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月曜日の朝は大変です。日曜日の仕事の処理から、先週の予定の遣り残し部分のフォローと
午前中は、なにやかやとデスクワークが続きます。
でもこれも、出社していればこそ・・で、早朝から出ていることもありますので、そういうときは、
当然出先からの応対になってしまいます。
申し訳ないとは思うのですが、それはご容赦いただいています。そしてそんな情報が交錯する中で、必然的にメモを取る習慣ができ、なんとか仕事は進んで行く・・と、いった有様なのが
週初めの私の行動パターンです。(^^;)

さて・・そう言えば、あずみさん(29才・仮名)への報告書の仕上がりが少し遅れているようです。

あずみさんは結婚3年。夫は5歳年下です。
都心に近いK県で知り合った二人は、半年目にあずみさんのご両親の大反対を振り切って結婚しました。
反対の理由は、いろいろありました。
まず、あずみさんがお父様の会社を継ぐべく立場で「婿養子」を望まれていたこと。あずみさんには兄がいますが、兄は全くの畑違いの仕事に就いており、食品の海外輸入の会社を経営するお父様は、あずみさんに婿を取って会社を譲りたいと願っていました。

夫はその会社に出入りする、宅配ドライバーだったのです。
父の会社にはなんの興味もなさそうでした。それでも父は、譲歩して「養子」に入ってくれるなら
と望みました。
彼は承知しましたが、いざ結婚ということになったとき「じつは、自分は田舎のおばあちゃんと養子縁組している。結婚したら、二人で田舎に帰ることになっている。」と、告白してきました。
惚れた弱みのあずみさんは、それを受け入れましたが、納得できないのは父です。

「そんなだまし討ちみたいな結婚があるかぁ~。」と激怒し「宅配ドライバーなんかと、結婚はさせんっ!」と、態度が硬化しました。

しかし、そーなると、ますます燃え上がるのが「恋の炎」というやつです。(笑)

あずみさんと、彼は駆け落ち同然に入籍し、祖母の居住地のここにやってきたのです。
祖母の家は手を入れているとはいえ、背後まで迫った山、目の前にくねくねと続くわき道。
自宅の敷き坪はかなりの広さがありますが、車が乗り入れできません。
なにしろ。くねくね道からさらに入る道は殆ど、田圃のあぜ道状態。タンポポやつくしは、
楽しめそうですが、車は入りそうにありません。
下の親戚のおばちゃんは、この都会から来た嫁を可愛がってなにかと世話を焼いてくれますが
それでも、下に行くにはたっぷり10分はかかります。

夫が出勤した後は、そんな、陸の孤島におきざりです。
幸か不幸か、あずみさんには子供ができませんでした。その寂しさを紛らわせるために、飼いはじめた犬が、彼女のたったひとつの慰めだったのです。

そんなとき、夫が浮気をしました。
初めて見つけたとき「もうしない。女とは別れる」
そう言った夫を信じていました。でも・・・・それでも心の隅にひっかかる何かがあったのでしょう。

「何もないことを信じたい」
そう言って、調査が始まりました。たった三日だけの調査。それで彼女は自分の心に片をつけようと思っていたのでしょうね。
でも、これも幸か不幸か、その調査日の第一日目・・・夫は初めての外泊をしました。女の家で・・・。

電話でお知らせすると、しばし彼女は声を失っていました。
離婚は考えていない。というより、今更帰れない。と言い張っていた、あずみさんの醒めた視線が蘇ります。
「ねぇ。一度だけ、お父様に電話してみたら?」
私の方から、言って見ました。
「ダメです。来るときに言われました。なにがあっても帰るなって。取引先や、会社の人たちからなんで宅急便のおにーちゃんに・・って言われて嫁に出したんだから、今更、おめおめダメでしたなんて、言えるかって叱られます。」
「お父様の反対押し切ったのは事実だもの。それは言われてもしょうがないわよ。でもね。子供のことを心配しない親はいない。あなたから求める救いの手を払いのけるなんてことはないわよ。だって、お兄様がこの家を見に来られたのでしょう?」

そう、ここに来て半年後、あずみさんのお兄様がひょっこり訪ねてこられたそうです。
建築関係のお仕事のお兄様は、「こりゃひでーところに建ってるなぁ。」と、笑いながら帰ったそうですが、それはお父様の耳にも入っているはずです。
お父様が命じたのではないにしても、その気持ちを推し量ったお兄様の行動であったと私は思いました。
あずみさんは何も言わず、電話を切りました。


そして、昨日・・
「Aさん、父に電話しました。」と、あずみさんの声。
「そお。うん。それで?」
「父が、お前のしたいようにすればいいって。やり直すのも、帰ってくるのも。なんでもバックアップしてやるって。」
「そぉ。よかったじゃない?。ね、言ったとおりでしょ。子供のこと心配してない親はいないのよ。」
「そーですね。だから、報告書、早くしてください。彼とすぐにでも話し合いたいんです。」


・・・・ぎ、ぎょっ・・・・・・そ、そーよね。早く欲しいわよね・・・・・・(N係長の困った顔がよぎります)


報告書は、みなさんが思われるより時間がかかるのです。
まず、膨大な量の写真や、メモ。資料。
これらを整理して、事実確認します。地理や、情報の「裏どり」も必要です。
そして、製本します。

依頼者さんは往々にして、すぐにできると思っていらっしゃいますから、結果がでたら「今か。今か」という思いです。
もちろん、最初の時に、そのタイムラグについてはお話していますが、結果が出れば、一刻も早く欲しいのは、人の常です。

そして、それを調査に伝えると、どの調査でもそれは同じですから、必然的にN係長を困らせる
結果となるのです。(^^;)

しかし、それも承知の上で、今週も私のお願いから始まるようです。
「あの件とあの件と、あの件、よろしくお願いしまーす~」と、今から出るという間際に言い残して部屋を出ることにしましょう。いつものように・・・(苦笑)
あの、N係長の困った顔を正視しなくてすむように・・・・(笑)

by sala729 | 2006-03-20 10:57

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