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前のお店と同じように、店内に人はいない・・・と、思っていたら、
いたっ!!・・・右奥のショーケースに隠れるように、とうに70才はすぎている
であろうおばーちゃんが一人ヨロヨロと出てきました。

落款を作りたいと言うと
「だれの?」
ちびがお絵描きで・・と言うと
「うんうん。そんならこんなのどーかね?」
少したどたどしいながら立派な日本語です。

統治時代の名残とは聞いていましたが、おかげて私達は自由にお買い物が
できます。

おばーちゃんが見せてくれたのは、水晶に良く似た変形石で頭でっかちの
ヘチマのような形をしています。
しかし、それが妙に私をくすぐるのです。

「ここに名前を書いてみ。」と促されて、鉛筆でちびの名前を・・
「おぉ、ええ名じゃね」と皺だらけの顔を綻ばせて私を喜ばせてくれます。

「ありがとう。で、私のも欲しいの。」
「うんうん。こんなのもあるけどね。」と、ちびのに良く似ていますが
色が少し赤みがかってなかなかの風情です。
隣に私の名前を書きます。

「それでね、あと二つ。開運印も欲しいの。姓名の入ったもの。」
「この二人のね?」
「いいえ。それはこれとこれ。」今度は促される前に、私は息子と家人の
姓名を記しました。

「ほうほう。息子のね。」にっこり微笑んだおばーちゃんに私も微笑み返します。

二人のは四文字になるので、大きめの四角い石です。

「あ、ほら、Rのは?」
「あーそうだ。すみません。もうひとつ落款が欲しいの。今度は白抜きの字で」

「まだかいな。」笑いながらおばーちゃんは赤味のかかった四角の石を取り出して
きます。
ちょっと変わり物好きな娘にはぴったり。

今夜お願いしていたら、出来上がりは日本に送るというのを、おみやげで
持って帰りたいからと、明後日の夜にホテルに持ってきてもらうことで話は
つきました。

おばーちゃんは始終ニコニコ顔で、話の間に、梅干入りの飴や、乾燥梅干を
ほれ。ほれとくれます。まるで、大阪のおばちゃんの、のりです。(笑)


子供のもにと言えば、リーズナブルなものを薦めてくれて、とても温かい
接客にいい気分です。
お腹もいっぱいだったので、人に優しい気持ちになったことも否定はしません。

ガイドブックには、外のトイレには、ホテルやコンビニをとあったので
セブンイレブンに立ち寄ったのですが、どこをみてもトイレなんかありません。
・・・ガイドブックのうそつき・・・
それから早々にタクシーを拾って、ホテルに帰りつきやれやれ・・・

お部屋から張り出した赤い欄干のテラスで街灯りを見ていると、「旅人気分」
です。

バスタブはしょぼいけど、その分お湯は早く満タンになります。
ぶつぶつと文句を言いながら、台湾の一夜目はこうして終わっていきました。

by sala729 | 2012-11-23 15:16

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