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いつかもここに記載したと思いますが、じつはわたくし「探偵」ということばが大っキライなのです。
ご相談電話いただいたときや、お逢いしたときに「探偵さん」と言われると「調査会社です」と、きっぱりと、時にはやんわりと(笑)言い返すことにしています。

言葉に恨みはないのですが、自分がこの仕事に従事するようになってこの「探偵」と「調査」の
意味が判ってきたような気がして、自分のなかで秘かに「線引き」をしています。

私のなかでは「探偵」は、あくまで物語の中のアクターにすぎません。
金田一さんしかり・・・浅見さんしかり・・・メイプルおばさんしかり、もちろんシャーロックホームズもまたしかり・・・なのです。
つまり、物語のなかの「人」でしかないのです。


会社組織の中で、役割分担をして、着手してから結果までを、現実に即してお知らせする。その上で法規的処置や対応策を一緒にお探ししましょう・・・と、いうのが現在の私の置かれている
職場環境ですから、どんなドラマチックなお話でも、奇想天外と思える出来事でも、この「セン」
に添って、検討され、対処され、処理されていきます。
機械的と言われれば、それはそうかもしれませんが、現実は「物語」ではありませんから、そうそうこちら側だけに都合のよいようには、出来事は転がりはしません。

渦中の相談者さんと同じように、渦の中にいたのでは、同じものだけしか見えません。
渦の外側から、あれもある。これもあると、冷静に見つけてあげることも、この仕事の大切なこと
ではないかと思っています。
それを、機械的といわれるのなら、それも甘受しましょう。



今日、なぜこんなことを書く気になったかという理由は、昨今の社会事情にあります。


お正月あけに、DV夫が、別れた妻を刺殺というニュースがありました。
新聞ではかなり大きく取上げられていましたので、ご記憶の方も多いかと思います。
その夫は、妻の行方を「探偵」に依頼して捜したと供述しているそうです。
妻の行動も、その探偵にビデオで撮ってもらい、別れた自分の子が、妻の旧姓の名札を
付けていたことに腹がたったと供述しています。

また、先日来、マスコミを騒がせている「美人妻による夫バラバラ殺人」も、双方が浮気をしていたらしく、探偵を使って探ってたと一部、報道されていました。




こうなると、「探偵」は、犯罪のお先棒を担ぐ「とんでもない奴ら」に、なってしまいます。
こうした報道のあとで、そう信じた方は、絶対に増えた・・・と、思います。
でも・・・・
同じ仕事に属するものとして(こうした言い方をすることすら、不愉快ですが、周りからみれば
きっと同属と映っていることでしょう・・)こうした事件に巻き込まれることを、誰よりも避けている
のが「私たち、調査会社の人間」です。

そのために、必ず、ご相談者とお逢いするのです。
お電話だけで、相手さんに悪意があるかないかなんて、判りません。下心なんて見抜けるはずがありません。
その、危険性を最小限にするために、お逢いするのです。
まずここで、第一の「篩い」がかかります。
そして、お逢いして、ご事情をしっかりとお聞きします。もちろんご質問もします。
そのときに、ご相談者の真意も、把握する努力もします。
もちろん、調べるという行為自体に、「うしろめたさ」を感じている方も多いのですが、お話をすることで、ご相談者さんが、より判ります。

お逢いして、こちらがお断りすることもまま、あります。
もちろん、表立ってお断りするのではなく、いろいろな理由をこじつけてお断りします。それは
理由を述べることで、相手を怒らせたり、逆恨みされたりしないためでもあります(苦笑)

そして、違法なことはしないということも、はっきりと相手にお伝えします。
ですから、調査中に、なにか事が起こった場合はすみやかに「警察に通報」します。
松田優作さんじゃないですから、殺人事件や難事件を、自分たちで解決するなんてことは・・・ないです(^^)

何ができるか、どうすることができるか・・・ご相談者にそれをお伝えしなければならない私たち(相談員)の使命と責任は重いです。
そのために、会社や上司からも、その都度、いろいろな指示や指導、教育が施されています。



そうやって、私たちは仕事に就いています。
「私たちは相談者さんが自分で、できないことを相談者さんに代わってしてさしあげるのが仕事です。そして、ご自身が見えないことを、もうひとりのあなたになって見せてあげるのが仕事です」
私は、いつもこの言葉を最後に言うことにしています・・・・・。

by sala729 | 2007-01-13 10:53

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