愛し方には、特別の法則もなければきまり事もありません・・なんて、今更言うようなことでもないのですが、若い頃はこんな言葉のひとつひとつが、煌いて、輝いて見えた、そんな時代もあったのです(この、私にだって・・・^^;)

いつの間にか、そういうことも忘れて、日々の中に埋没していたのに、この仕事に就いてからというもの、毎回、毎回、いろんな愛の形を見せつけられて、あの頃とは違った意味で、「愛と憎しみ」を実感しておりますね。(苦笑)

雨の降りしきる中国道は、暗闇に紛れて急なカーブが続き、外灯は何のために付いているのか灯りを点すことも無く、ただ濡れそぼって佇んでいるだけ・・・。行き交う車もまばらです。
そんな中を、無謀にも140キロで飛ばし続けて、お約束の場所にすべり込んだ時、彼女は
すでに来ていました。

「すみません。遅くなりました。」
挨拶もそこそこに隣に座らせていただくと
「篠原です。」と、つぶやくような声が聞こえました。白いカーディガンにジーンズをはいて、素顔のままで俯いた、篠原みやのさん(40才・仮名)は、なかなか話はじめません。
「ここでお聞きしたことは、もちろん誰にも話しませんし、誰かが知ることもありません。だから
あなたの気持ちをそのまま話ていただけますか?」

・・・・・・・それでも、しばしの沈黙がながれて・・・・・・・・・・

やっと、みやのさんが口を開いたのは、初対面から15分はすぎていました。

みやのさんは地元の会社に入社して22年。ずっと同じ職場で通してきました。その職場に秋山さん(45才・仮名)が、派遣社員としてやってきたのは一昨年の秋でした。
細身で、サラサラとした髪が額に流れて、歳よりもずっと若く見える秋山さんは、職場の女性たちの密かな「憧れ」となりました。
「よく言えば、福山雅治が中年になったみたいな、そんなかんじです。」ここで初めて、みやのさんはにっこり微笑みました。

でも、その秋山さんは会社の都合で昨年末に退社しました。
もちろん、みやのさんは黙って見送りました。
でも、狭い田舎のことです。その後たびたび顔をあわせることがありました。
と、いうより、真相はみやのさんが意識的に、彼の自宅周辺や、お買い物コースを巡っていたみたいで、一途といえば、一途です。


「ご、誤解しないでください。私は、秋山さんをどうのこうのという訳じゃないんです。結婚とか考えているわけでもありませんし、もちろんストーカーなんて、とんでもありません。調べて、どうのこうのというようなことは絶対しません。でも、でも、秋山さんがどんな育ち方したのか、今なにしてるのか。バツイチと聞いたけど、それは本当なのか・・・そんなこんなが・・・知りたいんです。」語尾は消え入るようになっていました。

「その調べたことを使ってなんて考えていません。でも、将来も、もしかしたら、時々は秋山さん
のこと、知っていたと思ったら、そのときもお願いすることはできますか?」

先日のストーカー男の相談電話とは真剣さが違います。
私も、この業界の末席を汚す者として、それくらいの見分けはつきます。そうでなくて、この仕事はできません。(きっぱり)


「もちろんできますよ。あなたの仰ることはよく判ります。でも、彼にはずっと何も言わなくていいの?」
みやのさんの心の奥に封印している「本当の気持ち」が聞きたくて、私尋ねてみました。

「いいんです。知っておくだけでいいんです。私、臆病だと思いますけど、表に出して、受け入れられないのも辛いけど、無視されたり、彼が困った顔されたりするのが、もっと辛いんです。
当たって砕けろなんて、言わないでくださいね。笑。もうそれには、若さとパワーが不足してますから(笑)」
淋しい笑いです。
みやのさんは、結婚歴はありません。男性との交際もないそうです。
そのみやのさんが初めて心が揺らいだのが、秋山さんなのです。

でも、本人に告げるつもりはないし、これ以上の進展を望むつもりもないと、彼女は言います。
さそり座のA型という彼女は、静かですが、言い出すと梃子でも動かないという強さがあります。

これも、ひとつの愛でしょう。。。。
「打ち明けなさいよ」とか「勇気を出して告白すれば?」と、これ以上の展開を促す気持ちが私にもありません。
みやのさんは、このままで幸せだと言い、さらに幸せ気分に浸るために、彼のことが知りたいと言うのです。
誰に迷惑をかけるでしょうか?
そういう、ささやかな幸せが、市井に生きる女にあったっていいじゃないですか?

まじめに生きてきた、みやのさんはもう大人です。
そのみやのさんご自身が、ここまで゛でよいということに、私がこれ以上挟むくちばしは持っていません。
もしも、調査結果で、みやのさんがこれからの展開を望むなら、もちろんそのときは、どんなことでも応援します。しますともっ(^^)


ひとすじに、ただ一筋に思い詰めるということは、自分の意志を貫き通すことでもあるのです。
火のような、火傷しそうな恋もあれば、こうして月日と気持ちの熟成をずっと待ち続ける、長い長い、想いもあるのです。


あなたの「福山雅治」が、どうぞ良い人でありますように・・・(祈)
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by sala729 | 2006-04-11 12:28 | Comments(7)

Commented at 2006-04-11 15:51
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by てるプー at 2006-04-11 22:28 x
秘めたる思い・・・かぁ。あの人はどうしているのだろう・・・だけでは思いを止められないんですね。不器用でひたむきな愛。同じタイプの友人もやっぱり独身です。世の男の目は 節穴なんですねぇ。。
Commented by 新・元銀行員の探偵ライフ 中村 at 2006-04-12 09:48 x
愛にかたちを求めること自体が不自然なんですね・・・。愛とか恋とかヘチマとかには縁遠いので、こんなこと言ってはずかしいっす。でも先日「愛と死をみつめて」のCDを聞いた時(歌:青山和子)、その愛の形に号泣しそうになった単純なアタシですから・・・。は、はずかしい。
Commented by junjun at 2006-04-12 10:00 x
気になる相手をもっと知りたいと思う気持ちはよく分かります。
結果、良ければいいのですが、福山雅治がとんでもない過去をもってて、それを知ったみやのさんがいたら・・・辛いでしょうね。
気になる人の過去を知る怖さ、ありますよね。
Commented by sala729 at 2006-04-12 13:57
sweet-green 様

ご相談ありがとうございます。このブログを見て、そう言っていただけると
嬉しいです。いただきましたメアドに、メールをお送りしますので、確認しておいてくだされば・・と、思います。

私は、どんなことがあったにせよ「騙したほうが悪い」と思っています。


てるブー 様
思いは秘めたに秘めただけ、心で発酵するようです。
告白するのと、堆積させていくのと、どちらが辛いのか、どちらが幸せなのか、それはご本人にしか判らないことですね。

中村 様

とてもロマンチックなコメント・・素敵ですわ(笑)
号泣してくださいな。・・・見てみたいのです・・(^^)

じゅん 様

いいのです。「とんでも福山」でも(笑)
事実を事実として受け止めてこそ、次があるのです。恋心は、いくつになっても「乙女」ですが、生身の人間は、それまでの時間や、経験や、知識がちゃーんと、初心な恋心をカバーしてくれます。(笑)
カバーしきれないときは、私が覆ってあげましょう。
過去を知ることは、怖くはないのです。その過去に押しつぶされることが
怖いだけなのです。
Commented by 文房具や at 2006-04-13 01:23 x
はじめまして。いつも興味深く拝見させていただいてます。
毎回なんて言ったら良いかわからず、見るだけですみません。
今回はなんだかすごく切なくて、辛いです。人のシアワセってのはその人にしかわからないものなんですよね。私は気が済むまで知ってもらいたいと思います。それでもし傷つく結果になっても良いのだと思います。うまく言えませんが、その方が自分にとってプラスになるような気がします。傷つかないように生きる方が時間がもったいない気がするのです。やり方がどうあれ、みやのさんのシアワセを私も祈りたいです。
長々とすみません。
Commented by sala729 at 2006-04-14 22:59
文房具や 様

コメントありがとうございます。
長々といただくと、更に嬉しいです(笑)
出張が続いて、バタバタとしておりお返事が遅くなりました。
これからもよろしくお願いします。

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