その電話は、妻からのものでした。
「夫が不倫をして、相手女性と別れたいと言っています。別れる話をする前に相手がどんな女なのか知りたいのです。」
これは、ちょっと珍しい話です。
夫の不倫が発覚して、その相手のことが知りたい・・という相談は山のようにあります。
しかし、この中畑夫妻(仮名)の場合は、夫は妻に不倫を告白して、女とは別れる。だから
その前に女のこと調べたいと言った・・そう言うのです。

お宅に伺うと、夫婦で待っていました。夫はノートを取りだし、今までの経過を話はじめ、妻は合槌を打ちながら聞いています。これって、活字で見たら、うんうんそうか・・って思うかもしれませんが、状況的にはかなりへんなのですよ。
もの判りのいい妻・・・と、いうべきなのでしょうか・・・

夫は会社で出入りしている某保険会社の保険レディに誘われて、援助交際していたと言います。一回なんと5.000円!(50.000円ではありませんよ。念のため)
この金額を会社で、話したとたん、「や、やすい!!」と、驚嘆の声(?)があがりました。
で、何回か関係をもって、半年。今月の始めに、彼女から「妊娠」を告げられました。彼女も、もちろん夫も子供もあります。

妻は「私は、ある程度の遊びは許してたんです。男ですから・・。この人いー人だから、それもしょーがないって・・でも、今回だけは、ほっとけないなって思って・・それで相談の電話してみたんです。ね、智ちゃん(夫に名)、だからあんたが考えているほど、簡単な話じゃないのよ。」
・・・・・ちょっと、ざらつくこの感覚はなんなんだろうと思いを巡らせて、気づきました。
中畑さんは、ご夫婦の会話というより、母親と息子の会話のようなのです。

夫は妊娠の有無を疑っていました。そして、堕胎費用を請求されていることにパニックになって
仕事を休みつづけているのです。
彼自身にも子供がふたりいて、大手の自動車販売会社の中間管理職の人が・・ですよ。ちなみに妻は専業主婦です。
「ほら。はやくメモして。・・・これもよっ」
妻の指示は飛び交います。夫は黙ってそれに従います。

こういうのも夫唱婦随・・というのでしょうか。
妻の主導で、調査をするということを決めたものの、なんとも頼りない限りです。
この夫婦の最後の会話・・・
「どーする?、どーするのよ。うちは貯金なんて一円もないのよ。」
「でも、しないわけにはいかんだろ。」
「そーね。でも、どーする?」

・・・・・・・・・どちらでもいいですげとね、私も忙しいのです。
お二人の、会話は私が帰ってから、ずっとお続け下さい・・・いつまでも・・・ずっと・・ね。

私が帰社してものの10分もたたない間に電話がありました。
「お、女からのメールです。どう返事しましょう??」と、うろたえた夫の声。
「つ、妻がなんでもAさんに指示してもらえと・・」
・・・・・・苦笑・・・・失笑・・・・・微微笑・・・・・笑・・・・・・なんといえばよいのか・・・・

そして、その夜・・・
再び夫から電話が入りました・・・
「あの・・その・・・やっぱり調査やめます。・・・・うち、お金ないんです・・。妻と相談して
一から考え直そうって・・」

はいはい・・・。結構ですよ。

きちんと自分のやりたいこと、求めていることを、ご相談くだされば、お力にはなんでもなれます。しかし、こうして、ふらふらと考えが変り、気持ちがぐらぐらと揺れる方に、渡す処方箋はありません。

あなたの、大好きな「ママ妻」に、これからもなんでもご相談なさい・・・と、いう言葉を呑み込んで
「はい。承知いたしました」と、私は電話を切りました。
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by sala729 | 2005-04-12 21:44

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