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「ある出来事が起こるとそれは連鎖的に起こる」と、有名なかの名言がありますが(すみません、寄る年波か、生来の頭の悪さかのどちらがで、名前が・・・お、思い出せません・・(^^;;))
仕事をしている上で、それは如実に感じます。

例えば、私たちのエリアの中でも、相談電話がある時期、一箇所に集中していたり、地域はかけ離れているのに、相談内容が殆ど同じであったり、、相談者の年令や性別、環境が似通っていたりと、「同一性の法則」は、ここでも実証されているなぁと感じることはしばしばです。

そんな中でのお話です。

私が、中澤まなかさんの家出調査をお受けしてまだ間もないころ、Rさんにも同じような相談電話が入りました。
まなかさんの住むところとは隣同士の町です。

相談者は、樫村洋一さん(42才・仮名)です。
聞けば、長女のもねさん(18才・仮名)が家出して二週間になると言います。
彼は電話で長々とその経緯を話しつづけていました。
そして自分たちがいかに綿密に機敏に行動して娘の行動を探り当て、三日前までの行動は掴んだ・・・と、言います。
しかし、その後が庸として知れないので、相談したいと言うことでした。
もねさんの母親はパート勤務で夕刻でないと帰らないので、夕方に・・・と、お逢いする約束になりました。
Rさんが待っていると、約束の時間きっかりに、夫婦は現れました。まだ小学校の一年生という妹も連れてやってきては「この子には聞かせたくないので」と、母親の依子さんは言います。
聞かせたくないと仰っても、面談室の外は、私たちのオフィスです。
たまたまそのときは、調査もすべて出払っていて、誰もいません。
そういうところに、少女をひとり置いておくことはできないですよね?。

どうしょうかと困っているところに、たまたま、相談員のSさんが帰社し、「いいですよ。私が見てますから」と、「渡りに船」いえいえ!!「ぢごくに仏」です(^^)

面談室で対峙すると、依子さんが堰を切ったように喋り始めます。
「とてもいい子なんですの。才能があって東京の芸術関係の大学に今年入りました。先生も将来をそれはそれは有望視していただいてますの。他のお子さんは、授業が一杯でアルバイトなんてできないんですけど、うちの子はアルバイトしてるんですけど、先生から、もねさんは余裕
があるわよねぇって、言われているくらいなんです。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オイオイ、それは違うだろう・・・と、突っ込み入れたいのをぐっと我慢します。


「家出にお心あたりとかはありますか?」
「いいえ。全然。・・・・でも、その数日前、あの子の日記を見てましたら、なんだか、誰々とデートしたいとか、次はいつ会えるかとか、夜中の11時ごろまで逢ってたなんていうのが判りましたから、私、怒ったんです。
まだ学生の身で、男の子と付き合うなんて早いし、ましてや、こんな遅い時間まで・・・なんてって。そしたら、お母さん、日記見たのねって、とてもひどい形相で怒りましてねぇ(・・・・そりゃ
怒るでしょうよ・・・ふつーはね。)
当たり前じゃありませんか?。母親が娘のこと知るのは・・・。でも、あの子はそれが判らなくて
次の日家を出たんです。」
「所持金とかはご存知ですか?」
「いいえ。自分の通帳は自分で管理させています。アルバイトもしていますし。」
「携帯電話は?」
「それがですねぇ」と、依子さんは一層身を乗り出します。
「メールがもの凄いんです。規程料金内はいくらしてもいいってやつですから、料金は規程料金なんですけど、実際は3万円くらいはしていたみたいです。」

この調子で何を聞いても、どう聞いても、喋り答えるのは依子さんばかりです。洋一さんはただ
黙って腕組をしてうんうんと頷くだけです。

「たぶん、お友達なんだと思うんです。それで片っ端から電話してみました。怪しいと思った子のところには警察官立会いでお部屋も見せてもらいました。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あらら、それはやりすぎでしょう・・そんなことしたら、もねさんが見つかっても、彼女の人間関係はボロボロですよ・・

「ええ。相手の親から抗議されました。でも!。でも、これっていけないことですか?親が子供のこと心配するのはいけないことですか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん。んんん、村上○彰さんみたいなこと言いますよねぇ(苦笑)・・・・・○○っていけないことですか?・・・ですって~笑)


「でも、相手のいることですからねぇ。相手の親御さんからしたら、はいそうですかって訳にはいかないですよねぇ。」
「どうしてですか?うちの子は家出したんです。それも、友達にそそのかされて。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あらららららら・・・・こらららら・・・・・
友達にそそのかされてって・・・そんなのまだ判らんやないでかぁ????


このお母さんの思い込みの深さ・・・・
そう、これはあの中澤小夜子さんそっくりです。(^^;)

失礼を承知であえて言いますが、このきわめて狭量な視野の中ではさぞかし子供たちも窮屈であったろうかとは思います。
親はその字のごとく「木の上に立ち、子を見るのが親である」と言うのは、まさにこのことでしょう。
自分の枠に入れてはいけません。
だからといって、枠から飛び出させていもいけません。
鵜飼いの鵜庄よろしく、ひいたり緩めたりしながら、「ある程度の自由」を感じさせてやることも
必要なのではないかと、私は思います。

もちろん私に、子育て云々という資格はありませんが、こんな外野の意見でも、ちょっとだけでも振り向いてみようかなと、そんな気持ちになってくれたら、嬉しいなとは思います。

まなかさんも、もねちゃんも、お母さんと衝突しながら自分を見つめているのです。
あともう一息・・・一息入れたら、お母さんに連絡一本だけ入れてあげてくださいね。
「私は元気です」と・・・
あなたたちのお母さんは、それだけが心配だということに、そのとき気付くはずです。
家でも、世間体でも、自己満足でもなく、ただ、あなたたちの身が心配だという、とても当たり前の、でも親のただひとつの切なる思いに気付くはずです・・・・。

・・・・それでも気付かなかったら・・・そしたら仕方ない「奥の手」使いますか・・。
え??・・・・奥の手が知りたい??・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うーん、それはダメですよ。ここで公開したら、奥の手じゃなくなりますもの(笑)

by sala729 | 2007-08-09 12:20

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