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先月のことですが、「不幸せの構図」というタイトルで、ここに、ご紹介した真弓さんのことを、覚えておいででしょうか?
ご主人のご実家は、他を圧倒するような大豪邸で、夫は父の会社の常務というのに、女性関係が派手でお給料を殆いれません。真弓さんには自閉症の長男がいて、毎日矯正施設に送迎しながらの暮らしのなかで、スーパーでキャベツの外葉を拾ったり、知人のお古をいただいたりの生活をしているという、あの「真弓」さんです。

その、真弓さんが、どうしてもと不退転の意志で臨んだ調査の結果が、見事にでました。あの、因縁ぶかい地縁と、霊感少女(真弓さんの長女)の、霊視をかいくぐって、K主任が見事に、相手女性を突き止め、証拠写真をとり、相手の顔はもちろん、氏名や家族(バツイチで娘がひとりのようです)まで、突き止めてくれました。・・・・さすが・・です。

そして、報告書を作成していますが、それまでの間に少しのタイムラグが生じます
その間に真弓さんは、わが社の紹介の弁護士にすでに一回目の相談に行ったそうです。彼女のなかの抑えていたものが、女の存在が現実化したことで、行動になって発散したのでょうね。
そして、私もその彼女の気持ちを応援しょうと、相手の女の写真をプリントアウトしてもらって、先にそれだけ送ってあげることにしました。

お互いの感情がどうであれ、調査をしてその結果が得られたなら、相手の顔を早く見てみたいと思うのは当然のことです。無理を言って、プリントしてもらって真弓さんに送って二日目のことです。

私の携帯が鳴りました。真弓さんからです。。
弁護士の先生のところにいった話から入って、次のひととおりの行動について打ち合わせをして、一息ついたとき、真弓さんの唾を飲み込む音がして・・「あのぉぉ。あのね、Aさんだから言いますけどね、あの写真・・・」
「は?」やけにもったいぶって、なかなか次を言い出しません。
「なんですか?。奥さんのお知り合いだったのですか?」と、私。
「いえいえ。知りません。知ってる女かとおもったんてすけど、全然知らない人でした。そうじゃなくてぇ。。あの写真、バリバリの心霊写真でしたよね?」と、一気に続けます。
「心霊写真??。あれですか?。どのぶんです?5枚くらい送ってますけど・・」
「あの、女のアップのと、主人が女のマンションからでてくるのには、はっきりでてるでしょ?」
・・・・・出てるでしょと言われても・・・私にはそんな鋭利な感性は・・・ありませぬ・・

「さすがに、子供は純粋ですね。あの子にはなにも憑いてません。でも、女の顔の後ろには、しっかり出てますよ。こーいうことしてるから、仕方ないですけどね・・」はき捨てるように言う真弓さんの口調に今までのくやしさが滲みでています。
・・・・・も、もしかしたら、般若がついているのは、ま、ま、真弓さんかも・・・と、いう言葉を呑みこんで・・・・
「そうかもしれませんね・・」と、自己嫌悪の中での迎合・・(くっ・・)
「娘も見えるんですけど、私も見えるんです。娘なんて怖がって近寄りもしませんよ。」真弓さんの言葉は投げやりです。

離婚の有無にかかわらず、10年以上も連れ添った相手に女がいて、その現場を目の前に晒されているのですから、平静でいられるはずがありません。装うことができなくても、誰が真弓さんを責めるでしょうか。。。しかし、それにしても「心霊写真」とは・・・・

休みが明けて、今朝になってまたまた無理を言って、その生写真を見せてもらいました。
もちろん、真弓さんの昨日の言葉をすべて伝えて・・・

わが調査部は、無関心・・です。
無関心というより、まったく心霊写真というものを信じておりません。生写真を見て「この夫の後ろの黒いのは?」
「女の影です」
「この車に差し込んでいる光は?」
「向かいの窓ガラスです」
「この下がぼんやりしているのは?」
「車中から撮ったからです」

どれも、明快すぎる回答が帰ってきます。(苦笑)。写真技術に精通していますから、どんな現象でも、たちどころに理論対応ができてしまうのです。Oリーダーいわく、世に言うバカチョンカメラが出現して以来、心霊写真と称するものは激増したそうです。
かのカメラは、絞ったり、離したりしなので、現象をそのまま馬鹿正直に映しこむので、光が入ったり、カゲができたりするのだそうです。。

そういう話を聞いた昼下がり・・
静かな週の始まりに、思わずいい気持ちになりかけた私を覚醒するように、真弓さんからの電話が入りました。・・・真弓さんは、土日も夫は帰らなかったと、ひとしきり愚痴を吐き出します。
調査の時間は終了していますが、こうして、誰にも話せないことを聞いてあげるのも、私たちの仕事です。
「あの、女の後ろに憑いているのは、だんだんはっきりしてきますね。今では痩せた女だってことまでぐらい見わけられますよ。」と、真弓さんは自嘲します。ただし、夫の後ろのものは、見わけられるまでにはいかないようです。ぼんやりとしか、判らないと今日も言っていました。

これは、一概に真弓さんの思い込みだけでしょうか??
確かに、それもあるかもしれません。しかし、夫に浮気された妻は、ある面での意識が異常に研ぎ澄まされていることがあるのは確かです。
それは第六感なんて、甘い感性ではありません。執念や怨念という言葉で、言い換えたほうが適切ではないかと思うことすらあります。

その想いが、異様に霊能力の高いふたり(少なくとも、長女はそういう体質だと私は信じています。(「不幸せの構図」より)の思料のなかで、女に憑いたものが、少しづつ形を露にしていくということが、ないと、誰が言い切れるでしょうか?
それでなくとも、あの真弓さんたちの住む土地は、いろいろな情念が渦巻いています。ここ(わが社)にあるときよりも、そういう霊環境の中にあったほうが、より強い念になる・・とは考えられないでしょうか?

私は、こうしたことをぼんやりとしか体感できませんので、きちんと説明しろと迫られると、途端に言葉を失うのですが、この世には、誰にも判らないことはたくさんあるのではないですか?
明日のあなたも、あなたの本音も、そして伴侶の心の中もあなたは判っているでしょうか?
この、いまの時間の向こう側には誰がいるのでしょうか・・・
そんなことを考えていたら、いつの間にか、「逢魔が刻」を迎えていたようです。窓の外が
夕闇の色に,下から染まっていくのが見えてます。

あなたもこの錆色の中を帰っていくのでしょうか。。。

by sala729 | 2005-06-06 16:14

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