この暑さの中「デンデラ」を見に行ってきました。

上映が始まってから、もう時間がたっているので、一日二回上映ということも
あってか、はたまた男女、年齢問わず1000円という料金の、成果か、なんと
ほぼ満席というご盛況ぶりにはびっくりです。


前から三分の一くらいの場所に陣取ったのは、あの二宮クンの「大奥」以来。
ただ、今回は振り返った家人が「うわぁ、みんなデンデラに出演できそうな
人ばっかり・・」と、ほざいて周りから、思いっきり白い目で見られていたのは
ご愛嬌というえ、自業自得というものでしょう。


もちろん、原作はとっくに読んでいますから、ストーリーは判っています。
雪山シーンばっかりだから、こんな暑い日にはぴったりと言ったのも私です。
でも、本当はこの原作そう好きではありません。

映画の謳い文句は「楢山節考」に続きがあったというらしいのですが、
まぁそれもあたらずとも遠からじ・・とは思いますが・・


私的にはこの「楢山節考」と、村田喜代子さんの「蕨野行」に、「熊嵐」を
まぶしたような作品という印象でした。


それでも、見に行こうと思ったのは、そのキャスティング。
かつて、スクリーンにカサブランカのように咲き誇った、浅丘ルリ子さん。
道端のすみれのように清らかな印象の山本陽子さん。
何やっても、その貫禄で自分色に染め上げる草笛光子さん。
そして、不思議な存在感の倍賞美津子さん。

そのあと、エンディングロールで、結構名だたる女優さんたちが、出ているので
びっくりしました。


彼女らが、ノーメイク(いや、年寄りメイクで)薄汚いというか、ボロボロの
衣類を身にまとって、訛ばかりの言葉を喋りながら、雪の山を転がり落ち、
熊と戦い、身を千切られ、70歳以上の女ばかりの、コミニュティを作る・・
と、なればどんなものか見たくもなるでしょう・・私たち世代としては。



私が子供時代、あの浅丘ルリ子さんは、まさしく生きたバービー人形でした。
(当時はまだリカちゃん人形はありませんでした。)
小さな顔に、くっきりでた頬骨とその上の、まるで漫画の主人公のような
黒くて大きな瞳・・のちにそれがアイラインの魔術と判りますが当時の子供には
そんなこと思いもよりませんでした。

そしてその折れそうなほど細いウェストを、石原裕次郎さんや、小林旭さんは
ひょいと抱き寄せて、いとも軽々と抱きあげていく姿は、夢見る小学生のあこがれ
でした。
(へぇ~そんな時代もあったのか・・と、家人。当たり前でしょっ。生まれた時から
このままであるはずないでしょうがっ!。)


本気で、浅丘ルリ子さんは、トイレにも行かず、オナラなんてするはずがないと
信じていました。
これは、のちに林真理子さんが「RURIKO」でも書いていましたが、まさに
その通りです。

私は、当時、浅丘ルリ子さんは、小林旭さんと結婚するとばかり思っていましたが、
小林旭さんが、美空ひばりさんと結婚すると知った時、幼心に芸能界の力関係を
感じたものでしたが、のちにやはり「RURIKO」を読んで、その時の
浅丘ルリ子さんの心情が理解できました。(余計なことですが。。。)


ともかく、浅丘ルリ子さんという女優さんが、すっぴんでしかも田舎の老婆の
役をするということに、多大な興味を覚え見に行くことにしたのです。

もっともつい先だって「ジーンワルツ」で、老婆を演じ、あれも鬼気迫るものが
ありましたが、あれはまだ、知性と美貌の残る老女医という設定ですから、
今回とは根本が違います。


やっぱり女優さんですね。いや、立派です。
ちりめん皺なんてもんじゃないくっきり皺を惜しげもなく目元に入れて、
なんと最初から、放尿シーンまで見せて・・私の「ルリ子像」を、粉々に
してくれます。

草笛光子さんは、さすがに大貫禄、長いどてら状のものを着て出てきたり
雪崩に向かって両手を挙げるシーンなんて、まるで「十戒」のチャールトン・
ヘストンかと思いましたわ。

それで言うなら、倍賞美津子さんは、チャールズブロンソンみたいで、格好
よかったですね。
あれ、この映画で一番「美味しい役」ですよね。家人が「さすが、猪木の元
女房」と、訳のわからない感心の仕方をしていましたが・・。


ルリ子様に戻りますが、最初、息子に背負われて足をぶらぶらさせながら
捨てられ場所に行くシーンでは、本当にちっちゃな足で、昔を彷彿とさせましたが
そのあとが、例の放尿シーン。思わず目を覆っちゃいました。


そして、熊との戦いではなんと、尖った木切れを熊の右目に刺しこんじゃったり
するのです。
ぼうぼうと伸びた髪を石で、すりきりながら、短髪にしたルリ子様は、確かに
前より若返っている(笑)
白髪も少なくなっているし、足元もすっくとしっかり立っている。


おお!環境が変えたのかっ・・・・


ラストシーンは、原作とは少し違うのですが、あれはあれでよしかなとも思います。

家人は、熊が出てきてからは、コメディかと思ったなどと言いますが、私は
違う映画の見方をする楽しみが増えたような気がします。

ラストシーン近くで、顔を真っ黒にした、浅丘ルリ子さんと山本陽子さんが
にやっと笑いあうところがあるのですが、日活アクション全盛期を知っている
身にすれば、これはこれでとても楽しい。

ただひとつ、とても残念だったのは、初めは爪の中も真っ黒で、違和感なかった
のですが、最期になると、爪がとても綺麗な形で白く伸びているのです。
爪を切るなんてことはできないにせよ、あんな野生生活で、先が尖って
白くなっているなんてことは、あまりにリアリティ無視。


でも、映画が終わって、外に出てきたときは、確実に少し涼しくなっていると
感じたと、私が言うと
「そりゃあもう日が落ちてるもの。」と、情緒のないこと言うのです私の
パートナーは・・・
今夜の、だし巻き卵の中に小石のひとつでも入れてやろうかなと、秘かに心に
決めた私です。
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by sala729 | 2011-07-05 16:52 | Comments(2)

Commented by おりがみ at 2011-07-10 15:32 x
>だし巻き卵に小石
「八甲田山」を見に行った時、私はセーラーの夏服を着てましたわ。(遠い目)

リリーが大好きなので、見に行こうっと。
Commented by sala729 at 2011-07-10 19:22
お元気のようでなによりです。
たし巻き卵に小石はさすがにやめました。歯医者さまのご厄介に
なったりしたら、何してるかわかりません(笑)
代わりと言っては何ですが「卵の殻」にしておきました。(^^)

トラさんですね。< リリー
ぜひ行ってください。全編雪山です。見終えたら涼しくなりますよ。

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