日一日と、2005年が残り少なくっていくことを惜しむかのように、バタバタと走り回った何日間かが過ぎていきました。そしてその間には、いくつものドラマが、思いがけない展開で浮き上がったり、落ちていったりしていました。

由里子さん(54才・仮名)が、最初に相談電話をかけて来たのは、今月の半ばにはいってすぐです。長年タクシー運転手をしていた62才の夫が去年から配車係になったが、その夫の行動がどうしても腑に落ちない。調べてもらえないだろうか?と、いうものでした。
お逢いしてみると、由里子さんか小柄の細身で、ぴったりとしたパンツに茶髪のショートの髪がさらさらと揺れて、失礼ながらお年よりはずっと、お若いかんじがしました。

「ほんとのこと言うと、最近ではないのです。。」
「え?」
思いつめたように言う由里子さんは、重い口をそろそろと開きます。

夫はダンディでとても優しいそうです。言葉も巧みで、ちょっとお茶を飲みに行っても、食事に出かけても、すぐにお店の女性と仲良くなり、「ちょっと面白くて優しいおじさん」として、近所の喫茶店でも、好感度が高い方なのだそうです。
確かに、お写真を拝見するかぎり、「人のよさそうな、太い眉の下の目は、温かく笑っている」ようには、見えます。

そして、休日は、由里子さんとふたりで、ずーっといるそうです(^^;)
そんな、夫の行動は、仕事の時間がメインになります。二日出ては、一日休みのローテーションとはいえ、彼のワークタイムはなかなかハードです。朝8時から明け方の1時までが二日続くのです。ちょっとこれは長すぎるかな・・・と、私も思いました。

しかし、実際に調査に入ってみると、彼はじつに、まじめに仕事に従事しています。都合二週間というもの、彼の行動に変化はありません。この二週間に接触した女性はふたりだけです。
ひとりは、近所のおばあさん。もうひとりは、行き付けの食堂のそばに住んでいる50才くらいの看護士さんで、タクシーが拾えない彼女のために、自らが送っていってあげたことがありました。

由里子さんに報告すると、「・・・・・・・・・・・・・・」
黙ったままです。これは、納得していない・・ということです。この時間内であえていうなら、この看護士との関係と考えられますが、それにはもう少し、調査を続けなければなりません。


「やります。やってください。明日はクリスマスです。だから、今日と明日。私、これに賭けます」
声は小さいですが、由里子さんはきっぱりと言い切りました。


そして・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でました・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい、女性です。
指揮をとるE調査員から、気の抜けた、呆れ果てた声で、私に電話が入ったのはクリスマスが終わろうとする時間でした。
「でましたよ。秋山さん(由里子さんの姓です)。相手は、前回ここに来た、ばあさんですよ。」

「ば、ばあさんって、前のには確か70代ってあったような・・」
「そーですよ。言っちゃあなんですが、きったないばあさんですよ。配車室の中で、胸に触ったり、ばあさんの服たくしあげて、胸に顔埋めてますよ・・うぇっ・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・聞いている私の方も、ぼーぜんとしたまま、言葉がでません。。。。。

由里子さんの、年令にそぐわない若くて綺麗な顔が、目の前にちらちらと、浮かんできます。
な、なぜ???・・・・・・そりゃあいくらでもあります。
浮気相手が奥様より、「ブス」っていうのは、お約束のようによくあることです・・・でも、・・でも、これはひどすぎ・・・・・ますっ。


翌日、重い心を奮い立たせて、私は由里子さんに電話をしました。
どんな結果であれ、まずは真実を告げないわけにはいきません。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うっそ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「もしもし。。秋山さん聞こえますか?。。秋山さん」
たった一言で、言葉を失った由里子さんに呼びかけましたが、反応が・・・・ない。

「もしもし。秋山さん・?。。。秋山さん?」
「あ、はい。・・・・聞こえます。聞こえています。で、でも、・・・・主人、まだいると思います。きっと、まだ若い子がいると思います。」

・・・・・・・・・・・・・・・これは、事実を受け入れられない、由里子さんのはかない希望でしょうか?(これをあえて希望というのなら・・)

「続けてください。もっと続けてください。。。」
搾り出すような由里子さんの声に、私は頷かざるを得ませんでした。


そしてその夜のことです。
由里子さん自身から、急に体調崩していまからね病院にいくと連絡があったのは・・・。


「心臓弁膜症と言われました。このままでは5年はもたないって言われました。」
二日後、おそるおそる電話を入れた私に、由里子さんは冷静に話します。


これからのことは、また具体的に相談はできていません。由里子さんは夫にまだ、調査の話をしてはいません。
でも、
「主人、優しいから、きっと可哀想になったのかもしれません」と、つぶやいた言葉が「妻の誇り」でしょうか・・・・・・・。


私は、E調査員からそのときのビデオを見せてもらいました。
たしかに、どうみても70才よりは下には見えない、白髪を振り乱した女の皺の浮いた胸の間に顔を埋める夫の顔が、おぞましくも嬉々として見えたのは、私の気の迷いでしょうか・・。
しかも、それを仕事場の事務室で、窓のカーテンもひかずに・・です(もっとも、それだからこそ、ビデオも写真も撮れたのですが・・苦笑)


後日・・・E調査員が、
「彼女のいないオレが可哀想だから、クリスマスには仕事の指定日入れてあげるってAさん言ってたけど、なんでクリスマスにあんなおじぃとおばぁの白黒ショー見んといかんのですかぁぁぁぁ。ひ、ひどぃ。ひどすぎる・・。」と、壁に向かって、私への恨みの言葉を投げかけていたと聞いて・・・・思わず・・

「ご、ごめん。。そんなつもりじゃなかったのよ。。。ね、うちの仕事ってよくあることじゃない?
事実は小説より奇なりってやつを、実践してるじゃない?いつだって・・」と、自己弁護を繰り返す私でしたが、由里子さんのあの声が耳に蘇るたびに、調査報告書を見せるときの不安が日増しに大きくなっていくのです。

と゜うすれば、由里子さんのショックを少なく、事実の報告ができるか・・・これはこの年末年始の私の大きな課題です。。誰か・・・よい知恵を~。。。。。
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by sala729 | 2005-12-30 18:47 | Comments(3)

皆様、昨日のクリスマスはいかがでしたか?
ホワイトクリスマスや、ファミリークリスマス、または、淋しいクリスマス、・・ま、例年のことながら
繰り返される「歳時」ではありますよね。

私事ですが、我が家にはもう16年も飼っている、愛犬がいます。しかし、寄る年波には勝てず、2~3日前から、体調を崩し、入院しております。
まりんという名前で、またこの犬が、自分が「犬」ということを自覚していないのか、夏冬冷暖房の部屋からは出ず、ましてや冬は、私の定位置であるはずの、ファンヒーターの前に、どっかと座ったまま、微動だにしない。しかも、大の散歩ぎらいで、ちょっと距離を伸ばそうものなら、帰りは抱かれて帰ってくるという、シェットランドシープドッグという、己の「氏素性」を、無視したような
生き様を続けている「犬」なのです。

私同様、いつも自分本位で、生き抜いてきた犬ですし、もう充分天寿は全とうしているとは思いますが、ここ数日はさすがに「まりんのあとは、ゴールデンにしょうかな~」なんて、ジョークがでることもなく、静かなクリスマスをすごしたものでした。


そして月曜日

「ええ。主人とSAURI、見に行きました。」と、Rさん。
なかなか、ラブラブじゃないですかぁ(^^)
感想を聞くと
「なんだか、外国映画、見てるようでしたよ。」・・・って、あれは外国映画でしょう。。。


「主任は、どーでした?。楽しかった??」と、尋ねる私に
「んなはずないでしょ。ずっと指定入ってたでしょ。」

あっ・・そーだ。そーだった。ずっと現場だったんだ・・。え??・・・これって、これって私のせい??
私がK主任のクリスマスを、奪っちゃったの??
・・・そ、そーいえば、E調査員も、現場だわ・・・・。

「クリスマスの夜が淋しくないように、現場入れてあげるわね」なんて、厭味なこと言ってたけど、
それ・・・ホントになっちゃったんだ・・・・・ご、ゴメン・・・・・なさい。

このふたりの、「結婚ゴール争い」は、もしかしたら、私がキーマン??(ぐふっ・・これは面白いことになってきたわよ・・秘笑)

と、いうことは、N係長も現場だし、愛息家の係長に聞くのは、やぼだし、楽しめないのは、やっぱり、私のせいだしぃ・・・・(もう、聞くのはやめよう・・)


「O家はどーでしたか?」
「それがさぁ・・・」
おっ・・やっぱりなにかあったか・・・(笑)

「オレさぁ、25日の明け方、なーんとなく目が覚めたのよ。で、ふっと子供たちの枕元みたら、なんと、ないのよ。ないの。」
「なにがです?」
「プレゼントさあ。25日なのにないのよ」
「あらら・・・それは大変。」
「て゛、ね。奥さんを叩き起こしたのよ。ほら、子供たちに見つかっちゃあいけないから、隠してるじゃない?。だから、オレもどこにあるか判らないからね。」

・・・・・うんうん。・・(ちょっと最近のO夫人・・面白すぎかな・・・^^)
「奥さんも慌てて、それからドタンバタン、大騒動よ。で、やっと用意して、枕元置いたとたん、LUちゃん(お嬢ちゃん)が、起きてきたわけよ。ほんとに、間一髪セーフよ。」


そうなんですよ。O家では、まだまだサンタクロースは信じられていて、クリスマス前一ヶ月ほどは、その威力を最大限に発揮するらしいのです。
悪いことしたり、聞き分けがなかったりすると、「いーのかなぁ。サンタさんに言っても」と、ぽろっと言うと、ぴたっとやまるそうです。(可愛いものですよね・・・この頃は・・)

しかもです。Oリーダーは、なんと!!・・・「サンタクロースとお友達」ということになっているらしいのです。。。RY君(息子さん)との会話。
「僕たちが欲しいもの、なんでサンタさんが知ってるの?」
「そりゃあ、パパがサンタさんに言ってあげてるからさ。」
「え!!・・パパ、サンタさんに会ったの?」
「会ったさぁ。。お友達なんたもの。」
「どこで?」
「・・んーと。飲み屋さんで・・・・・・」
「すんげぇ。。パパ、サンタさんとお友達なんだ。飲み屋さんで、サンタさんもお酒飲んでるの?」
「の、飲んでるよ・・・・・・(滝汗)」


じゃあ、なんですか?
サンタクロースは、帰りは飲酒運転でトナカイそりを運転してるんですか?
しかも、フィンランドまでの遠距離を????
へーーーーー見つかったら「一発免停」ですよ。。それ・・

ところが、さすがに、もうそろそろこの話、お嬢ちゃんには通用しなくなりつつあるようです。
そういう会話を、冷静に聞いているそうなのですね。
ふっふふふ・・・・・・・
娘と息子に出遭うために結婚したと、常々公言して憚らないOリーダー。。。
年を経るごとに、子供さんたちの成長と、いつまでも「幼子でいてほしい親の気持ち」との間で
自問自答を繰り返しながら、クリスマスを迎えるのでしょうね。。。

来年は、子供さんたちの、枕辺に早目のプレゼントの御用意をお勧めします。
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by sala729 | 2005-12-26 11:56 | Comments(2)

北国の方には笑われるかもしれませんが、こちらは本当に「雪」に弱いです。ほんの数センチの積雪で、JRは遅れるわ、私鉄は止まるわ、高速道路は閉鎖されるわで、ほんとに「マヒ状態」に陥ってしまいます。ですから、この一週間ほどは、殆ど「監禁状態」で、北風に煽られて、舞い上がる枯葉を眺める時間ばかりが過ぎていくようです。

それでも、昨日は三連休の初日であり、今夜はクリスマスイブ。明日はいよいよ本番です。
もうずいぶん前から、「ファミリークリスマス」が主流になっているとはいえ、「不倫カップル」にはまだまだ魅力的な「アニバーサリー」ではあるようです。

昨日、結果の出た中村さん(29才・仮名)も、その「アニバーサリー」に酔い痴れて、禁断の果実を食べに来てしまったのでしょうね。。。(ーー)
相手は同僚の14歳年上の既婚女性です。

中村さんには、結婚5年の妻と、子供がふたりいますが、この女性とは、結婚前からの交際だったそうです。結婚後も、ふたりで飲みに行くことを隠そうともしない中村さんに「あの人とは付き合わないで」と、妻は何度詰め寄ったかわからないと言います。
でも、そのたび、彼は
「なんで?。同僚なんだから、のみにぐらい行っていーやろう。」と、惚けた返事を返していました。

そう・・確かに、飲みに行くぐらいなら・・ね。それも、「あり」でしょう。
でも、飲みに行くと、帰りは翌日・・・っていうのは、「あり」の範疇を超えていませんか?と、妻は訴えます。そして、その通りと私も思います。
思い余った、妻は女に電話もかけたそうです。
そうすると、女はせせら笑って
「あーら。同僚なんですもの。飲みに行くぐらい、他の人たちとも行ってるわよ。奥さん、ちょっとやきもちが過ぎるんじゃない?」と、言われたと、妻は唇を噛みます。

昨年、自宅を新築してからは、通勤が遠いと、中村さんは殆ど自宅に帰らなくなりました。
遠い・・っていっても、車で40分です。・・・(いくらなんでも、こじつけがすぎるでしょう?)

とうとう、妻は調査を決心し、そして、結果はやすやすと得られました。
この不倫のふたりは、心底、妻のことを馬鹿にしているのでしょう。
妻に判るわけがない。ましてや、調べるなんてことするはずがないと、たかを括っていたのです。

中村さんのしまらない笑顔と、女のしたたかな微笑を、N係長のカメラは、しっかりと捕らえていました。妻にそのことを、報告すると
「そうですか。やり直そうかと考えたこともありましたけど、やっぱもーいいかな。」
なんだか、突き抜けたような明るい声です。
お見合いで選んで、子供をもうけ、家庭を作り上げたけれど、それは初めっからぐらぐらと
安定しない土台の上に築かれた「城」だったようです。
外からの攻撃にも、内からの漏洩にも弱く、脆く、ただ形骸だけの「城」だったようです。


「今年のクリスマスは、子供と三人で過ごします。そのほうが、楽しいかも。」
そう言った、妻の言葉が、力のない溜息と一緒に聞こえてきました。
・・・・・・・この、溜息が、どうぞ、力のある「強がり」に変わりますように・・・と、祈ることは、中村さんの奥様にとっては、よいことなのでしょうか?
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by sala729 | 2005-12-24 12:01 | Comments(2)

今朝のN係長はいつになく不機嫌です。(まぁ、あんまり、愛想がいい方でないことは確かですが・・^^;)
「こいつ、許せないっすょ。」ぽつりと洩らした言葉の先にあるのは、昨日一日中行動を監視していた、楓さん(26才・仮名)の、夫の写真です。

楓さんが、相談に来たのが先月の終わり。
パチンコ店に勤務の34才の夫に、女がいると、思いつめた声で、電話をしてきました。
聞けば、自宅には2才の長女と3ヶ月の長男がいる・・ということなので、私のほうが、お伺いすることにしました。

そのあたりの中でも、目立つ綺麗なマンションの7階に、その部屋はありました。聞けば夫の勤務先の「社宅」というではありませんか。
失礼ながら、パチンコ店というイメージの中には入りきらない、厚生待遇にちょっとびっくり・・。

ストレートの長い髪を、自然に背中に垂らした楓さんはなかなかのスレンダー美人です。
切れ長の眼がうっすらと濡れて、なかなかの「美人」ではないかと思います。。。

楓さんも、夫と同じパチンコ店に勤めていましたが、今は育児休暇をとっているそうです。
これも、私の想定外。偏見を承知で記するなら、私のイメージの中のパチンコ店には「マンション社宅」も「育児休暇」も、ありえない・・・ことだったのです。。(業界の皆様、不勉強ですみませんでした。礼)

その間に、夫は同僚のパート女性と浮気をしており、自宅に帰らない日もある・・と、言うのです。楓さんは、夫の携帯に綴られた、女へのラブメッセージも、女からの熱い返信も知ってます。黙って、それを見て、自分の胸のなかに収めていたと言うのです。
寡黙な楓さんの目じりからすーっと透明の涙が伝っているのを、私は見ないふりしていました。

聞けば、浮気はこれで二回目。しかも、結婚前に夫はかなりの借金があり、楓さんはそれを返済するために、サラ金で何百万ものお金を借りて、肩代わりしたというのです。そして、今も
その借金を払い続けていると・・・。そんな中での、「浮気」です。

でも、それでも、楓さんはやり直したいと言います。
「子供のため?」ちょっと意地悪かな・・とは思いましたが私は聞かずにはおれませんでした。

「いいえ。彼が好きなんです。」
俯いて、小さな声でしたが、楓さんははっきりと言いました。
・・・・・こんなにされても?・・・と、言い返す言葉を飲み込んで、私は調査をお受けしました。

そして、何回かの現場があって、昨日はまる一日、夫は女と一緒でした。いいえ、正確に言うなら、女とその子供です。女はバツイチで、やはり2才の男の子がいます。
古びた市営住宅の一室に住んでいます。お部屋の中までは、判りませんが、楓さんのお宅を訪れたとき、びしっとし整頓されたお部屋を見て「ちいさなお子さんがいらっしゃるのに、綺麗になさってるわね」と言うと
「いいえ。これでも、主人はきたないって言うんです。お前は、ちっとも片付けをしないって怒るんです」淋しそうに笑いながら、楓さんは応えていました。
女の家はどうなんでしょう?・・と、私は思わず自問していました。

N係長の話では、三人はまるで、親子のように、仲睦まじくドライブ気分で、隣県の公園に向かい、途中で彼は何度も、後部座席の子供を気遣いながら、女と楽しげにすごしていたそうです。
「自分ちにも、おんなじぐらいの子供がいるのに、こいつ・・ひでー奴ですよ。」
N係長の不機嫌の理由は、これだったのです。
同じ子供を持つ親として、やはりこういう場合は、オーバーラップするようです。


私は、重たい心を鼓舞して、楓さんに報告をしなくてはなりません。
ありのままに、彼の行動を伝えていきますが、楓さんの言葉はなにも返ってきません。
すべてを話しても、なにも聞こえません。

夫が、よその女と一緒にいるだけでなく、その子まで、自分の子のように扱っていると聞かされて、この若い母であり、妻である楓さんはなにを思っているのでしょう?


こういうケースは、ままあります。
自分の子供はあまり可愛がらないのに、浮気相手の子供を大事にする・・・なんてことは、そう珍しいことではありません。そして、それを知ったとき、母は、子のために怒ります。
自分が裏切られたよりも、悔しい思いに、胸が焼けるのだそうです。。。
それは、まさしくそうだろうと思います。妻としては眼をつぶれても、母としては、許せない・・・・


でも、楓さんは、怒りを言葉にしません。ただ、黙って私の言葉をひとつひとつ畳んで胸の奥にしまっているようにも見えます。

「でも、やりなおしたいんです。」・・・・・長い時間のあとで、小さな声を搾り出すように、楓さんが言った言葉は、これでした。


この楓さんに、なにを言う言葉があるでしょうか?
結婚前から、お金の苦労をさせられ、結婚してから浮気を繰り返され、家庭内では亭主関白を気取られ、それでも、「その夫」と、まだいたいと願う、この若い母親に、なにを言ってあげられることがあるでしょう?

ことのよしあしは別として、こういう意志の強さもあるのだなぁと、思わずにはいられませんでした。我慢がすべてではありません。決断が最善ではありません。
人には人の数だけの「思考と判断がある」と、改めて、思わずにはいられない楓さんの一言でした。
願わくば、この楓さんの「思い」が、せめて夫の胸に届きますように・・・(祈)
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by sala729 | 2005-12-22 12:31 | Comments(3)

「いやぁ~参ったよ。昨日、オレ女装した夢みてねぇ。。」
Oリーダーの朝の第一声に、飲みかけのコーヒーが、あわや逆噴射しそうになるのを、なんとか踏みとどめて、体制を立て直しているのは・・私だけではありませんでした。(ーー)


年末に入り、わが社では恒例の「新春ニュース」を各支社から集めます。
それには、W社長以下、執行部の役員の方々や、支社の支社長の、年頭のご挨拶や、一年の抱負が語られるのは当然ですが、その中に、各支社から昨年の扱い事件の中で、現場担当者が一番、興味深いものを執筆するコーナーがあるのです。
そこに入るべき原稿が、昨日、H氏から送られてきました。それが・・・・・


少し前になりますが、覚えておいでですか???
「オカダさん」のこと。。。

そう!!。
あの、女装のオカダさんですっ!!

そこには、あのオカダさんを、対象者に逢わせる時の顛末が、ありのままに、書き綴られてありました。

女装のオカダさんが、なかなか迎えがこないので、郵便局から私に電話しょうとした時、E調査員が、おそるおそる声をかけると
「んもぉぉ。遅いじゃないですかぁあ。」なんて、甘えた声を出されて、その場にいた、郵便局員も
お客もが、一斉に振り返って、オカダさんを見、E調査員を見、そして、妙に納得したように頷いていたこと。・・・・そのときの詳細は、このブログ「驚天動地」にも書かれてありますが、その後゛
判明したのは、オカダさんは、「結核」で療養中ということなのだそうです。
そういう人と、何時間も車に同席して、ほんとに「命を張った仕事です」と、結んだH氏の所信には深く頷いた私たちでしたが、その余韻の強さのせいでしょうか?

昨夜のOリーダーの「女装夢」は・・・・
それとも、書くにも憚られますが・・・もしや、もしゃ・・・「潜在願望」・・・・・・なーんてことはありませんよね。・・・・・・な、ないですよね。・・・・・(でも、ないことはないっていうのが、この仕事だしなぁぁ・・・と、私の心は千路に乱れます・・・あぁぁ・・・・。)

そして、人並みはずれた、怪しい想像力の私は、思わず、Oリーダーの女装姿を、想像してしまったのです・・・


で、でかいっ・・・それは、想像力を突き抜けた「でか女」になるはずです・・・。
186センチの「女装」なんて、想像だけでも・・・・・うーブルブルっ・・・と、きませんか?
ハイヒールでも履いた日にゃあ(まぁ、サイズでまず無理でしょうけど・・・)、きっと半径10メートル以内は、無人状況になると思います。いえ、きっとなります(きっぱり)

よかったです。「夢」で・・・・
ほんとうに・・・(しみじみ)


そんなこんなの朝がすぎようとした頃、先日の「盗聴調査」の24才の女性から、調査日の打ち合わせのお電話がはいりました。
いみじくも、同業の中村様も、「盗聴」テーマのブログをお書きでしたが、(立場はまったく違うのですが)最近は、かなり多くなりましたね。
若い女性は特にご心配でしょう。心穏やかな、新年を迎えるためにも、決心されたことは、よかったと思いますよ。
調査には、わが社随一の「甘・優コンビ」H氏とE調査員が向かいます。

それにしても、ハードなN係長から、クールビューティのH氏、そして、女装の・・・・・・まで、なんと個性的な、人材豊富な職場であることよ・・・・・(^^;)

え??・・・・・わ、わたし?
私を忘れるなって???・・・・・・そ、それって、どーいうことよ???
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by sala729 | 2005-12-21 12:04 | Comments(2)

少し体が「寒さ」に慣れてきたのか、それとも寒気が弱まったのか、判らないままに日々はすぎようとしています。
それでも、高速道路を走ると、両側にうず高く雪が積まれて、それがコチンコチンに固まって氷状になっているのを見ると、ここは「北国」?・・・なんて一瞬の迷いが横切るのは、脳も冷え切っているせいでしょうか?

ファミリーレストランで向かい合った、真知子さん(40才・仮名)は化粧っ気のない顔に、瞳がキラキラと輝いて、両サイドの耳下で結ばれた黒い髪と、襟元が伸び切って黒ずんだピンクのトレーナーが、あまりに個性的で、一瞬ぎょっとして身を引いてしまいそうな女性でした。

「Aです。よろしくお願いします。」
いけない。いけない。先入観はもたない・・・ブルブル・・と、意識を喚起して、真知子さんに微笑むと、彼女は何故か頬を染めて、両手でその頬を挟んで俯きます。
(・・・この人なに考えてるの??・・・・・)冷ややかな、素の自分を押し込んで、私も、もう一度微笑みを返しました。・・・・・・・・ふぅぅぅ。。。。。

真知子さんの相談は、夫の浮気。
それも、自分と女の、アノときのシーンを携帯電話のSDカードを使って動画で撮っているというのです・・・・・(@@)

「奥さん、そのSDカード、持ってきてらっしゃいますか?」
携帯電話をつかって、自分で自分たちのあのシーンを撮ってるって・・そんなこと現実的にできるんだろうか・・と、いう疑いが私の中にはあります。
「ええ。もってきてますよ。ほら。」
赤と青の派手なチェックに、アヒルのアップリケのついた布バックの中から、真知子さんは、確かにSDカードを出してきました。
「見せていただいていいですか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あえて、断っておきますが、なにも私は興味本位で見たいわけではありません。むしろ、そんなもの、見たい訳がありません(フン!)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仕事上、必要だからしかたなく、見なくては・・・(**)


「あとで見せます。」
真知子さんは、ニコニコと笑いながら、それを再びしまい込みました。
(むっ・・・ヘラヘラ笑っているわりには、なかなかやるわね。。笑)

そこに、突然派手な音楽が鳴り響きます。
私は、音楽に疎くて、特に流行の歌なんて知りませんが、そんな私でも、どこかでよく聞いていると一瞬思ったものでした。。。

それは、真知子さんの携帯だったみたいで、そのバックからやおら取り出した彼女の携帯は・・・・な、なんと・・まっピンク。ショッキングピンクのボディに、花が散らしてあり、ひとつひとつのキーには、金粉、銀粉が撒き散らされています。
しかも、ストラップにはじゃらじゃらと「熊のぷーさん」が4個・・あ、五個だわ・・・。

「ママよ~」
なんで、そんな嬉しげな声になるのよぉぉ。。。。
「え?。だめよ。今からお買い物なの。うん、お友達とね。・・・えぇぇーー。だめよ。・・・・・うん。じゃあ聞いてみるわね。」
真知子さんは、上目遣いに私を見て口をパクパクさせながら
「今から、娘がここに来たいっていうんですけど、ダメですかねぇ?」

娘って・・・小5ですよ。
11歳の娘に聞かせられる話じゃないでしょう!!
「ダメダメ。ダメに決まってるじゃないですか。」
もう、私は素の私が、衣を引きちぎって半身以上が現れていることを感じていました。

「ダメだって。えぇぇ。。うんうん。わかった。ジュース買って帰るからね。うん」

ようやく電話を切った、真知子さんは、例のうるうる光る瞳を向けて、
「やっぱり、ダメですかねぇ。いつも、帰ったら、私がいるもんですから。」と、媚びた笑いをむけます。

「ところで、奥さん、そのSDカード、ご主人のでしょ?。ご主人抜かれていること知らないの?」
「いいえ。知ってるとおもいます。どこにやったか知らないのかって聞かれました。私は、知らないって言ってやりましたけどぉ。」真知子さんは可笑しそうに笑います。

真知子さんは、離婚を望んでいるわけではないと言います。もとの戻りたいと・・。
時には胸の前で指を組んで、ときには遠い眼をして・・・(ーー)

そして、充分に話を聞いて、じゃあ、こういう調査ができますねと、言った途端
「あーら。そーなんですかぁ。判りました。じゃあ、知り合いの男性に相談しますぅ。」

「は?」
「知り合いに、尾行とかしている人がいるんですぅ。その人に相談しょうかと・・」
・・・・・・・・ぶちっ・・・・・・・・・・・・・・・ぶち、ぶち・・・・・・・・・ぶちっつつ!!
じゃあ、最初からその人に相談すりゃあいいじゃないのよぉぉぉ・・・・・・・・


「そういう方が、いらっしゃるなら、その方にお願いしたらどうですか?」
煮えたぎる胸の内を押さえながら、私は悠然と微笑んでみせました。
「ええ。でもぉ、その人××市なんで遠いんですよ。それで悪いかなぁって・・うふっ」

・・・・・・・・・××市が遠いですって・・・私はもっとその先から来てるのよ。そー言ったじゃない。
なんなのよぉぉ。この子供大人主婦は・・・・・・・。

「はい。そーですか。じゃ、そうなさってください。」私は、机に広げた書類をバックに入れなおし
なおも、もじもじする真知子さんに、
「どうぞ、お引取りくださって結構ですよ。」と言うと・・・

黙って、私を見ていた真知子さんのウルウルキラキラ目から・・・ぽとり・・と。

お、おぃ・・ち、ちょっと待ってよぉ・・・・・なんで、なんで泣くのよ。
泣きたいのは私よっ。(怒)
「どうぞ、おひきとりいただいて結構ですよ。」
私の胸は、沸騰で溢れかえっています。。。

それでも、真知子さんは席を立ちません。
ウルウルとぽとぽとと、私を見ています。

私は、そのまま席を立って、レジに向かい、支払いを済ませようとしますが、そのとき気がつきました。
うるうるぽとぽとの真知子さんをそこに残して、席を立った私を、周囲の人たちが、こそこそと見ていることを・・・・。

・・・・・・・・・な、泣きたいのは私よっ!!。。。。

車に帰って、事の次第をOリーダーに話すと、大爆笑のあとで、しみじみと
「オレもAちゃんも、損な性格だよねぇ。そんな時、有無を言わさず、悪者になっちゃうからね。
それにしても、近頃の主婦はなかなかやるねぇ。SDカードだとか、赤外線使って、携帯あけずにメール見るって言ってたのも主婦だよねぇ。おー怖い、怖い。」

ほんとに、そうです。
世のご主人さま方・・・・
あんまり、奥様のこと「機械オンチ」と、舐めないほうがよろしいですわよ。
奥様方は、色々なアンテナをお持ちです。あなどってたら、大変な目にあいますよ。

そして、なにより、奥様方は
ぶりっこと、うそ泣きがお得意です。「可哀想で健気な主婦」の自分の姿が好きなのです。

それにしても・・・・真知子さんは勘違いしています。
その、年令で、その「ぶりっこ」は、あまりに・・・痛い・・・。
しかも、同性相手にしちゃあいけません。
私が、あなたの友人だったら、絶対に一言言わずにはいられません。
「いーかげんにしなさいよ。いくら、かわいこぶったって、程度というものがあるでしょう。自分の姿、鏡に映してみなさいよっ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あーあー。。。言っちゃった。
心の叫びを、文字に置き換えちゃった・・・・(^^;)


こうして、私とOリーダーは、世間に正しく評価されない、自分たちを嘆きながら、この場の「事件」は、この場に置いて、次の目的地へと、雪の残った国道を更に、西へと進んでいきました。
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by sala729 | 2005-12-20 13:52 | Comments(2)

日本全国、雪、雪、雪・・・でしたわねぇ。今日も空は、あくまで青く、ちぎれた綿菓子みたいな雲が、一見のんびりと浮かんでみえますが、ちょっと眼を凝らすと、彼方にははっきりと雪雲が居座っているのが感じられます。・・・・・ほんとに「冬」なんですね・・と、判りきったことをしみじみと感じました。


そーしながら、ブログを開けて、びっくり!!
な、なんと、W社長からの、激励コメントが届いているではありませんかっ。
おぉぉー。この拙いブログを見てくださっているというのは、本当だったんだ・・(感涙)あ、いえいええ、確かに社長は、「見るからね」「見たよ」と、仰ってくださいました。でも、超多忙な社長ですから、そのときは確かに見てくださったでしょうけれど、こうしていつも気にかけていただいているなんて・・・(うっうぅぅぅ・・・鬼の目にも涙←家人いわく・・)
で、大騒ぎで、今朝、Oリーダーに、もちろん報告しましたとも。「いつも見てくださってんだ。よかったじゃない。どれどれ?」と、自分のPC立ち上げて、ブログを開けてみたのですが・・・・・うっふふふ・・(やな笑い)・・・・ふっふふふ・・・・・・ふふふふふふ・・(と、止まらない。だ、誰か~~誰か止めてぇぇぇええぇぇぇ)


さすがです。W社長。
ご自分のコメントは、ちゃあ~んと、非公開にして、私のこれからのブログ活動に障りのないように配慮していただいていました。ありがとうございます。Aは、これからもがんばりますっ。
え??。Oリーダーは、コメント見たかって??
いーえ。いくら上司といえど、W社長から非公開でいただいたコメントです。
お見せするわけにはいきません(きっぱり)
どーしてもと言われたら??
いいえ。それでもお見せするわけには・・・いかない・・かも。お見せするかも・・・お見せしょうかな?・・・・したいかな。・・・・・ぐふっ・・ほ、ほんとは見せたい!!・・・(^^;)

と、内々でいろいろありまして・・・感慨に耽っておったのです。←なぜか急に耽美的表現に・・・。
そういえば、最近「中村様」と、仰るなんだか「日本一ユニークな同業者」の方が、時々覗いてくださっているようで、ちょっと嬉しいような、恥ずかしいような・・・。

うーん。わが社で、「日本一ユニーク」で、売り出すなら・・ついこの前まででしたら、断然「Tキャラ」というところなのですが、いかんせん、彼女はいまや、もはや「人の妻」です。それをやって
、離縁でもされたことには、一生恨まれちゃいますから、まずは除外。
そーなると・・・・????
え??・・・・??????・・・・・・・・・・・んなぁ・・・・わ、わたしって・・・・・


私は、日本一ユニーク・・というよりも、
「日本一のサラリーマン」になりたいな・・・なんて思っている「日本一の欲張り女」です(笑)


寒波の余波はまだまだ癒えず、いつもより静かな月曜日の朝は、とりとめもなく、いろいろなことを考えながら、ブログに向かっています。
いつ、この手が鳴りはじめた受話器を取るか・・・そのときが、誰よりも楽しみな私です(^^)
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by sala729 | 2005-12-19 11:20 | Comments(2)

窓の隙間から見えるのは、確かに夜の帳とは思えない「柔らかな闇の色」をしていましたが、それでもまだ意識の中では、夜が明けたとは思えない時間に、携帯が私を呼んでいました。
温まったベッドから、腕だけを出してサイドテーブルの携帯をひき寄せます。

「もしもし、もしもし。小山でございます。早朝からあいすみません。」
息子さんの浮気に悩んで、なんとか嫁の気持ちを汲んでやりたいと相談にこられた小山さんの奥様の安乃さんからでした。

「いいえ。かまいません。情報は早いほうが有難いです。」
電話の向こうにさとられないように、いかにも、もうとっくに起きてますという声で、答えます(^^)

「あのですね。うちのあの馬鹿(息子さんの明宏さんのことです)。このところずっと夜中に出歩いとるみたいなんですわ。それに、ずっーと、嫁に無理言って、弁当作らせておったでしょ。それが、今日とあさってはいらんと言うんです。」
「なぜです?」
「嫁も聞いたら、゛それは聞かんでくれ゛と、言うたらしいんです。」
安乃さんも困惑しているようです。。。

なにしろ、この明宏さん、50もすぎたというのに、初めての浮気に舞い上がってあろうことか、浮気相手の女に「妻の道」を吹き込まれ、それを妻のやよいさんに強要していたという「おおばか者」です。

公立学校の管理職という、早朝からの激務があることを承知で、「昼飯は、外で食べたら、体に悪い、きちんと弁当作るのが、妻の務めだと、中浦さん(相手女性)が言うとった。お前も、嫁なら
それぐらいせえよ。」と、無茶苦茶な要求を突きつけ、しかも好き嫌いの多い男ですから、自分の嫌いなものが入っていると、その場でひっくり返すという、まるで「聞き分けの悪いガキ」みたいな夫です。

作れ!作れ!と、強要しておいて、平気で、明日はいらんと言い放つ。しかも、理由を問えば
「それは聞くな」と言う。。。これって、子供だったら、ぱぁ~んと、ほっへ゜のひとつも張り倒したくなるような行為ですよ。・・・んとにもぅ・・・・ばか・・・・。。。。。。

「明宏さんは、女とは逢ってます。それは確認しています。ふたりで、お好み焼き食べたりカラオケ行ったりしてますよ・・・・・」

でも、実は、この程度では不貞とは断定できないんですね。
明宏さんは、自分が免停ですから、途中で女と合流して、車に同乗しているらしいのですが、これも断定証拠にはならないのです。
なにより、彼自身が「中浦さんがああいった。こういった。妻として、お前はなっとらん」などと
女の存在を隠そうともせず、やよいさんを糾弾するのですから、何をかいわんや・・・です。

「嫁はもう仕事に行ってます。息子が弁当いらんと言うたと嫁から聞きましたんで、お知らせしました。どうも、朝から失礼しました。」
安乃さんは相変わらず、丁寧に電話を置きます。さすがに、昭和ヒトケタの方は、行為に節度があります。。。


それにしても・・・・・この父母から、なんであんな息子が・・・・と、思わずにはいられないのが明宏氏です。
浮気は、まぁいいとしましょう。でも、その浮気相手を妻の前で褒め称え、ましてや、女の、ほざく「妻の道」を、やよいさんに強要するなんて・・・・もぅ、度し難い・・バカ・・・・・・

今夜もこの寒い中、N係長は、またまた通しの張り込みが続くのですね。
今日もまだまだ寒波が・・と、今も天気予報の声が流れています。
毎年のことながら、この時期の「不埒な男と女」はよく動きます(^^;)

今年も、N係長は、「クリスマスイブのサンタさん」には、なれないのでしょうか?
・・・・・・・・・・・ごめんね・・・○○君(N係長の愛息です)・・・・・・・
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by sala729 | 2005-12-16 12:16 | Comments(2)

西の空は、明らかに雪雲と思われる重たい灰色に染められて、わずかな隙間から金色の夕陽のなごりが、山間に光を放っていました。
それは、とても綺麗な「宗教画」のような、趣があるのですが、
「山は雪だね。」というOリーダーの声に、現実に仕事に向かう条件としては、決してよいものではないと、改めて思いなおしたものでした。

英恵さん(43才・仮名)は、40分ほど遅れてきました。事務所の場所が判らなかったのと、仕事先がかなり遠いらしく、移動に時間がかかったということです。
神経質そうな、白い顔に雀斑が散って、化粧気のないことを殊更に主張しているように見受けられました。

「もう、23年くらい前に付き合っていた人を捜したいんです。」
ご相談自体はよくあるもので、そうとりたてて珍しいものではありません。
「その方のお名前は?」
「木俣勝・・・だったような気がします・・」

名前すら、定かには覚えていない・・ことに私の不安は芽吹きました(・・・・@@)


そして、どうやらそれは的中した・・・・みたい・・・です(苦笑)

それ以降は、
生年月日、当時の住まいの情報、仕事、勤務先、電話、友人、デートの場所、実家に出身校
身長、顔立ち、雰囲気、趣味、・・・などなど・・・
なにを聞いても
「・・・・さぁぁ。覚えていません」・・・の、一点張り。
「でも、二週間くらい彼のところで暮らしていたんです。私」
「失礼ですが、男女関係はありましたか?」
「??・・男女関係ってなんですか??」

・・・・・・むっむむむ・・・・こう真正面切って問い返されたら、ちょっとたじろぎます。

「性交渉です。」

「ありましたよ(あっけらかんとして・・)。あ、でも、あったかな?。。うーん、あったような、なかったよーな・・・。」


この時点で、私の仕事コードの何本かが切れました・・(^^;)

「では、どうして急に、彼のこと捜したくなったんですか?」

「それはですねぇ。実は、私田舎の出身なんですけど、同じ田舎のある男性が、10月に自殺したんです。49才でした。その人自殺の三ヶ月前に、私に電話してきて、結婚して欲しい・・みたいなこと言ったんです。でも、私その人のことよくしらないから、お断りしますって言ったんですけど、そしたら自殺しちゃったんですね。その人、一ヶ月くらい前から、いろいろ下見や準備していたみたいで、そんなに準備して死ぬ人なんていないって言われて・・・」

「準備してたっていうのは、どなたからお聞きになったんです?」

「なんとなく・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・うーん。。。。なんだか、受けてもらえないキャッチボールの球を投げ返しているような会話です・・・・・。

「ま、ともかく、それで急に、木俣さんのことを思い出したということなんですね?」

「ええ。そうなんです。私のこだわりすぎかもしれないし、でも、私、お金ないし、精神病院行くか、探偵さんのところに行くか迷ってここに来たんです。」と、英恵さんはにっこりと微笑みます。

・・・・精神病院か探偵さんですって???・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

英恵さんの顔を正面からじっと見ていると、そばかすにカモフラージュされて優しく見える
瞳の奥は、不自然に光って見えます。


「そうですね。一度、病院に行かれたらいいかもしれませんね。」
私は英恵さんに負けない笑顔を返して、お帰り願うことにしました。


・・・・英恵さんの心の隙間は、誰が埋めてくれるのかは判りませんが、たぶんなにもしらずどこかにいる「木俣さん」でないことは確かです。
こんな寒い夜に、またひとりの部屋に帰る英恵さんのすべての淋しさの源は、そこにあるのかもしれません。
でも、これは私が手を出したり、口を出したりできる部分ではありません。

Oリーダーと私は、暗くて寒い夜の高速道路を、お互いの家族が暖めて待っていてくれる自分の「巣」へと帰れる幸せを感じながら、制限時速なんて「屁」ともせず、ただひたすら走り続けました・・・・。

・・・・・・・
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by sala729 | 2005-12-15 11:32 | Comments(4)

街は日毎に忙しく、時間を追い立てて行き、年末特有の「気ぜわしさ」が、序々に満ち満ちてくるようです。
相談者たちも、一刻も早い結果を・・・と、心が急いているのは判るのですが、だからといって、「はい、出来ました」と、ばかりにご用意するわけにはいかないのです。
そんな中で、先日、家を出ていた珠美さんが、帰って来ました。

昨日の早朝、柴崎さんから私に電話が入りました
「あ、あの、あの、あの。。。」
いつも忙しいしゃべり方をする人ですが、今日は一層顕著です。
「落ち着いて。どーなさったんですか?」

「つ、妻が、妻が、妻が・・妻からメールが入ってました。今日逢いたいって。」
「何時に?」
「8時です。昨日の2時にメールが入っていたのを僕が気がつかなくて・・」
・・・・・・8時って、今はもう7時すぎよ・・・・

柴崎さんは典型的な「依存タイプ」の人です。
依頼を受けてから私の携帯には連日一日数十回の電話が入っています。相談電話とはいえ・・・ま、ある種病的ではありますよね(^^;)

(いつもなら、時間かまわず電話してくるのに、なんで肝腎なときには、こんなに遅れるのよ)と、
責めたい気持ちをぐっと飲み込んで
「判りました。場所はどこですか?」
「ぼ、僕たちが結婚式を挙げたチャペルです。そこで待っていると、それで」
「判りました。詳しいことは、後ですぐ電話します。まずは、調査のシフトが急ぎますので一旦切ります。またかけますから待っててください」
ぐちゃぐちゃと言い募りそうな柴崎さんを制して、電話を切り、N係長に電話を入れます。

「えぇぇっつつ。8時ですかっ。くっそぉぉ。。。・・・・・・・・んーーーうーーん。判りました。今から行きます。自分、今、起きたんですよ(苦笑)。すぐに用意して向かいます。詳しいことは、あとで!」

そりゃあそうですよね。朝の7時です。しかも、N係長は前夜も明け方まで別の件で動いていたことを、私も知っています。
たぶん、ご家族は私のこと「血も涙もない鬼」だと思っていらっしゃるでしょうね。。。(くっ・・涙)


しかし、さすがに頼りになります。15分前には「現着しました」と、いつもと変わらぬ声で第一声が入りました。
柴崎さんは、車から降りて、キョロキョロとあたりを見回しているようです。
ふたりの挙式したチャペルは道を隔てると、もう海です。
冷たい風が、音をたてて吹きぬけていきます・・・・。

柴崎さんの顔が止まった、先を見ると、白いハーフコートの女性が歩いてきています。
柴崎さんは駆け出して、女性も駆け寄って、そこでふたりはひしっと、抱き合って涙に咽んでいます・・・・と、N係長から報告があったのは、それから10分後のことでした。


家出した人が、逢いたいと言ってきたとき、こちらは遠巻きに監視します。
逢ったからといって、必ず相手が帰るとは限りませんし、誰かと来ていることもあります。
相談者さんが「もう、これでいいです」と言っても、私は説得します。
「あなたをみて、奥様がそのまま帰られたり、話が伝わらず、頑として帰らないと奥様が言い張ったら、もうそれで終わりですよ。それでもいいんですか?。あなたと奥様が会って、お話をされて、その上でもういいとおっしゃるなら、そのときにはもちろん解除します。でも、今、うちが動くことは、弊社の仕事に対する良識と責任です。」

柴崎さんは、ようやく理解して、今に至ったわけなのです。

N係長の声は、心なしか不機嫌です。
「現在、ふたりは車にのって泣きじゃくりながら、マック食ってます。相談者は、奥さんの髪撫でてます」

・・・・・・・・・そりゃーあ不機嫌にもなりますわよね。吹きさらしの寒いところで監視していると
ふたりは、抱き合って近くのMナルドに向かい、マックを購入したかと思うと、食べながら、泣きながら、撫でながら・・・えぇぇいっ。どれかにしろっ!!と、言いたい気持ちはよーく判ります。

そして、二人は、そのまま自宅にと向かいました。
相談者から電話があるまでは、こちらは気持ちを緩めませんが、しばらくして私の携帯が鳴りました。
「今、ご自宅ですね?」
「あ、ぁ。はいっ。そうです。もういいです。あとは、ふたりで。」
「判りました。では、これで解除します。ゆっくりお話聞いてあげてください。」


翌日、柴崎さんは奥様とふたりで弊社にこられました。
奥様は、写真よりもずっと色白のぽっちゃりとした方で、浅黒いぎしぎしとした柴崎さんとは対照的です。
「い、いろいろ。いろいろと、あ、ありがとうございました。」
いつまでたっても、落ち着かない話し振りです。

「育児の悩みは、多かれ少なかれ、母親になった人はみんな通ってきたこと。ひとりじゃないってことです。悩みの種類は多々でも、みんなそれぞれに自分が一番辛い・・と、思っています。
でも、それも時間と仲良くなれば、いつかは解決してくれることですよ。いつか、あんなこともあったわねって、話ができるのも、時間がたってからこそ。」
奥様はじっと下を向いていました。

その奥様の肩を柴崎さんは臆面もなく抱いて
「ぼ、僕たちはもう大丈夫です。」と、その風貌に似合わない力強い言葉で宣言します。

なんの根拠で?と、聞き返したい自分を押さえて、私は微笑みだけを返します。
柴崎さんは、判っていません。なにも解決していないことを・・・・
ただ、奥さまが帰りたくなって、帰ってきた・・・ただそれだけなのです。
問題はなにひとつ、解決をしてはいません。

でも、今ここでそれを言うのは「酷」です。
きっと理解できないでしょうし、幸せな自分にけちをつけていると思われかねません。
それは、決して「得策」とはいえないことですから、今日はこのまま微笑んで、お帰りいただきます。

そして、その夫婦の背中に「子供さんのために、もっともっと強くなってください」と、静かなエールを送りながら、お見送りをしましたが、外は昨日より一層寒くて、小さな雪花がちらほらと舞い降りてきているのが窓ガラスの向こうに見えています。
・・・・・・・冬はまだまだこれかからが、本番です・・・・・・・・
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by sala729 | 2005-12-14 13:21 | Comments(2)