「三番目の女になりたくない」と、妻子ある交際相手の、もうひとりの「女」を捜すべく調査に
臨んだ道代さんが、もう一度私に電話をかけてきたのは先日のことでした。
前回はもう一年半も前のことでしたが、調査中、交際相手の倉武氏の行動から、それらしい女性は、見つかりませんでした。

倉武氏は、田舎とはいえ、公務員としての経歴は、なかなかに立派です。
このまま、なんの支障もなければ、将来は、市長選にも出ようかというくらいの勢いもあります。
ただ、同氏・・・・欠点は酒と女です。

前回のときも、ぐだぐだに酔いつぶれて、路上で寝ていたり、飲み屋の裏路地を、ごみバケツを
転がしながら酔いどれていたりで、道代さんから聞いていた「有能な公務員」というイメージは
私の中にはまったく浮かばなかったのですが、それでも部下らしい人たちを引き連れて
道代さんのお店で、大盤振る舞いをしていりして、なかなか人望があるように見えなくはないと
調査からは聞いていました。

(でも、これも内実は、道代さんのお店での、彼の飲食はタダなのです。たとえ何人引き連れてこようとも。彼は店の子たちにはオーナーと映っています。なんの金銭的援助も受けない道代
さんが、彼をたててそう女の子たちに言い含めていることも知らないで・・・いい気なものです)


それなりの時間をかけても、彼の行動から女の影が見えないと、一旦は調査を諦めた道代さんですが、今日までの間にいろいろなことがありましたと、お逢いしてすぐに話始めました。
前回は、なかなかに口が重く、ずいぶんイメージが変わったなぁと思いました。

「あれから、彼にお金を貸したこともあるんです。300万。女からお金を借りてるから、それを返さないと別れ話を出せないと言われて・・・」
「それでも話はつかなかった?」
「ええ。そのあと100万は返してくれたんです。でも、しばらくしてたら・・・・・私、彼のこと尾行けたこともあるんです。何度も。(苦笑)。Aさんには悪いんですけど、もっとお安い処はないかと
別の二つの会社に頼んだこともあるんです。
でも、やっぱり、自分じゃできないことも判ったし、Aさんところが一番しっかり調査してくれたなあって判って、また電話してしまったんです。すみません。」

・・・・・なにを謝ることがあるでしょう・・・結果が出なかったのですから、そう思うのも当然だとは思います。
でも、本音を言いますと、他社がやって失敗していたり、本人さんがやってバレバレになっている後の調査は、通常の何倍も難しいです。
相手はますます警戒するでしょうし、行動も慎重になるでしょうし・・ね。
特に、彼のように妻もいて、別の女がいて、さらに・・・というなら、尚更です。。


「しばらくは終わったかと思ってたんです。でも、あるとき突然彼が、銀行から700万の融資を
受けるから、連帯保証人になってほしいと言われて・・・でも、よく聞いていたら、その銀行もあてがあってじゃなくて、私に紹介して欲しいというんです。」
「でも、それもしてさしあげた・・・のですね。」
「・・はい・・・・。ホントばかでしょ」苦い笑いが、道代さんの端正な横顔に貼りついています。
「それも、女に返すお金と言うんですね?」
「ええ。そういいました。女は未亡人で、ご主人は労災事故で亡くなったそうなんです。だから
彼女は自分にとっては必要だ。これは利害関係の仲なんだから、私にも判って欲しいと・・・。
そんなことは判らないと、私が言うと、融資の話になったんです。じゃ、このお金で女とは綺麗に手を切ろうと・・・」

でも、まだ続いているんですね・・・という言葉は飲み込みました。だからこそ、先日の電話であり、今、私がここにいる・・・のですから。


「これで、彼がまだ女と別れていないなら、私もう自分の気持ちに整理をつけて彼にも、事実を
突きつけて、きっぱり清算しょうと思っているんです。
これは、私の最後の賭けなんです。正直言って、お店も事業もきついです。今はとっても苦しいんです。だからこれが私の今、できる精一杯なんです。お願いします。」


どこかクールだった前回とは180℃変わってしまったかのような、道代さんの態度に、彼女の
追い詰められた背景が見えるようでした。

でも、もしも結果が出たとして、本当に道代さんが彼と訣別できるかどうかは、疑問です。
というより、まずできないと思います。
そうしてしまうには、彼女は彼にのめりこみすぎています。
・・・・もし仮に、彼の奥様に道代さんとの浮気がばれて、奥様から慰謝料請求されるようなことになっても、道代さんは彼とは別れない・・・・そんな経験値からの想像が、妙に冷たい冬の午後でした・・・・。
[PR]

by sala729 | 2006-12-09 14:36 | Comments(0)

<< その後・・・    あなたなにさま? >>