人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ほんとにのどかで静かすぎる時間のなかで、身も心もぼろぼろと腐っていきそうな毎日が続いています。(世間的には、これを穏やか・・と、言うのでしょうが、哀しいかな、私はそういう、まったりとしたたおやかな時間には生きられない、《仕事アンドロイド》だったのです・・苦笑)

そんな中でも、調査は日々動いていますから、素行調査の結果や、家出人の発見という「成果」は、あがっているのです。(ありがとうございます。調査部のみなさま・・・深謝)

もうずいぶん前になりますが、40年も連れ添った奥様に「DV夫」と、罵られて家出をされた
畑中さん(68才・仮名)の、奥様、よしのさん(64才・仮名)が、やっと見つかりました。
よしのさんはこれで4回目の家出。前3回は自主帰宅(家出した人が自分の意志で自分で
帰宅することを言います)でしたが、今回は長いこと帰らないと、調査に入ったのですが、家出の経緯が、なんともはや・・・

ささいな口喧嘩の果てによしのさんは突然、自宅を走り出ると警察に駆け込むなり「夫が暴力を
ふるっています。助けてください。」と、訴えてなんとパトカーで帰宅したかと思うと、見る間に荷作りをして出て行ってしまった・・・・と、畑中さんは言うのです。
話をお聞きしたたけでは、そんなバカな・・・と、思うでしょ?
でも、確かに世の中には「DV夫」に泣かされている妻は多いですが、それを利用して有利に離婚を進めようとする「打算妻」がいることも現実なのです。

よしのさんが、打算妻なのかどうか真実は判りませんが、「絶対に暴力はしていない」という
畑中さんを信じて、調査に入りました。

そして、やっと見つかったのです。
よしのさんは隣の県で、清掃会社の派遣社員をしていました。
勤務先のホテルの前に張り込んで、帰宅時を待ち構えて、N係長が声をかけます。
振り返ったよしのさんは、畑中さんを見て「あっ!」と、声をあげ走り去ろうとしますが、その前に
は、調査員が立っています。

それからのよしのさんは罵り放題。
「あんたらはね、この人のこと知らんけんよ。私が殺されたらどーしてくれるんよっ!」
「おまえら、なにしょんじゃあぁぁ。訴えてやるけん。お前らも。お前らの会社も!」
「じゃかましいわ。人、ばかにすんなっ!!」

と、まぁ、失礼ながら60過ぎた女性とは思えぬ罵詈雑言(苦笑)
さすが百戦錬磨のN係長も、呆れ果てておりました。
畑中さんが一言いえばその10倍くらいの言葉で返して、話し合いというより、よしのさんの
一人舞台。

それでも、数時間が経過して、もうこれでいいですからと申し出た畑中さんに心を残して、調査員は帰社したのでした。
N係長は、畑中さんを案じていましたが、今朝になって嬉しそうに畑中さんから私に電話があって、お互いに納得の上で別居をしばらく続けて、私が向こうに家を借りてやったら、あれはそこに引っ越すと言うてますから・・・と、連絡をくださいました。
そのことを、N係長に告げると、ようやく安心したような笑顔を見せて
「それにしても、すさまじい罵りばーさんでしたよ。」と、ようやく肩の荷を降ろしたようでした。



すさまじいといえば・・・先日のこと。
仕事の帰りで、JRの乗り換えた私は前から4列目。反対側の先頭に乗っているのは白いパンツスーツに真っ赤なハイヒール。テラテラと光るシャネルバッグの見た目も派手な女性が足を組んでひとり座していました。・・・・・うーん、見た目派手だけど、あれは50すぎてるかな。。なんて
密に思っていると、やおら彼女の携帯がなり始めました。
そして、案の定、彼女はその場でそのまま携帯を耳に当てました。

私の通路を挟んだ隣には、これまた極彩プリントスーツの60代後半と思われる女性がひとり。
座るやいなや、弁当を広げて一心不乱に食べ始めました。

その間もハイヒールさんのおしゃべりは続きます。
「・・・それでね。うんうん。そうそう。気分を高揚させるには、なんと言ってもオペラよ。オペラ。あーん。だめだめ、クラッシックじゃだめよ。ほら、あのエリザベートなんとかってCD、あれはね・・・」と、延々と続きます。
(なにが、オペラよ。あんたは小泉さんの回し者?)とか、私もだんだん不快になってきました。
でも、誰も立ち上がろうとはしません。そのときです・・・

隣のプリントおばが立ち上がると、すたすたとハイヒールさんに近づいてなにか言葉を交わしています。よく聞き取れませんが注意していたことは間違いありません。プリントおばが、くるりと
身を翻して座席な戻りかけたとき、ハイヒールさんが
「怒られちゃった。」と、言うのが聞こえました。心密かに、プリントおばに喝采しているとなんと、
そのハイヒールさん・・・

「うるさいから、もう切るわね。だから、最期に一曲だけ、あなたのために・・・」と、言うと
携帯をもったまま、なんと・・・・朗々と謳いはじめたのです。・・・・きっと、た、だふん、オペラの
一節なのでしょう・・・(すみません。判りません。^^;)

とっさに隣を見ると、プリントおばは、ただ黙々とお弁当を食べています。あきらめたのでしょうか・・(ちょっと残念)
こうして、ハイヒールさんは朗々と謳い終わり、プリントおばは、なんと電車が終着駅に着くまでの一時間、ただ黙々とお弁当を食べ続けていたのです。

本当に、日本の国には、雑多な多くの人がいますよ。
(オペラ歌手には変人が多いというOリーダーの言葉がまざまざと蘇ってきました・・・多くの普通のオペラ歌手のみなさん、偏見でごめんなさい。一相談員の戯言と見逃してください。)



そして、三人目の女は昨日です。。。
「夫が浮気したので離婚したい。相手の女も判っているから、住所だけ知りたい」という相談電話ですというRさんの連絡に待ち合わせ場所に行きました。
早朝9時です。
ファミレスに入って、見回すとそれらしい人は見当たりません。
5分前になっても、ちょうどになってもいません。電話をかけてみると
「あ、わたし店にいます」と、甲高い声(ここでいやーな予感)
禁煙席の一番後ろといわれて、そこに出向くと・・・・・・

居ましたよ。ええ。ひとり居ました。
目の前に ミートドリア を食べ散らかしている真っ白い女。
朝からミートドリア・・・ですよ。しかも、大事な相談しょうかという時に、食べますか? ミートドリア (@@)(@@)(@@)
「朝ごはんが早かったものだから」と、にこにこと笑いながら、真っ白い顔一面の笑顔。
指の先までがまん丸く、ドリア皿に覆いかぶさって食べる姿は・・・・ドリア皿に浮かぶ白い風船・・・。

「女には500万、慰謝料要求してるんです。ネットでは150くらいって書いてたけど、始めは
たくさんふっかけとかないとね。笑。相手は200万は出すっていうから、それでもいいんですけどね。でも、できたら、まあ多いほうがいいかなと・・・笑。
え?・・主人?。。。うんうん。主人とはもう話つけてますよ。公正証書も書いてます。だからいいんです。でも、ま、念のため住所も知っといたほうがいいかなって思って・・・。
自分でもできるんですけど、ほら、探偵さんに頼んだほうがラクでしょ?安いんなら、そのほうがいいかなって・・・笑」
ひとりで喋り続けます。。。

そこまでしてるなら、もういいじゃないと言いかけた私よりさきに、彼女は
「私、もうお金一銭もないんです。結婚して7年。子供もふたりですし、貯金ないし。だから
お金かかったら調べられないんですけど、相談無料って言うから、聞いといてもいーかなって思って。笑」
・・・・・むっ・・・・・な、なんだこの、風船女!!・・・・・・・・・

ドリアを綺麗に平らげた、風船女は、威風堂々とお店を出て行きました・・・
 あっ! チョット!チョット! あなた見積もりは?? 

なーんて「バカおち」みたいな日々のこのごろ、自分の精神力の耐性検査と思って頑張りますっ。(くっくく・・・早く普通の日々を取り戻したい・・・)

by sala729 | 2006-11-09 11:42

<< 帰ってはきたけれど・・(ふたり...    こんなに愛してる・・・その3 >>