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右の写真が変わりました。。これ「庵治石」という最高級石材で作った「華灯篭」というそうです。
花びら状にカットした石片を、一枚、一枚くっつけて花びらにして、石板に置きます。
花の内側に電球をいれて灯すと、花びらの間から光が四方に洩れて、それはそれは幻想的な
影が白い壁に散らばります。
三週間かかってやっと出来上がったものを、昨日、大雨の中「工房」まで取りに行ってきました。

その工房の主は、60代と思われる痩身のおじさんで、この時期なのにニット帽子をかぶって
ダウンジャケットを着込んでいます。
そして、作品の薀蓄を語り始めると、雨の雫が振り込もうが、自分が濡れようが、まったく意に介さず・・・(^^)

「うちは、墓石の芸術家ださぁ」そう言って笑うオーナーは、昨年の夏に、胃癌で胃を全摘したそうですが、語りは熱いです。
工房の周りには、庵治石。大谷石。外洋石などの原石や作品が、無造作に散らばっています。
風車を横にして分銅をつけたような、ぐるぐる回る墓石。坂道のようなスロープの上に、時代劇の医師が使うような、薬草擦りをくっつけたような墓石(・・表現が悪くてすみません・・どれも
非情にユニークな形なので・・・笑)
コスモポリタン美術館の入り口にあるような、曲がりくねった二つの腕のような墓石には
組み合わさった手のひらと思われるところに、二人の名前が彫られてありました。。

・・・・・・・・・「あのう・・・私のもここで作ってもらいたいんてすけど・・」
こんな楽しい作品を眼の前にして、なんですごすごと黙って帰れるでしょう(^^)

「えーよ。だけど、早う注文してくれんと、たいがいはワシの方が先にいくと思うけん。はよーしてや。」と、オーナーは笑います。

「ええ。ええ。例えば、本を広げているようなそんな墓石をイメージしてるんですけど、どーでしょ?」
「どんなんでもええよ。あんたの好きなよーなの作ってあげるけん。」
「ほんとですか?・・じゃあ」と、言いかけた私の、つんつんと家人が刺激します。
(なによ?・・)と、一瞥して、オーナーと盛り上がって、おみやげに「粘土蛙」なんか貰っちゃって
嬉しがって帰途についたのですが、その帰り道・・・

「あのさぁ、お墓って自分だけ入るつもりなの?」と、家人。
「え?・・なんで?」
「だって、本の墓石って自分の好みでしょ?。だぁれもそんなの望んでないよ。そこに入るのは
自分だけ??」

・・・・・・ん・・んん・・も、もっとも・・・

内輪話ながら、私の母は、姑との折り合いが事の外悪く、私が見ても仲の悪さはピカいちでした。
母は生前、「あのお義母さんと死んでまで一緒にいたくない」と、私の母らしく過激な発言(苦笑)
を繰り返していましたが、昔の女ですから、そういう発言はなかったかのように、今は同じ墓石
の下にいます。(そこでも、喧嘩を繰り返しているのではないかと心配です・・苦笑)

その母もそこから出してあげるつもりです。
そして、もちろん本来、そこに入るべき人もいます。その遺骨は、なかなか手放せなくて
じつはまだ自宅に置いてあるのです(^^;)
そして、家人も・・・・・なーんて言ったら、みんな私の「本型墓石」じゃ、いやだって言うの??
へーぼんな縦型の、両前に花挿しがあって、下が二段くらいの、あのふつーの墓石のほうが
いいというの??

「そーよ。自分のことしか考えてないんじゃない??」と、勝ち誇ったように言う家人。。

・・・ むっ・・・
なにが悪いの??・・・・私の趣味にして何が悪いのよ・・・
母もその人も、私の趣味なら文句は言いませんっ。いつだってそーでした。
これからの人は、気に入らなけりゃ自分で、自分の好きなの作ればいいじゃん・・・。。

私の中ではもう「本型墓石モード」です。(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)

折角こんな個性的な工房のオーナーとお知り合いになったんだもの。絶対に 作りたいっ! ・・・・・って思いませんか???



夜になって、灯りを落とした玄関に、「華灯篭」を置いて、点灯したのがこの写真です。
・・・・・・とても幻想的で、なかなかの気分です。。。。
こんな夜は、いつもより長くて、いつもよりクールですけど、いつもより「楽しい時間」が
ゆったりと、流れています。。。

by sala729 | 2006-06-26 17:57

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