「それで、お相手のお名前は?」
「それが・・・下の名前しか判らんのです。」
「お仕事は?」
「言いません。」
「お年はおいくつです?」
「さぁ??」

高嶋さん(57才・仮名)の話は、???が続くばかりで一向に要領を得ません。
役所勤務の長男さんが、急に結婚すると言出し、相手は「チャット」で知り合ったと言うのです。
自他ともに認めるアナグロ人間の高嶋さんには、チャットがなんのことやら、さっぱり判りません。長男に問いただしても名前と、住所だけで、あとはさっぱり要領を得ません。
なにより、相手は遠く離れた北の地に住んでおり、逢ったのはたった一回きり・・というではありませんか。もう、高嶋さんの奥さんは、言葉もなく、失神寸前です。

相手はともあれ、長男さんは28才。役所勤務です。一応の常識は持っている・・かとも思いましたが、彼も今をいきる、ただの28才だったようです・・(^^;)

来月、お互いに家を訪ねて挨拶するから、よろしく~と、言われたのが、昨日のことだそうです。
そして、相手のことを問い詰めても、前述のとおり・・・なのです。
途方にくれ、思い余った高嶋さんは、早々に相談に見えました。


私は、個人的には「チャット」のことは認めています。趣味や考え方の同じくする人や、意見をもつ人が集まって、喧喧諤諤の話を繰り広げる。日本のどこにいても、話題に参加できて、これぞネットの醍醐味・・というところさえ感じられます。
まず、異性との出会いのためだけの「輪」である「出会い系サイト」と比較するべくもなく、健全で好ましいものだと思っています。

ところが・・・です。この「チャット」の場にも、不心得者はいるようです。。。
例えば、相手を見つけることだけが主目的で、ふらふらとチャットに出入りする者。今流行のアキバ系オタクの自分を隠して、さわやか系や、文学系人間に成りすます者、嘘でかためた悪意だらけの人間・・・・そういう人たちが紛れ込んでいても、見分けがつきません。
「オフ会」と言われる、グループでの出会いの場から、それぞれが発展して、個別の付き合いになっていく・・・というのは、これも一つの恋愛の形でしょう。。
でも、はじめから一対一の「オフ会」は、出会い系サイトとなんら変らない・・・。。。

高嶋さんの長男さんのこの出会いは、とても危険です。
たった一度の出会いで「恋に落ちる」ことは、ままあります。
でも、結婚を決め、双方の親に相手のなにも告げず、結婚宣言するのは、やはりなにか「変」です。
なにを、そう急ぐのか・・・高嶋さんの不安ももっともなことだと思います。

幸いなことに、彼女が来るのは来月ですから、まだ少しは時間の余裕がみられます。
それまでに、彼女のすべてを調べましょう。そして、その結果が、単に彼女が「羞恥心」の塊で
なにも打ち明けられず、それが私の悪意的思いこみで、なんの瑕も嘘もなく、恥ずかしがりの北国の乙女なら、それでなにも言うことはないのです。。。

そして、そうであってくれと心から祈っているのは、他ならぬ高嶋さんであることは言うまでもありません。。。
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by sala729 | 2005-10-29 23:47 | Comments(2)

昨夜、と言ってももう日付も変わっている時間ではあったのですが、DVDで「終戦のローレライ」を観ました。毎月のことながら、仕事の忙しい月末ほど、私的にもいろいろやりたいこと、やっておきたいことがあれもこれもと噴出してきて、私の時間は夜も昼も、なくなるのです。そして、それが嬉しくもある・・というなんとも「倒錯した心根」の私ですから、もちろんこの時間帯を愛してやまないのは言うまでもありません(^^;)

前にもここで書きましたように、「終戦のローレライ」と「亡国のイージス」は、わが支社での今年の「ヒットNO1」であることは、揺るぎません。たとえ、「」がこようと、「東京タワー」が迫ってこようと、この二作の堂々たる位置は変わりません。
しかも、「亡国のイージス」はすでに、映画化されたものを、映画館で見ていますから、多少の期待は、もちろんあります。しかも、この忙しい時期に見るわけですからね(笑)

そうですね。「CG逆効果」というのが第一声でしょうか?
こんなこと言うと、「アナログ人間」と、蔑まれそうですが、私だってCGの効果は認めているんです。かって、ちゃっちい怪獣特撮映画や、みえみえの合成画像の映画を見て育ったのですもの
CGの精密さや、リアルさは理解しているつもりです。こういうスペクタル映画に効果的なこともよーく知っています。
でも、でもね。使えばいいってものではないのですよ。
多用すれば、それでスペクタルか・・といえば、それは違うんじゃないですか?と、言わざるを得ない・・・それが今回の感想・・ですね。

もっとも、シーンの大部分が、潜水艦ですから、閉ざされた艦内と深海ですから、やむ得ないことも、ま、多少は認めましょう。
でも、私にはどうしても、タイタニックのパクリではないかとしか見えなかった、パウラと折笠の艦上デートシーンなんて・・・いらないじゃんって思ってしまったのはわたしだけ???(@@)
艦長が、未来の日本を語り、ナルシストの愛国将校が、自決を図り、その思いが映画のメッセージとしたいのなら、あんなに「宗教画の絵」のような海は、何度も見なくていいですし、アメリカの軍艦が、太平洋にずらっと並んで、威力誇示するシーンなんて、もう何十年も前に、日本の作った戦争映画の中で、もっとホンモノらしいものを「円谷プロ」が、その手法で見せてくれていました・・と、言ってしまうのは、私のただのノスタルジィでしょうか?


もっとも、原作からして「奇想天外・ありえな~~い」シチェーションですから、これもあり・・・って言ってしまえば、それまで・・・なんですけれどもね。
(ご存知でない方の為に、ストーリーを一言で説明しますと、ドイツからの潜水艦に、超能力
をもつ少女が隠されており、その少女の誘導で、たった一機の潜水艦が、海に広がる幾多の米国艦隊を翻弄し、予定されていた三番目の原爆・・東京に投下予定であったもの・・・を、撃墜するという、まことに、胸のすく戦争巨編なのです・・^^;;)


伝え聞くところによりますと、もともとこの作品は、「亡国のイージス」を映画化するという話が先にあって、戦争物でも、一大スペクタルを見たいけど、やっぱりハリウッドじゃないとね・・と言った福井敏晴氏に、製作者の亀山千尋氏が「じゃ、原作かけよ」・・・・からはじまったそうで、
夢があり、現実的でないところが、もち味なのかもしれません。

ともあれ、私はやっぱり、原作も映画も「亡国のイージス」のほうに、軍配を上げますね。。。
設定も、動機も展開も、そして映像も、こちらのほうを支持しますね。

などと言っているうちに、夜が明けてきそうです。明日の予定を確認したら、私も、眠りにつくことにしましょう。このまま眠れば、もしかしたら大海にゆらゆらと漂っている、潜水艦の背中で、ローレライを聞きながら、お昼寝している夢でもみれるでしょうか?
夢の中で、また寝ているなんて・・・・寝すぎじゃない?という声が、聞こえたような気がしますが、これは現実でしょうか???
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by sala729 | 2005-10-27 12:02 | Comments(0)

その女性は端正な横顔が印象的で、きれいに通った細い鼻梁が、小さな顔立ちを立体的に見せていました。胸元のペンダントも、細い指に輝く指輪にもダイヤが散らばって、その生活が垣間見れます。

「本当に、幸せな家族だったんです。でも、いつのまにか、私と子供。そして主人との間に溝ができてしまって、私が息子に話しかけたり、メールをしたりすると、子供にスパイみたいなことさせるな!なんて、主人からメールが来たりして、あの幸せだった時間は、いったいどこに行ってしまったんでしょう・・・」

七穂さん(44才 仮名)の話はこうです。。。
夫はひとつ年上の45才。夫は親の代からの会社を引き継ぎ、さらにそれを発展させていく力と行動力をもっていて、実行させるべく奔走していました。息子も成績優秀で、どうせ東京の大学にいくのだからと、父について、男二人は東京で、七穂さんと娘は地元に残りました。でも、お互いが地元と東京を行ったり来たりして、スキンシップは欠かしません。もともと、仲のいい家族で、しょっちゅう、海外旅行をしたりして、いましたし、娘と東京の街を歩いていると、母娘ともども
ナンパされたり、スカウトされたりしたことも、何回もあります・・・と、七穂さんは淋しく笑います。
(実際、その話が素直に受け入れられる美貌を彼女は有していました)


そんなある日、目の前にあった夫の携帯電話を娘が何気なく、開こうとすると、夫はすごい勢いで奪いかえし、今までにない形相で娘を叱責しました。
なにがなんだかわからぬ娘は、泣きじゃくりながら「なんでよっ。パパなんて、浮気してるんでしょっ!!」と、感情のままに糾弾すると
「な、な、ななな。。なにをばかなこと言うんだっ!!」と、あきらかな狼狽・・・(ホント・・判りやすい・・人ですわ。。。ふぅぅ)


この日から七穂さんの苦悩が始まりました。
そういえばと思い返せば、春頃から不審なことは続いていました。
度重なる海外出張、明け方までの接待。突然の帰郷そして東京へ・・。ともかく、予定というものがなくなっていました。
決定的なのは、悔し紛れに娘がこっそり見た夫の携帯に深夜通話記録で残っていた見知らぬ番号。・・・・・これらが七穂さんから眠りを奪いました。
そして、思い余って、夫と暮らす息子に「パパ何時に帰った?」と、メールを打つと、はじめの七穂さんの言葉のような反応が夫から帰ってきたのです。。


七穂さんが自分で打てる手はもうありません。今、夫の体は、心も携えたままで、七穂さんの知らない世界にあります。
七穂さんが見ようとしても、覗くことすら許されない世界です。。。


美しい妻と、よく似た可愛い娘。聡明でスポーツ万能の息子。。彼はこれ以上の何を手に入れたいと願っているのでしょう?
七穂さんは、家族を失いたくはないと言います。夫と自分と、息子と娘というこの四人家族をなくしたくない・・・・と。

いまこの美しい家族は、七穂さんのこの苦しい努力の糸でかろうじてつながっています。
この糸が切れたなら、ばららに四方にちらばってしまう脆さを充分に意識しながら、私たちは調査を進めなければなりません。


「よろしくお願いします」と、淋しく笑う姿さえ美しいこの女性の心の奥の淋しさを知っているのは私だけです。
周りから、幸せな家族と思われているから、だからこそ、誰にもいえない。言えないからこそ尚苦しいという七穂さんの本音を今受け止めてあげられるのは私だけです。。。

話し終えて、部屋を出て行く七穂さんの後姿を見つめながら、(あ~。依頼者の写真があれば調査は、きっと一段と力をいけるのに・・)と、思ったら、ちょっと残念です(^^)




*注    調査員は依頼者の顔は原則的には知りません。これも、秘密を守る・・という姿勢 
       の、一環です。
      
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by sala729 | 2005-10-25 14:47 | Comments(0)

この2,3日は、バタバタと忙しい日が続いて、夜討ち朝駆けなんてことを続けていましたが、さすがに続くと・・・・・なぁ~んて弱音を吐く・・はずがありません(^^)
なんたって、忙しいの大好き。一日を25時間で動きたいと思っていますもの、こんな状況は大好きですよ。ただ、そうなるとこのブログに向かうわずかな10分、15分が惜しい・・ってことがままあって、それが唯一の心残りなのですけれどもね(苦笑)

さて、この数日にいろいろんな展開はありました。
あの、20年前の初恋の人に逢いたいという永峰さんは、彼の情報を得て、ますます心が惹かれて行ったようです。ええ・・彼の話に嘘はなく、最高学府を出て、エリート公務員として奉職し、現在はコンサルタントとして活躍しているようです。しかも、いまだ独身。・・・・ほんとうに絵に描いたような、「初恋物語」です。
そして、その結果を得た、永峰さんは、彼に逢いに行く決心を固めました。夫には内緒で、彼に逢って、20年の想いを告げたいと、私に訴えます。
・・・・・確かに、彼女は人妻です。でも、20年も胸に抱いていた思い(決して、秘めてはいませんでしたね。あろうことか、夫はもちろん、姑にまで話をしていたのですから・・(;^^;)。
を、告白したいという気持ち・・・判らないでもありません。。。

もちろん、協力することにしました。
まず、彼の日常を知らなければなりません。あくまで、さりげない出会いを演出するのは、偶然を「作り上げ」なければならないのです。
そして、その作られた「偶然」に、永峰さんは20年の想いを賭けるのです。

これを、未練と笑いますか?
いまさら・・と、非難しますか?


ここまで、思いつめれば、立派なものじゃありませんか?
中途半端な想いをずっと胸の奥でくすぼらせて、「綺麗な思い出にとっておこう」・・・・うーーん、これはこれでよし・・としても、ここまで思いつめて、決心した永峰さんの想いも、それはそれで
輝いて立派なものではないかと思うのです。

人はいつも、周りから賞賛されたり、同調されたりしながら生きていますが、そのために、自分を殺したことも何度かはあるはずです。そうやって、折り合って生きていくことが「現代社会を生きる」と、いうことですもの・・。皆が皆、自分勝手に生きているはずはありません。
それは、社会に生きる夫たちだけでなく、妻と呼ばれて、家庭の中に生きる、女性もそうです。
ときに、夫であったり、姑であったり、子供であったりする、それらの人々との間を保つために
何度も、自分を殺しているのです。

そんな、主婦の20年の想いをこめた一夜を、なんとか実現してあげたいではないですか?

そして、それが叶ったら、またもとの生活に戻るもよし。彼との関係を再燃するもまた、よし・・・です。
永峰さんは、大人です。どちらを選ぶかは、彼女にしか決められない。それが反社会的なことであったとしても、その責任を取るのは、彼女自身です。

私は、ただ静かに、穏やかに、応援してあげようと思います。
そして、どちらにしても、その選択した事実を、そっと見つめてあげたいと思います・・・。
それは、私の自己満足でしょうか?
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by sala729 | 2005-10-22 11:14 | Comments(0)

波間をキラキラと光の帯が染め上げて瀬戸内海の小島の秋は、たゆたゆと過ぎていくようですが、それでも男と女には、どこにでもあるような、底の知れないふかーい事情があるのです。

夫と不倫相手の現場を二度ならず押さえているにもかかわらず、開き直り、まだ懲りずに逢瀬を重ねていることで、離婚を決意し、調査に至った景子さんの決心は揺るぎのないまま、最終段階を迎えようとしていました。

N係長はこの調査のため「コマンドN」に身をやつし、虻の大群の襲撃にさらされ、蚊や雨の波状攻撃を全身で受け止め、その上になお、現場の霊障にまで身を晒し・・・と、「調査員残酷物語」をそのまま物語るような辛苦の上に辿り着いた、結果でした。・・・・・ほんとに、ご苦労様でした。・・・・・・・その右の腰あたりに、ぼんやりと浮遊しているのは、なんでしょう?と、思った途端、金色の光がぱあっとさして、シャボン玉がはじけるみたいに、消し飛んでいったものがあったことは、さすがに今日まで黙っていました。・・・・す、すみません(^^;;)


その日は万全の体制て臨みました。
そして、景子さんの希望通り、現場におよびする手はずも整えていました。私は、会社でその連絡を今か、今かと待ち構えていました。
プルプルプフル~~~。
景子さんからです。待っているのに、まだ連絡がこないと泣きそうな声です。
時計を見ると、確かにもう二人は遭っているどころか別れて帰ってきそうな時間です。
それでも、なにも連絡がないということは、現場が動いている・・・と、いうことです。


それから二時間。
景子さんから連絡がありました。「ありがとうございます。・・・終わりました」
ほっとしたような、泣き出しそうなそんな声です。
「お疲れさまでした。詳しくはまた改めてお聞きしますから、今夜はゆっくりお休みくださいね。」

現場は、なんと景子さんのお父さんも眠る墓地の一角で、真っ暗な中を二人はライトも消して
車をバックで入れてきたそうです。・・・・・・うーむ。不倫もなかなかたいへんですわね・・・。

まず、証拠の写真です。そして、景子さんがおそるおそる声をかけます。
「なによっ。あんた。」女の声が闇を切り裂くように響きます。景子さんは34才。女は確か25才だったと思いますが、この態度の差は、いったいなんなんでしょう?

バタン!!
激しくドアの開閉音がして、女が飛び出してきました。いまにも景子さんに掴みかからんばかりです。
その二人の間に、すっと身を割って入って「5分でいいですから、奥さんに思いのたけを話させてあげてください。」とN係長。

そして、かたわらには、こういう現場ではとんなトラブルが出現するやもしれないので、スペシャルS氏。そして、その下のOMさん。
女は、周囲を見回して、OMさんの前に立ちはだかります。両手を腰において、肩をそびやかし
OMさんを見上げて「あんたたちなによっ?」と、甲高い声でわめきます。


「君は、不倫の相手だろうが・・。なにを偉そうにしとるのかっ!?」
OMさんは、わが社きっての論客です。こんな、不倫娘の理屈にならない抗議の処理なんて、赤ちゃんの寝言より簡単です。
ところが、その間、夫は・・といえば、へらへらと笑いながら、車のドアを下げて、肘を窓の外に突き出し、眺めているだけで、車から降りようともしません。

なんと、情けない、いーかげんな男でしょう?
自分よりずっと年下の女が、精一杯の背伸びをしているというのに・・・。


キャインキャインと、お座敷犬の遠吠えのような、女の声を遠くに聞きながら、景子さんは
大きな重荷が、肩から落ちたような気がしたと、後にお伝えくださいました。
自分が欲しかったのは、いまこの「時間」なのだ・・と。。。。

慰謝料も養育費も、もちろん欲しい。でもなによりも、今私の欲しいものは「この達成感。夫の浮気を晴天のもとに晒して、本当に言いたいことの、すべてを言い尽くす開放感。わたしは、これが欲しかったのだと・・・。




話はずっと続いていたかもしれません。
でも、今朝になって、景子さんは晴れやかな声で電話をしてきました。
「第一歩がはじまりました。これからがんばりますのでAさん、また助けてくださいね。」
景子さんの中では、なにかが吹っ切れたのかもしれません。

男たちは、それぞれに疲れ果てて、帰ってきました。ながいながい夜だったようです。

でも、ほっとする間もなく、景子さんが次に打つ手を考えなければなりません。
N係長、OMさん、私と、相談室にこもります。
なにをどう動くか、景子さんにどう動いてもらうか、緻密な相談の部屋に時間が流れていきます。
なにも言えず、なにもできなかった景子さんが、一大決心をして動いた結果です。
その景子さんのサポートのためにこれからは動くのです。

まだまた゛、これから・・ですよ(にっこり・・・)
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by sala729 | 2005-10-18 16:19 | Comments(2)

黄金色の稲穂がたわわに揺れて、秋晴れの空に鳶が孤を描いていく風景を見ていると、タイムスリップしたような、そんな気持ちが寄せてきます。なるほど、日本は「瑞穂の国」なのだなぁと、
自分が作ったわけでもないのに、遠くに秋祭りの雅楽の調べを聞きながら、豊作を神様に感謝している自分は紛れもない「日本人」です。。。

浜口さん(49才・仮名)とは、何度もお逢いする約束をたてながら、なかなか機会に恵まれず、やっと4度目にお逢いできたのは、まさにその「秋祭り」たけなわの日曜日でした。
真っ黒に日焼けした顔を綻ばせて、浜口さんが差し出した名刺には「百姓・浜口某」と、印字されていました。
お尋ねするまでもなく、浜口さんは、自分が米栽培をして、農協を経ず個人で販売しているらしいのです。2反あまりという田圃でいくらほどの米が採れるかは知りませんが、アンチ農協派ではあるらしいです。

浜口さんは3人兄弟の長男。下ふたりは妹です。父は中学校の校長先生を定年退職し、2年前に亡くなりました。父は典型的な農家の長男で、その父母(浜口さんの祖父母)からも大切にされ敬愛されていました。もちろん、農業などは一切手伝ったことはなく、浜口さんいわく、自由に思うがままに生きた人であったらしいです。
しかし、その反面、世事に疎く、定年後の住民税やらを滞納しまくり、それを浜口さんが支払っていたと・・・言うのです。

そして、その父の残した「遺言」には、
「自分の財産は、すべて妻と娘2人に分配して、長男には一切分与するものはない。」と、明記してあったそうです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・多少のことは差し引いたとしても、実の父のこの遺言が本当ならここにはなにか訳がある・・・・と、誰もが思いますよね。・・・・・・・・もちろん、私もそう思いました・・・・・・
ですから、当然問い質してみました。。。

「いいや。僕のことが煙たいだけですよ。自分で勝手に生きてきて、僕に物の道理を説かれて
煙たいから、もうお前にはやらん・・・ってな訳ですよ。」
浜口さんは嘯いて笑いますが、本当でしょうか?

ひとりつまはじきにされた浜口さんは、母と祖母と三人で暮らしていましたが、母は浪費家で
父の財産を使いまくり、それを咎める浜口さんを嫌いぬいていた・・・・そして、とうとう長女の手引きで、母と祖母は家を出た・・というのです。
母は76才。祖母は98才です。冒険というには、もう、ちょっと遅い・・かも(苦笑)

長女と次女は示し合わせて、母と祖母を自宅から連れ出し、近くに住まわせているに違いないと、浜口さんは言い切ります。


でも、よくよく聞いていると、母の家出のあと、妹二人と母は「相続破棄」の手続きをとって
自宅と田畑は浜口さんのものになっている・・というのです。


ではなぜ母は家をでる必要があるのか?
それほどいやがる母と祖母をなぜにそうまでして捜そうとするのか・・・と、いう疑問が残ります。




ほんとうは・・・一番嫌われているのは、あ・な・た・じゃない?
そう問いかけたい、私のクエッションマークを自分でふさぎながら、浜口さんを見ますと、彼は
いい人なのか悪い人なのかひと目で見抜けぬ複雑な笑いをこちらにむけています。
親子・兄弟の間になにがあったかはわかりませんが、この場合、一番嫌われているのは、
浜口さんあなたじゃないかと思う私はおもいすごし?


なにか、ひとつだけ折れてあげれば、和解の道は近い・・・と、おもったりするのでしょうが・・・・。
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by sala729 | 2005-10-17 17:55 | Comments(0)

多田さん(31才・仮名)が、その電話をかけて来たのは、昨夜遅くで、日付が昨日から今日に変わろうとする頃でした。
「妻と離婚するつもりなんですが、妻の相手の住所が知りたいんです。」

この場合の相手とは、たぶん「不倫相手」のことでしょうね。翌日お逢いすることになって、今日、私はここにいる・・と、言うことなのです。


トントン・・・。心なしかノックの音が軽やかに響きます(大抵の場合、深刻な相談が多いので、重いノックはあっても、こんな軽やかな音は・・・・まずないですね(いやーーな予感・・・・)

「ちわーっす。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・な、なんなの?この軽さ・・・・***********・・・・・・・・・・・・・・・・・

「すんません。きったない格好のままで来ちゃいました。」
泥の付いた長靴に、埃まみれの作業着。そして、どこまでも明るい彼・・・・(ふぅぅ・・・・)
前途多難・・・・・・・・お茶を出す手が震えます・・・・・。。。


「いゃあ、女房とはもう離婚することは決めてるんですよ。女房の浮気?。そ、そそ、そーです
よ。そーなんですが、相手がね・・・いゃあ、お恥ずかしい話ですが、相手は女なんです。23才。
これがまたなかなかの美人なんですよね。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん、もう・・まったく存在の許せないこの軽さ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピシッ・・ピシッ・・・

まるで背骨が溶けきってしまった「贋軟体動物」のように、ぐにゃぐにゃと机に身を投げかけるように話す、多田さんを冷ややかに見下ろしながら、私が聞いたことを要約すると、話はこうです。


多田さんの妻は、介護士をしています。結婚7年。それなりに穏やかに暮らしていましたが、夫のただひとつの悩みは、妻があまりに淡白で自分の求めに応じてくれないことでした。
しかし、そんな妻が半年前に提案してきたのは「自分に自由な時間を下さい。その
時はあいちゃん(相手女性の名前・仮名)のところに泊まってもいいでしょ?。その代わり、週一回はがまんしてあげる」と、いうことで、彼はこの案に一も二もなく乗りました。


しかし、これが「罠」だった・・・と、彼は訴えるのです。
そう、夫の了承を得て、妻は堂々と泊まりを重ね、あいさんとの関係を深めていったのです。
多田さんは妻を今でもふかーく愛していると言います。もともと、妻にはそういう「気」はなかった。運悪く、あいさんに巡りあって、こんなことになってしまったのだと・・。

妻は一旦は離婚に同意しました。妻からの慰謝料請求はなし。(とーぜんだは思いますが、彼は感激しているようです・・)養育費もいらない(子供はふたりで妻が引き取るといいます)。
しかし、自分が夜勤の時に、彼に面倒を見てもらいたいと言うのです。

多田さんも一度は了解したものの、面倒を見るったって、そこにはあいさんもいるわけですか、
やっぱり「いや」だと申し出すると、妻は「約束が違う」と怒りだし、離婚調停にかけることを決めた・・・と、言うのです。。。。


なんともはや・・・・緊急性も必要性も感じられない話ではありませんか?
そして、彼はあいさんの住所を知って、あいさんに調停申請するつもりというのです。
まったく・・・・失礼ながらおめでたい話です。
もし、彼の話がすべて真実なら、あいさんは、年若くても、いろんな意味で世間を彼ら以上に知っています。そんな「調停」なんて、お話し合い・・・ぐらいにしか感じていませんよ。

それに、なにより確たる証拠もなしに、相手を決め付けようなんてあまーい考えなんですから
多田さんが、あいさんの逆襲に会うのは目に見えています。。。


ところが、これを何度お話しても、彼は理解できないのです。・・・もしかしたら、しょうとしないのかもしれませんが。。。
「いや、妻はあいとのことを認めています。証拠なんていりません。それに、自分は妻のこと今でも愛していますから、負担はかけたくないんです。ただ、あいには調停かけるぞと言いたいだけなんですよ。」などと、物分りの良い男を気取っています。。


でも、現実にそれが調査になると、当然いくらかの費用はかかってきます。

「ひぇぇ~~。そ、そんな・・・」
私が提示した見積もりに、多田さんが応えた第一声です。

「こんな簡単なことなんだから1万か、せいぜい2万でしょ??」

・・・・・・・ばかじゃない?・・・・・と、いう呪詛をお腹の中に封じ込めて、私は精一杯の笑顔を作りました。

「お見積もりは、わたくしが作るもので、あなたがお決めになるものではありません。調査をするのはこちらですから。」

「そ、そ、そ、・・・そーですよね。。うんうん、そーですね。そーですよ。」

なに?この納得の軽さは????

「し、失礼しますっ。」
言うが早いか、多田さんは立ち上がり、ほんとうに「脱兎」のごとく、事務所を飛び出していきまいた。・・・・(はやっ・・・@@@@)


毎日、いろいろな相談が入ります。
その中に、精神的に不安定な人もいれば、被害妄想のような状態の人もいます。
でも、みんな、それなりにまじめで追い詰められている人も多いです。
深刻な人でないと・・・という訳ではありませんが、「ほんのちょっと」とかのかるーいノリや遊び感覚の人には、向いていないかもしれません。
(深刻なことも、かるいふりしてしまう人がいる・・・ということは、判ります。そして、そういう人は
見分けられると、私は信じています。こうして、もう数え切れないほどの人たちの、胸の中を開いて見せていただいているのですもの。。。)


あなたの、心の内側を見せてくださいと、囁く私の声が自分の耳の奥から聞こえてくるような、
雨の昼下がりです。。。。
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by sala729 | 2005-10-15 11:37 | Comments(0)

聞けば、今年は「茸の当たり年」とかで、松茸も豊作なら、八甲田山の奥深くや、首相官邸の庭にまで「毒キノコ」が現れたりしているようです。もっとも、官邸の毒キノコは、「木は森に隠せ」の諺のように、毒の中に生まれているだけに、その存在が目立たないような気もするのですが・・(^^;)

最近、「探偵」がらみの怪しい事件が相次いで、「調査会社」の矜持として、歯がゆい思いをしていましたが、本社からも、通達文書が回ってきました。
直接、面談の時に表立って言われたことはありませんが、三面記事をにぎわしている所謂「探偵」と、私たちとはまったく違います。
彼らは、個人の生業として、その稼業に従事しており、個の判断と解釈で動いていますから、ある意味自由であり、変幻自在ともいえます。

私たちは、「会社」であり、「社員」であるという立場の中での行動ですから、当然その中には、社則に決められた「規範」はあり「制約」はあります。しかし、ある意味それは、社会という決められた約束事の中で生きるには、欠くべからざることではないでしょうか?
相談者の、望むことを実現させてあげたいと、お話をお聞きする出発点は同じですが、そのため
なにをすべきか、何ができるかという、承点が違っていると思います。
なにができるかということを考えたとき、相談者の意をそのまま受け入れるのか、意を受け止めて自分たちができることを構築していけるか・・の、違いできないでしょうか?

合法でないやり方で、相談者の意が通ったとしても、それになんの意味があるのでしょう?
相談者が望むことは、結果ではあるのですが、じつはもっとその先の、「それから?」に対するアンサーなのではないでしょうか?
非合法のやり方に、結果はあっても、次のアンサーはありません。
でも、それこそが、相談者が本当に望んでいることだと、私たちは判っていますから、自分たちはもちろんのこと、相談者自身が、反社会的なことをすることは、なんとしてでも止めなければなりませんし、そうさせてはなりません。
それでは、本当の意味での、問題解決にはなりえないのです。。。。


ですから、今回のような事件が多発することは、本当に残念です。
まだまだ、社会的知名度が高いとはいえない、私たちの業界が、こういう「まがいもの」の、愚かな行為で、多くの人たちのなかに、誤解と偏見の種を撒いたかと思うと・・悔しいです。


私たちは、北方謙三や、東直己の小説に出てくるような、「クールで素敵な探偵」ではありませんが(・・・・・・ん、そういうタイプもいるのですよ。ほんとは・・^^;)、こんなニュースで後ろ指を指されるような仕事をしている人間はひとりもいません。
(家族からは・・・つめたーーい目で見られている者はいるらしいのですが・・苦笑)


今日も私は、祖談電話を受けて、どこまでも行く用意はできていますし、N係長はじめ、調査スタッフは、昨日の深夜の調査を今も続けています。


・・・・・・・・・・・・電話が・・・・鳴っています(v@@V)・・・・・・はい、ご相談ですね?・・・・・・・
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by sala729 | 2005-10-14 11:38 | Comments(0)

くぐもった声に、不明瞭な発音。神谷さん(42才・仮名)の言うことを聞き取るのは、ちょっとした苦難でした(苦笑)。でもそれでも、なんとか約束の日時と場所を設定して、お約束の処に向かっていると、もう着いて待っていると、電話が入りました。なんと、約束よりも30分も早いのです。電話の声で、(ちょっとへんなんじゃないか・・なんておもったりして、悪かったかな・・・)なんて、自らの心を軌道修正して、私は目的地に急ぎました。

山陰の小京都と呼ばれるだけあって、なかなかの風情のある町です。宍道湖がすぐそこに迫ってきて、豊かな水量が、やさしい風を運んでくれます。さすがに、異国の詩人、ラフカディオハーンが愛でて「日本で一番美しい故郷」と、言わしめただけのことはあります。

そして、彼は・・・いました。
近くの喫茶店で、という私の申し出を遮って、彼が指定したのは、「鰻屋」。
お昼時に鰻屋で向かい合わせて、コーヒーだけで話をするっていうのも・・・とは思いましたが、彼がそうしたいと言うなら、あわせるしかありません・・・・わよ(^^;)

妻が・・・定年退職した日から毎日、毎日、お昼過ぎに出て行き、夜中にならないと帰らない・・と、神谷さんは言うのです・
「帰らないって、奥様がでかけるとき、どこに行くのとかお聞きにならないのですか?」
「えっ・・・そ、そんなこと聞きませんよっ。・・・・えっええ??。聞くものなんですかぁぁ??」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・思わず、正面の神谷さんを凝視してしまいました。
あの、「キモ、キショ」の漫才コンビ「○ガールズ」の片割れにそっくりの風貌。まるで、屠殺場に
連れて行かれる馬の瞳のような落ち着きのない眼。・・・・こ、この人、やっぱり、へんだ・・・(^^;)
「ふつー聞くでしょう?」


順を追って話を聞くと
彼は20年前に、たまたま通りがかった家の洗濯物を見ていたら、下着泥棒の疑いをかけられて、その家の人に脅されるように、そこの女性と結婚したが、新婚旅行の翌日、現金も預貯金もすべて新妻に持ち逃げされていた・・・という過去を持っていました。。(・・・・うーん。そんなことがあったとしても、気の毒、というより、うんうんと、妙に納得してしまうのですね。彼の場合)

そして、数年後、彼は知人の紹介でひとりの女性を妻にしますが、それが今の奥さんです。
当時の彼は25才。奥さんは44才でした。
もちろん、彼の両親は大反対。それを押し切って、二人だけの生活は始まりました。
子供はいません。奥さんは、公立病院の補助婦をしていたそうです。
奥さんは、飲む、打つ。と、交際も派手で、趣味も広いようです。真夜中に、黒塗りの国産高級車で誰かに送られて帰ったこともしばしばなのだそうです。

「それで、奥さんが浮気してたら、あなたはどうなさるの?離婚とかも考えていらっしゃるの?」
私の問いに、彼は即座に首も折れんばかりに振り続けます
「い、いえ。り、離婚なんて、離婚なんて考えてもいません、。別れたくないんです。ほんとに別れたくないんです。」
神谷さんはすがりつくように、訴えます。
「でも、どこに行くか・・知りたくて・・・」
裏返していた、奥さんの写真を表に返して、そっと私の方に寄せてきます。
かなり古い写真ですが、赤いステージーをバックにブルーのドレスの奥さんが熱唱しています。


「お綺麗ですね。」
「そ、そーなんです。すごく綺麗なんです。松○慶子に似てるんです。綺麗に化粧したら、もっと綺麗かもしれません。。」
神谷さんは夢に浮かされたように言い続けます。。
・・・・・松○慶子って・・・それは松○さんにちょっと気の毒じゃない?と、思いつつも、確かに綺麗な人です。ただし、数十年前の写真では・・ですね(^^;)
神谷さんは今失業中ですが、お給料はすべて奥さんに渡していたそうです。そして、今は自分の親元から毎月5000円もらっているというのです。。。。
5000円・・・この人の言いぶりからすると、これは間違いなんでしょう・・しかし、いまどきのいい大人が親から5000円って・・・・・(・・・・言葉なし・・・・)


笑うと、セメントで固めた前歯の歯茎がむき出しになります。そして、黙ると唇がめくれ上がって、ちょうど赤ちゃんが「おしゃぶり」を咥えたような形になっています。
なんとも・・・・言いようのないキャラで・・・・・す。。。。。。。


つ、疲れました・・・はぁぁぁぁぁああ・・・・・
なんだか、「年くっただけの座敷童子」を相手にしたみたいな、重~~~~い疲労感が、どーんと頭に覆いかぶさっているようです・・・・(がくっ)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん、んんんん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ま、負けるものかぁぁああ~~~~・・・・・・・・・と、パワーアップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


なんたって、私のもっとも得意技は「一夜忘れの術」なのですもの。(^^)
でも、ほんとは、この術は恐ろしくて、使いすぎると、将来はただの「物忘ればーさん」になってしまうという、「両刃の剣」でもあるのです。。。。(だれっ??もう、すでになりかけてるなんて、囁いてるのはっ!?)

そんな昨日もありながら、今日は今日の「お仕事」が、それでも楽しくて、楽しくて、たまらない私の目覚めは、早いです。
(やっぱり、すでになりかけてるですって???@@)
いーえっ。今日はOリーダーの運転で移動なので、お眠りタイムが待っていてくれるのが判っていますから、つい、早く目覚めちゃいました。。。。(^^)

では、では、いってまいりまーーす。
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by sala729 | 2005-10-13 12:35 | Comments(2)

今年の2月でしたか、「当世出会系事情」というタイトルでご紹介した、浩美さんのことを覚えておいででしょうか?
3人の子供と、輸入中古車の販売をしている夫に囲まれた生活をしていた彼女が嵌った、出会い系の甘い罠。と、いっても彼女が有頂天になっていただけのことなのですけれどもね。

国立病院の研修医で、実家は芦屋の個人病院を経営している32才。未婚の彼が、結婚を仄めかしている。自分としては行ってもいいんだけど、最近連絡がとれなくなったので捜して欲しいとの相談で、探し求めてみると、彼は畳屋の息子で一男一女の父であり、ポルシェならぬ、軽トラックで走り回っていたというオチのついた、あれ、あの調査の依頼者です。

「えぇぇーーーこれぇ??」
報告書の写真を見た第一声が・・・これでした。
そぉ。。「これぇ」なんですよ(^^)


あれから8ヶ月。。。
久々に浩美さんから電話が入りました。
「ご無沙汰してまーーす。」
ぜひ逢って欲しいというので、乞われるがままに逢いに行ってきました・・・・・


「あれから、たいへんだったんですよぉ。」
相変わらず、舌ったらずの、口調で、いわゆる「ぶりっこ風」(・・・・ふ、古いですか・・・)
これは、微塵も治っておりませんでした。


あの後、ご主人に彼のことがばれて(携帯に写真とメール残していたのを見られちゃったみたいですね)
殴る蹴るの喧嘩になって、警察までもが出動したらしいのです。
↑も、とーぜんのような気もしますが・・・・。
浩美さんは女性センターに収容され、子供たちは児童施設に保護されました。
その間は、一歩たりともそこを出ることができませんから、当然学校にも行けません。
もしも、子供たちを学校に行かせたいのなら、きちんと手続きを踏んで、児童福祉施設に入所しなければならないということで、浩美さんは夫と和解を選んだというのです。

帰宅して、浩美さんは、夫にも女がおり、今はもうそれを隠そうともしないことに気づきました。
生活費も入れてもらえず、母子3人の毎日が続いていました。
でも、ただ我慢だけをしているような、そんな女性ではありません・・・(苦笑)
彼女は、夫を付け回し、やっと女の家まで見つけました。
袋路地の突き当たり、我が家とは比べ物にならない古家ですが、そこからは元気な男の子の声で「おじちゃん、今度どこ連れてってくれるん?」という声と
「よおし。サイクルセンター行くか?。それじゃ、その前に自転車買わんといかんなぁ。よっしゃ。明日買いに行くか?」という夫の声。

浩美さんは頭に血がのぼりました。
父と母の、感情むきだしの喧嘩の毎日に、自分たちの子供たちは、長女が家庭内暴力。長男が登校拒否。次男は自閉症の疑い・・と、言われています。
それなのに・・・と、飛び出したい自分を押さえて、相談に来たのです。


「友達からもよく言われるんですけど、私のこと欲しい男性はいっぱいいるって。でも、私は、そういう人に自分をあげたことはないですよ。」
あらら・・・相変わらずの・・自惚れ鏡・・ですこと・・・。。。

「この前も、男性のお友達の所に行ったら、主人が付けてきて、あれはなんなんや?って大声で問い詰めるんです。そりゃあ、彼はバツイチだけど、建設会社の社長だし、背も高いし、素敵ですよ。彼がね、言うんです。僕は、友達からお前はハンサムすぎるから、女の人が寄ってこないんや。自分には高すぎて、近寄りがたいって思われるから、女ができんのやってね。そうなんですよね。やっぱり自分と同等でないと声ってかけられないって・・・思いますよね。私もそうだから、よーく判ります・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・また、始まりましたよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
懲りない人というか・・・・・いわれなき自信というか・・それを人は「自惚れ」と言うのですけれどもね・・(^^;)


「でも、主人は、その人が建設会社の社長だったから、表立って文句言えないんですよ。ほら、いろいろな人と関係あるでしょ?。あ、もちろん彼は関係ないですよ。主人がそう思い込んでいるだけですけどね。笑。え?主人ですか?・・主人は私とは離婚したくないんですよ。ずっと自分のものにしていたいんです。それはもう判っています」


誰かこの自惚れ鏡を割って見せてあげてよっ。・・・と、心の中で呪詛しながら、私は、浩美さんの話を聞いています。

それにしても、毎度のこととはいえ、この家の子供たちのなんと可哀想なこと・・・。
こんな状況なのに、浩美さんは長女は中学受験させると息巻いていますが、それよりも卒業できるかどうかの方がマジで心配です。

父と母が敵対しあっていて、それぞれが不倫をしている・・・そんな父と母がなにを言えるでしょうか・・・。その上、お金がありますから、周囲の「ワル」たちから見ればいーー鴨ですよ。

そんな夫を付回す時間があるなら、その半分でも、子供たちに向けてみなさいよ。
私には、きらびやかに着飾った浩美さんの背後に、泣きながら汚れたセーラー服の女の子が
手あたり次第にお皿を投げつけているシーンが、ドラマの1シーンのように見えています。

この小さな三つの魂が、安らげる日はいつくるのでしょうか?
私は、その手助けをしてあげられるのでしょうか?
浩美さんの「自慢話」は、いつ果てるともなく続いています・・・・・

もう秋の日はとっぷりと暮れて、外の闇では時間が計れなくなってきています。。。
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by sala729 | 2005-10-11 14:00 | Comments(2)