さて、車行き交う路上に降り立った私達は、目の前のセブンイレブンを
目標に、案内の李さんに従って、これまた人で込み合う隘路をゾロゾロと・・

李さんが商店街と呼ぶこの隘路は狭い上に人がわんさか行き交うので、
私の感覚では、初詣の有名神社の参道という雰囲気です。
ここでそれぞれが自由行動。商店街の一番上(ここは上り坂です)で、集合
することになりました。

こんなお祭りの露店街のような雰囲気は大好きです。
左右のお店は、怪しげなお餅やフランクフルト。揚げパンなどが並べられて
呼び込みも賑やかです。

私は、早速「エリンギの胡椒醤油味」を、いただきました。
透明のプラスチックカップ一杯入って30元。(元は日本円で3.2円で換金
しましたから、約90円というところでしょうか。)
これが、また美味しいのなんのって。香ばしい香りと味で家人と二人、見る間に
からっぽ・・・飛行機の乗り降り時にはあんなに、たらふく食べたというのに・・

九扮(本当はニンベンに分なのですが、私のPCでは変換できません。コピーして
ましたが面倒なので、以下はこの字でご了承ください。)
は、ゴールドラッシュと革製品の街です。
金鉱は掘りつくして、今は昔の感がありますが、革工芸はまだまだ盛んで多くの
手作り作品が小さな店の軒先に下げられています。

ちっちゃな小物入れから、大型のメンズバッグまでさまざまですが、なかなか
オシャレな物が多いです。
ダサいビジネスバッグを片手にしていた家人は、目の色を変えて物色中。
白とライトグレーが基調の大型の羊皮のショルダーに目が行きます。
でも、すぐに買わないのが彼のいじましさ。

なんだかんだと、ぐずっています。
一軒目はパス。
二軒目では娘にと、小物革入れ。擬人化したライオン(トラかも・・)が愛らしい
顔しています。背面に名前まで焼きいれしてくれます。

そして三軒目で、またまた同じようなショルダーに遭遇。
しかも、お店のお姉さんは、それはそれは美形です。

プライスカードは8500元。さきほどの店と同じです。
ぐずぐずする家人を尻目に私がお値段交渉。

私は、見栄っ張りなので、普段の買い物で「値下げ交渉」することはまずない
のですが、旅先ではへーきで、出来ます。むしろこれが楽しい。
楽しくて仕方がないのです。
だって、絶対必要じゃないから、交渉決裂したら、買わなければいいだけですもの。

「これいくら?」堂々の日本語(笑)
「おー8500元よ。」と、さも当然そうなおねーちゃん。
 「高いよ。向こうのお店はもっと安かった。」
「いくら?」
「7000元。で、もっと安くしてくれるって言ってた。」
「おー。うーん。そうね。じゃ、日本円でなら15000円でいいよ。」

まさかの大幅ダンピング。しかし、喜色は出さない(笑)

「日本円の方がいいの?」
「持ってる?」
「うん。持ってる。でも15000円は高い。それなら、前の店にする。」
ここで思案のおねーちゃん。

すると家人が横から
「前の店では、8000元から値引きするって言ってたよね。」と、私の今までの
努力を無にするようなことを平気で囁きます。

「あのね私が楽しみでお値引き交渉してるのよ。余計なこと言わないでいて
くれる?」
鬼のような形相(あとでそう言いました。はい。こやつは自分のために戦った
私に対してです。)で、押し止める私の剣幕に、黙る家人。


「判った。じゃ12000円。」
「オーケー。ありがとう。」と、ピースサインでにっこり。やれやれ、家人の
余計な一言は聞こえてなかったみたいです。

私がバックをまさぐってサイフを出すと、またまた家人が
「あるの?」と、自分のサイフもまさぐってお札を出そうとします。

ホントにもう、この人は・・・いくら贋関西人とはいえ、お値下げ交渉下手すぎ。
というより、足ひっぱりすぎ・・(怒)

「余計なことしないで。」

 私は、店の奥に下がったおねーちゃんの後を追って、バッグを袋に詰めるのを
見ながら
「ごめーん。日本円。これだけしかない。」と、一万円と小銭450円をバラバラ。
「これじゃだめ?」と下手にでると、おねーちゃんはパチパチと電卓はじいて
にっこり微笑んで
「いーよ。それでオーケー」と親指を立てます。

電卓はじいて決めたところを見ると、これはこれで利益度外視という訳では
なさそうです。
それならば、このお値下げ交渉というやつも、ひとつのお買い物文化と割り切って
ここでは楽しもうと秘かに決心した私でした。(笑)


「すごいねぇ。まだまけさすかって感じ・・」
「うるさい。電卓はじいていたから大丈夫よ。あれでも損はしてないと思うよ。
 それより、私が気持ちよくお値引き交渉してるときに、余計なこと言わないで
いてくれる?それが今は、とっても楽しいんだからっ。」

「あ、そーなの。楽しいんだぁ。ふーん。そうだったのか。」

この軽い受け方はきっと私の言うことの半分も理解してないと確信しました。
いつものように聞き流しているのでしょう。


石段を降りると、右にオカリナの店があります。
店先からは、「千と千尋・・」のテーマソングが、静かで綺麗な音色で
流れています。
小さなお店ですが、店内はオカリナで一杯。
店主のマダムは品のいい女性で、なんでも彼女の息子さんがオカリナ奏者で
CDを何枚も出しているそうです。
CDも買えと薦められましたが、それはお断りしました(笑)

でも、オカリナの音色があまりに綺麗なので、ここはチビにお土産と
買い求めました。
土色のコロンとした形は亀のようです。
首から下げられる入れ物もつけて可愛いです。
家人はC調がなんとか・・・言っておりましたが、「シー調はあなたよっ!」と
言ってやりたい昂ぶる心を抑えるのが大変・・でしたわ。


その、賑やかな商店街を登りきったところが、展望台みたいに開けています。
そこから九扮の入り組んだ海岸線が一望できます。
午後も時間をすぎると夕闇が仄かに訪れて、所々の明かりが、とてもいい
雰囲気で「古い中国」にタイムスリップしていくようです。それも、一度にでは
なくて、除々に・・

ここで李さんとまた合流して、少し下がると「阿妹茶寮」に入ります。
ここは、非情城市でも度々出てくる九扮の有名店です、
板張りのテラスからは海が見渡せます。
階段の中ほどから店内に入るのですが、ここでは中国茶を楽しむこともできます。

私たちのグループ10名は、もちろんいただきました。

私達の他は、お嬢さんと父母グループ。息子さんと父母グループ。母娘グループ
と、なぜか親子グループばかり。

それでもみなさん楽しそうです。お嬢さん父母グループはとても我儘そうな
お父さんの世話を、上手にいなしているお母さんと、やれやれという風情の
お嬢さん。息子さんに頼りっぱなしの父母グループ。母娘ペアはとても静かです。

それでもみなさん、一緒に旅しょうというのですから、やっぱり仲良し家族です。

お嬢さんのお手前でみんなお茶を美味しくいただきました。

この街は猫も多いですが、ノラ犬も多い。でもそれも頷けるのは、観光客の
食べ残したり、捨てられたりする物の多いこと。
どの犬猫も人に慣れているので獰猛ではありませんが、日本ではちよっと
見られない風景です。

この頃には店の窓という窓の赤い提灯に灯りが点って、とても幻想的。
ますます、千と千尋の世界に入り込んで行きそうです。

アニメで見慣れた階段を駆け降りながら(・・嘘です。一歩一歩確かめながら
です・・笑)降り切るとバスが待っています。
本当によく気のつく手配と感心します。

再びバスに乗ると、今度はそれぞれのホテルに停まってくれます。位置からすると
私達の圓山大飯店が最初みたいです。




高速道路降りて、正面から見ると、その威風堂々はさらに磨きをかけて、まるで
自分が大人物になったような・・・気はしませんが・・笑



真っ赤な服のドアボーイさんの笑顔に迎えられ、入ると、一面真っ赤なロビーの
正面に宝塚の大階段よりも広いかと思われる階段。それが途中で左右に
別れています。
階段の前には紫の胡蝶蘭が数え切れないほどの花をつけて垂れ下がっています。

柱という柱には龍の彫り物。天井も一面が龍です。

ロビーにいる人を除けばまさしくここは「ザ・台湾」というところでしょう。


しかし、チェックインを済ませて、部屋に向かうのにドアボーイさんなしとは
ここらへんがいかにも中国的?


お部屋は早くに予約したのでその特典で、ジュニアスィートが用意されていました。
鍵が少しがたつくのと、古いのはご愛嬌。

入って直ぐの部屋は広いデスクに壁に沿った棚。
正面には6人は座れそうなソファとテーブル。

そして次の部屋は、ダブルベッドが二つ。悠々と収まって、化粧台や物入れ
棚がゆったりと設えてあります。

そしてその二部屋から自在に出入りできる広いテラスは真っ赤な欄干が巡らせてあり
もともとここは高台に立つホテルなので、そこからの見晴らしのよいことと
言ったら、言葉もありません。

スケールという言葉で表すなら「壮大・雄大」以上の言葉が思いつかない自分の
浅慮を恥じます。

このすばらしいホテル。
でも、何しろ古いですから、施設面ではちよっと不満もあります。
一番がお風呂。これはバスタブがちょいチープ。
そしてお湯の温度調整が、日本ほどは親切にできていない。

そして同じ部屋にあるトイレはいかにも旧型。
もっとも、台湾では水事情が悪くて、トイレットペーパーを流せない処も多く
便器の横のポリバケツに入れるようにという施設は多かったです。
でも、このホテルではそんなことは一切なく、気持ちよく流せました(^^)

また、そういう事情のせいなのか、台湾のトイレットペーパーは幅が狭く
ミシン目の間隔が短い。(細かいですかね?)

驚いたのが備え付けているメモに付いてるペン。これってふつーボールペンだと
思うでしょ?
これが、なんと鉛筆。これには笑いました。

それでも、満足が不満を完全に凌駕して、私達はこれから今夜の予定に向かいます。

第一夜のディナーは、何と言っても「台北・青葉」ですよ。
ホテルのコンシェルジュにお願いして予約を取ってもらって、さあ夜からまたまた
出発です。

テラスの向こうはもうすっかり夜です。
カットグラスに反射したみたいな街の明かりがキラキラと煌いて、本当に異国情緒と
いうのはこういう風景を言うのでしょうね。
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by sala729 | 2012-11-21 14:46 | Comments(0)

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