看護士である自分が子供の扶養もできること、このままでは周囲の人たちにも、ふたりが「ホモ」だと判ってしまう懸念があること。
子供の将来のことなどを両親に訴えました・・・・
そして、帰ってきたのが・・・・

 離婚は許さん。するなら俺らが死んでからにしろ! という父親の言葉でした。

なぜ?????・・・・・石岡さんに父親はさらに続けました。

「離婚なんぞしてみぃ、なんで別れたかとみんなが聞きよる。男色なんぞと言えるかあ?
そんな、ふうの悪いことは言えん。世間体が悪いぞぃ。」と、父は、もう聞く耳を持ちません。
「どーしても、お前が別れたいんなら、俺らが死んでからにしてくれ。生きとるうちはそげな
恥さらしは許さん!」

・・・・・・・・・・・・・・父に反対されたのでは、私は子供を育てられませんと、石岡さんは言います。
実家があって、そこで子供を見てもらって、自分が仕事していく計画だったと言うのです。

***********************************************************

あれから年月は流れましたが、石岡さんはどうしているでしょうか・・。
何度かお電話もしたのですが、そのたびに泣かれて、山深いこの地で生まれて、婿養子をもらって、ここで子供を育てるのが私ですと、いつも結んでいましたが、そうではないと何度言っても
頑なに、受け入れてはもらえませんでした。

あの元気なお父様やお母様が亡くなって、自分と夫を見直したとき、石岡さんはいくつになって
いるのでしょうか?
それからの自分の人生を、立て直すことはできるでしょうか?・・・・きっと、もうそんなことは
考えてもいないような気もします。
里には里の、私たちには判らない絆があるのかもしれません。。。



そんなことを思いながら、ロビーの椅子に腰をおろして間もなく、ご相談者がいらっしゃいました。
ご挨拶を交わして、喫茶室の方に向う、私の中からもう、石岡さんは消えていました。。。
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by sala729 | 2006-06-30 12:51 | Comments(5)

最初に、美葉さん(30代後半・仮名)とお逢いしたときは、髪は赤に近いシャギーに荒れた素肌。折れそうなほど細い腰から流れるジーンズの裾からのぞく素足の指には濃い紫のペディキュア。
てっきり、「お水系」と思っていました。

「タバコいいですか?」
向かい合って座ったとたん、ブルーのセブンスターのパッケージを取り出します。
「どうぞ。」
私は喫煙はしませんが、相手に禁煙を強いることはないです。喫煙の鎮静作用も知っていますし、それがないとお話できない方が、案外多いという事実も知っています。

・・・・・・・・・
美葉さんの彼は32才。自営の建設業とは名ばかりで、実態はありません。
昼過ぎにでかけたり、夕方でかけては、真夜中に帰ったりします。
借金の取立てや、賭博などにも手を染めています。

そう・・・いわゆる「その筋」の人です。
その彼と交際をはじめて1年。美葉さんが彼に用立てたお金は1000万を下りません。
たんに、水商売の人でそれだけのお金を用立てることはまず困難です。

「あなたはお仕事なになさってるの?」
「・・・・ある公社に勤めてます。。」
やっぱりね・・・・そうだと思いました。それなら1000万も合点がいきます。
このくらいの年齢で、実直に勤めていたら、かなりの貯金もあるでしょう。
借金するにしても、堅い勤め先ですから、びっくりするほどの融資を受けられます。

それにしても・・・先入観でものを言っては失礼ですが、今日の美葉さんはとてもそんな堅い
イメージには見えません。

「博打の取立てで、明日までに300万。今夜中に100万なんて、いつものことです。」
投げやりに笑う美葉さんの口ぶりは、自嘲の翳が濃く浮いています。
「車も転売、転売されて、今どこにあるか判りませんけど、ローンだけは残っていて毎月9万
払っています。バカでしょ?・・わたし。」

俯いた顔にかかる赤い前髪をかきあげながら、私をみる美葉さんの目は淋しく笑っています。

***********************

一人っ子の美葉さんは、家出同然で今、彼と同棲しています。
両親は勤め先をやめていないことで、安心しているようですが、娘の交際相手がそんな危険な
人とは知らないようです。

その彼に、新しい女ができたと美葉さんは言います。
彼は、美葉さんにその女のことを話しますし、女からも借金をしていると言います。
女は、彼が「オンナに1000万くらい借金がある」と言うと、「それくらい私が返してあげるわよ」と
言ったらしいです。
でも、情報では、その女はバチイチで、パチンコ店のパートだというのです。
・・・・・どこで、どうやって1000万を捻出すのやら・・・・。

「この女がどんな女か知りたいんです。」
「知ってどうするの?」
「・・・・・・・・・・・・・これから、彼といるかどうか、決心つけようと思っているんです。。」
「どんな女か知らないと、決心つけられない?」
意地悪な質問とは思いましたが、聞かずにはいられませんでした。

「・・・・・・は、はい。」消え入りそうな声でした。
「判っているんです。あんな男と一緒にいたって、なにもいいことなんてないことは。ずっと、ずっと、お金せびられて、借金にまみれていくことも判っているんです。でも、私が彼のただひとりの
女なら、それでも私、いいんです。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は、激しい・・言葉です。

「でも、ほかに女を作ることは許せない・・と?」
「ええ。それも彼が騙されてるかもしれないとも思うんです。でも、私をただの金蔓と思って、
私がお金だせなくなったら、次の女に乗り換えてって・・・それをそのまま受け入れるのも
くやしい。。」
「でも、ああいう人の女になるってことは、そういうことよ。お金つくれない女は、そんな資格がないって言われてることぐらい知ってるでしょ?」
「・・・・しってます。」

美葉さんの茶色かかった瞳が涙で一杯になり、テーブルの灰皿の隣にぽとぽとと滴が落ちています。

「何度も、死のうかと思ったこともあるんです。でも、もう一度、もう一度って・・・・」
もう、涙はとめどなく溢れて、声も嗚咽で途切れ途切れになっています。

「でも、好きなのよね?」
「・・は、はい。」

・・・・・・・きちんとした会社で、それなりのキャリアもあり、仕事も任されているのでしょう。契約書に書かれた文字は、とても綺麗な字を書かれます。
一人っ子で今まで未婚で、仕事に励んできて、そして知り合ったのがこの男・・・
なんと不運な・・・としか言いようがありません。

人は彼女のこと、自業自得と言うかもしれませんが、これも「出会い」です。
そういう、不幸な出会いが、彼女には運命的に待ち受けていたのです。
・・・・人を好きになるということは、こういうことなのかもしれません。。。

これが未成年だったり、まだ年若い無分別な頃なら、話もしましょう。
年寄臭いと、嫌がられても、説教も垂れましょう・・・・

でも、こうして、社会人として、今まで生きてきた人に、今かける言葉はみつかりません。

「あなたの失くしたものは、大きい。・・・とても大きい。でも、まだやり直せる。あなたには仕事もあるし、ご両親もいる。あとはあなた次第。女のこと調べて、彼が騙されてるなら、彼もそれだけの男。彼が女のことを仄めかして、あなたを騙しているなら、それも底の浅い男。彼女のことも
彼が騙していたら、最低の男ね。
それでもあなたがついていきたいのか、これを区切りに
自分を取り戻すのか、結果が出たとき、もう一度それを考えて欲しい。」


翌日、雨の中を、調査料金を持ってきた美葉さんは、同じスッピンながらも、仕事帰りということで、前日とはまったく違うイメージの、地味で質素なOLにしか見えませんでした。
「あの女から、貸した140万返せって言われてるから、出せって言われました。やっぱり、彼の
嘘かもしれない。でも、なんで私が女に返さないといけないんよって言ってやりました。
今も心がぐらぐら揺れてますけど、結果が出たら、それでもついていくか、別れるか、それは
決めることにしました。よろしくお願いします。」

この決心が、いいか悪いかは、判りませんが、なにを口実にしても、私は美葉さんに、自分を
見つめなおす事をお薦めするつもりです。
彼女が、別れを決心できるまで、何度でも、口実を見つけては、「自分を見つめなさい」と、言うつもりです。それが、余計なお世話であったとしも・・・。
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by sala729 | 2006-06-28 11:37 | Comments(5)

右の写真が変わりました。。これ「庵治石」という最高級石材で作った「華灯篭」というそうです。
花びら状にカットした石片を、一枚、一枚くっつけて花びらにして、石板に置きます。
花の内側に電球をいれて灯すと、花びらの間から光が四方に洩れて、それはそれは幻想的な
影が白い壁に散らばります。
三週間かかってやっと出来上がったものを、昨日、大雨の中「工房」まで取りに行ってきました。

その工房の主は、60代と思われる痩身のおじさんで、この時期なのにニット帽子をかぶって
ダウンジャケットを着込んでいます。
そして、作品の薀蓄を語り始めると、雨の雫が振り込もうが、自分が濡れようが、まったく意に介さず・・・(^^)

「うちは、墓石の芸術家ださぁ」そう言って笑うオーナーは、昨年の夏に、胃癌で胃を全摘したそうですが、語りは熱いです。
工房の周りには、庵治石。大谷石。外洋石などの原石や作品が、無造作に散らばっています。
風車を横にして分銅をつけたような、ぐるぐる回る墓石。坂道のようなスロープの上に、時代劇の医師が使うような、薬草擦りをくっつけたような墓石(・・表現が悪くてすみません・・どれも
非情にユニークな形なので・・・笑)
コスモポリタン美術館の入り口にあるような、曲がりくねった二つの腕のような墓石には
組み合わさった手のひらと思われるところに、二人の名前が彫られてありました。。

・・・・・・・・・「あのう・・・私のもここで作ってもらいたいんてすけど・・」
こんな楽しい作品を眼の前にして、なんですごすごと黙って帰れるでしょう(^^)

「えーよ。だけど、早う注文してくれんと、たいがいはワシの方が先にいくと思うけん。はよーしてや。」と、オーナーは笑います。

「ええ。ええ。例えば、本を広げているようなそんな墓石をイメージしてるんですけど、どーでしょ?」
「どんなんでもええよ。あんたの好きなよーなの作ってあげるけん。」
「ほんとですか?・・じゃあ」と、言いかけた私の、つんつんと家人が刺激します。
(なによ?・・)と、一瞥して、オーナーと盛り上がって、おみやげに「粘土蛙」なんか貰っちゃって
嬉しがって帰途についたのですが、その帰り道・・・

「あのさぁ、お墓って自分だけ入るつもりなの?」と、家人。
「え?・・なんで?」
「だって、本の墓石って自分の好みでしょ?。だぁれもそんなの望んでないよ。そこに入るのは
自分だけ??」

・・・・・・ん・・んん・・も、もっとも・・・

内輪話ながら、私の母は、姑との折り合いが事の外悪く、私が見ても仲の悪さはピカいちでした。
母は生前、「あのお義母さんと死んでまで一緒にいたくない」と、私の母らしく過激な発言(苦笑)
を繰り返していましたが、昔の女ですから、そういう発言はなかったかのように、今は同じ墓石
の下にいます。(そこでも、喧嘩を繰り返しているのではないかと心配です・・苦笑)

その母もそこから出してあげるつもりです。
そして、もちろん本来、そこに入るべき人もいます。その遺骨は、なかなか手放せなくて
じつはまだ自宅に置いてあるのです(^^;)
そして、家人も・・・・・なーんて言ったら、みんな私の「本型墓石」じゃ、いやだって言うの??
へーぼんな縦型の、両前に花挿しがあって、下が二段くらいの、あのふつーの墓石のほうが
いいというの??

「そーよ。自分のことしか考えてないんじゃない??」と、勝ち誇ったように言う家人。。

・・・ むっ・・・
なにが悪いの??・・・・私の趣味にして何が悪いのよ・・・
母もその人も、私の趣味なら文句は言いませんっ。いつだってそーでした。
これからの人は、気に入らなけりゃ自分で、自分の好きなの作ればいいじゃん・・・。。

私の中ではもう「本型墓石モード」です。(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)

折角こんな個性的な工房のオーナーとお知り合いになったんだもの。絶対に 作りたいっ! ・・・・・って思いませんか???



夜になって、灯りを落とした玄関に、「華灯篭」を置いて、点灯したのがこの写真です。
・・・・・・とても幻想的で、なかなかの気分です。。。。
こんな夜は、いつもより長くて、いつもよりクールですけど、いつもより「楽しい時間」が
ゆったりと、流れています。。。
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by sala729 | 2006-06-26 17:57 | Comments(9)

おどおどと「妻の様子が・・・」と、相談電話をかけてきて、迷いに迷った末にやっと決心した、高田さん(31才・仮名)の、結果がでました。

高田さんは妻と小3と小1の子供と四人で、実家の敷地に自宅を建てて、両親とは同一敷地の
別棟で住んでいます。同い年の妻、美代子さんは、近くの麹会社にパートに出ています。
この美代子さんが、すこぶるつきの「気の強い妻」で、高田さんの母親とは、水と油、ハブとマングース。生来の「天敵」というばかりの、相性の悪さです。

「誰が洗濯とりこんでくれと言うたんよ。ばあちゃん田圃帰りの汚い手で触らんといて。」
「あーあ・・お茶碗なによ?。これ・・・いつのご飯がへばりついてるんよ。もう、きったないわぁ。」
「トイレ、こっち(自分たちの住まいの棟)で、せんといて。周りの撒き散らしてるから、くっさい。」
などと、言いたい放題・・・。
ただ、これ、お姑さんだけでなく、夫にもこんな調子なんだそうです・・・。(><)

そんな美代子さんが、姑さんを相手にしなくなったのが一ヶ月ほど前。
そしてその頃から、物干し場に翻る美代子さんの下着が、どんどん派手になっていったそうです。
(大抵の旦那さんは、奥さんの下着の色や形なんて知りません。それがこんな感想を持つということは、目に余るほどの派手さ加減なのか、高田さんがよっぽど下着に関心が高いか・・の
どちらかです。)

美代子さんは、自分のパートが終わると、実家に立ち寄って、実母のお惣菜やさんの
残り物を貰って帰ります。それが、その日の、高田家の夕飯のおかずになるのです。
なかなか、しっかり者ではあるのです。。。
それでも、売れ残りですから、高野豆腐の煮物が三日続いたり、半分トウのたったきゅうりの
酢の物が山のように残っていたりで、子供たちには不評のようですが、これも「主婦の努力」と
ほめられるべきでしょう。

そしてなんと、同じころから、高田さんは、美代子さんに夫婦関係をお願いするときは「報酬」を
お渡ししなければならなくなったそうです。
お小遣い1万円の彼が、美代子さんへの、お願い賃が5000円。
これって・・・・もう、いじめ???(苦笑)

・・・・・つまり、夫には触れて欲しくないってことなのでしょうね・・・・・なんだか、目の前の
一見強面の高田さんが気の毒になって、一回り小さく見えました。。。

「実家から帰るのが一時間くらい遅いんです。絶対そのときだと思うんですよね。」
高田さんは力説しますが、そんな時間のはずがありません。
よくお話を聞けば、高田さん自身が夜勤のある仕事をしているのです。
美代子さんに夜のチャンスは、いくらでもあります。

「そんなぁ、いくらなんでも夜ってことはないですよ。子供もいるし・・」

・・・・あーあー・・おバカさんねぇ。。。子供なんてどうにでもなるわよ。第一同じ敷地内に
お爺ちゃんもお婆ちゃんもいるんだもの。。。いくら嫁と仲が悪くても、孫は可愛いし、ましてや
自分たちの棟にきてくれるなら、嫁の顔なんて見なけりゃ、見ないほうがいい・・・ぐらいのもんですよ。


昼間説に固執する高田さんを納得させるために、一日だけ昼間見て、すぐに夜に切り替えました。
すると・・・お約束のように、子供らが寝静まったころ、美代子さんはそっと裏口から出てきました。外に飼い犬はおりますが、もちろん飼い主ですから、キャンとも泣く筈がありません。

少し先の曲がり角に待っていた4WDに乗り込むと、なんと自宅から500メートルも離れていない、古びたモーテルに車は吸い込まれていきました。


翌日、相手男性も確認して、高田さんの報告しますと・・
「な、中井・・ですか。・・・それ、同級生ですわ。」と、ぼそりと一言。
・・・・・・最近は手近な不倫がなんと多いことか・・・(溜息)

相手は、高田さんの小学校と中学校の同級生で、今現在は子供の通う小学校のPTAの副会長をしています。美代子さんは、その役員です。


「あらら・・・よくあるパターンねぇ」

「でも、あいつ・・・頭よかったんですわ。いっも委員長してて・・・。嫁はきついし、あいつも口は立つし・・・オレ、自信ないですよ。」
高田さんは気弱に吐き出します。

「なに弱気なこと言ってるのよ。奥さんの不倫相手よ。びしっと言ってらなきゃ。」
「・・・・・・・」
高田さんは下をむいたままです。

「びしっと言いなさいよ。骨は拾ってあげる。」
「骨って。。決闘するんですか???」

・・・・・・んな、ばかな・・・・・・・ちょっと冷静に考えなさいよぉぉ・・・・・・・・・・・

この気弱、この腰砕け・・・・・これをなんとかしなくては、夫婦は元に戻ることはないでしょう。。。

さてと・・・どうしたらいいものか・・・と、思案にくれながら夏至の太陽もようやく沈んでいくようです。。。
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by sala729 | 2006-06-24 11:05 | Comments(8)

PCがやっと手元に戻りました・・。自宅にはもちろん個人用のPCはありますが、会社で使えないとなると、やはり不自由をきたします。
 復活 と、いうことで・・(バンザーイ!)

さて、今日も未明から、ワールドカップの後味の悪い結果を横目に、相談者宅に向かいます。
昨日、お電話をかけてきたしずかさん(34才・仮名)は、4才と1才と生後2ヶ月の三人の子供がいます。
今日は、1才の子供を実母に預けて、お話したいと言うので、ゆっくりお話ができるかもしれないと思いつつ急ぎました。
30世帯ほどの、マンションの二階の突き当たりには、ドアの横に三輪車や長靴、スコップ、バケツが散乱しています。(いやーな予感・・)

しずかさんは、まだ首の据わらぬ赤ちゃんを肩にかけるように抱いて玄関ドアを開けてくれました。ダイニングキッチンをつき切ったところが、和室の居間らしく小さなテーブルを挟んで、向き合って座ります。

同い年の夫とは結婚して5年です。でも、三人目を妊娠してからというもの、夫婦関係はまったく
ありません。夫は、独立を目指して、勤め先も今月で退職しますが、そも事後承諾。開業資金は、親からの借金ですが、それもつい最近まで知らなかったと言います。

そんな夫の帰宅時間はバラバラ・・・時には日付が変わることもあります。

しずかさんは、夫の行動に半信半疑です。女がいるかもしれないけど、そうであって欲しくないとい思いも、それ以上にあります。
そんなジレンマの中で、しずかさんの心は、右往左往しているようです。

話の途中で赤ちゃんが泣き出しました。・・・きっとミルク・・
と、思ったら、しずかさんはTシャツをたくしあげ、乳房を遠慮がちに口に含ませます。
「どうぞ、気にしないで。」私は微笑んで言ったつもりです。

なのに、なにを思ったか、しずかさんは赤ちゃんを自分のTシャツのなかにすっぽり入れてしまったのです。
おりしも、今日は朝から大雨で、部屋はじとじとしています。エアコンも入れず、扇風機も回さず
窓も閉め切ったこの部屋は、雫のたれそうな湿度の中で、ムシムシと水蒸気がたちそうです。

「ちょっとそれじゃあ、可哀想よ。いいからそのまま飲ませてあげて。いいでしょ?女同士なんだから。」と、声をかけると、なにを思ったか今度は、傍らの長袖シャツを、赤ちゃんに巻きつけると、その格好で授乳しょうとします・・・・。
(赤ちゃん、蒸れてしまうわよ。)と、思いつつ、それが冗談でやってないことは、しずかさんの目
を見れば判ります。

「あぁぁ。だめ。だめです。・・・私やっぱりできません。調べるなんてできませんっ。」
「へ・???」
突然のリアクションに、思わずお間抜けな一語しか返せない私・・(^^;)

「私、私、育児ノイローゼかもしれない。いつも、いつもこんなことばっかり考えて、そしたら
悪いほうへ、悪いほうへと考えて・・・あぁぁ・・・で、できません。私・・・・」

いーですけどね。でも、状況を判断すると、まず夫は浮気をしています。
百歩譲って、もしもしなかったとしても、しなかったことの証明をしないと、しずかさんの
心の曇りが晴れることはないでしょう。。。

「いいですよ。決心がつかないなら、仕方ありませんもの。」
私的には、思いっきり優しく微笑んだつもり・・・だったのです。・・・・・・が・・・・

私は、今かいたメモと見積もり書を重ねて、ファイルに入れようとしました。
もちろん個人情報ですから、調査しないときは、シュレッダーにかけます。社用箋使ってますから、そのまま相手に渡すと、もしもそこから対象者が気付いたらという心配があるので(大抵の場合、相談者と対象者は同じ屋根の下で暮らしていますから・・・)
持ち帰ってシュレッダーします。これは最初に個人情報の取り扱いについて、お話をして
了承を得ていますので、問題になることはまずありません。

ところが、 だめですぅう~
言うが早いか、私の手からそのメモと見積書を奪い取ろうと、手を出してきます。
「ち、ちょっと待ってください。」
私も慌てて、その手に力を込めました。
小さなテーブルを挟んで、二人のもみ合いが続きました。
しずかさんは全力を出し切ったのでしょう、思わず腰が浮いて中腰になりかけますが、
しずかさんの膝の上には赤ちゃんが横たわっています。
彼女が腰を浮かそうとするので、赤ちゃんはゴロンと、前に転がりそうでした。
「あ、赤ちゃんが・・」と、思わず怯んだ私の手から、メモと見積書を奪い取ったしずかさんは
それをぐちゃぐちゃに丸めるやいなや ぽいっ と、それを口の中に・・・

あれれれれ・・・・・・+++++れれれれれ・・・・・

「か、返してください。それ、返してください。」
思わず手を差し出した私の目の前に、口からだした見積書が「ちりめんのような皺」を作って
ひらひらと舞い降りてきます。
口から塊をだしたしずかさんが見積書だけをひらひらと、目の前に落としてきたのです。

うーん・・・恐るべし・・・・この所業・・・
いろんな人と出会いましたが、メモと見積書を丸めて口にぽいっとしたのは、しずかさんがはじめてです。。。。(**)(><)(--;)

帰社して、報告するとOリーダーは大笑いです。
「でも、それって誰も信じてくれないよねぇ。。」と、笑い転げたなみだ目で言います。
「そーいうと思って、ほら、これです。」
ちりめん皺で反り返った、見積書を見せると
「おぉぉーーーー。ほんとじゃ。」と、その見事に細かく皺の寄った書類を愛しそうに見つめていました。


それにしても、本当にしずかさんは育児ノイローゼかもしれません。
子供が膝からポロリと落ちているのにも気付かず、ただの紙切れを奪おうとしていたのです。

この赤ちゃんの未来は・・・・・くらいなぁと、ひとりごちて、
「すみません。すみません。・・やっぱりできません」と、つぶやき続けていたしずかさんの声が
いつまでも耳から離れません。。。。。
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by sala729 | 2006-06-23 21:57 | Comments(4)

PCの修理は終ったらしいのですが、なかなか取りに行けなくて、そのぶん更新にやや支障をきたしております。・・(スミマセン・・礼)

しかし、なんやかやの間に、仕事以外にも、サプライスが!・・(ま、ある意味では、とーぜんの
帰結かもという気持ちが、みなそれぞれの胸の中にあることも事実なのですが・・苦笑)

・・あの、わが伝説の永遠の処女妻、 Tキャラが帰ってきたのです・・
そーなんです。「帰ってきたジェイソン」とも「貞子ふたたび」とも、囁かれるあの、驚愕の「濃い
キャラT」が、一年ぶりに帰ってきたのです。

ことは、はじめOリーダーの携帯が鳴ったことから幕をあけました。

「いゃあ~わたしね。もうこっちに帰るんよ。たーいへん。お引越しって疲れるわぁ」
と、別れたときし寸分違わぬ、怪しさと身勝手さと、独り合点の会話を披露したかと思うと、
一方的に電話を、バチンときります。

返す人差し指で、今度はRさんにプッシュ・・・
朝の7時ですよ。。主婦の方なら、よーくご理解いただるでしょうが、平日の朝7時といえば
忙しさの絶好調。
その時
「あぁらぁ・・Rちゃん元気ぃ??。私ねぇ・・・」と、かまわずやられた日には、大抵の人はそのまま切りますね(笑)。
もちろん、私は切ります(きっぱり)・・・でも、主婦でない私は、別に忙しいわけではないのですけれどもね・・(^^;)

その日は、もう朝からその話題で一杯です。
忙しいRさんが一時間近くお相手して得た情報によりますと・・・
Tキャラは、こちらの自家がなかなか売却できないので、自分たちがここに住んで、関西のご主人のマンションを賃貸にするのだそうです。

確かに売れてませんわ・・・自称、檜風呂というふれこみの「風呂桶と椅子だけ檜」のポリバスと
ずらりと窓辺に並んだ、茗荷とラッキョウが底に残った漬物桶付き、家具付き住宅・・・(話に聞けば、時価の数倍価格がついているとか・・苦笑)

そして翌日は、ご近所の八百屋のおばちゃんから・・
ここは、ビジネス街の八百屋さんで、手作りお弁当なんかもあって、近くのビジネスマンや、OL、学生のオアシスになっています。。
ちなみに、私はここで、毎朝菓子パンを1個買って、会社で食べてます(^^;;)
「ねぇねぇねね。。。芦屋のおじょーさん来たでしょ?」と声をかけられました。

どーやら、Tキャラはご近所さんにも、「主人の母がねぇ、私のこと、お嬢さんって呼ぶのよぉ」
という、恐ろしい逸話をご披露していたようです。(ちなみに彼女は5回目の干支周りを数年前に
済ませています・・苦笑)

「えっ?・・・ここに来たんです??」
「来た!来た!来た。。なんでもね、向こうのマンションのお家賃が高すぎて大変だから
こっちの自分の家に帰ってくるって。また来るからよろしくねぇって、走ってご主人の車まで行きましたよ」

へ???・・・へへ????
いや、お家賃が高いから自分が払うのじゃなくて、貰うんじゃあ???
それに、マンションは賃貸じゃなくて、分譲だってば・・・。

そしてその夜・・・
転送用の携帯が鳴るので・・・・
「ふふふ・・やっぱりね。今の時間ならAちゃんが出ると思ったわよ。おひさしぶりぃぃ。」

 うげっつ  き、来た・・来たか・・・

転送だからと断って、改めて電話を入れると、話すわ、話すわ、洪水のように携帯からあふれ出る言葉、言葉、言葉・・・・・

「そーなのよ。義母はねぇ、とっても元気なのよ(あれ?・・・不自由だからご主人が毎日世話に
実家に行ってるって言ってませんでしたかぁ?・・ご主人とお義母さまに毎日お弁当作っているって・・)。で、私のこと大すきなのよね。だから、こっちに帰るって可哀想で言えなかったのよぉ。(じゃ、いればいいじゃん・・)義妹夫婦や、義弟もよくやるんだけど、やっぱり私じゃないとダメって言うのよ。・・・・(ここで私は、それじゃお義母さまのためにそっちにいたほうがいいんじゃないですか?と言って見ました。)

(するとそんなことは、聞こえてないかのように、なにひとつ触れず)主人も百姓したいって言うし、まぁ゜、いろいろあるわけよ。。。」

相変わらず人の話は聞かず、自分の世界で生きているのは、頷けるとして、この会話・・
彼女は酔っ払ってヘロヘロの会話です。

「Tさん、酔ってますね。飲みすぎですよ。」
「またぁ・・んもう・・あんたはそーいうことばっかり言うんだからぁ・・・うんうん。判ってる。判ってるって。」
決して怒ることはないのですが、結婚前はひとりの寂しさから、お酒を・・・と思っていたのですが
今でも、これでは変りません。
ご主人の前では、飲まないふりしてるのか、その反動なのか・・・・今夜はご主人はいないそうです。


話の辻褄が合わないのは、いかにも、らしくて笑えますが、それにしても、本当に幸せなのでしょうか?
夫にいないときに、ベロベロに酔いどれて、私に電話をかけてきた、Tキャラの、支離滅裂の
プライドに隠された本心が「寂しい、寂しい」と、泣いているように聞こえるのは、私の気のせいでしょうか?

今夜は、そんなTキャラが夢にでそうな夜です・・・・。


****Tキャラについては、このブログの創世記の人気者でした(^^)*******
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by sala729 | 2006-06-22 22:15 | Comments(3)

「夫は31才で私は46才です」という声が消え入りそうに聞こえたのは、由美子さんの声が
小さかったからだけではないと思います。
ファミレスの一隅でお会いした由美子さんは子供さんの学校行事の帰りとかで、素ッピンにTシャツとジーンズという軽装が良く似合い、失礼な表現ながら、年齢よりもずっと若く見えました。

結婚して10年、子供は小学生が二人。ということは、夫は若い父親だったのでしょうね。

グラスのアイスティーを両手で包むように抱き込んで、両手が水滴で濡れそぼっても、拭きもせず濡れるに任せています。
きっと誰にも言えず、ただただ忍耐の日々を過ごしていたのだなぁと、聞き役に徹していますが、私の中の醒めた感性は・・・それは承知だったはず・・・と、囁く自分の声が聞こえている
ことも事実です。

二人は、いわゆる合コンで、出会いました。
農家の長男とはいえ、夫は全国に支社のある機械メーカーのサラリーマンでしたし、もちろん
由美子さんは、当時未婚でした。
お互いに「サバ」を読んでいた、本当の歳を知ったのは、交際半年目。そしてその時には
もう長男が由美子さんのお腹にいました。

もちろん夫の両親、親族はこぞって大反対。
理由は・・・そう、「年齢差」です。
・・・・・愛があれば歳の差なんて(・・ふるっ^^;)・・・というのは、まだまだ「歌やドラマの世界」
です。
由美子さん達のような、出遭いと結果は、やはり「女に騙されている」と、夫側の人たちは
思いこみ、反対する・・・というのが現実のパターンとしては普通です。
現実はドラマほど、甘美でもロマンチストでもありません。

しかし、こんな「できちやった婚」を、周囲に非難され、危惧されることは、これは当然予測
されたことですね。
社会に出て10年目。そんなことも、予測できないというほど若くなく、社会人として、それぐらいのことは理解していなければならない「年齢」ではなかったかと、私の中の冷徹なもうひとつ声が囁くのです(^^;)

夫の両親と同じ敷地に、別棟を建てて、同居が始りました。
両親とは、仲良し・・・とは言えないまでも、なんとかそつなく生活をこなしていた由美子さんですが、あるとき夫の出張が、やたらと多くなったことに気がつきました。
週に2.3回もあるのです。しかも、泊まり出張。
と、いうことは、殆ど「自宅で寝ない」と、いうことですよ。・・・そう言うと「そうなんですよね」と、
由美子さんはぼんやりと答えます。
失礼ながら、こんなに覇気もなく、闘志も感じられず、才気の匂いもない(失礼)、性格なのに
よくも、周囲を押し切って結婚したものだと・・・妙な感心をしてしまいました。。

こっそり携帯を見ると、水商売らしい女性からのメールが恋々と続いています。
でも、それも夫に気づかれたのか、翌日には全てのメールが消去されていたそうです。

「主人は、浮気してるでしょうか?」

しょうか?って、あなた、この状況を見て「してない」って誰が言えます?
それとも、「してない」と、言って欲しいの??

なぜ、現実逃避をしょうとするのでしょう・・。今がすぎれば、何もなかったかのように、
「オールクリア」されて、元の生活がそのまま戻ると思っているのでしょうか?
ほんとうに???

「オールクリア」したいと思っているのは事実でしょうが、「される」ことはない・・・これくらいのことは心の片隅では思っているはずです。
そうでないと、相談になんて来ません。ただじっと亀が甲羅の中に首をすくめているように、ひたすら嵐の過ぎ去るのを待っています。そして現実にそういう人もいます。
でも、「されない」かもしれないと、ちょっとでも思っているからこそ、不安で相談電話を取るのです。

聞けば、夫と由美子さんは生活費はそれぞれ別会計なのだそうです。
つまり、夫は世間の夫族より、かなり多い額の小遣いを自由にしてるらしいのです。
結婚後の由美子さんはパートタイマーの収入しかないと言うのに・・・
「子供さんもいるのに、それじゃキツイでしょ。彼にお小遣い制にしてもらったら?」と言うと
「いえ、それは聞いてもらえません。始めからの約束だからって。それに、義母たちも、主人のこと、若いうちから結婚して、可哀想だ、可哀想だって言うんです。せめて小遣いくらいはって・・」

・・・・・・オイオイ・・それとこれは別でしょう・・・・
結婚を決めたのは、夫も同じ意志だっただけで、若くして父になったのも、夫の選択。
それを、庇う母親も「アホ」なら、そう言われて、黙って唯々諾々と、従う嫁も嫁と、私は思いますよ。
言外に「私が年上だから」という言葉を匂わせる由美子さんの伏目の顔を見ていると
「そんなことは初めっから判っていたでしょ!」と、どやしつけたくなる自分を抑えて、話を進めます。

結局、お金もないと、ローンを申し込むことになったのですが、申込書にすべてを記入して
審査結果を待つばかりになりました。
予算はないけど、どうしてもしたい・・ということになれば、時間を短縮して実行するしかありません。

・・・・・・待つこと3分・・・・・

「申し訳ありません。西岡さま(由美子さんです)は、今回ご利用になれません」との電話が届きました。

あらら・・・・というこは・・・・(--)
由美子さんの夫は、それなりの会社にずっと勤めていますので、それでも全額ローンが
通らないということは、他所での借り入れがかなりあると、想像できます。
もちろん、由美子さんの知らない「借り入れ」です。

そのことを由美子さんに告げると
「いいえ。そんなこと、そんなことありません。主人は、そんな借金を・・」
言葉が途中で止まったということは、なにか心当たりに気づいたのでしょう。
でも、もう問い詰めません。ここからは、由美子さんの決心です。

子供が待っているので・・・と、先を急ぐ由美子さんの背中に、10年前のパワーを、今ひとたび・・・と、願わずにはいられませんでした。
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by sala729 | 2006-06-20 07:05 | Comments(10)

控えめな海の色をきらきらとはためかして、日本海の海岸線は切れ切れに続いています。
夕日のポイントや、透明度の高い海、ウィンドサーフーインに適した大きめの波が、点在するのがここいらの特徴らしいです。

金曜日の夕方からずっとこの稜線沿いに私はいました。もちろん、仕事で・・・です。(^^)

妻のことを相談したいと、電話をかけてきた、水口さんは51才。
気弱な視線が泳いで、こちらの言うことを聞いているのか、いないのか・・・(はぁあぁぁ溜息)

日曜日も、単独行動で先週でかけるふりをして、家を張りこんでいると、妻はすぐ近くのファミレスで、見知らぬ男と逢っていました。
窓ガラス越しに覗きこむと、嬉しげに微笑みながら、男に話しかける妻。
ドリンクバーにカップを二つ持って、なれた手つきでアメリカンを入れている妻。
お店に乗りこんで、男と妻の前に出てやろうかとは思ったものの、そのハードルが越えられなくて、水口さんは自分の車に戻って妻たちが出てくるのをじっと待ちました。

やがて二人は出てくると、それぞれの車に乗りこみ、同じ方向に向かって行きました。
もちろん水口さんもあとを追いましたが、綺麗にまかれてしまいました。
でも、妻を問いただす気力もなく、独りモンモンとした時間を過ごしていると水口さんは、おとなしげです・・・。

その日の妻が帰ってきたのが、翌日のお昼。水口さんは問い質すこともなく、妻は言い訳する
こともなく、なにもなかったかのように、淡々と生活を続けているのです。
もちろん、いますよ。妻を泳がせておいて尻尾を掴もうと、無関心のふりをする夫というのは・・。
でも、お会いしている限りの水口さんは、とてもそんな「罠夫」にはお見受けしません。

5人の子供のうち、上2人は独立して、自宅には思春期真っ盛りの子供が3人もいるというのに
父のこの姿を見て、どう感じているのでしょう。。
母の不倫は知らなくても、朝帰りや日ごろの行動を見ていたら、なにかを感じているはずです。


それでも水口さんは調査をためらいます。
したくないのか、したいのか・・・・・YES、NO が、はっきり言えないタイプみたいです。
このごに及んで
「じゃ、明日、弁護士に相談してから」とか
「もう少し様子を見てから」とか
「調べるということをしてもいいのか、どうか・・」

などと、決心できない理由を並べ立てます。
とりあえず、一度自分の気持ちを話したいだけの人にはよくみられる人のようです。
では「お止めになりますか?」と聞いても、それにも「はい」とは答えられない人なのです。
こういう人のことを、私の亡くなった母は
 煮えたか沸いたか、判らんような男 と、酷評しておりました(^^;)

結局水口さんは、明日自分から連絡すると言いながら、今日になってもまだ、なんのご連絡もありません。

調査をやるかやらないかは、それぞれの個人的問題で、決して強要するつもりはありませんが、「するかしないか」は、決めれるはずで、しかも会社勤めもしており、この年齢ですとなんらかの地位もあるでしょう。(・・たぶん・・)。5人の子供の親でもありながら
「約束」の一本も果たせないような、そんな「父」を「夫」を、誰が信頼してくれるでしょう??

腹立ち紛れ(苦笑)に浮気妻を、擁護する気はサラサラないのですが、この夫への、物足りなさや頼りなさを、心のうちに畳み込みながら、今までの月日を共に暮していたのでしょうか・・・
そう思うと、私の心の片隅に、ちょっとだけ妻への「同情の芽」が発芽しそうになったのは、やっぱり、決められない男の無責任さに、腹をたてていたのでしょうか?(爆)


同じ時期に、調査の現場は、あの南海の不倫天国、谷原さんの妻の、おそろしく不自然な
行動に、振りまわされておりました。

もともと、夫婦共通の友人A、B、C、Dそして、離婚したばかりのEと、「夫婦不倫相関図」みたいな、関係の中での調査です。困難は予測されていました。。。

予想通りというか、やっぱりE宅が、中継地になって、谷原さんの妻頼子は、そこで相手男性を待っていました。
もともと、スペシャル浮気リストに載ろうかという、彼らですから、その浮気たるや、まるで
「スパイ映画」もどきの、逢引きです(・・私も表現ふるいな・・苦笑)
自宅を出るときから、キョロキョロと周囲を窺い、E宅にくると、男を呼びます。
フルスモークの男の後部シートに臥せて、E宅を出て、隣町のコンビニまで来ると、男がまず
車外で周りを確認し、ついでもそもそと頼子が出てきます。
・・・・・・・・・・・・・そこまでするかぁぁ・・・・(--)

結局、ふたりに接触はあったものの、「こだわり職人」のN係長としては、まだまだ不満げです。
でも、相手が判ってなにより・・・でした。
でしたが・・・相手はなんと・・谷原家から二軒隣の家に帰っていきました(・・・・・沈黙)

あとで判ったことですが、その男は谷原さんの一年先輩で、野球部でも先輩後輩。職場も部署
こそ違え、同じ処なのです。
しかも、二人とも、地元ですから、生まれたときから・・というより親や先祖の代からの知り合い
という間柄なのです・・・・。

み、乱れている・・・・いくら開放的な南国の猟師町とはいえ、これって、この状況って、かなり乱れていますよね。


と、なんやかやと、頭の痛い週末ではありましたが、晴れやかな月曜日の朝の、熱くて濃厚な
空気の中に自分を置いていると、フツフツと充電されているような気がするのですから、
私も、そーと変った人間ではありますよね(自爆)


・・・・****・・・・・・
 谷原夫妻のことは、先の記事「過激な友情・・南海の集団不倫の図」をご参照ください(^^/)
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by sala729 | 2006-06-18 23:44 | Comments(5)

最近は少し滅入っています・・・と、深刻につぶやくほどのことはないのですが(笑)・・。でも正直言って、前向きに頑張ってるわねと、拍手を贈りたいような結末がなかなか迎えられなくて、
知らず知らずにモチベーションが下がっているのかも・・・なんて思ったりする月半ば・・です(笑)

荻原さん(48才・仮名)は、大手進学予備校の講師で学科主任という肩書きがついています。
11年前に夫を亡くして、長男は現在24才。長女は18才になりました。
一年前に大学を終えた長男は、東京で無職のまま日々暮しているそうです。
そして、今年デザイン専門学校に入った長女の聡美さんは、高校1年から交際している
中本君という男友達がおります。

中本君は2年で高校を辞めており、職を転々として今は、派遣のパチンコ店員をしています。
それでも、ふたりの交際を表立ってやめさせることもなく、荻原さんとしては、暖かく見守って
いたつもりだと言います。

その聡美さんが妊娠して、専門学校も独断で退学して、実家に帰ってきました。
さすがに、荻原さんも激情にかられ、中本君を呼びつけ、どう責任を取るかと、問いただしました。
その時の中本君は「自分の子供だから、産んで欲しい。子供は育てます」と、いまどきの若いのに、似合わない責任感を見せたそうです。(すみません・・大多数の若者のみなさん・・話のいきかがり上の表現です。。)

でも、そのときの荻原さんは娘可愛さのあまり
「いいえ。この子は始末しなさい。あなた達はだ若すぎる。無理です」と、宣言していました。
頑なに産んでくれと言い張る中本君に
「あなたのお母さんみたいに産みっぱなしにするくらいなら、産まないほうがまし」・・とまで
言いきったそうです。
・・・・・・中本君の両親はかなり前に離婚しており、それぞれに再婚しています。
父には現妻との間に7才と5才の子供。母は2度の再婚を経て、現在は三番目の男性と未入籍のまま暮しています。・・・・・・とはいえ、荻原さんのこの言葉は、ちょっと酷いです。
荻原さん自身、酷いこと言いましたと、反省はしていましたが・・・。(酷)

産む。産まないを繰り返しているうちに17週に入りました。
そして、そのころ、中本君は新しい派遣先に2週間出張することになりました。

そしてそこから帰って・・彼の態度が急変したのです。
もっとも、その兆候は出張中からありました。聡美さんが何度電話しても彼は一度も出なかったのです。もちろん、こんなことは初めてです。

中本君は帰るとすぐに、聡美さんに「子供を堕してくれ」と告げました。
180度の展開に聡美さんは混乱し、理由を問いただしました。
すると彼は
「愛情がなくなった」と、かってどこやらの横綱が、婚約中の女優に吐き捨てたのと同じせりふを
投げつけたのです。

そして混乱したのは聡美さんだけではありませんでした。
荻原さんも、うろたえ混乱しました。
そして、彼に「なぜ?なぜ?」と問いただしましたが、彼は一切答えません。ただ、愛情がなくなった・・・としか・・・。
そして、荻原さんに向かって開き直ったように
「オレが産んでくれと言ったときは、あんなに堕せと言ったくせに、今更なにを言うつもりなんだ。
堕せと言ったのはあんたなんだぞっ!」と叫びました。

その通りです。中本君の言ってることに間違いはありません。
ただ、そのあとに・・・そのとき堕さないと言い張ったのはあなただけれどもね・・・というせりふを付け加えれば・・・。

中本君の実父と兄という人も、やってきました。
「そちらが堕せと言ったんですよ。弟はそれに従うと言ってるんです。それでいいじゃないですか?」
「でもあの時と、今は子供の大きさが違います。」
「違いませんよ。17週でも22週でも、子供の命はおんなじですよ。」
看護師という兄は、薄ら笑いを浮かべながら言ったそうです。

何度も話し合いましたが、中本君の意志は変りません。
荻原さんは、二人に任せると言って、二人だけで話をさせました。


***************************************

聡美さんは彼の言葉を受け入れました。
彼はこう言ったそうです。。。。

オレはもうお前には愛情はない。愛情のある女の妊娠した子なら産んで欲しいけど、愛情のない女の子はいらない。だから、全部フラットにして、友達に戻ろう。そして、それからまた、愛情が
感じられるようになったら恋人になろう・・・・と。
・・・・・・・・聞くだけで、文字に変えるだけで、むかつくような、身勝手な言いぐさでしょう?

でも、これを聡美さんは受け入れたのです。
「私は、中本君がすき。だから待ってる。中本君の言うとおりにして、恋人に戻れる日を待ってる」と言うのだそうです。
そして、荻原さんも、この娘の気持ちを汲んで待っているというのです・・・・。

 あほっ・・

娘のアホさは、若気の至りと言い換えられても、荻原さんの選択は、あまりに愚かです。
恋に恋する娘の目を覚まさせてやらなければならない母親が、熱に浮かれた娘の言葉を
そのまま受け入れてどうするんですっ。


中本君の心変わりがどうしても納得できないと、彼の行動を見たいとは言うものの、荻原さんは
迷いに迷っています。
あろうことか居留守を使う中本君を捜そうと、電話で彼の勤務先のパチンコ店の店長にすべての事情を話して、彼の行動を知ろうとしていました。
これって・・一番マズイ対処です。
案の定、彼から激しいクレームが来ました。プライベートなことなのに、なんで店長に話す必要がある?名誉毀損ですよと開き直っています。
これは・・彼にも一理あるかも。。。


そして3日後・・・・
聡美さんは、入院しました。「処置」のためです。
もう20週を越えていますから、出産と同じ過程を踏みます。
陣痛促進剤を注射して、子宮口を人工的にひろげて、出産させるのです。
これは、本当に聡美さんの心も体も傷つけるでしょう。
母がついていながら、こんなことをさせてはいけません。
そしてもっといけないのは、そんな不実な男の世迷言を信じている娘に、それは嘘だと教えられない母の弱さです。脆さです。

娘を信じることと、守ることは違います。
何度話をしても、何十分話をしても、そのときは「うんうん」というばかりで、なにも進展しない、なにも動こうとはしない荻原さんには、なんの打つ手もありません。
48才の世間知らずの荻原さんは18才の世知に長けた中本君の「敵」ではないのでしょう。
それにしても・・・・・・と、溜息が流れるばかりです。。。。
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by sala729 | 2006-06-15 23:31 | Comments(9)

眉の上、横一文字に切りそろえた漆黒の前髪が重たく眼鏡の縁にかかっています。それだけで暗い印象を撒き散らす七重さん(31才・仮名)が、うつむいて
「あんな、あんな男に智也を渡してたまるかっ。」と、低い声で吐き捨てたときは、私も、同席していた七重さんの実母、宮田さんもドキっとして思わず顔を見合わせました。


七重さんが夫に自宅から追い出されて、実家に帰ったのは今から一ヶ月前です。
自宅には4才になる智也君が残されたままです。
これまでの夫婦の経過をPCでプリントアウトしたものが20枚。
しかも、改行なしの段落なし。・・・(><)・・ちょっと辛いですぅぅ・・・・。

要約すると・・・
友人の紹介で知り合い結婚した夫は、鋭利で知的な外見の通り、若くして老人施設の事務長
という地位にありました。(もっとも、事務長とは名ばかりで、薄給の雑用係のようなものですと、七重さんは冷笑しながら言い捨てました・・)
自宅でも彼は、家事は一切拒否。靴磨きからお風呂での背中流し、着替えの手伝い、新聞すら取って来たことはないそうです。

そんな彼は、智也君が産まれてからも、同じ事を七重さんの求めました。
しかし、そんなことは物理的に無理です。
彼の世話が不充分になりつつあるとは知りながら、それでも子供が最優先になることを七重さんは辞められませんでした。

次第に彼はイライラとした態度を取るようになり、冷たくなり、ろくに会話もしなくなりました。
その上、なんの制裁のつもりか、給与を入れなくなりました。
夫婦生活も全くなく、七重さんがベッドで手を握りにいくと、払い退けます。
帰宅も遅くなり、外泊さえするようになりました。


孤立した七重さんは、近くのレンタルビデオ屋さんのアルバイトにでるようになり、そこでの同僚にいろいろと相談するようになりました。
同僚は独身男性で、親身になって話を聞いてくれたそうです。
彼と七重さんはひんぱんにメールを交わし、ある日、とうとう二人はホテルで逢うことになりました。そこで本当になにがあったかは判りませんが、七重さんは相談をしていただけと言い張ります。
しかし、これらのメールを夫はすべた見ていたのです。
そして、ふたりがホテルの玄関を出た途端、夫は七重さんの前に立ちはだかりました。
智也君を抱いたままで・・・・。

それが一年前です。
一年間は、会話のないのままの冷たい生活が続いていました。
夫は責めるでもなく、許すでもなく、七重さんとの暮らしを続け、七重さんがビデオ屋を止めて
簿記の勉強をし始めると
「離婚に備える気だな」と言い、生活費を求めると
「男に貢ぐような金はない」と、言いきるのです。

七重さんが一言でも反論しょうものなら、寝室の引き戸をパタンと閉めて、一人で寝てしまいます。内側から開かないように物まで置いているようです。
そして、夫の帰りはますます遅くなりました。

そんなある日のこと、帰宅した夫が突然に
「お前みたいな女に智也の母親の資格はない。とっとと出て行け」と、叫んで、七重さんを
着の身着のままで外に追い出してしまったのです。


こうして実家に帰った七重さんですが、落ち着いてくると、夫の行為に対する怒りがむらむらと
沸いてきます。
なにより、自分も女を作って、なお智也まで私から奪うなんて、許せないっ。。。そんな猛烈な怒りが内側からこみあげてきました。


冒頭の言葉はそのとき、七重さんか搾り出すような声で洩れたものです。


調査が始ると、七重さんは毎日何回となく電話をかけてきます。
夫が、毎日何通もメールを送ってくるのです。
追い出しておきながら「話し合いをしたい。いつ逢えるか?」だとか
「智也の幼稚園の経費はいくら?」とか
「保険証はどこ?」とか、ともかくしつこく何通も届きます。そして、今まではそれに
律儀に答えていましたが、それが七重さんにはストレスになっていたようです。
私は、智也君に関する以外のメールは、無視するようにと、お伝えしました。
彼は七重さんの行動を把握しておきたいだけなのです。。。

結果は簡単にでました。
夫は会社の女の子と浮気していました。自宅にも泊めています。智也君と3人でお買い物もしています。
そのことを報告すると電話の向こうで七重さんは
「ふっふっふ・・・やりましたねぇ。Aさん、これでこっちのものですよね。ふっふっ・・・」と
何度も何度も繰り返します。

確かにそうなんですけれど、なにか壊れてしまったような、そんな危険な匂いのする七重さんが
不安です。
明日、夫と対決するという七重さんのその不適な笑いが、無気味に電話の向こうで響いています。明日・・・・泣き喚く七重さんを見たくはないのです。
結果はきちんと出ているのですから、対処は誤らないで・・・と、祈らずにはおれません。。。
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by sala729 | 2006-06-14 23:33 | Comments(6)